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○ 農林水産委員会

[1] 農地法の一部を改正する法律案(内閣提出第3号)

成立(平成12年法律第143号)

本案は、農業経営の法人化を推進し、その活性化を図るため、農業生産法人について、一定の株式会社を認めるほか、その事業及び構成員の範囲の拡大その他の措置を講ずるとともに、農地の権利移動許可の下限面積要件を弾力化する等の措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 農業生産法人の要件の見直し

(1) 法人形態として、定款に株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定めのある株式会社を追加すること。

(2) 法人の事業の範囲を拡大し、主たる事業が農業であればよいこととするとともに、法人の構成員となることができる者に地方公共団体を追加し、また、役員の農作業従事の程度を緩和する等の措置を講ずること。

2 農業生産法人の要件適合性を担保するための措置

農業生産法人が、毎年、事業の状況等を農業委員会に報告することを義務付け、農業生産法人がその要件を欠くおそれがある場合には、農業委員会が勧告することができる等の規定を設けること。

3 農地の権利移動許可の下限面積要件の弾力化

農地の権利移動許可の要件となっている下限面積について、都道府県知事が地域の実情に応じて独自の面積を定める際の農林水産大臣の承認を廃止すること。

4 小作料の定額金納制の廃止

農地の流動化の促進に資するよう、小作料の定額金納を義務付ける規定を廃止すること。

5 事務区分の変更

地方分権の推進を図るため、2ha以下の農地転用許可等に関する都道府県の事務を自治事務とすること。

6 罰則規定の整備

農地の適正な利用を確保するため、偽りその他不正の手段により許可を受けた者に対する罰則を新たに設けるほか、罰金額の引上げ等の措置を講ずること。

7 施行期日

この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。

(修正要旨)

附則に「政府は、この法律の施行後5年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況等を勘案し、国内の農業生産の増大を図る観点から、農業経営の法人化の一層の推進等の農業の多様な担い手の確保のための方策及び農地の転用制限の在り方等の優良な農地の確保のための方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」との検討条項を追加すること。

附帯決議(12.11.8)

政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、地域農業の活性化、望ましい農業構造の確立、創意工夫を生かした農業経営の展開を図り、もって我が国農業の持続的発展に万全を期すべきである。

1 農業経営の法人化に当たっては、家族経営が農業経営の大宗を占める現状等にかんがみ、家族経営の活性化、集落営農の推進、農地の保全・管理を行う第三セクター等の活用等と併せ多様な担い手を確保する視点に立って、適切にその推進を支援すること。その場合、地域農業の関係者による協議の場を設け、その機能の十分な発揮を確保すること。

2 株式会社形態の導入等農業生産法人の要件見直しに伴い、農地の投機的取得等の懸念を払拭するため、農地の権利移動段階における審査、農業生産法人の活動段階における報告・立入調査・勧告・あっせん等の措置、法人の要件を欠いた場合における指導・あっせん・買収の措置を厳正に実施すること。また、これらの措置の的確な実施が確保されるよう、農業委員会の役割を見直したうえで実施体制の整備を図ること。

3 国内農業生産の増大と食料自給率の向上を図るため、農業生産の最も基礎的な資源である農地の確保に万全を期すること。このため、国、地方公共団体による公共転用等が安易に行われることのないよう、関係機関に対して周知徹底を図ること。

4 農地は公共性の高い財であるとの認識のもと、農地転用の在り方を含め、農地の利用や必要な農地の確保等に関連する諸制度の在り方について、総合的かつ一体的な実施を図る観点に立った検討を行うこと。また、農地の有効利用が図られるよう、耕作放棄地の解消に向けた取組みを強化すること。

5 地域農業の新たな担い手を確保する観点から、脱サラ農業者・定年帰農者等農外からの新規参入を含め、新規就農の確保のための支援策の充実を図ること。

右決議する。

[2] 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案(内閣提出第9号)(参議院送付)

成立(平成12年法律第123号)

本案は、最近における家畜の伝染性疾病の発生状況の変化等に対処し、より効果的かつ効率的な家畜防疫制度を構築するため、所要の措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 国内の防疫体制の整備

(1) 家畜防疫員が家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときに行う患畜となるおそれがある家畜の移動禁止について、その期間の上限を21日に延長するものとすること。

(2) 都道府県知事又は市町村長が家畜伝染病のまん延を防止するため緊急の必要があるときに行う通行遮断について、その期間の上限を72時間に延長するものとすること。

(3) 家畜防疫員は、家畜伝染病のまん延を防止するため緊急の必要があるときは、一定の家畜伝染病の患畜又は疑似患畜について、自らこれを殺すことができるものとするとともに、これらの死体について、自らこれを焼却し、又は埋却することができるものとすること。

(4) 都道府県知事は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、家畜伝染病の病原体により汚染し、又は汚染したおそれがある物品の所在した倉庫、船舶、車両その他これに準ずる施設の所有者に期限を定めて当該施設を消毒すべき旨を命ずることができるものとすること。

2 輸入検疫の強化等

(1) 穀物のわら及び飼料用の乾草を、指定検疫物等として指定できる物の対象に追加するものとすること。

(2) 農林水産大臣又は都道府県知事が家畜の伝染性疾病を予防するため必要があるときに行う報告徴収について、その対象に飼料の製造、輸入又は販売の事業を行う者を追加するものとすること。

3 施行期日

この法律は、公布の日から起算して10日を経過した日から施行するものとすること。

附帯決議(12.11.15)

政府は、本法の施行に当たり、最近における悪性伝染病の発生状況や畜産経営の規模拡大等の現状を踏まえ、左記事項の実現に万全を期すべきである。

1 家畜の伝染性疾病の発生予防及びまん延防止措置を効果的かつ円滑に実施するため、防疫措置の基本的方向及び国、地方公共団体、関係団体、畜産農家、民間獣医師等の役割分担等を示す指針、計画を早急に策定・公表し、国民の理解と協力を得られるようその周知徹底を図ること。

2 万全な家畜防疫体制を構築するため、家畜保健衛生所、家畜衛生試験場及び動物検疫所の機能の充実を図るとともに、関係団体・畜産農家等による自主的な防疫措置に対する支援、海外悪性伝染病の専門家の養成・確保、研修等を通じた家畜防疫員及び獣医師の一層の資質の向上に取り組むこと。

3 今回の口蹄疫の発生原因等の調査究明に引き続き努めるとともに、輸入検疫を的確に実施するため、海外悪性伝染病等に関する情報収集及びその発生防止のための国際協力を積極的に推進すること。指定検疫物等の指定については、海外における家畜の伝染性疾病の発生状況、国際物流の動向、家畜の飼養形態の変化等を踏まえ適切に行うこと。

また、慢性疾病の発生予防や動物由来感染症対策を推進するほか、豚コレラワクチン接種中止に伴う生産者の不安を解消するため、その衛生管理水準の向上、防疫体制の一層の整備に努めるとともに、引き続き狂牛病等伝染性海綿状脳症の発生メカニズムの研究及び防疫方法の確立に努めること。

4 大量の殺処分が行われた場合等における焼却・埋却場所の確保策等について早急に検討を進めるとともに、畜産経営への影響を最小限に抑えるため、生産者等による自主的な互助基金の創設等発生農家の負担軽減を図る仕組みを検討すること。併せて、家畜共済への一層の加入促進を図ること。

5 わら、乾草を介した海外からの口蹄疫の侵入防止、飼料自給率の向上、畜産物の安全性の確保を図り、ひいては循環型社会を形成するため、国産稲わらの自給体制を構築するとともに、耕種農家と畜産農家の連携を図る等その円滑な流通及び利用促進のための対策を充実・強化すること。

右決議する。


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