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5 衆議院改革に関する調査会の答申

衆議院改革に関する調査会は、綿貫民輔衆議院議長から委嘱を受けた委員12名で構成され、瀬島龍三氏(NTT相談役)を会長として、平成13年4月2日に第1回調査会総会を開催・発足した。(同調査会要綱は参考1)

調査会においては、綿貫議長から諮問された [1]政治倫理に関する事項 [2]国政審議の在り方に関する事項 [3]議員の諸経費に関する事項について、それぞれ部会を設け、延べ32回にわたる精力的な調査・討議を行った。また、定期的に調査会総会を開催し、3部会の討議におけるテーマについて委員全体で討議を行った。

さらに、これらの討議を踏まえ、答申案起草委員会を2回開催した後、11月19日の第6回調査会総会において答申案を決定し、同日、瀬島会長から綿貫衆議院議長に『衆議院改革に関する調査会答申』が手交された。(同調査会答申は参考2)

なお、調査会答申については、同月22日の議会制度協議会において、綿貫衆議院議長から報告がなされた。

参考1

衆議院改革に関する調査会要綱

1 名称

衆議院改革に関する調査会

2 構成(委員12名)

会長 瀬島 龍三君(NTT相談役)

会長代理 加藤 寛君(千葉商科大学学長)

第1部会(政治倫理に関する事項)

    部会長 加藤 寛君(千葉商科大学学長)(兼)

        稲盛 和夫君(京セラ名誉会長)

        氏家齊一郎君(日本テレビ放送網社長)

        鷲尾 悦也君(日本労働組合総連合会会長)

第2部会(国政審議の在り方に関する事項)

    部会長 羽佐間重彰君(フジサンケイグループ代表)

        石原 信雄君(地方自治研究機構理事長)

        上田 章君(弁護士・元衆議院法制局長)

        長岡 實君(資本市場研究会理事長)

第3部会(議員の諸経費に関する事項)

    部会長 諸井 虔君(太平洋セメント相談役)

        木村 慶子君(慶應義塾大学教授・医学博士)

        屋山 太郎君(政治評論家)

3 調査事項

(1) 政治倫理に関する事項

(2) 国政審議の在り方に関する事項

(3) 議員の諸経費に関する事項

参考2

衆議院改革に関する調査会答申

衆議院改革に関する調査会は、本年4月、綿貫民輔衆議院議長から委嘱を受け発足して以来、国民の視点に立って、議会の外から議会政治のあるべき姿や政治家の理想像を追究すべく、「政治倫理に関する事項」、「国政審議の在り方に関する事項」及び「議員の諸経費に関する事項」について精力的に論議を重ね、本日ここに、答申を取りまとめましたので、御報告いたします。

平成13年11月19日

衆議院改革に関する調査会

会長 瀬島 龍三

会長代理 加藤 寛

石原 信雄

稲盛 和夫

上田 章

氏家 齊一郎

木村 慶子

長岡 實

羽佐間 重彰

諸井 虔

屋山 太郎

鷲尾 悦也

衆議院議長 綿貫 民輔殿

一、答申の基本理念

国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。それを構成するのは、主権者たる国民の代表として国政を信託された国会議員である。国会議員は、この厳粛な地位に深く想いを致し、職責の遂行に真摯に取り組むことが望まれている。

ということは、国民の代表として、国会議員には、議員活動を遂行するにあたって高度な倫理性が求められることはいうまでもない。

国会議員は、かりそめにも国民から疑念や不信感を抱かれることのないよう自らを律する厳しさが求められる。

それは単に、国会議員は、一部の利益団体の代弁者であってはならず、広く国家の利益・国民の福祉を念頭に専心、行動することを意味しており、それが社会的に認知された倫理である。

にも拘わらず、未だに国民の信頼や期待に応えられない事件が散見されることは残念至極と言わざるを得ず、個々の国会議員の倫理性の喚起と国会としての自浄能力の発揮を強く求めるものである。

その意味でも、政治倫理確立に向けた何らかの立法措置を早急に講ずる必要がある。

政党は、国民の意思を統合して国家意思を形成すべく活動する重要な団体であり、自ら存在意義を十分に認識した行動をとることが強く望まれる。

国会が議会制民主主義を体現し、国民の負託に応えようとするならば、その時々の国民的諸課題に迅速に取り組み、審議を通じて個人または一部団体利益の代弁者の立場をこえて、国民の期待と要望に的確に応えて行くことが肝要である。

そのためにも、国会は実質的な論議を行い、国会審議の形骸化を打破すべきである。

国会審議を実質化させるためには、国会が言論の府として、本来のあるべき姿に立ち返り、本会議、委員会等の表舞台で審議を活性化させることが何よりも重要といえる。

国会審議の活性化・実質化とともに重要なのが、国会運営の透明性である。国会運営は、与野党の共同責任のもと、飽くまでも国民の目に見える形で行われるべきであり、これによって活性化され実質化される。

国会議員が以上に述べた職責を十全に遂行できるようにするためには、ソフト・ハード両面での一層の環境整備が必要である。ソフト面では議員の政策立案の補佐をする立法調査機能の拡充強化が、ハード面では議員活動の拠点ともいうべき議員会館の整備が図られなければならない。

昨今の情報技術の進歩や情報公開の進展と相俟って、国民の国会に寄せる関心は、これまでにも増して高まってきている。国会情報公開のための機関を設置するなどして、国民と国会とを双方向で繋ぐ情報のネットワークを構築する必要がある。

折りから、世は聖域なき構造改革を迫られている。それは、国会といえども決して例外ではない。

国会議員は、広い視野と深い識見をもち、かつ従来の発想に捉らわれることなく、真に国民の視点に立った国会改革に果敢に取り組んで行くことが強く求められる。

本答申の具体化・実現化が早急に図られることを強く求めるものである。

二、政治倫理の確立に向けて

─政治倫理基本法の制定─

我々国民は、個々の政治家に対し、選挙を通じて国政について信託を与え、すべての政治家が、国のため、国民のために国会議員としての職務に精励することを期待している。

国会議員は、主権者たる国民の信託を受けている特殊な地位にある者、強大な権限を有する者である以上、社会的認知を受けた高い倫理観を有していることが求められている。

しかし、現状に目を向けてみると、我々国民からは、国民全体の利益でなく、私的利益を求めているのではないかとの疑念が拭い去れないような場合もまま見受けられることは遺憾である。自らの秘書の給与を詐取する等、議員としての資質を問われる事件が現出しており、また、詐欺事件で収監中にも拘わらず歳費が支給され続ける制度が放置される等、政治家に対する国民の信頼は残念ながら揺らいでいるといえる。

政治倫理は、まずは国会議員が道義的、信条的に自らを律する問題であるが、議院で辞職勧告決議案を出されるような事件を起こしても道義的責任を感じないような議員が存在することも事実である。

議員の身分は、国民の選挙により与えられるものであり、多数決をもって簡単に剥奪して良いほど軽いものではない。とは言え、そのような事件を起こしたにも拘わらず議員の地位にとどまり続けることは、一議員の問題ではなく議院全体に対する国民の不信を増幅することになりかねない。

政治倫理は、社会的認知を受けることによって法律で律せられるものであり、政治家の倫理に関する基本法を制定し、国会議員として守るべき規範を明確にし、議員活動の公正性と透明性を高める必要がある。

現在、政治倫理綱領、行為規範、資産等公開法、政治資金規正法など政治倫理に関係する多数の法令等は、現実の事件、疑惑を契機として、その都度、いわば対症療法的に作られたものが多く、全体として見た場合、必ずしも、政治倫理が求められる思想が明確でないため、時代に適合し、整合性をもった『政治倫理基本法(仮称)』を新たに制定すべきである。

『政治倫理基本法』を制定する際には、少なくとも、議員辞職勧告決議案が議院で可決された場合の議員身分の剥奪、議員の資産公開における資産の増減が明確になる制度、議員の資産報告等の内容をチェックするための第三者機関の設置を織り込むべきである。

議員の活動に対しては、議院の自律権として、懲罰制度が存在するが、これは議員が組織体としての院内の秩序を乱した場合の行為に限定されている。

しかし、我々国民の目から見ると、国会議員に求められる倫理は、ひとり議院内の秩序を乱した行為に限定されるものではなく、院外における行為であっても、議員としての信用失墜行為を対象とすべきである。それが社会的認知を受けた倫理の基本である。

三、国政審議の活性化、実質化、透明性に向けて

民主政治は、議論を通して相手を説得し、如何に社会的な認知を得るか、そういう努力の過程を経て、初めて実現されるものである。

我々国民の目に映る国会の審議は、討議と説得を通して最善の選択を行うという本来の意味での国会審議とは見えにくく、また、政策決定過程の大部分が国民にとって透明性を欠くものとなっている。

国会審議の現状は、事実上結論が出てしまっている問題を、厳しい党議拘束の下、与党が野党の抵抗を排しながら如何に「出口」に辿り着くかというスケジュール闘争の場になりがちであり、実質的な議論や利害調整は、いわゆる政党の部会などにおける事前審査、政府と与党の予算折衝、政府と業界との調整という、一般国民の目の届きにくい所で行われている。

このような現状を打破して国会が本来の姿を取り戻し、選挙で選ばれた国民の代表者が英知を集め、「表舞台」で議論を重ねた上で最終的な意思決定を得るように国会審議の在り方を改善すべきである。

また、政治と私的利益の癒着を防止し、政治倫理を確立するためにも、国会審議を活性化し、実質化させ、国民の前にオープンな形で議論し、調整することが必要である。

国民生活にかかわる問題等について、委員会や本会議における議論を通じて有権者に政策の争点を明らかにすることが重要であり、このことは、与野党を問わず、それぞれの立場で国民に対し説明責任を負っているといえる。

国民の側からは、国会における意思形成の過程が明らかであって、次回の国政選挙の判断材料となることが重要である。

以上のような観点から、次の具体的事項を提言する。

(一) 「党首討論」はシャドーキャビネットも視野に入れる

国家の基本的な政策について大所高所から議論を行う場とし、その際、可能な限りテーマを事前に公表し、国民に関心を持たせるようにすべきである。

また、党首間の討論に限らず、テーマに合わせて、担当大臣と野党の担当政策責任者間の討論も行えるようにすべきである。

現行の討論時間の40分についてはそのままとし、その代わり、原則として毎週開催するようにすべきである。

また、質問が重複したり、細切れで終わったりしないよう野党間で質問者等の調整を行うようにすべきである。

将来的には、いわゆるシャドーキャビネットの制度化を図り、それに対する財政的支援を行うことも検討すべきである。

(二) 予算委員会の議論は予算に即したものとする

予算委員会は従前より国会審議の中心として国政全般にかかる議論がなされてきたところであるが、平成12年に国家基本政策委員会が設置されたことに鑑み、国家の基本的な政策についての議論は国家基本政策委員会に譲り、予算委員会では、予算の骨格となる「外交・防衛問題」、「経済政策の在り方」、「財政・税制問題」、「社会保障制度の在り方」等について議論を行うことが望ましい。

予算に関係しないいわゆるスキャンダル等は、政治倫理をテーマとした質疑の機会と場所を別途設けて行う等、予算審査は、できるだけ予算に即して行うようにすべきである。

(三) 国会運営は議院の公式機関が行う

現在の国会運営を見るに、議院内の公式機関ではなく政党の一機関にすぎない国会対策委員会間の協議で、議院運営委員会をはじめとする全ての委員会運営に関する事項が事実上決定されているために、その交渉過程が国民の目に分かりにくく、国民の政治不信を助長しているのではないか。

国会運営に関する事実上の権限を議院運営委員会をはじめ各委員会に取り戻し、その議論の過程を国民に明らかにすることが、国民の政治不信を払拭する点からも重要である。

(四) 党議拘束を緩和する

法律案や予算が国会で審議されて決まるという過程が国民から見て明らかになるようにするため、与党の事前審査は、政府の原案が決まった後に行うようにすべきである。また、事前審査は、政府提出法律案の国会提出の是非と時期の判断に留め、後は国会での議論を通じて、最終的な政党としての判断ないし党議拘束を行うように改めるべきである。

(五) 請願を積極的に活用する

請願は憲法第16条に定められる国民の重要な権利である。請願審査の在り方について、ハンセン病問題で指摘された国会の立法不作為を契機として、その問題点が改めて問われることになった。

請願の内容をどのように処理するかについて、一義的には送付を受けた行政府の判断を待つとしても、国会自ら、請願を立法措置を講ずるための重要な判断材料として積極的に活用すべきである。

(六) 本会議趣旨説明は制度本来の姿に戻す

各会派は、本来の制度趣旨に立ち返り、本会議の趣旨説明がなされた後でなければ委員会に付託しないという、いわゆる「つるし」を議院に提出された法律案のほとんどすべてにつけるべきではなく、真に趣旨説明を聴取したいものに限り、その要求をするように改めるべきである。

議院に提出された法律案は、直ちに委員会に付託し委員会の審査を待って本会議に上程するという委員会中心主義の原則にのっとり、議院運営委員会としては、本会議で趣旨説明を聴取し全議員に周知徹底させるべき法律案を厳選し、その他の法律案は直ちに各委員会に付託し、各委員会の判断で審査を行わせるよう改めるべきである。

(七) 国会会期を長期化する

国会は、目まぐるしく変化する国際情勢、政治・経済・社会情勢に、幅広く且つ即効的に対応できるものでなければならない。

会期制及び会期不継続の原則は、議会制度の根幹をなすものであり、特に憲法が会期制を前提にしていることからたやすく変更できるものではないが、常会(通常国会)の会期はより長期なものとすることが求められる。

このことにより、国民生活に関わる重要法案について、時間を充分にかけて論議し、国会としての意思決定を行えるというメリットが生まれる。

その際、会期の長期化に伴う行政への影響を少なくするために、会期中重要な国際会議等に大臣が出席する必要がある場合、本会議・委員会での答弁を副大臣・政務官が行うことを幅広く認めることにする等、積極的に活用するルールを確立すべきである。

四、議員の諸経費等について

現在、我が国においては、戦後連綿と続いた諸制度が硬直化し、国際情勢や社会経済基盤の変化、国民意識の変化に対応できなくなりつつあり、あまたの分野で制度の再構築が喫緊の課題となり、社会全体の構造改革が求められている。

これら社会全般の構造改革に対して、国会だけが例外、聖域であるというわけにはいかないことは当然であり、現行制度の存在理由及び妥当性を個別に検証して合理化を進め、制定当初の趣旨が現在において既に喪失していると考えられるもの、あるいは他に代替するものが整備されているにも拘わらず依然として存続している制度は改廃すべきである。

その中においても、国会議員が議員としての活動を充分に行い、国民の負託に応えていくため必要な制度や経費を維持、整備することは国民の理解を得られるものと考える。例えば、議員歳費については、欧米との比較において妥当な金額といえるものであるが、今般の国の財政事情、今後の構造改革への取り組みの視点から、これを引き下げるべきとの意見もあった。

いずれにせよ、議員活動にかかる経費等の国民への透明性を高めていく方策を講じていくことが大前提でなければならない。

 以上のような観点から、次の具体的事項を提言する。

(一) 議員の歳費に日割り支給を導入する

議員の歳費については、任期開始時及び終了時に一ヶ月のうち数日しか在職していないにも拘わらずその月分全額支給されることは国民感情から理解されるものではない。これらの場合の歳費は日割りで支給すべきである。

収監中又は登院停止の議員に歳費を支給することは国民感情に反する。議員の身分の保障の問題もあろうが、議員としての職責を果たし得ない以上、供託等何らかの方策を講ずるべきである。

(二) 永年在職議員の特典を廃止する

永年在職表彰議員特別交通費及び肖像画並びに憲政功労年金については、永く議員を勤めたこと、それ自体は名誉なことであるが、特典をもって報いることが必ずしも適当であるとは考えられないので、これらは廃止すべきである。

また、弔慰金については、現在、年金制度、公務災害補償制度が整っており、国会議員のほかに同種の制度が見当たらないこともあり、これを廃止すべきである。

国会議員互助年金は議員の退職金を年金で支給するものであるが、現在、給付財源のうち国庫の負担が70パーセントを超えており、議員の納付金の総額と国庫負担の額との均衡を失している。年金給付額の引き下げや納付金の引き上げなど収支の均衡が取れる方策を講ずるべきである。

(三) 立法事務費及び文書通信交通滞在費の使途を明らかにする

立法事務費については、政党交付金の制度ができたのだから、現行の会派支給を止め、これを議員に支給し、議員の立法活動の使用に供するべきである。

立法事務費及び文書通信交通滞在費は実費弁償的なものであり、議員活動に必要不可欠であるものの、領収書等を付した使途の報告書の提出を義務付け、報告書を閲覧に供するべきである。

(四) 新議員会館及び議員宿舎を建設する

現在の議員会館は、経年に伴う老朽化の進行、議員事務室の狭隘化、高度情報化への対応の不備等のため議員活動に支障を来している。

現在、国会において国会等の移転について結論を導くための議論がなされていることは承知しているが、仮に移転候補先が決まったとしても、物理的に移転作業を進めるまでにはかなりの期間を要し、それまで現議員会館を使い続けるのでは、議員活動に著しい支障を来すことになるので、早急に新議員会館を建設すべきである。

議員宿舎についても、経年に伴う老朽化が著しいため新たな議員宿舎を建設する必要がある。

(五) 会派割り当て自動車を民間借り上げとする

会派割り当て自動車については、都内を移動する場合等議員の交通手段として必要であるので存続させることに異論はないが、民間借り上げ方式にする等効率化を図るべきである。

(六) 議員秘書の氏名、経験年数を公表する

秘書制度を、雇用人数、給与等の決定で、もっと弾力的な運用が図れる「総額一括方式」のようなシステムにし、その際は、使途について国民がチェックできるようにするため、厳格な採用報告書等の提出を求めてはとの考えもあるが、現行の秘書制度は、明確な勤務時間等の基準のない弱い立場にある秘書の身分の安定を図ってきたという側面があり、制度を変えることは秘書に重労働と低給料をもたらしかねず、結果的に秘書の質が低下しかねないとの懸念もあり、将来は弾力的な運用が図れる秘書制度を検討するとして、当分の間は現行制度を維持することとする。

また、政策担当秘書の活用の観点から、政策担当秘書を政党に適宜派遣し、専門集団として政策立案に積極的に関与させたらどうか。

なお、秘書の採用等をめぐる不祥事の再発防止を図るため秘書の氏名及び秘書経験年数は公開すべきである。

(七) 衆・参事務局組織の統合を推進する

事務局の組織は、すべて何らかの形で全体で議員の活動を支えているものであるが、国会の機能をより一層充実、強化させるためには、事務局組織の見直しを行うことも必要である。

その際、時代の潮流、議員のニーズに応じて不断に見直しを行い、廃止すべきもの、民間に委託すべきものを自ら整理し、経費を削減すべきである。

憲法が二院制をとっているからといって、衆参両院の事務局組織がすべて独立している必然性はないと考える。

両院の審議の独立性を阻害しない範囲で、すなわち、審議の機関に当然付置しなければならない部門は別にして、ことに国会全体の機能を一層充実強化させるために必要な部門、たとえば衆議院、参議院、国立国会図書館にある調査部門及び立法補佐部門についてスケールメリットの観点から両院の協力において、何らかの統合をすべきものと考える。

また、衆・参両院における速記方法の統一等、事務の効率化を進めるべきである。

(八) 国会情報を高度情報化時代に即応した方法で発信する

国民が、国会情報、議員や本会議、委員会等の活動情報を知り、理解することは民主主義にとって有意義なことであるので、これらの情報をより迅速、詳細かつ容易に入手できるよう、広報活動強化のための『国会情報センター(仮称)』を設置すべきである。

同センターでは、インターネットや国民にとって最も身近なメディアであるテレビチャンネルを活用し、双方向での情報の受発信が可能となるようにすべきである。

また、それらの情報を諸外国により広く知らしめることは、我が国に対する理解を深める上で重要なことであるから、外国に対する情報提供についてもより一層充実させるべきである。

議員が院の派遣によって、海外において各国の議会制度等を研究し、また、議会人と交流した場合、報告書の提出を義務付け、閲覧に供するべきである。


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