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21世紀における国会の役割

ニューヨークを中心に行われた何人も予測出来なかった今回のテロは、ブッシュ大統領をして新しい戦争とまで言わせた。

たしかに、この事件は世界の歴史観も我々の価値観までも変わらざるを得ないような人類にとってかつてない不幸な事件であった。

国会議員生活32年、何事か起こると必ず聞かされた議論は、「先例があるのか」とか「先例によれば」ということであった。

しかし、これからは先例のない事件に対して、国会はスピーディーに対応しなければならない。

かつてのように国会は役人の作ってきた法律を審議するだけの場所ではなく、国会自らが新しく起こってくる問題や事件に対応することが求められてくる。

竹下内閣が誕生した際、与党の国会対策委員長に就任して、最初に竹下さんからいただいた御指導は、「国会の運営については出来る限り野党の意見を聞いてやれ」ということであった。

たしかに、与党が衆参両院で過半数をもっているから、すべて与党の言うとおりに国会が運営されて良いというなら、次の選挙まで国会はいらないということになってしまう。

ただそのためには、野党もかつての55年体制と言われた時代のように何でも反対の万年野党では駄目だ。野党も、常に、明日、自らが政権につくことを意識しての責任野党でなければならない。

1969年私が国会に出た頃は、野党の審議拒否により、時には1ヶ月も審議が開かれず国会が空転した。

私が副議長に就任して4年余になるが、「空転国会」という活字は新聞の見出しになくなってしまった。

私は、このことは大変良いことだと思うし、それだけ与党も野党の意見を尊重してほしいと思う。党利党略の国会よりも国民本位の国会が定着してほしいと思う。

私は政治家を志して早稲田大学に入学した。当時、三木武吉、石橋湛山、緒方竹虎、鈴木茂三郎、淺沼稻次郎といった先輩が政界で活躍しており、夢多き青春をおくることが出来た。

今、議長席について議席を見ると、海部俊樹、藤波孝生、森喜朗君等かつて早稲田で共に学んだ友人達が座っている。この前までは小渕恵三君の姿も見えた。

今、自らの32年の国会生活をふりかえると、かつて我々が学生時代にあこがれた齋藤隆夫、中野正剛という先輩達には残念ながらはるかに及ばないような気もする。

政治が良くなったのか悪くなったのか、これはむずかしいところだけれども、21世紀は、英雄主義の時代は終わって集団指導の時代になったのかもしれない。

たまたま小泉首相が自民党再興の英雄にならんとしているが、これも、私から言わせれば、タイミングが良かったことと、マスコミ特にテレビが創り出した一時的な英雄であって、長い歴史の中では緒方竹虎や石橋湛山には及ぶべくもないような気もする。

国会と政党、政党と政治家、その功罪は歴史が決めることだが、21世紀の日本を考えるとお互い真剣に立ち向かわなければならない事だと思う。


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