衆議院

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第4 衆議院改革の動き

1 議会制度協議会

衆議院改革に係る諸問題については、衆議院議会制度に関する協議会(以下「議会制度協議会」という。)を中心に検討が進められている。

議会制度協議会は、第51回国会昭和41年3月10日の議院運営委員会の決定により設置された。同協議会は、議長の諮問機関として、議院運営委員会の委員長、理事等で構成され、議長及び副議長出席のもと、構成員相互の間で、その時の当面の問題ばかりでなく、議会制度全般の問題について、時には党派の立場を離れて大所高所の観点から率直な意見の交換を行っている。

議会制度協議会においては、これまでに、「国会法の改正問題」、「議院の運営上の問題」、

「政治倫理の問題」、「国会の制度改革の問題」

等議会制度に関わる各般の問題について幅広く協議されてきた。

最近では、河野議長から、「議員互助年金問題」、「公聴会の開会時期」について検討するよう諮問された。「議員互助年金問題」については、最終的に与党提出の議員互助年金廃止法案の成立を見た。「公聴会の開会時期」については、今後、副議長や各党が提示した他の検討項目とともに議論がなされていく予定である。

2 国会議員の互助年金等に関する問題

議員互助年金問題に関しては、平成16年2月13日の議会制度協議会において、河野議長から諮問された。その後、各党間において検討され、4月9日に各党の国会対策委員長から河野衆議院議長、倉田参議院議長の両議長に対し、国会議員互助年金問題について、両院議長のもとに諮問機関を設置してほしい旨の要請があり、両院議長が協議した結果、学識経験者6人で組織される「国会議員の互助年金等に関する調査会」が設置され、6月16日に初会合を開いた。

平成17年1月20日には、調査会から両院議長に対し、大幅な給付削減と議員負担の増加により国庫負担率を50%程度にすること等を内容とする答申がなされた。

議会制度協議会において、2月8日に調査会から答申について説明を聴取し、各党で検

討することとなった。6月10日に各党から検討状況について中間報告があり、各党の案が提示され、平成18年度予算編成までに現行制度を何らかの形で見直すべきという認識で一致したが、8月に衆議院解散となった。

9月の総選挙後の議会制度協議会において、改めて各党の協議が進められた。10月26日に各党は、互助年金制度を直ちに廃止することで合意し、平成18年4月1日以降は現行の国会議員互助年金法は機能しない認識で一致した。また、次の通常国会の早期に法制化するようできるだけ速やかに各党で努力することで合意した。12月8日に与党(自民、公明)及び民主党から、それぞれ廃止の在り方についての案が提示され、次期通常国会の冒頭に、議院運営委員会で協議することになった。

平成18年1月、与党及び民主党から、それぞれ「国会議員互助年金法を廃止する法律案」が提出された。1月27日の議院運営委員会において、両案について提案理由説明聴取、質疑、討論の後、採決を行い、民主党案は否決され、与党案が可決された。1月31日の本会議においても、民主党案は否決され、与党案が可決された。2月3日の参議院本会議において、与党案が可決、成立した。

(参考)

国会議員互助年金法を廃止する法律案(宮路和明君外6名(自民、公明)提出)要旨

本案は、現行国会議員互助年金法を廃止し、それに伴う所要の経過措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 国会議員互助年金法を廃止すること。

二 退職者についての経過措置

1 普通退職年金の減額

昭和56年4月以降の退職者について、その退職時期に応じて4%から最大10%減額すること。

2 高額所得による年金の停止

普通退職年金と前年のそれ以外の所得との合計額が700万円を超える場合は、その超える額の2分の1に相当する金額の支給を停止することとし、停止する額が普通退職年金の額を超える場合には年金は支給しないこと。

三 現職国会議員についての経過措置

1 本年3月までの在職期間が10年以上である国会議員についての措置

髄゙職後、施行日前の在職年数について旧法により計算した年金額を15%減額した普通退職年金、又は、国庫に納付した納付金総額の8割に相当する金額(過去に年金または退職一時金を受けた場合は、その合計額を控除した金額)を退職一時金として受けることとすること。

痩Eの年金を受ける場合には、二の2と同様の高額所得による年金の停止を適用すること。

2 本年3月までの在職期間が10年未満である国会議員についての措置

国庫に納付した納付金総額の8割に相当する金額(過去に退職一時金を受けた場合は、その合計額を控除した金額)を退職一時金として受けることとすること。

四 この法律は、平成18年4月1日(二の2及び三の1の曹ノついては、同年7月1日)から施行すること。

3 衆議院事務局改革に関する問題

衆議院事務局改革問題に関しては、平成18年1月20日に議院運営委員会に衆議院事務局等の改革に関する小委員会が設置され、協議されている。

同小委員会は、衆議院事務局等を効率的かつ機能的な組織にし、議員の補佐機能の充実強化を図るため、第164回国会において新たに設置されたものである。

2月8日に初回の小委員会が開かれ、事務局から事務局及び法制局の組織等の現状について説明を聴取した。以来、9回にわたる小委員会においては、主に「定員の純減」、「組織の改編」、「議員専用バスの運行縮減」、「特別給料表適用者の給与の見直し」、「立法補佐機能の充実強化」、「衆議院所管の国有財産の活用」等について協議が行われた。

3月27日には、衆議院所管国有財産調査のため、自動車置場、速記者養成所、法制局分室、事務局分室を視察した。

5月31日に衆議院事務局等の改革に関する小委員会中間取りまとめを決定し、6月1日には議院運営委員会理事会で中間取りまとめを了承した(共産党は反対を表明した)。同日佐田議院運営委員長及び田村小委員長が、河野議長に報告した。

6月2日に佐田議院運営委員長が、中間取りまとめ中に参議院においても検討を要する部分があることから、溝手参議院議院運営委員長に中間取りまとめについて説明した。

(参考)

衆議院事務局等の改革に関する小委員会中間取りまとめ

衆議院事務局等の改革に関する小委員会は、現在、国の財政が危機的状況にあり、政府において様々な行財政改革が推進されている中、衆議院においても、事務局等を効率的かつ機能的な組織にし、立法・行政監視補佐機能の充実強化を図る等の改革を推進するために設置されました。

当小委員会は、平成18年2月8日以来、9回にわたり協議を重ねた結果、次のとおり中間的な取りまとめを行いましたので、ご報告いたします。

I.効率的かつ機能的な組織に向けた取組み

昨今の厳しい財政事情にかんがみ、衆議院としても独自に、事務局等を効率的かつ機能的な組織とするため、業務の合理化及びアウトソーシング、組織の改編等を着実に進めることにより、5年間で5%以上の定員を純減するとともに、特別給料表適用者の給与の見直し等を行うこととする。

1.定員の純減

平成17年度の衆議院定員(1795名)から、5年間で95名(5.29%)以上の定員を純減する。

2.組織の改編

(1)憲政記念館を部相当の組織から縮小し、議事部資料課と統合する。

(2)速記者養成所を廃止する。

(3)新議員会館竣工後、第一議員会館課及び第二議員会館課を統合する。

(4)新赤坂議員宿舎竣工後、議員宿舎の統廃合を行う。

3.議員専用バスの運行縮減等

(1) 議員専用バスは、議員宿舎と議員会館を結ぶ交通手段として議員活動を支援する上で有益であり、引き続き運行するが、利用者の少ない朝の第3便と夕方便は次国会から廃止する。

(2) 運転手の退職者の補充については、当面30人程度に達するまでの間、外部委託を進める。

(3)元正副議長に配属されている車の見直しについて、議院運営委員会において検討する。

4.特別給料表適用者の給与の見直し

特別給料表適用者の給与については、以下の方針に基づいて見直しを行うこととし、参議院とも調整を行う。

(1)事務総長の給与は内閣官房副長官と、法制局長の給与は内閣法制局長官と、国立国会図書館長の給与は法制局長と同格とする。

(2)常任委員会専門員及び国立国会図書館専門調査員の4号給は廃止する。

II.立法補佐機能の充実強化について

国会の立法機能及び行政監視機能を強化し、議員活動に対する支援の充実を図るため、事務局等の立法・行政監視補佐機能については、行政府から一定の独立性を確保しつつ専門性を高め、併せて関係機関相互の連携強化を推進することにより、一層の充実強化を図ることとする。

1.立法・行政監視補佐機能を担う組織の人員確保

(1)立法府の独立性を保つため、行政府から調査局への出向は以下のとおり見直す。

[1]専門員及び首席調査員については、今後新たな出向者を受け入れない。

なお、行政府を退職した者を専門員に起用する場合は、行政府からの独立性確保の観点から、議院運営委員会において厳格に審査を行う。

[2]次席調査員については、5年後を目途に新たな出向者を受け入れない。

[3]一般調査員については、5年後に廃止も含めた出向のあり方について再検討を行う。

(2)調査局の定員は当面維持し、専門性の高い人員の確保に努める。

(3)法制局の定員は削減の対象とせず、必要に応じて増員も検討する。

(4)国立国会図書館調査及び立法考査局の定員削減は行わない。

2.調査局の専門性の強化

(1)調査局の管理職登用に当たっては、一定期間の調査事務等の経験を要する等登用基準を設けるものとする。ただし、当該基準の適用については、5年程度の猶予期間を置く。

(2)調査局内の人事異動については、原則として所管が関連する調査室間とする等、各調査室の専門性を高める運用を行う。

(3)行政を除く外部機関との交流に関する「人事交流計画」を策定し、国内外の大学及び民間研究機関、会計検査院等との交流を深め、連携を図る。

(4)調査局に優秀な人材を確保するため、中途採用、客員調査員の採用を拡大し、任期付採用制度を導入する。

(5)調査局の組織上の位置付け及び調査事務を専門に行う者を採用する試験の導入については、将来的な検討課題とする。

3.調査局の業務拡充等

国会の立法機能及び行政監視機能の強化を図り、調査依頼事項の高度化、各調査室の所管を横断する事項の調査に対応するため、以下の点も踏まえ、「調査局ビジョン」を策定する。

(1)委員会審議に関する情報提供の拡充を図る。

(2)法律及び政省令の施行状況、委員会決議及び附帯決議等に対する政府の対処状況を常時調査することにより、行政監視補佐機能の強化を図る。

(3)調査業務の一部を調査研究機関等へ外部委託することにより調査の効率性を高める。

(4)各調査室の所管を跨ぐ横断的な調査に対応するため、人員を確保するとともに、人員の柔軟な配置を行うようにする。

4.調査局、法制局、国立国会図書館の連携

(1)調査局、法制局、国立国会図書館の人事交流を深める。

(2)調査局、法制局、国立国会図書館の電子的ネットワークの相互利用を促進する。

(3)調査業務における関係機関の連携協力をさらに強化する。

5.調査局以外の事務局の部局の強化

調査局以外の事務局の各部局についても、人員の柔軟な配置に努めるとともに、質の向上を図る。

III.衆議院所管の国有財産の活用について

衆議院所管の国有財産については、その所在地、利用状況等を検討した結果、以下のとおり、処分または有効活用を図ることとする。

1.事務局分室、法制局分室、速記者養成所及び職員研修所は、必要な機能についてその代替施設の確保を含め衆議院の施設整備等を勘案しつつ、できるだけ速やかに財務省に移管する。

2.自動車置場については、平成24年6月まで新議員会館整備に伴う仮設駐車場として利用することとなっているが、以降の活用方法については、「国会周辺施設配置計画」(昭和36年議院運営委員会決定)の見直しも含め、議院運営委員会において検討する。

IV.事務局等の在り方の見直し

1.事務局等の在り方については、今後も必要に応じて見直しを行う。

2.会議費の支出の在り方については、議院運営委員会理事会において検討する。

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