衆議院

メインへスキップ



第一四二回

衆第一九号

   国の行政機関の職員等の営利企業等への就職の制限等に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、国の行政機関の職員並びに政府関係特殊法人の役員及び職員について、その離職後、国の行政機関又は政府関係特殊法人と密接な関係のある営利企業等の地位に就くことの制限、営利企業等の地位との兼職の禁止等の措置を定めることにより、国の行政機関の業務の公正な執行及び政府関係特殊法人の業務の適正な運営の確保を図ることを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「国の行政機関の職員」とは、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条に規定する一般職に属する職員並びに同条第三項第三号から第八号まで、第十号、第十一号及び第十六号に掲げる職員(同項第五号から第七号までに掲げる職員にあっては、国会議員でない者をもって充てられたものに限る。)をいう。

2 この法律において「政府関係特殊法人」とは、次に掲げる法人をいう。

 一 法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人

 二 前号に掲げるもののほか、法律の規定によりその役員の全部若しくは一部を内閣総理大臣若しくは主務大臣が任命し、又はその役員の全部若しくは一部の任命について内閣総理大臣若しくは主務大臣の認可を要するものとされる法人

3 この法律において「認可法人」とは、特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を受けた法人(政府関係特殊法人を除く。)をいう。

4 この法律において「外郭団体」とは、その行う業務が国の行政運営と密接な関連を有するものとして国家公務員等離職者就職審査委員会規則(以下「審査委員会規則」という。)で定める法人又は団体(政府関係特殊法人及び認可法人を除く。)をいう。

5 この法律において「営利企業」とは、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業をいう。

6 この法律において「業者団体」とは、営利企業を営む会社その他の団体を主たる構成員とし、その共通の利益を増進することを主たる目的とする団体又はその連合体をいう。

 (就職の制限)

第三条 国の行政機関の職員並びに政府関係特殊法人の役員及び職員(以下「国の行政機関の職員等」という。)は、その離職後、政府関係特殊法人、認可法人、外郭団体、営利企業又は業者団体の地位で、その離職前五年間に在職していた国の行政機関又は政府関係特殊法人のうち審査委員会規則で定めるものと監督関係、契約関係その他の密接な関係にあるものに就くことを承諾し、又は就いてはならない。

2 前項の規定は、国の行政機関の職員のうち事務次官、局長その他審査委員会規則で定める官職にある職員及び政府関係特殊法人の役員を除き、審査委員会規則で定めるところにより、国家公務員等離職者就職審査委員会(以下「審査委員会」という。)の承認を得た者には、適用しない。

 (兼職等の禁止)

第四条 国の行政機関の職員等は、営利企業若しくは業者団体の役員若しくは顧問の地位その他これらに相当する地位に就き、又は自ら営利企業を営んではならない。

2 前項の規定は、審査委員会規則で定めるところにより、審査委員会の承認を得た者には、適用しない。

 (政府関係特殊法人の役員の任命等)

第五条 政府関係特殊法人の役員の任命又は当該役員の任命に係る認可に当たっては、当該政府関係特殊法人の役員の数の一定割合以上のものが、国の行政機関の職員の経歴を有する者で審査委員会規則で定めるものによって占められることとなってはならない。

2 前項に規定する一定割合は、当分の間、三分の一とする。

3 政府関係特殊法人の職員の任用に当たっては、当該政府関係特殊法人の職員のうち審査委員会規則で指定する地位にある者の数の一定割合以上のものが、国の行政機関の職員の経歴を有する者で審査委員会規則で定めるものによって占められることとなってはならない。

4 前項に規定する一定割合は、当分の間、四分の一とする。

5 政府関係特殊法人の役員の任命又は当該役員の任命に係る認可に当たっては、政府関係特殊法人の役員の経歴を有する者が、当該役員の地位に就くこととなってはならない。ただし、審査委員会規則で定めるところにより、審査委員会の承認を得た場合は、この限りでない。

 (役員の給与等の基準)

第六条 政府関係特殊法人の役員が受ける給与及び退職手当の支給基準は、国家公務員法第二条に規定する一般職に属する職員の給与及び退職手当の例に準じて定められるものとする。

 (報告)

第七条 審査委員会は、毎年、遅滞なく、国会及び内閣に対し、前年において審査委員会がした第三条第二項及び第四条第二項の承認の処分に関し、各承認の処分ごとに、承認に係る者が離職前五年間に在職していた第三条第一項の国の行政機関又は政府関係特殊法人のうち審査委員会規則で定めるものの官職等(第四条第二項の承認の処分にあっては、現に在職している国の行政機関又は政府関係特殊法人の官職等)、承認に係る営利企業等の地位及び承認をした理由を報告しなければならない。

 (日本銀行の役員その他の職員等の就職の制限等)

第八条 日本銀行の役員その他の職員等の就職の制限等については、この法律の規定に基づく国の行政機関の職員等の就職の制限等の例に準じて、別に法律で定める。

 (罰則)

第九条 第三条又は第四条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

   附 則

1 この法律は、別に法律で定める日から施行する。

2 審査委員会の設置及びこの法律の施行に伴い必要な経過措置、関係法律の整理その他必要な事項については、別に法律で定める。

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.