衆議院

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第一四五回

閣第七七号

   少年法等の一部を改正する法律案

 (少年法の一部改正)

第一条 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)の一部を次のように改正する。

  第十条の見出しを「(付添人)」に改め、同条第一項中「附添人」を「付添人」に、「但し」を「ただし」に改め、同条第二項中「附添人」を「付添人」に改める。

  第十二条に次の一項を加える。

 2 裁判長は、急速を要する場合には、前項の処分をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。

  第十三条に次の一項を加える。

 3 裁判長は、急速を要する場合には、前項の処分をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。

  第十七条第三項を次のように改める。

 3 第一項第二号の措置においては、少年鑑別所に収容する期間は、二週間を超えることができない。ただし、特に継続の必要があるときは、決定をもつて、これを更新することができる。

  第十七条第六項ただし書を削り、同項を同条第八項とし、同条第五項を同条第七項とし、同条第四項を同条第六項とし、同条第三項の次に次の二項を加える。

 4 前項ただし書の規定による更新は、一回を超えて行うことができない。ただし、第三条第一項第一号に掲げる少年に係る死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件でその非行事実(犯行の動機、態様及び結果その他の当該犯罪に密接に関連する重要な事実を含む。以下同じ。)の認定に関し証人尋問、鑑定若しくは検証を行うことを決定したもの又はこれを行つたものについて、少年を収容しなければ審判に著しい支障が生じるおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある場合には、その更新は、更に四回を限度として、行うことができる。

 5 第三項ただし書の規定にかかわらず、検察官から再び送致を受けた事件が先に第一項第二号の措置がとられ、又は勾留状が発せられた事件であるときは、収容の期間は、これを更新することができない。

  第十七条に次の二項を加える。

 9 第一項第二号の措置については、収容の期間は、通じて十二週間を超えることができない。ただし、その収容の期間が通じて四週間を超えることとなる決定を行うときは、第四項ただし書に規定する事由がなければならない。

 10 裁判長は、急速を要する場合には、第一項及び第八項の処分をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。

  第十七条の二第一項中「前条第一項第二号」を「第十七条第一項第二号」に、「最寄」を「最寄り」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「とき」を「時」に、「ことはできない」を「ことができない」に改め、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「第一項」に、「前条第一項第二号」を「第十七条第一項第二号」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加え、同条を第十七条の四とする。

 2 裁判長は、急速を要する場合には、前項の処分をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。

  第十七条の次に次の二条を加える。

  (異議の申立て)

 第十七条の二 少年、その法定代理人又は付添人は、前条第一項第二号又は第三項ただし書の決定に対して、保護事件の係属する家庭裁判所に異議の申立てをすることができる。ただし、付添人は、選任者である保護者の明示した意思に反して、異議の申立てをすることができない。

 2 前項の異議の申立ては、審判に付すべき事由がないことを理由としてすることはできない。

 3 第一項の異議の申立てについては、家庭裁判所は、合議体で決定をしなければならない。この場合において、その決定には、原決定に関与した裁判官は、関与することができない。

 4 第三十二条の三、第三十三条及び第三十四条の規定は、第一項の異議の申立てがあつた場合について準用する。この場合において、第三十三条第二項中「取り消して、事件を原裁判所に差し戻し、又は他の家庭裁判所に移送しなければならない」とあるのは、「取り消し、必要があるときは、更に裁判をしなければならない」と読み替えるものとする。

  (特別抗告)

 第十七条の三 第三十五条第一項の規定は、前条第三項の決定について準用する。この場合において、第三十五条第一項中「二週間」とあるのは、「五日」と読み替えるものとする。

 2 前条第四項及び第三十二条の二の規定は、前項の規定による抗告があつた場合について準用する。

  第二十二条に次の一項を加える。

 3 審判の指揮は、裁判長が行う。

  第二十二条の次に次の二条を加える。

  (検察官の関与)

 第二十二条の二 家庭裁判所は、第三条第一項第一号に掲げる少年に係る死刑又は無期若しくは長期三年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件において、その非行事実を認定するための審判の手続に検察官が関与する必要があると認めるときは、決定をもつて、審判に検察官を出席させることができる。

 2 家庭裁判所は、前項の決定をするには、検察官の申出がある場合を除き、あらかじめ、検察官の意見を聴かなければならない。

 3 家庭裁判所は、第一項の事件において、その罪が被害者の死亡の結果を含むものである場合で、検察官の申出があるときは、明らかにその必要がないと認める場合を除き、同項の決定をするものとする。

 4 検察官は、第一項の決定があつた事件において、その非行事実の認定に資するため必要な限度で、最高裁判所規則の定めるところにより、事件の記録及び証拠物を閲覧し及び謄写し、審判の手続(事件を終局させる決定の告知を含む。)に立ち会い、少年及び証人その他の関係人に発問し、並びに意見を述べることができる。

  (検察官が関与する場合の国選付添人)

 第二十二条の三 家庭裁判所は、前条第一項の決定をした場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、弁護士である付添人を付さなければならない。

 2 前項の規定により家庭裁判所が付すべき付添人は、最高裁判所規則の定めるところにより、選任するものとする。

 3 前項の規定により選任された付添人は、旅費、日当、宿泊料及び報酬を請求することができる。

  第二十六条第一項及び第二項中「第十七条の二第一項」を「第十七条の四第一項」に改め、同条に次の一項を加える。

 6 裁判長は、急速を要する場合には、第一項及び第四項の処分をし、又は合議体の構成員にこれをさせることができる。

  第二十七条の二の見出し中「取消」を「取消し」に改め、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 保護処分が終了した後においても、審判に付すべき事由の存在が認められないにもかかわらず保護処分をしたことを認め得る明らかな資料を新たに発見したときは、前項と同様とする。ただし、本人が死亡した場合は、この限りでない。

  第二十七条の二に次の一項を加える。

 6 前三項に定めるもののほか、第一項及び第二項の規定による保護処分の取消しの事件の手続は、その性質に反しない限り、保護事件の例による。

  第三十条に次の一項を加える。

 4 第二十二条の三第三項の規定により付添人に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬の額については、刑事訴訟法第三十八条第二項の規定により弁護人に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬の例による。

  第三十一条第一項中「参考人」の下に「、第二十二条の三第二項の規定により選任された付添人」を加える。

  第二章第二節中第三十一条の次に次の一条を加える。

  (被害者等に対する通知)

 第三十一条の二 家庭裁判所は、第三条第一項第一号又は第二号に掲げる少年に係る事件を終局させる決定をした場合において、最高裁判所規則の定めるところにより当該事件の被害者又はその法定代理人(被害者が死亡した場合においては、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹)から申出があるときは、その申出をした者に対し、次に掲げる事項を通知するものとする。ただし、その通知をすることが少年の健全な育成を妨げるおそれがあり相当でないと認められるものについては、この限りでない。

  一 少年及びその法定代理人の氏名及び住居

  二 決定の年月日、主文及び理由の要旨

 2 前項の申出は、同項に規定する決定がされた日から三年を経過したときは、することができない。

  第三十二条中「附添人から」を「付添人から」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に、「附添人」を「付添人」に、「ことはできない」を「ことができない」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 検察官は、第二十二条の二第一項の決定がされた場合においては、保護処分に付さない決定又は保護処分の決定に対し、同項の決定があつた事件の非行事実の認定に関し、決定に影響を及ぼす法令の違反又は重大な事実の誤認があることを理由とするときに限り、二週間以内に、抗告をすることができる。第三十二条の次に次の四条を加える。

  (抗告裁判所の調査の範囲)

 第三十二条の二 抗告裁判所は、抗告の趣意に含まれている事項に限り、調査をするものとする。

 2 抗告裁判所は、抗告の趣意に含まれていない事項であつても、抗告の理由となる事由に関しては、職権で調査をすることができる。

  (抗告裁判所の事実の取調べ)

 第三十二条の三 抗告裁判所は、決定をするについて必要があるときは、事実の取調べをすることができる。

 2 前項の取調べは、合議体の構成員にさせ、又は家庭裁判所の裁判官に嘱託することができる。

  (検察官から抗告がされた場合の国選付添人)

 第三十二条の四 抗告裁判所は、検察官から抗告がされた場合において、少年に弁護士である付添人がないときは、弁護士である付添人を付さなければならない。

  (準用)

 第三十二条の五 前三条に定めるもののほか、抗告審の審理については、その性質に反しない限り、家庭裁判所の審判に関する規定を準用する。

  第三十三条中「ときは」の下に「、決定をもつて」を加える。

  第三十五条第一項中「抗告を棄却した」を「抗告裁判所のした第三十三条の」に、「誤」を「誤り」に、「附添人から」を「付添人から」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「附添人」を「付添人」に、「ことはできない」を「ことができない」に改め、同条第二項中「第三十四条」を「第三十二条の二から前条まで」に、「前項」を「前二項」に改め、同項に後段として次のように加える。

   この場合において、第三十三条第二項中「取り消して、事件を原裁判所に差し戻し、又は他の家庭裁判所に移送しなければならない」とあるのは、「取り消さなければならない。この場合には、家庭裁判所の決定を取り消して、事件を家庭裁判所に差し戻し、又は他の家庭裁判所に移送することができる」と読み替えるものとする。

  第三十五条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 検察官は、第二十二条の二第一項(第三十二条の五において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の決定がされた場合においては、抗告裁判所のした第三十三条の決定に対し、同項の決定があつた事件の非行事実の認定に関する判断について、前項の事由を理由とするときに限り、最高裁判所に対し、二週間以内に、特に抗告をすることができる。

  第四十五条の前の見出し中「取扱」を「取扱い」に改め、同条第四号中「勾留と」を「裁判官のした勾留と」に、「ことはできない」を「ことができない」に改め、同条第六号中「弁護士である附添人」を「少年又は保護者が選任した弁護士である付添人」に改める。

  第四十六条の見出し中「保護処分」を「保護処分等」に改め、同条ただし書を削り、同条に次の二項を加える。

 2 第二十二条の二第一項の決定がされた場合において、同項の決定があつた事件につき、審判に付すべき事由の存在が認められないこと又は保護処分に付する必要がないことを理由とした保護処分に付さない旨の決定が確定したときは、その事件についても、前項と同様とする。

 3 第一項の規定は、第二十七条の二第一項の規定による保護処分の取消しの決定が確定した事件については、適用しない。ただし、当該事件につき同条第六項の規定によりその例によることとされる第二十二条の二第一項の決定がされた場合であつて、その取消しの理由が審判に付すべき事由の存在が認められないことであるときは、この限りでない。

 (裁判所法の一部改正)

第二条 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。

  第三十一条の四第一項中「行うときは」の下に「、次項に規定する場合を除いて」を加え、同項ただし書を削り、同条第二項中「前項但書」を「前項」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。

   次に掲げる事件は、裁判官の合議体でこれを取り扱う。ただし、審判を終局させる決定並びに法廷ですべき審理及び裁判を除いて、その他の事項につき他の法律に特別の定めがあるときは、その定めに従う。

  一 合議体で審判又は審理及び裁判をする旨の決定を合議体でした事件

  二 他の法律において合議体で審判又は審理及び裁判をすべきものと定められた事件

 (家事審判法の一部改正)

第三条 家事審判法(昭和二十二年法律第百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第五条及び第六条を次のように改める。

 第五条 家庭裁判所は、最高裁判所の定めるところにより、合議体の構成員に命じて終局審判以外の審判を行わせることができる。

   前項の規定により合議体の構成員が行うこととされる審判は、判事補が単独ですることができる。

 第六条 削除

  第十五条の三第七項中「第十四条」の下に「、第十五条」を加える。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十二年一月一日から施行する。

 (少年法の一部改正に伴う経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に家庭裁判所に係属している事件についてとられる少年法第十七条第一項第二号の措置における収容の期間の更新及び通算した収容の期間の限度については、第一条の規定による改正後の同法(以下「新法」という。)第十七条第三項から第五項まで及び第九項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

2 新法第十七条の二の規定は、前項に規定する少年法第十七条第一項第二号の措置及びその収容の期間の更新の決定については、適用しない。

3 新法第二十二条の二の規定(新法において準用し、又はその例による場合を含む。)は、この法律の施行の際現に裁判所に係属している事件の手続並びにこの法律の施行後に係属する当該事件の抗告審及び再抗告審の手続については、適用しない。

4 新法第二十七条の二第二項の規定は、この法律の施行後に終了する保護処分について適用する。

 (刑事訴訟法の一部改正)

第三条 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。

  第二十三条第一項中「地方裁判所」の下に「又は家庭裁判所」を加え、同条第二項中「地方裁判所の一人の裁判官又は家庭裁判所」を「地方裁判所又は家庭裁判所の一人」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「申立」を「申立て」に改める。

  第二十四条第二項中「地方裁判所の一人の裁判官又は家庭裁判所若しくは」を「地方裁判所若しくは家庭裁判所の一人の裁判官又は」に、「申立」を「申立て」に改める。

  第三百十六条中「地方裁判所」の下に「又は家庭裁判所」を加える。

 (少年の保護事件に係る補償に関する法律の一部改正)

第四条 少年の保護事件に係る補償に関する法律(平成四年法律第八十四号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項中「された」を「され、その決定が確定した」に改め、同項第一号中「第十七条の二第一項」を「第十七条の四第一項」に改め、同条第二項中「第二十七条の二第一項」の下に「又は第二項」を加え、「あった」を「確定した」に改める。

  第五条第二項中「決定をした」を「決定が確定した」に改める。

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