衆議院

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第一四七回

参第三号

   小学校、中学校及び高等学校の学級規模の適正化の推進等に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、児童及び生徒の個性に応じた多様な教育の実施と、きめ細かな教育指導の一層の充実を図るため、小学校、中学校及び高等学校の学級規模の適正化の推進等に関し必要な事項を定めることを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律にいう「中学校」には、中等教育学校の前期課程を含み、第三項及び第六条第一項の場合には、盲学校、聾学校及び養護学校の中学部も含むものとする。

2 この法律にいう「高等学校」には、中等教育学校の後期課程を含み、次項及び第七条第一項の場合には、盲学校、聾学校及び養護学校の高等部も含むものとする。

3 この法律において「教職員」とは、校長、教頭、教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭、講師、寮母及び事務職員をいい、小学校(盲学校、聾学校及び養護学校の小学部を含む。第五条第一項において同じ。)及び中学校にあっては学校栄養職員(学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第五条の三に規定する職員をいう。第五条第四項第三号(第六条第二項において準用する場合を含む。)において同じ。)を含み、高等学校にあっては実習助手を含むものとする。

 (国及び地方公共団体の責務)

第三条 国及び地方公共団体は、小学校及び中学校の同学年の児童又は生徒で編制する学級に係る一学級の児童又は生徒の数並びに高等学校の全日制の課程及び定時制の課程における一学級の生徒の数が、それぞれ三十人以下となるよう学級規模の適正化の推進に関し必要な施策を講ずるものとする。

 (小学校等の設置者の責務)

第四条 小学校若しくは中学校の設置者又は高等学校の設置者は、その設置する小学校若しくは中学校の同学年の児童若しくは生徒で編制する学級に係る一学級の児童若しくは生徒の数又はその設置する高等学校の全日制の課程若しくは定時制の課程における一学級の生徒の数が、それぞれ三十人以下となるよう学級規模の適正化に努めなければならない。

 (公立小学校学級編制及び教職員配置改善計画の策定)

第五条 政府は、平成十三年度以降の六箇年間に実施すべき公立の小学校の学級編制及び教職員の配置に関する改善計画(以下「公立小学校学級編制及び教職員配置改善計画」という。)を定めなければならない。

2 公立小学校学級編制及び教職員配置改善計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 改善の基本方針

 二 学級編制の改善に関する事項

 三 教職員の配置の改善に関する事項

3 前項第二号に掲げる事項には、公立の小学校の同学年の児童で編制する学級に係る一学級の児童の数の標準となる数を、平成十三年度を初年度として六箇年で、学年の区分に応じて第一学年から順次三十人に引き下げることが含まれていなければならない。

4 第二項第三号に掲げる事項には、前項の標準となる数を引き下げることに伴い必要となる教職員の数の改善に関する事項のほか、次に掲げる事項が含まれていなければならない。

 一 教諭、助教諭及び講師(講師にあっては、常時勤務の者に限る。以下「教諭等」という。)の担当する授業時数の軽減並びにこれに伴い必要となる教諭等の数の改善に関する事項

 二 児童の心身の発達に配慮し個性に応じた教育を行うために複数の教頭及び教諭等の協力による指導が行われる場合の教頭及び教諭等の数の加算措置の改善に関する事項

 三 養護教諭、学校栄養職員及び事務職員(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号)第二条第三項に規定する事務職員をいう。)の数の改善に関する事項

 四 前三号に掲げるもののほか、教育上特別の配慮を必要とする場合において、これらと併せて行う教職員の数の加算措置の改善に関する事項

5 政府は、公立小学校学級編制及び教職員配置改善計画を定めたときは、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。

 (公立中学校学級編制及び教職員配置改善計画の策定)

第六条 政府は、平成十三年度以降の三箇年間に実施すべき公立の中学校の学級編制及び教職員の配置に関する改善計画(以下「公立中学校学級編制及び教職員配置改善計画」という。)を定めなければならない。

2 前条第二項から第五項までの規定は、公立中学校学級編制及び教職員配置改善計画について準用する。この場合において、同条第三項中「小学校」とあるのは「中学校」と、「児童」とあるのは「生徒」と、「六箇年」とあるのは「三箇年」と、同条第四項第二号中「児童」とあるのは「生徒」と、「教頭」とあるのは「教頭(中等教育学校の前期課程にあっては、当該課程の属する中等教育学校の教頭)」と、「行われる場合」とあるのは「行われ、又は教育課程の編成において多様な選択教科が開設される場合」と読み替えるものとする。

 (公立高等学校学級編制及び教職員配置改善計画の策定)

第七条 政府は、平成十三年度以降の三箇年間に実施すべき公立の高等学校の学級編制及び教職員の配置に関する改善計画(以下「公立高等学校学級編制及び教職員配置改善計画」という。)を定めなければならない。

2 第五条第二項から第五項までの規定は、公立高等学校学級編制及び教職員配置改善計画について準用する。この場合において、同条第三項中「小学校の同学年の児童で編制する学級に係る一学級の児童」とあるのは「高等学校の全日制の課程又は定時制の課程における一学級の生徒」と、「六箇年で、学年の区分に応じて第一学年から順次」とあるのは「三箇年で、」と、同条第四項第二号中「児童の心身の発達に配慮し個性に応じた教育を行うために複数の教頭及び教諭等の協力による指導」とあるのは「全日制の課程又は定時制の課程に置かれる普通教育を主とする学科において、教科又は科目の特質に応じた教育を行うため少数の生徒に対する指導」と、同項第三号中「養護教諭、学校栄養職員及び事務職員(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三十三年法律第百十六号)第二条第三項」とあるのは「養護教諭及び事務職員(公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律(昭和三十六年法律第百八十八号)第二条第一項」と読み替えるものとする。

 (法制上の措置等)

第八条 政府は、公立小学校学級編制及び教職員配置改善計画、公立中学校学級編制及び教職員配置改善計画及び公立高等学校学級編制及び教職員配置改善計画を実施するため、必要な法制上及び財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

 (学校法人への助成措置)

第九条 国は、小学校、中学校又は高等学校を設置する学校法人(私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人をいう。)に対し、第四条に規定する学級規模の適正化に伴う教職員の配置の改善及び学校施設の整備に必要な助成措置を講ずるものとする。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。

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