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第一五九回

衆第五〇号

   国民年金法の一部を改正する法律案

 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。

 第九十四条の六の次に次の一条を加える。

 (被保険者の資格の取得等の届出をしていない者に係る特例)

第九十四条の七 社会保険庁長官は、被保険者の資格の取得又は種別の変更に関し第十二条第一項又は第五項の規定により行うべき届出をしていない者について、厚生労働省令で定めるところにより、第一号被保険者であるものとみなして第九十二条第一項に規定する通知その他保険料の徴収に関する行為をすることができる。

2 前項の規定により第一号被保険者であるものとみなされた者について保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収した場合であつて、徴収した保険料に係る被保険者期間が第一号被保険者としての被保険者期間でなかつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その者に対し、これを還付する。

 附則第九条の三の三の次に次の二条を加える。

 (保険料の特例)

第九条の三の三の二 第八十七条の二第二項の規定の適用については、同項中「第九十四条第四項」とあるのは、「第九十四条第四項又は附則第九条の三の三の三第四項」とする。

 (事後納付)

第九条の三の三の三 被保険者又は被保険者であつた者(老齢基礎年金の受給権者を除く。)は、社会保険庁長官の承認を受け、その者の被保険者期間のうち保険料納付済期間、保険料免除期間及び附則第五条第一項の規定による被保険者としての被保険者期間その他これに相当するものとして政令で定める期間以外の期間(承認の日の属する月前五年以内の期間であつて、当該期間に係る保険料を徴収する権利が時効によつて消滅している期間に限る。)の各月につき、当該各月の保険料の額に政令で定める額を加算した額を納付することができる。

2 社会保険庁長官は、前項の承認を受けようとする者が納期限までに納付しなかつた保険料であつてこれを徴収する権利が時効によつて消滅していないものの全部又は一部を納付していないときは、同項の承認をしないものとする。

3 第一項の場合において、その一部につき納付をするときは、納付は、先に経過した月の分から順次に行うものとする。

4 第一項の規定により納付が行われたときは、納付が行われた日に、納付に係る月の保険料が納付されたものとみなす。

5 前各項に定めるもののほか、第一項の規定による納付手続その他同項の規定による納付について必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十六年十月一日から施行する。

 (事後納付に関する経過措置)

第二条 この法律による改正後の国民年金法附則第九条の三の三の三の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に国民年金の保険料を徴収する権利が時効によって消滅する期間に係る納付について適用する。

 (納付の特例)

第三条 国民年金の被保険者又は被保険者であった者(国民年金法による老齢基礎年金の受給権者その他の政令で定める者を除く。)は、社会保険庁長官の承認を受け、昭和六十一年四月から施行日の属する月前までのその者の国民年金の被保険者期間のうち、国民年金の保険料納付済期間及び保険料免除期間並びに同法附則第五条第一項の規定による被保険者としての被保険者期間及びこれに相当する期間その他の政令で定める期間以外の期間(施行日において当該期間に係る国民年金の保険料を徴収する権利が時効によって消滅している期間に限る。)の各月につき、一万六千八十円に政令で定める額を加算した額を納付することができる。

2 社会保険庁長官は、前項の承認を受けようとする者が納期限までに納付しなかった国民年金の保険料であってこれを徴収する権利が時効によって消滅していないものの全部又は一部を納付していないときは、同項の承認をしないものとする。

3 第一項の承認は、平成十九年九月三十日までに限り、これをすることができる。

4 第一項の場合において、その一部につき納付をするときは、納付は、先に経過した月の分から順次に行うものとする。

5 第一項の規定により納付が行われたときは、納付が行われた日に、納付に係る月の国民年金の保険料が納付されたものとみなす。

6 六十五歳に達した日において国民年金の保険料納付済期間、保険料免除期間その他の政令で定める期間を有する者であって次の各号のいずれにも該当しなかったものが、同日以後に第一項の規定による納付を行うことにより次の各号のいずれかに該当することとなったときは、国民年金法第二十六条に定める老齢基礎年金の支給要件に該当するものとみなして、その者に同法による老齢基礎年金を支給する。

 一 国民年金の保険料納付済期間、保険料免除期間その他の国民年金法による老齢基礎年金の支給要件である期間の計算の基礎となる期間として政令で定める期間を合算した期間が、二十五年以上であること。

 二 国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)附則第十二条第一項各号のいずれかに該当すること。

7 前各項に定めるもののほか、第一項の規定による納付手続その他同項の規定による納付について必要な事項は、政令で定める。

 (国民年金法等の一部を改正する法律の一部改正)

第四条 国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第▼▼▼号)の一部を次のように改正する。

  第二条のうち国民年金法附則第七条の三に四項を加える改正規定のうち同条第三項中「行われた日」の下に「(当該届出に係る被保険者期間であつて既に第一号被保険者としての保険料が納付されていた期間については、当該保険料が納付された日)」を加える。

 (所得税法の一部改正)

第五条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  第百二十条第三項第一号中「医療費控除」の下に「、社会保険料控除(第七十四条第二項第五号(社会保険料控除)に掲げる社会保険料に係るものに限る。)」を加える。

  第百九十条第二号ロ中「記載されたもの(」の下に「第百九十六条第二項(保険料等の支払を証明する書類の提出等)に規定する社会保険料の金額及び」を加え、「第百九十六条第二項(保険料等の支払を証明する書類の提出等)」を「同項」に改める。

  第百九十六条第二項中「同項第二号」を「支払つた同項第二号に規定する社会保険料(第七十四条第二項第五号に掲げるものに限る。)の金額若しくは前項第二号」に改める。

 (所得税法の一部改正に伴う経過措置)

第六条 前条の規定による改正後の所得税法(以下この条において「新所得税法」という。)第百二十条第三項(新所得税法第百二十二条第三項、第百二十三条第三項、第百二十五条第四項及び第百二十七条第四項において準用する場合並びにこれらの規定を新所得税法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定は、平成十六年分以後の所得税に係る確定申告書を平成十七年一月一日以後に提出する場合について適用する。

2 新所得税法第百九十条の規定は、新所得税法第百八十三条第一項に規定する給与等を平成十六年中に支払うべき場合であって、その最後に支払をする日が施行日以後であるときについて適用し、その最後に支払をする日が施行日前であるときについては、なお従前の例による。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第七条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第八条 この法律による改正後の国民年金法附則第九条の三の三の三の規定については、この法律の施行後における国民年金の保険料の納付状況等を勘案しつつ検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする。


     理 由

 国民年金の未納保険料のうちこれを徴収する権利が施行日以後に時効により消滅するものについて、過去五年分までを納付することができることとするとともに、昭和六十一年四月分以降の国民年金の未納保険料のうちこれを徴収する権利が施行日において時効により消滅しているものについて、平成十九年九月三十日までの間に承認を受けて納付することができることとする等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   本案施行に要する経費

 本案施行に要する経費としては、平成十六年度における基礎年金の給付に要する費用の国庫負担分として約十三億円の支出増が見込まれる。

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