衆議院

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第一六二回

参第九号

   特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、特殊法人等の役員及び職員について、その離職後、特殊法人等と密接な関係にある特定の私企業の地位等に就くことの制限に関する措置を定めることにより、特殊法人等の業務の適正な運営の確保等に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「特殊法人等」とは、法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人(総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第十五号の規定の適用を受けない法人並びにその役員及び職員が国家公務員とされている法人を除く。)、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人であって同条第二項に規定する特定独立行政法人(以下「特定独立行政法人」という。)以外のものその他これらに準ずるものとして政令で定める法人のうち、次の各号のいずれかに該当するものをいう。

 一 資本金の二分の一以上が国からの出資によるもの

 二 前号に掲げるもののほか、国から出資を受け、かつ、その設立の根拠となる法律又は法人格を付与する法律において、役員、職員その他の当該法人の業務に従事する者を法令により公務に従事する者とみなすこととされているもの

 (関係営利企業への就職の制限)

第三条 特殊法人等の役員及び職員は、離職後二年間は、物品の製造又は販売、工事の請負、役務の提供、金銭、物品又は不動産の貸付けその他政令で定める取引を業として行う営利を目的とする私企業(以下「営利企業」という。)の地位で、その離職前五年間に在職していた特殊法人等又は政令で定める国の機関、特定独立行政法人若しくは日本郵政公社と密接な関係にあるものに就くことを承諾し、又は就いてはならない。

2 前項の規定は、特殊法人等の役員又は職員の任命権を有する者の申出により、人事院規則で定める基準に従い行う当該特殊法人等に係る主務大臣の承認を得た場合には、当該特殊法人等の役員又は職員については、適用しない。

3 前項の主務大臣は、同項の承認を行おうとするときは、政令の定めるところにより、あらかじめ、人事院の意見を聴かなければならない。

4 前二項に定めるもののほか、第二項の承認に関し必要な事項は、政令で定める。

 (非常勤の役職員等に関する特例)

第四条 前条第一項の規定の適用については、特殊法人等の非常勤の役員及び職員その他特殊法人等の業務の適正な運営の確保に支障がないものとして政令で定める役員及び職員(次項の規定により離職したものとみなされた者を除く。)は、同条第一項の役員及び職員に含まれないものとし、政令で定めるそれらの者に相当する者としての在職は、同項に規定する在職に含まれないものとする。

2 特殊法人等の役員又は職員が当該特殊法人等の非常勤の役員若しくは職員又は前項の政令で定める役員若しくは職員となった場合には、前条第一項の規定の適用については、当該特殊法人等の役員又は職員は、その時において離職したものとみなす。

 (国会への報告)

第五条 内閣は、毎年、遅滞なく、国会に対し、前年において第三条第二項の主務大臣が行った同項の承認の処分に関し、各承認の処分ごとに、承認に係る者が離職前五年間に在職していた特殊法人等又は同条第一項に規定する国の機関、特定独立行政法人若しくは日本郵政公社における職又は官職、承認に係る営利企業の地位、承認をした理由その他必要な事項を報告しなければならない。

 (罰則)

第六条 第三条第一項の規定に違反して営利企業の地位に就いた者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

   附 則

1 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

2 特殊法人等の役員又は職員であった者がこの法律の施行の時においてその離職後二年を経過していない者である場合には、第三条第一項の規定は、適用がないものとする。

3 国の機関の職員並びに特定独立行政法人及び日本郵政公社の役員及び職員の営利企業への就職の制限については、これらの者の営利企業への就職等に関する状況、これに関する世論の動向等を踏まえ、その強化等に必要な法制上の措置が講ぜられるとともに、それらとの均衡、整合性等を考慮して、この法律の規定について、検討が加えられ、必要があると認められるときは、所要の措置が講ぜられるものとする。
     理 由

 特殊法人等の業務の適正な運営の確保等に資するため、特殊法人等の役員及び職員について、その離職後、特殊法人等と密接な関係にある特定の私企業の地位等に就くことの制限に関する措置を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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