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第一七四回

参第三号

   児童扶養手当法等の一部を改正する法律案

 (児童扶養手当法の一部改正)

第一条 児童扶養手当法(昭和三十六年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「父」の下に「又は母」を加える。

  第二条第二項中「受けた」の下に「父又は」を加え、同条第三項中「父」を「父母」に改める。

  第四条第一項中「のいずれかに該当する児童の母がその児童を監護するとき、又は母がないか若しくは母が監護をしない場合において、当該児童の母以外の者がその児童を養育する(その児童と同居して、これを監護し、かつ、その生計を維持することをいう。以下同じ。)ときは、その母又はその養育者」を「に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者」に改め、同項各号を次のように改める。

  一 次のイからホまでのいずれかに該当する児童の母が当該児童を監護する場合 当該母

   イ 父母が婚姻を解消した児童(配偶者からの暴力、配偶者の児童に対する虐待その他の政令で定める事由を原因として、父母が生活の本拠を異にし、かつ、離婚の調停の申立て等がなされていることにより、父母が離婚の届出をしていないが事実上離婚したと同様の事情にある児童を含む。次号イにおいて同じ。)

   ロ 父が死亡した児童

   ハ 父が政令で定める程度の障害の状態にある児童

   ニ 父の生死が明らかでない児童

   ホ その他イからニまでに準ずる状態にある児童で政令で定めるもの

  二 次のイからホまでのいずれかに該当する児童の父が当該児童を監護し、かつ、これと生計を同じくする場合 当該父

   イ 父母が婚姻を解消した児童

   ロ 母が死亡した児童

   ハ 母が前号ハの政令で定める程度の障害の状態にある児童

   ニ 母の生死が明らかでない児童

   ホ その他イからニまでに準ずる状態にある児童で政令で定めるもの

  三 第一号イからホまでのいずれかに該当する児童を母が監護しない場合若しくは同号イからホまでのいずれかに該当する児童(同号ロに該当するものを除く。)の母がない場合であつて、当該母以外の者が当該児童を養育する(児童と同居して、これを監護し、かつ、その生計を維持することをいう。以下同じ。)とき、前号イからホまでのいずれかに該当する児童を父が監護しないか、若しくはこれと生計を同じくしない場合(父がない場合を除く。)若しくは同号イからホまでのいずれかに該当する児童(同号ロに該当するものを除く。)の父がない場合であつて、当該父以外の者が当該児童を養育するとき、又は父母がない場合であつて、当該父母以外の者が当該児童を養育するとき 当該養育者

  第四条第二項中「手当は、」の下に「母又は養育者に対する手当にあつては」を加え、「次の各号」を「第一号から第六号まで」に改め、「該当するとき」の下に「、父に対する手当にあつては児童が第一号から第四号まで、第七号又は第八号のいずれかに該当するとき」を加え、同項第三号中「若しくは母の死亡について労働基準法」を「又は母の死亡について労働基準法」に改め、「、父の死亡について支給されるこれらの給付を受けることができる母の監護を受けている場合又は父若しくは母の死亡について支給されるこれらの給付を受けることができる者の養育を受けている場合」を削り、同項第四号を削り、同項第五号を同項第四号とし、同項第六号中「前項第三号」を「前項第一号ハ」に改め、同号を同項第五号とし、同項第七号中「前項第三号」を「前項第一号ハ」に改め、同号を同項第六号とし、同項に次の二号を加える。

  七 母と生計を同じくしているとき。ただし、その者が前項第一号ハに規定する政令で定める程度の障害の状態にあるときを除く。

  八 父の配偶者(前項第一号ハに規定する政令で定める程度の障害の状態にある母を除く。)に養育されているとき。

  第四条第三項中「母が」の下に「、父に対する手当にあつては当該父が」を加え、「次の各号のいずれかに該当する」を「日本国内に住所を有しない」に改め、同項各号を削り、同条の次に次の一条を加える。

  (支給の調整)

 第四条の二 同一の児童について、父及び母のいずれもが手当の支給要件に該当するとき、又は父及び養育者のいずれもが手当の支給要件に該当するときは、当該父に対する手当は、については、支給しない。

 2 同一の児童について、母及び養育者のいずれもが手当の支給要件に該当するときは、当該養育者に対する手当は、当該児童については、支給しない。

  第五条第二項中「その監護し又は養育する前条」を「第四条」に改め、「該当する児童」の下に「であつて、父が監護し、かつ、これと生計を同じくするもの、母が監護するもの又は養育者が養育するもの(以下「監護等児童」という。)」を、「である」の下に「父、」を加える。

  第七条第一項中「(第十三条の二第一項において「支給開始月」という。)」を削り、同条第三項中「四月、八月」を「二月、四月、六月、八月、十月」に、「三期」を「六期」に改める。

  第八条第一項中「監護し又は養育する児童」を「監護等児童」に改め、同条第三項中「その監護し又は養育する児童」を「監護等児童」に改める。

  第九条第一項中「第四条第一項第二号又は第四号」を「第四条第一項第一号ロ又はニ」に改め、「母がない児童」の下に「、同項第二号ロ又はニに該当し、かつ、父がない児童」を、「所得税法」の下に「(昭和四十年法律第三十三号)」を加え、同条第二項中「(母に限る。以下この項において同じ。)の監護する児童が父」を「が母である場合であつてその監護する児童が父から当該児童の養育に必要な費用の支払を受けたとき、又は受給資格者が父である場合であつてその監護し、かつ、これと生計を同じくする児童が母」に改める。

  第十条中「母に」を「父又は母に」に改め、「手当は、その」、「又はその」及び「扶養義務者でその」の下に「父若しくは」を加える。

  第十三条の二を削る。

  第十四条第四号中「母に限る」を「養育者を除く」に改める。

  第十六条中「が監護し、又は養育していた第四条に定める要件に該当する児童」を「の監護等児童であつた者」に改める。

  第二十七条中「その監護し若しくは養育する児童」を「監護等児童」に、「行なう」を「行う」に改める。

  第二十八条の二第二項及び第三項中「母に限る」を「養育者を除く」に改める。

  第二十九条第一項中「父」の下に「又は母」を加え、同条第二項中「第四条第一項第三号」を「第四条第一項第一号ハ」に改め、「父」の下に「若しくは母」を加える。

  第三十条中「当該児童又は」を「当該児童若しくは」に、「又は受給資格者、」を「又は」に改め、「若しくは当該児童の父」を削る。

 (児童扶養手当法の一部を改正する法律の一部改正)

第二条 児童扶養手当法の一部を改正する法律(昭和六十年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。

  第四条に二項を加える改正規定を削る。

  第二十九条第一項の改正規定中「、「当該児童」の下に「、第四条第一項第一号に該当する児童の父」を加え」を削る。

  第三十条の改正規定を削る。

  附則第一条の見出しを「(施行期日)」に改め、同条第一項ただし書及び同条第二項を削る。

  附則第二条を次のように改める。

 第二条 削除

  附則第三条中「新法」を「この法律による改正後の児童扶養手当法(以下「新法」という。)」に、「手当」を「児童扶養手当(以下「手当」という。)」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成二十二年八月一日から施行する。ただし、第二条並びに附則第三条第一項及び第二項並びに第五条の規定は、公布の日から施行する。

 (支給要件に関する経過措置)

第二条 第一条の規定による改正後の児童扶養手当法(以下「新法」という。)第四条第二項及び第三項の規定は、平成二十二年八月以降の月分の児童扶養手当(以下「手当」という。)について適用し、同年七月以前の月分の手当については、なお従前の例による。

 (認定の請求等に関する経過措置)

第三条 平成二十二年八月一日において新法の規定による手当の支給要件(以下この条において「新支給要件」という。)に該当すべき者(第一条の規定による改正前の児童扶養手当法(以下「旧法」という。)の規定による手当の支給要件(以下この条において「旧支給要件」という。)に該当していない者に限る。)は、同日前においても、同日に新支給要件に該当することを条件として、当該手当について新法第六条第一項の規定による認定の請求の手続をとることができる。

2 前項の手続をとった者が、平成二十二年八月一日において、新支給要件に該当しているときは、その者に対する手当の支給は、新法第七条第一項の規定にかかわらず、同月から始める。

3 次の各号に掲げる者が、平成二十二年十一月三十日までの間に新法第六条第一項の規定による認定の請求をしたときは、その者に対する手当の支給は、新法第七条第一項の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める月から始める。

 一 平成二十二年八月一日において現に新支給要件に該当している者(旧支給要件に該当していない者に限り、第一項の手続をとった者を除く。) 同月

 二 平成二十二年八月一日から同年十一月三十日までの間に新支給要件に該当するに至った者(旧支給要件に該当していない者に限る。) その者が新支給要件に該当するに至った日の属する月の翌月

4 前項の規定により、同項各号に掲げる者が平成二十二年十月一日から同年十一月三十日までの間に認定の請求をし、同年八月又は九月から手当の支給を始めることとされた場合における同年八月及び九月の分の手当については、同年十月に支払うべきであった手当とみなして、新法第七条第三項ただし書の規定を適用する。

 (支給の制限に関する経過措置)

第四条 平成二十二年七月以前の月分に係る旧法第十三条の二の規定による手当の支給の制限については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第五条 前三条に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第六条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況、父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭における父又は母の就業状況及び当該家庭の経済的な状況等を勘案し、当該家庭の生活の安定及び自立の促進並びに児童の福祉の増進を図る観点から、児童扶養手当制度を含め、当該家庭に対する支援施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (船員保険法の一部改正)

第七条 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。

  附則第五条第九項中「、児童扶養手当法(昭和三十六年法律第二百三十八号)第四条第三項第二号ただし書」を削り、同条第十項中「児童扶養手当法」の下に「(昭和三十六年法律第二百三十八号)」を加え、「及び第三項第二号ただし書」を削る。

 (労働者災害補償保険法の一部改正)

第八条 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の一部を次のように改正する。

  第五十九条第六項中「、児童扶養手当法(昭和三十六年法律第二百三十八号)第四条第三項第二号ただし書」を削る。

  第六十条第七項中「児童扶養手当法」の下に「(昭和三十六年法律第二百三十八号)」を加え、「及び第三項第二号ただし書」を削る。

 (国家公務員災害補償法の一部改正)

第九条 国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の一部を次のように改正する。

  附則第十一項中「、児童扶養手当法(昭和三十六年法律第二百三十八号)第四条第三項第二号ただし書」を削り、附則第十五項中「児童扶養手当法」の下に「(昭和三十六年法律第二百三十八号)」を加え、「及び第三項第二号ただし書」を削る。

 (特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部改正)

第十条 特別児童扶養手当等の支給に関する法律(昭和三十九年法律第百三十四号)の一部を次のように改正する。

  第十六条中「又は養育する児童」を「監護等児童」に改め、「場合」とあるのは「」の下に「監護し」を、「数が減じ」とあるのは「」の下に「その監護し」を加える。

 (地方公務員災害補償法の一部改正)

第十一条 地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。

  附則第五条の三第四項中「、児童扶養手当法(昭和三十六年法律第二百三十八号)第四条第三項第二号ただし書」を削る。

  附則第六条第四項中「児童扶養手当法」の下に「(昭和三十六年法律第二百三十八号)」を加え、「及び第三項第二号ただし書」を削る。


     理 由

 父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活状況等にかんがみ、児童扶養手当について、支給対象に父子家庭の父及び配偶者の暴力等を原因として事実上離婚状態にある母等を加えるとともに、公的年金給付等との併給調整の一部廃止、支払回数の改善、一定期間経過後の支給制限の廃止等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   この法律の施行に伴い必要となる経費

 この法律の施行に伴い必要となる経費は、平年度約五百億円の見込みである。

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