衆議院

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第一七七回

参第八号

   国家公務員等が不正に資金を保管するために虚偽の請求書の提出を要求する行為等の処罰に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、国、地方公共団体等の支出に関し虚偽の請求書の提出を要求する行為等を処罰することにより、刑法(明治四十年法律第四十五号)等による処罰と相まって、国家公務員、地方公務員等が国、地方公共団体等の支出に関し不正に資金を保管することの防止に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「国家公務員」とは、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第一項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第二項に規定する特定独立行政法人の役員及び職員を除く。)をいう。

2 この法律において「地方公務員」とは、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二条に規定する地方公務員をいう。

3 この法律において「特定法人」とは、次に掲げる法人をいう。

 一 独立行政法人通則法第二条第一項に規定する独立行政法人

 二 国又は地方公共団体から資本金、基本金その他これらに準ずるものの二分の一以上の出資又は拠出を受けている法人(前号に掲げるものを除く。)

 (罰則)

第三条 国家公務員が、他の用途に使用する資金を得て保管する目的で、物品の取得のための支出、旅費の支出その他の国の支出(国家公務員がその事務に従事する地方公共団体の支出を含む。)に関し、支出の相手方に虚偽の請求書若しくは領収書の提出を要求し、又は支出の相手方から虚偽の請求書若しくは領収書を受領したときは、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

2 地方公務員が、他の用途に使用する資金を得て保管する目的で、物品の取得のための支出、旅費の支出その他の当該地方公務員の所属する地方公共団体の支出(当該地方公共団体が行う国の支出を含む。)に関し、支出の相手方に虚偽の請求書若しくは領収書の提出を要求し、又は支出の相手方から虚偽の請求書若しくは領収書を受領したときも、前項と同様とする。

3 特定法人の役員又は職員が、他の用途に使用する資金を得て保管する目的で、物品の取得のための支出、旅費の支出その他の当該特定法人の支出に関し、支出の相手方に虚偽の請求書若しくは領収書の提出を要求し、又は支出の相手方から虚偽の請求書若しくは領収書を受領したときも、第一項と同様とする。

4 前三項の規定は、日本国外においてこれらの項の罪を犯した者にも適用する。

5 第一項から第三項までの規定は、刑法その他の罰則の適用を妨げない。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。

 (検討)

2 特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第十五号の規定の適用を受けるものをいう。)又は認可法人(特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政官庁の認可を要する法人をいう。)であってその資本金に対する国又は地方公共団体の出資割合が二分の一未満であるもの等の支出に関し虚偽の請求書の提出を要求する行為等を処罰することについては、これらの法人における国又は地方公共団体からの委託を受けて行う事務又は事業の割合、これらの法人の経常的経費に対する国又は地方公共団体の補助金等の割合等を踏まえ、検討が行われるものとする。


     理 由

 国家公務員、地方公務員等が国、地方公共団体等の支出に関し虚偽の請求書の提出を要求する行為等を処罰する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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