衆議院

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第一七七回

参第一六号

   東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための臨時の交付金の交付に関する法律案

 (趣旨)

第一条 この法律は、東日本大震災の被害が甚大であるため、その被害を受けた市町村に対し特別な財政支援が必要であることに鑑み、当分の間の措置として、東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための事業又は事務(以下「災害復旧復興事業等」という。)に要する経費に充てるために市町村に交付する交付金について定めるものとする。

 (定義)

第二条 この法律において「東日本大震災」とは、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。

2 この法律において「特定被災市町村」とは、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成二十三年法律第四十号)第二条第三項に規定する特定被災区域をその区域とする市町村をいう。

 (基本理念)

第三条 この法律に基づく交付金は、災害復旧復興事業等について、特定被災市町村がその区域の特性に即して自主的かつ主体的にこれを実施することを旨として交付されるものとする。

2 この法律に基づく交付金の交付に当たっては、特定被災市町村がその創意工夫を発揮して当該交付金に係る災害復旧復興事業等を実施することができるように十分に配慮するものとする。

 (災害復旧復興事業等に係る交付金の交付)

第四条 国は、特定被災市町村に対し、予算の範囲内で、災害復旧復興事業等に要する経費の全部又は一部に充てるための交付金(以下単に「交付金」という。)を交付するものとする。

 (交付金の交付に係る基本方針)

第五条 総務大臣は、交付金の交付に係る基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。

2 基本方針には、次の事項を定めるものとする。

 一 災害復旧復興事業等であって交付金をもってその経費に充てるものの範囲

 二 特定被災市町村に対する交付金の交付の基準

 三 その他交付金の交付の申請及び交付金の交付を受けて行う災害復旧復興事業等の実施に関し必要な事項

3 総務大臣は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

 (交付金の交付の申請等)

第六条 交付金の交付を受けて災害復旧復興事業等を実施しようとする特定被災市町村は、基本方針に基づき、都道府県知事を経由して総務大臣に申請書を提出しなければならない。

2 前項の申請書には、当該実施しようとする災害復旧復興事業等のそれぞれの目的、概要及び経費の概算その他基本方針に定める事項を記載するものとする。

3 総務大臣は、特定被災市町村から第一項の申請書の提出があった場合は、基本方針に基づき、当該特定被災市町村の財政状況、既に行われている災害復旧復興事業等の実施状況等を総合的に勘案して、交付金の交付の対象となる災害復旧復興事業等(以下「交付金対象事業等」という。)及び交付金対象事業等に係る交付金の総額を決定し、これらを都道府県知事を経由して当該申請書の提出に係る特定被災市町村に通知するものとする。

 (事業等実施計画の作成等)

第七条 特定被災市町村は、前条第三項の規定による通知を受けたときは、基本方針に基づき、交付金対象事業等を一括して交付金対象事業等の実施に関する計画(第十条において「事業等実施計画」という。)を作成し、都道府県知事を経由して、総務大臣に提出するものとする。

 (交付金対象事業等に係る交付金)

第八条 交付金対象事業等に係る交付金のうち当該年度内に支出を終わらなかったものは、基本方針で定めるところにより、翌年度以降に繰り越して使用することができる。

2 国は、原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)第三条第一項の規定により原子力事業者(同法第二条第三項に規定する原子力事業者をいう。)が賠償する責めに任ずべき損害の回復に係る事業又は事務について交付金対象事業等に係る交付金を交付したときは、当該原子力事業者に対して、当該事業又は事務に充てられた当該交付金の額に相当する額の限度において求償することができる。

 (関係行政機関の長の援助等)

第九条 関係行政機関の長は、交付金対象事業等を実施する特定被災市町村に対し、当該交付金対象事業等の円滑な実施に関し、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うように努めなければならない。

2 関係行政機関の長は、交付金対象事業等の実施に関し、特定被災市町村から法令の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該交付金対象事業等が円滑かつ迅速に実施されるよう、適切な配慮をするものとする。

 (補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の特例)

第十条 交付金について補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)の適用がある場合においては、同法第十四条の規定による実績報告は、事業等実施計画のうちの交付金対象事業等ごとに行うことを要しないものとし、同法第十五条の規定による交付すべき額の確定は、事業等実施計画のうちの交付金対象事業等に係る交付金として交付すべき額の総額を確定することをもって足りるものとする。

 (事務の区分)

第十一条 第六条第一項及び第三項並びに第七条の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (地方自治法の一部改正)

2 地方自治法の一部を次のように改正する。

  別表第一に次のように加える。

東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための臨時の交付金の交付に関する法律(平成二十三年法律第▼▼▼号)

第六条第一項及び第三項並びに第七条の規定により都道府県が処理することとされている事務

 (総務省設置法の一部改正)

3 総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。

  附則第二条に次の一項を加える。

4 総務省は、第三条の任務を達成するため、第四条及び前三項に規定する事務のほか、当分の間、東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための臨時の交付金の交付に関する法律(平成二十三年法律第▼▼▼号)に規定する事務をつかさどる。

 (検討)

4 政府は、この法律の施行の状況を勘案し、地方分権を推進する観点から、大規模災害により被災した地方公共団体が自らの判断と責任において災害復旧及び災害からの復興のための事業又は事務を実施するため、税源の移譲など必要な地方公共団体に対する財政上の措置について検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


     理 由

 東日本大震災の被害が甚大であるため、その被害を受けた市町村に対し特別な財政支援が必要であることに鑑み、当分の間の措置として、東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための事業又は事務に要する経費に充てるために市町村に交付する交付金について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   この法律の施行に伴い必要となる経費

 この法律の施行に伴い必要となる経費は、平成二十三年度において約五千億円の見込みである。

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