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第一七七回

閣第三七号

   水質汚濁防止法の一部を改正する法律案

 水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。

 第五条の見出し中「特定施設」を「特定施設等」に改め、同条第一項中「次の事項」の下に「(特定施設が有害物質使用特定施設に該当しない場合又は次項の規定に該当する場合にあつては、第五号を除く。)」を加え、第八号を第九号とし、第五号から第七号までを一号ずつ繰り下げ、第四号の次に次の一号を加える。

 五 特定施設の設備

 第五条に次の一項を加える。

3 工場若しくは事業場において有害物質使用特定施設を設置しようとする者(第一項に規定する者が特定施設を設置しようとする場合又は前項に規定する者が有害物質使用特定施設を設置しようとする場合を除く。)又は工場若しくは事業場において有害物質貯蔵指定施設(指定施設(有害物質を貯蔵するものに限る。)であつて当該指定施設から有害物質を含む水が地下に浸透するおそれがあるものとして政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置しようとする者は、環境省令で定めるところにより、次の事項を都道府県知事に届け出なければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 二 工場又は事業場の名称及び所在地

 三 有害物質使用特定施設又は有害物質貯蔵指定施設の構造

 四 有害物質使用特定施設又は有害物質貯蔵指定施設の設備

 五 有害物質使用特定施設又は有害物質貯蔵指定施設の使用の方法

 六 その他環境省令で定める事項

 第六条第一項中「、又は」を「、若しくは」に改め、「浸透させるもの」の下に「又は一の施設が有害物質使用特定施設若しくは有害物質貯蔵指定施設となつた際現にその施設を設置している者(当該有害物質使用特定施設に係る特定事業場から排出水を排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる者を除き、設置の工事をしている者を含む。)」を、「当該施設が特定施設」の下に「又は有害物質貯蔵指定施設」を加え、「又は第二項各号」を「、第二項各号又は第三項各号」に改める。

 第七条の見出し中「特定施設」を「特定施設等」に改め、同条中「第五条第一項第四号から第八号まで」を「第五条第一項第四号から第九号まで」に、「又は同条第二項第四号から第八号まで」を「、同条第二項第四号から第八号までに掲げる事項又は同条第三項第三号から第六号まで」に改める。

 第八条中「、第五条」を「、第五条第一項若しくは第二項の規定による届出」に改め、「又は前条の規定による届出」の下に「(第五条第一項第四号若しくは第六号から第九号までに掲げる事項又は同条第二項第四号から第八号までに掲げる事項の変更に係るものに限る。)」を加え、「又は第五条」を「又は第五条第一項若しくは第二項」に改め、同条に次の一項を加える。

2 都道府県知事は、第五条の規定による届出があつた場合(同条第二項の規定による届出があつた場合を除く。)又は前条の規定による届出(第五条第一項第四号から第九号までに掲げる事項又は同条第三項第三号から第六号までに掲げる事項の変更に係るものに限る。)があつた場合において、その届出に係る有害物質使用特定施設又は有害物質貯蔵指定施設が第十二条の四の環境省令で定める基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から六十日以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る有害物質使用特定施設若しくは有害物質貯蔵指定施設の構造、設備若しくは使用の方法に関する計画の変更(前条の規定による届出に係る計画の廃止を含む。)又は第五条第一項若しくは第三項の規定による届出に係る有害物質使用特定施設若しくは有害物質貯蔵指定施設の設置に関する計画の廃止を命ずることができる。

 第八条の二中「第五条」を「第五条第一項の規定による届出」に改め、「による届出」の下に「(同項第四号又は第六号から第九号までに掲げる事項の変更に係るものに限る。)」を加える。

 第九条第一項中「特定施設」の下に「若しくは有害物質貯蔵指定施設」を、「構造」の下に「、設備」を加える。

 第十条中「若しくは同条第二項第一号」を「、第二項第一号若しくは第二号若しくは第三項第一号」に改め、「特定施設」の下に「若しくは有害物質貯蔵指定施設」を加える。

 第十一条第一項中「特定施設」の下に「又は有害物質貯蔵指定施設」を加え、同条第二項中「係る特定施設」の下に「又は有害物質貯蔵指定施設」を、「当該特定施設」の下に「若しくは有害物質貯蔵指定施設」を加える。

 第十二条の三の次に次の一条を加える。

 (有害物質使用特定施設等に係る構造基準等の遵守義務)

第十二条の四 有害物質使用特定施設を設置している者(当該有害物質使用特定施設に係る特定事業場から特定地下浸透水を浸透させる者を除く。第十三条の三及び第十四条第五項において同じ。)又は有害物質貯蔵指定施設を設置している者は、当該有害物質使用特定施設又は有害物質貯蔵指定施設について、有害物質を含む水の地下への浸透の防止のための構造、設備及び使用の方法に関する基準として環境省令で定める基準を遵守しなければならない。

 第十三条の三を第十三条の四とし、第十三条の二の次に次の一条を加える。

第十三条の三 都道府県知事は、有害物質使用特定施設を設置している者又は有害物質貯蔵指定施設を設置している者が第十二条の四の基準を遵守していないと認めるときは、その者に対し、期限を定めて当該有害物質使用特定施設若しくは有害物質貯蔵指定施設の構造、設備若しくは使用の方法の改善を命じ、又は当該有害物質使用特定施設若しくは有害物質貯蔵指定施設の使用の一時停止を命ずることができる。

2 前項の規定は、第十二条の四の基準の適用の際現に有害物質使用特定施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)又は有害物質貯蔵指定施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)に係る当該有害物質使用特定施設又は有害物質貯蔵指定施設については、当該基準の適用の日から六月間(当該有害物質使用特定施設又は有害物質貯蔵指定施設が政令で定める施設である場合にあつては、一年間)は、適用しない。ただし、当該基準の適用の際その者に適用されている地方公共団体の条例の規定で同項の規定に相当するものがあるとき(当該規定による命令に違反する行為に対する処罰規定がないときを除く。)は、この限りでない。

 第十四条に次の一項を加える。

5 有害物質使用特定施設を設置している者又は有害物質貯蔵指定施設を設置している者は、当該有害物質使用特定施設又は有害物質貯蔵指定施設について、環境省令で定めるところにより、定期に点検し、その結果を記録し、これを保存しなければならない。

 第十四条の三第一項中「、特定事業場」の下に「又は有害物質貯蔵指定施設を設置する工場若しくは事業場(以下この条及び第二十二条第一項において「有害物質貯蔵指定事業場」という。)」を、「当該特定事業場」の下に「又は有害物質貯蔵指定事業場」を加え、同条第二項中「特定事業場」の下に「又は有害物質貯蔵指定事業場」を加え、同条第三項中「特定事業場の」を「特定事業場又は有害物質貯蔵指定事業場の」に、「又はその敷地」を「若しくは有害物質貯蔵指定事業場又はそれらの敷地」に改め、「当該特定事業場」の下に「又は有害物質貯蔵指定事業場」を加える。

 第二十二条第一項中「特定事業場」を「特定事業場若しくは有害物質貯蔵指定事業場」に、「又は設置者」を「若しくは設置者」に、「特定施設の」を「特定施設若しくは有害物質貯蔵指定施設の」に、「特定施設その他」を「特定施設、有害物質貯蔵指定施設その他」に改める。

 第二十三条第二項の表第一号中「鉱山から排出水を排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる者」を「鉱山の設置者(特定地下浸透水を浸透させる者を除く。)」に改め、同表第十号を同表第十三号とし、同表第九号を同表第十二号とし、同表第八号中「第十四条の二第二項」を「第五条第三項、第六条、第七条、第八条第二項、第九条から第十一条まで並びに第十四条の二第二項」に改め、同号を同表第十一号とし、同表第七号中「事業場から排出水を排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる者」を「事業場の設置者(特定地下浸透水を浸透させる者を除く。)」に改め、同号を同表第九号とし、同号の次に次のように加える。

十 廃油処理施設である有害物質使用特定施設を設置する工場又は事業場から特定地下浸透水を浸透させる者

当該有害物質使用特定施設

第五条第二項、第六条、第七条、第八条第一項、第九条から第十一条まで並びに第十四条の二第一項及び第四項

 第二十三条第二項の表第六号を同表第八号とし、同表第五号中「第十四条の二第二項」を「第五条第三項、第六条、第七条、第八条第二項、第九条から第十一条まで並びに第十四条の二第二項」に改め、同号を同表第七号とし、同表第四号中「事業場から排出水を排出し、又は特定地下浸透水を浸透させる者」を「事業場の設置者(特定地下浸透水を浸透させる者を除く。)」に改め、同号を同表第五号とし、同号の次に次のように加える。

六 電気工作物である有害物質使用特定施設を設置する工場又は事業場から特定地下浸透水を浸透させる者

当該有害物質使用特定施設

第五条第二項、第六条、第七条、第八条第一項、第九条から第十一条まで並びに第十四条の二第一項及び第四項

 第二十三条第二項の表第三号を同表第四号とし、同表第二号中「第十四条の二第二項」を「第五条第三項、第六条、第七条、第八条第二項、第九条から第十一条まで並びに第十四条の二第二項」に改め、同号を同表第三号とし、同表第一号の次に次のように加える。

二 鉱山施設である有害物質使用特定施設を設置する鉱山保安法第二条第二項本文に規定する鉱山から特定地下浸透水を浸透させる者

当該鉱山

第五条第二項、第六条、第七条、第八条第一項、第九条から第十一条まで並びに第十四条の二第一項及び第四項

 第二十三条第三項中「特定施設」の下に「又は指定施設」を加え、同条第四項中「又は特定地下浸透水」を「若しくは特定地下浸透水又は同項に規定する指定施設から地下に浸透する有害物質を含む水」に改め、同条第六項中「第四号」を「第五号」に改め、「、第十三条の二第一項」の下に「、第十三条の三第一項」を加え、「同表第七号の上欄に掲げる者に対し第十三条第一項若しくは第三項又は」を「同表第二号又は第六号の上欄に掲げる者に対し第十三条の二第一項又は第十四条の三第一項若しくは第二項の規定による命令を、同表第三号、第七号又は第十一号の上欄に掲げる者に対し第十三条の三第一項の規定による命令を、同表第九号の上欄に掲げる者に対し第十三条第一項若しくは第三項、第十三条の二第一項又は第十三条の三第一項の規定による命令を、同表第十号の上欄に掲げる者に対し」に改める。

 第二十四条の二第一号中「第十三条の二第一項」の下に「、第十三条の三第一項」を加え、同条第二号中「第十三条の三」を「第十三条の四」に改める。

 第三十条中「第十三条の二第一項」の下に「、第十三条の三第一項」を加える。

 第三十三条第三号中「又は第二項」を「、第二項又は第五項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の水質汚濁防止法第五条第一項の規定によりされている届出は、この法律による改正後の水質汚濁防止法(以下「新法」という。)第五条第一項の規定によりされた届出とみなす。

第三条 この法律の施行の際現に工場若しくは事業場において新法第二条第八項に規定する有害物質使用特定施設(以下「有害物質使用特定施設」という。)を設置している者(新法第五条第一項又は第二項の規定に該当する場合を除き、設置の工事をしている者を含む。)又は工場若しくは事業場において新法第五条第三項に規定する有害物質貯蔵指定施設(以下「有害物質貯蔵指定施設」という。)を設置している者(設置の工事をしている者を含む。次条において同じ。)は、この法律の施行の日から三十日以内に、環境省令で定めるところにより、同項各号に掲げる事項を都道府県知事(新法第二十八条第一項の政令で定める市(特別区を含む。以下この項において同じ。)の区域内の有害物質使用特定施設又は有害物質貯蔵指定施設に係る場合にあっては、当該市の長とする。)に届け出なければならない。

2 前項の規定による届出をした者は、新法第六条第一項の規定による届出をした者とみなす。

3 第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

4 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

第四条 この法律の施行の際現に有害物質使用特定施設を設置している者(新法第五条第二項の規定に該当する場合を除き、設置の工事をしている者を含む。)及び有害物質貯蔵指定施設を設置している者については、この法律の施行の日から起算して三年を経過する日までの間は、新法第八条第二項、第十二条の四及び第十三条の三の規定は、適用しない。

2 前項の規定に該当する者に対する新法第十三条の三第二項の規定の適用については、同項中「第十二条の四の基準の適用」とあるのは、「第十二条の四の基準の適用(水質汚濁防止法の一部を改正する法律(平成二十三年法律第▼▼▼号)の施行の日から起算して三年を経過することにより同条の規定が適用されることとなつた場合を除く。以下この項において同じ。)」とする。

 (政令への委任)

第五条 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第六条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (瀬戸内海環境保全特別措置法の一部改正)

第七条 瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和四十八年法律第百十号)の一部を次のように改正する。

  第十二条第三項中「又は特定地下浸透水」とあるのは「特定地下浸透水」と、「前条第一項各号又は」を「若しくは特定地下浸透水」とあるのは「特定地下浸透水」と、「前条第一項各号、」に、「同法第七条中「第五条」とあるのは「第五条第二項」を「同法第七条中「第五条又は」とあるのは「第五条第二項若しくは第三項又は」に、「第八号」を「第九号」に、「掲げる事項又は」を「掲げる事項、」に、「同法第八条中「都道府県知事」とあるのは「府県知事」と、「第五条」とあるのは「第五条第二項」を「同法第八条第一項中「都道府県知事は、第五条第一項若しくは第二項」とあるのは「府県知事は、第五条第二項」と、「第五条第一項第四号若しくは第六号から第九号までに掲げる事項又は同条第二項第四号」とあるのは「同項第四号」に、「同法第九条第一項」を「「又は第五条第一項若しくは第二項」とあるのは「又は同項」と、同法第九条第一項」に、「第五条第二項」と、同条第二項」を「第五条第二項若しくは第三項」と、同条第二項」に、「第五条第二項」と、同法第十条中「第五条」とあるのは「第五条第二項」を「第五条第二項若しくは第三項」と、同法第十条中「第五条又は」とあるのは「第五条第二項若しくは第三項又は」に、「若しくは同条第二項第一号」を「、第二項第一号」に、「第五条第二項」と、同条第三項中「第五条」とあるのは「第五条第二項」を「第五条第二項若しくは第三項」と、同条第三項中「第五条」とあるのは「第五条第二項若しくは第三項」に、「同法第二十三条第二項中「排出水を排出し、又は特定地下浸透水」とあるのは「特定地下浸透水」と、「第五条」とあるのは「第五条第二項、第六条」と、同条第三項中「第五条」とあるのは「第五条第二項」を「同法第二十三条第三項中「第五条」とあるのは「第五条第二項若しくは第三項」に、「「当該特定施設」を「「当該特定施設又は指定施設」に改め、「、「第八条、第八条の二」とあるのは「第八条」と」を削り、「第八条」と、同条第五項」を「同条」と、同条第五項」に改める。

 (特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法の一部改正)

第八条 特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法(平成六年法律第九号)の一部を次のように改正する。

  第十五条第五項ただし書中「から第六号まで」を「、第六号若しくは第七号」に、「並びに」を「及び」に改める。


     理 由

 有害物質による地下水汚染の防止を図るため、指定施設であって有害物質を貯蔵するもの等に係る構造等について基準を遵守すべきこととするとともに、定期点検等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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