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第一八三回

衆第四四号

   国等が行う公共工事についての地元建設業者の受注の確保等に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、地域における建設業を取り巻く社会経済情勢の変化等に鑑み、国等が行う公共工事の契約の締結に際し地元建設業者の受注の機会を確保するための措置を講ずること等により、地域における建設業の健全な発達及び地域経済の活性化に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「独立行政法人等」とは、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)又は特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第十五号の規定の適用を受けるものをいう。)のうち、その資本金の全部若しくは大部分が国からの出資による法人又はその事業の運営のために必要な経費の主たる財源を国からの交付金若しくは補助金によって得ている法人であって、政令で定めるものをいう。

2 この法律において「国等が行う公共工事」とは、建設業法(昭和二十四年法律第百号)第二条第一項に規定する建設工事のうち、国又は独立行政法人等が発注するものをいう。

3 この法律において「建設業者」とは、建設業法第二条第三項に規定する建設業者をいう。

4 この法律において「地元建設業者」とは、国等が行う公共工事の行われる区域をその区域に含む都道府県(第九条第二項において「地元都道府県」という。)の区域内に本店を有する建設業者をいう。

 (国及び独立行政法人等の責務)

第三条 国及び独立行政法人等は、国等が行う公共工事の契約を締結するに当たっては、予算の適正な使用に留意しつつ、地元建設業者の受注の機会の増大を図るように努めなければならない。

 (基本方針)

第四条 国は、国等が行う公共工事の契約に関し、地元建設業者の受注の機会の増大を図るための基本方針(以下この条において「基本方針」という。)を定めなければならない。

2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 国等が行う公共工事の契約に係る地元建設業者の受注の機会の増大に関する基本的方向

 二 国等が行う公共工事の契約に係る地元建設業者の受注の機会の増大に関する基本的事項

 三 第七条第一項の規定により地元建設業者を契約の相手方とするよう努めることとされる国等が行う公共工事に関する基本的事項

 四 その他国等が行う公共工事の契約に係る地元建設業者の受注の機会の増大に関する重要事項

3 国土交通大臣は、あらかじめ各省各庁の長等(国にあっては財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十条第二項に規定する各省各庁の長、独立行政法人等にあってはその主務大臣をいう。以下同じ。)と協議して基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

4 国土交通大臣は、前項の閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならない。

5 前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。

 (契約の実績の概要の通知)

第五条 各省各庁の長等は、毎会計年度又は毎事業年度の終了後、地元建設業者との間でした国等が行う公共工事の契約の実績の概要を国土交通大臣に通知するものとする。

 (各省各庁の長等に対する要請)

第六条 国土交通大臣は、国等が行う公共工事の契約に関し、各省各庁の長等に対し、地元建設業者の受注の機会の増大を図るため特に必要があると認められる措置をとるべきことを要請することができる。

 (国等が行う公共工事の契約締結の相手方)

第七条 国及び独立行政法人等は、国等が行う公共工事(予定価格が一億円以下のものに限る。次条において同じ。)の契約を締結するに当たっては、当分の間、地元建設業者を当該契約の相手方とするよう努めるものとする。ただし、当該国等が行う公共工事の行われる区域が都道府県の境界付近にある場合又は当該国等が行う公共工事の確実な実施に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合は、この限りでない。

2 前項の規定による契約の締結の方法に関し必要な事項は、政令で定める。

 (国等が行う公共工事の契約の締結に当たっての配慮)

第八条 国及び独立行政法人等は、国等が行う公共工事の契約の締結に際し地元建設業者の受注の機会の増大を図るための措置を講ずるに当たっては、地元建設業者のうち、当該国等が行う公共工事の行われる区域をその区域に含む市町村(特別区を含む。)の区域内に本店を有するものの受注の機会の増大が図られるよう特に配慮しなければならない。

 (国等が行う公共工事を受注した建設業者の努力)

第九条 国等が行う公共工事を受注した建設業者は、他の建設業者との間で当該国等が行う公共工事について請負契約を締結するに当たっては、地元建設業者との間で当該請負契約を締結するよう努めるものとする。

2 国等が行う公共工事を受注した建設業者は、当該国等が行う公共工事に使用する資材又は機械器具を購入するに当たっては、地元都道府県の区域内に本店を有する者から購入するよう努めるものとする。

 (地方公共団体の施策)

第十条 地方公共団体は、国の施策に準じて、地元建設業者の受注の機会の増大を図るために必要な施策を講ずるように努めなければならない。

 (政令への委任)

第十一条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 この法律は、平成二十六年四月一日から施行する。


     理 由

 地域における建設業を取り巻く社会経済情勢の変化等に鑑み、地域における建設業の健全な発達及び地域経済の活性化に資するため、国等が行う公共工事の契約の締結に際し地元建設業者の受注の機会を確保するための措置を講ずる等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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