衆議院

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第一八五回

衆第一二号

   情報適正管理委員会設置法案

 (目的)

第一条 この法律は、情報適正管理委員会の設置並びに任務及びこれを達成するため必要となる明確な範囲の所掌事務を定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するため必要な組織を定めることを目的とする。

 (設置)

第二条 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第三項の規定に基づいて、内閣府の外局として、情報適正管理委員会(以下「委員会」という。)を置く。

 (任務)

第三条 委員会は、国の保有する情報は本来国民のものであるとの国民主権の理念にのっとり国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由を十分に尊重しつつ、特別安全保障秘密の適正な管理を図ることを任務とする。

 (所掌事務)

第四条 委員会は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。

 一 特別安全保障秘密(特別安全保障秘密の適正な管理に関する法律(平成二十五年法律第▼▼▼号。以下この条において「特別安全保障秘密適正管理法」という。)第三条第一項に規定する特別安全保障秘密をいう。第三号において同じ。)の指定の解除に係る調査及び勧告に関すること。

 二 適格性確認(特別安全保障秘密適正管理法第十三条第一項に規定する適格性確認をいう。次号において同じ。)についての苦情の申出に関すること。

 三 特別安全保障秘密の指定及びその解除並びに適格性確認の実施に関する統一的な運用を図るための基準の作成に関すること。

 四 前三号に掲げるもののほか、特別安全保障秘密適正管理法(これに基づく命令を含む。)に基づき委員会に属させられた事務

 (職権の行使)

第五条 委員会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う。

 (組織)

第六条 委員会は、委員長及び委員六人をもって組織する。

2 委員のうち三人は、非常勤とする。

3 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。

4 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する常勤の委員が、その職務を代理する。

 (委員長及び委員の任命)

第七条 委員長及び委員は、委員会の職務の遂行に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、国会の議決による指名に基づいて、内閣総理大臣が任命する。

2 前項の指名に当たっては、同一の政党その他の政治団体に属する者が三人以上とならないようにしなければならない。

 (任期)

第八条 委員長及び委員の任期は、五年とする。ただし、補欠の委員長又は委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 前項の規定にかかわらず、委員は、国会の閉会又は衆議院の解散の場合に任期が満了したときは、新たに委員長又は委員が、その後最初に召集された国会における指名に基づいて任命されるまでの間、なお在任するものとする。

 (身分保障)

第九条 委員長及び委員は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。

 一 破産手続開始の決定を受けたとき。

 二 禁錮以上の刑に処せられたとき。

 三 心身の故障のため職務の執行ができないとき又は職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行があったとき。

 (罷免)

第十条 内閣総理大臣は、委員長又は委員が前条各号のいずれかに至ったときは、その委員長又は委員を罷免するものとする。ただし、同条第三号の場合においては、国会の同意を得なければならない。

2 委員のうち同一の政党その他の政治団体に属する者が三人以上となった場合においては、内閣総理大臣は、くじで定める二人以外の委員長又は委員を罷免するものとする。

3 前項の規定は、政党所属関係に異動のなかった委員長又は委員の地位に影響を及ぼすものではない。

 (委員長及び委員の服務等)

第十一条 委員長及び委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

2 委員長及び委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。

3 委員長及び常勤の委員は、在任中、営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行い、又は内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事してはならない。

4 委員長及び委員の給与は、別に法律で定める。

 (会議)

第十二条 委員会は、委員長が招集する。

2 委員会は、委員長及び三人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。

3 委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

4 委員長に事故がある場合の第二項の規定の適用については、第六条第四項に規定する常勤の委員は、委員長とみなす。

 (規則の制定)

第十三条 委員会は、その所掌事務について、法律若しくは政令を実施するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、情報適正管理委員会規則を制定することができる。

 (公聴会)

第十四条 委員会は、必要があると認めるときは、公聴会を開いて、広く一般の意見を聴くことができる。

 (資料提出の要求等)

第十五条 委員会は、必要があると認めるときは、関係行政機関に対し、資料の提出、意見の開陳、技術的知識の提供その他必要な協力を求めることができる。

 (国会に対する報告)

第十六条 委員会は、毎年、内閣総理大臣を経由して国会に対し所掌事務の処理状況を報告するとともに、その概要を公表しなければならない。

 (事務局)

第十七条 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。

2 委員会の事務局の内部組織は、情報適正管理委員会規則で定める。

 (罰則)

第十八条 第十一条第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、特別安全保障秘密の適正な管理に関する法律の施行の日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。

 (委員長又は委員の任命のために必要な行為に関する経過措置)

第二条 第七条第一項の規定による委員会の委員長又は委員の任命のために必要な行為は、同条の規定の例により、この法律の施行前においても、行うことができる。

 (内閣府設置法の一部改正)

第三条 内閣府設置法の一部を次のように改正する。

  第四条第三項第五十九号の二の次に次の一号を加える。

  五十九の三 情報適正管理委員会設置法(平成二十五年法律第▼▼▼号)第四条に規定する事務

  第六十四条の表中特定個人情報保護委員会の項の次に次のように加える。

情報適正管理委員会

特別安全保障秘密の適正な管理に関する法律

 (特別職の職員の給与に関する法律の一部改正)

第四条 特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。

  第一条第十四号の二の次に次の一号を加える。

  十四の三 情報適正管理委員会の委員長及び常勤の委員

  第一条第四十七号の二の次に次の一号を加える。

  四十七の三 情報適正管理委員会の非常勤の委員

  別表第一官職名の欄中「特定個人情報保護委員会委員長」を

特定個人情報保護委員会委員長

 

 

情報適正管理委員会委員長

 に、「特定個人情報保護委員会の常勤の委員」を

特定個人情報保護委員会の常勤の委員

 

 

情報適正管理委員会の常勤の委員

 に改める。


     理 由

 国の保有する情報は本来国民のものであるとの国民主権の理念にのっとり国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由を十分に尊重しつつ、特別安全保障秘密の適正な管理を行うため、情報適正管理委員会の設置並びに任務及びこれを達成するため必要となる明確な範囲の所掌事務を定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するため必要な組織を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   本案施行に要する経費

 本案施行に要する経費としては、平年度約五億円の見込みである。

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