衆議院

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第一九三回

衆第一一号

   国家公務員法の一部を改正する法律案

 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。

 第百六条の二第一項中「除く。)」の下に「その他の団体」を加え、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項第二号中「第四項」を「第五項」に改め、同条第四項中「第二項第二号」を「第三項第二号」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。

  職員は、職員であつた者に対し、次に掲げる行為をしてはならない。

 一 他の役職員をその離職後に、又は役職員であつた者を、営利企業等又はその子法人の地位に就かせることを目的として、次に掲げる行為をすること。

  イ 当該役職員又は役職員であつた者に関する情報を提供すること。

  ロ 当該営利企業等に対し、当該役職員又は役職員であつた者に関する情報を提供するよう、依頼すること。

  ハ 当該地位に関する情報の提供を依頼すること。

  ニ 当該地位に関する情報を提供すること。

 二 営利企業等に対し、他の役職員をその離職後に、又は役職員であつた者を、当該営利企業等又はその子法人の地位に就かせることを要求し又は依頼するよう、依頼すること。

 第百六条の二に次の二項を加える。

  職員であつた者は、第二項の規定に違反する職員の行為を受けて、営利企業等に対し、次に掲げる行為をしてはならない。

 一 他の役職員をその離職後に、又は役職員であつた者を、当該営利企業等又はその子法人の地位に就かせることを目的として、次に掲げる行為をすること。

  イ 当該役職員又は役職員であつた者に関する情報を提供すること。

  ロ 当該地位に関する情報の提供を依頼すること。

 二 他の役職員をその離職後に、又は役職員であつた者を、当該営利企業等又はその子法人の地位に就かせることを要求し、又は依頼すること。

  職員であつた者であつて、他の役職員をその離職後に、又は役職員であつた者を、営利企業等又はその子法人の地位に就かせることに関し職員との間で情報の共有又は連絡調整を行うことが常態であるものは、営利企業等に対し、前項各号に掲げる行為をしてはならない。

 第百六条の三第二項第一号中「前条第四項」を「前条第五項」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (離職後の就職の承諾等の規制)

第百六条の三の二 職員は、離職後二年間は、営利企業等の地位で、その離職前五年間に在職していた政令で定める国の機関、行政執行法人又は都道府県警察と密接な関係にあるものに就くことを承諾し、又は就いてはならない。

  前項の規定は、同項の地位に就くことを承諾し、又は就くことにより公務の公正性の確保に支障が生じないと認められる場合として政令で定める場合において、政令で定める手続により内閣総理大臣の承認を得たときは、これを適用しない。

  前項の規定による内閣総理大臣が承認する権限は、再就職等監視委員会に委任する。

  前項の規定により再就職等監視委員会に委任された権限は、政令で定めるところにより、再就職等監察官に委任することができる。

  再就職等監視委員会が第三項の規定により委任を受けた権限に基づき行う承認(前項の規定により委任を受けた権限に基づき再就職等監察官が行う承認を含む。)についての審査請求は、再就職等監視委員会に対して行うことができる。

 第百六条の五第二項第二号中「第百六条の三第三項」の下に「、第百六条の三の二第三項」を加える。

 第百六条の十四第二項第一号中「第百六条の三第四項」の下に「、第百六条の三の二第四項」を加える。

 第百六条の二十七中「この条」を「この項」に改め、同条に次の一項を加える。

  前項の規定は、第百六条の三の二第二項の承認を得た管理職職員又は管理職職員であつた者が、離職後二年を経過するまでの間に、当該承認に係る営利企業等の地位に就いた場合について準用する。

 第百九条第十三号の次に次の一号を加える。

 十三の二 第百六条の三の二の規定に違反して営利企業等の地位に就いた者

 第百十一条の次に次の一条を加える。

第百十一条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

 一 第百六条の二第一項の規定に違反した職員

 二 第百六条の二第二項の規定に違反した職員(同項の規定に違反する行為の相手方である職員であつた者が同条第六項の規定に違反した場合に限る。)

 三 第百六条の二第六項の規定に違反した職員であつた者

 四 第百六条の二第七項の規定に違反した職員であつた者

 五 第百六条の三第一項の規定に違反した職員

 第百十二条第一号中「第百六条の二第一項又は」を「第百六条の二第一項若しくは第二項、」に改め、「第百六条の三第一項」の下に「又は第百六条の三の二第一項」を加える。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第四条及び第五条の規定は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律による改正前の国家公務員法第二条に規定する一般職に属する職員であった者がこの法律の施行の際その離職後二年を経過していない者である場合には、この法律による改正後の国家公務員法第百六条の三の二第一項の規定は、適用しない。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第三条 前条に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

 (関係法律の整備)

第四条 この法律の施行に伴う関係法律の整備については、別に法律で定める。

 (退職管理に関する制度の在り方等の検討)

第五条 政府は、国家公務員の退職管理の一層の適正化を図る観点から、国家公務員の退職管理に関する制度の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


     理 由

 国家公務員である職員及び当該職員であった者による離職後の就職に関するあっせん行為等が公務に対する国民の信頼を著しく損ねている現状に鑑み、職員の退職管理の一層の適正化を緊急に図るため、離職後の就職に関する規制を強化する等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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