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第一九三回

閣第六三号

   特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案

 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(平成四年法律第百八号)の一部を次のように改正する。

 第二条第一項第一号中「該当するもの」の下に「(条約第十一条に規定する二国間の、多数国間の又は地域的な協定又は取決め(以下「条約以外の協定等」という。)に基づきその輸出、輸入、運搬(これに伴う保管を含む。以下同じ。)及び処分について規制を行う必要がない物であって政令で定めるものを除く。)」を加え、同号イ中「であって」を「のうち」に改め、「もの」の下に「であって、その処分の目的ごとに、かつ、輸出及び輸入の別に応じて環境省令で定めるもの」を加え、同号に次のように加える。

  ホ 条約の締約国である外国(以下このホにおいて「条約締約国」という。)において条約第一条1に規定する有害廃棄物とされている物であって、当該条約締約国を仕向地又は経由地とする輸出に係るものとして環境省令で定めるもの

 第二条第一項第二号中「条約第十一条に規定する二国間の、多数国間の又は地域的な協定又は取決め(以下「条約以外の協定等」という。)」を「条約以外の協定等」に改め、「(これに伴う保管を含む。以下同じ。)」を削り、同条第三項中「第一項第一号ニ」を「第一項第一号イ、ニ及びホ」に改める。

 第四条第三項中「について」の下に「環境省令で定める」を加える。

 第六条第三項ただし書中「第十四条第一項」を「第十七条第一項」に改める。

 第八条第一項に次のただし書を加える。

  ただし、第十四条第一項の認定を受けた者が、第十五条第一項の認定を受けた者が同項の認定に係る条約附属書IVBに掲げる処分作業(以下「再生利用等」という。)を行うために使用する目的で、特定有害廃棄物等を輸入しようとする場合は、この限りでない。

 第十条第三項第二号及び第十二条第二項中「第十四条第二項」を「第十七条第二項」に改める。

 第二十四条を第二十七条とし、第二十三条を第二十六条とする。

 第二十二条第四号中「第十五条」を「第十八条」に改め、同条第五号中「第十六条第一項」を「第十九条第一項」に改め、同条を第二十五条とする。

 第二十一条の前の見出しを削り、同条中「第十四条」を「第十七条」に改め、同条を第二十四条とし、同条の前に見出しとして「(罰則)」を付する。

 第二十条を第二十三条とし、第十九条を第二十二条とする。

 第十八条第一項中「第十四条」を「第十七条」に改め、同条を第二十一条とする。

 第十七条に次の五号を加える。

 六 第十四条第一項の認定又はその更新を受けようとする者

 七 第十四条第五項の認定を受けようとする者

 八 第十五条第一項の認定又はその更新を受けようとする者

 九 第十五条第五項において準用する第十四条第五項の認定を受けようとする者

 十 第十六条において準用する第十条第四項の規定により移動書類の書換えを受けようとする者

 第十七条を第二十条とする。

 第十六条第二項中「又は輸入された」を「、輸入された」に改め、「行う者」の下に「又は第十四条第一項若しくは第十五条第一項の認定を受けた者」を加え、同条を第十九条とする。

 第十五条第二項中「又は輸入された」を「、輸入された」に改め、「行う者」の下に「又は第十四条第一項若しくは第十五条第一項の認定を受けた者」を加え、同条を第十八条とする。

 第十四条第二項中「第十六条第二項」を「第十九条第二項」に改め、同条を第十七条とする。

 第十三条の次に次の三条を加える。

 (再生利用等目的輸入事業者の認定)

第十四条 特定有害廃棄物等を輸入しようとする者は、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、次の各号のいずれにも適合していることについて、経済産業大臣及び環境大臣の認定を受けることができる。

 一 当該輸入の目的が、次条第一項の認定を受けた者が行う当該認定に係る再生利用等であること。

 二 当該輸入を行おうとする者が、当該輸入を的確に行うことができる者として経済産業省令、環境省令で定める基準に適合する者であること。

 三 当該輸入及び次条第一項の認定に係る施設への運搬が、人の健康の保護及び生活環境の保全上支障のないものとして経済産業省令、環境省令で定める基準に適合すること。

2 前項の認定を受けようとする者は、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書その他経済産業省令、環境省令で定める書類を経済産業大臣及び環境大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その法人番号及び代表者の氏名

 二 前項第三号に係る次条第一項の認定を受けた者に関する事項

 三 輸入しようとする特定有害廃棄物等の種類及び輸入の方法

3 経済産業大臣及び環境大臣は、第一項の認定を受けようとする者が同項各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認定をするものとする。

4 第一項の認定は、五年を超えない範囲内で政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

5 第一項の認定を受けた者は、第二項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、経済産業大臣及び環境大臣の認定を受けなければならない。ただし、その変更が経済産業省令、環境省令で定める軽微な変更であるときは、この限りでない。

6 第三項の規定は、第四項の認定の更新及び前項の認定について準用する。この場合において、第三項中「同項各号」とあるのは、「第一項各号」と読み替えるものとする。

7 第一項の認定を受けた者は、第五項ただし書の経済産業省令、環境省令で定める軽微な変更をしたときは、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を経済産業大臣及び環境大臣に届け出なければならない。

8 経済産業大臣及び環境大臣は、第一項の認定を受けた者が同項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるとき、又は第五項若しくは前項の規定に違反したときは、当該認定を取り消すことができる。

9 前各項に規定するもののほか、第一項及び第五項の認定並びに第四項の認定の更新に関し必要な事項は、政令で定める。

 (再生利用等事業者の認定)

第十五条 特定有害廃棄物等の再生利用等を行おうとする者は、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、次の各号のいずれにも適合していることについて、経済産業大臣及び環境大臣の認定を受けることができる。

 一 当該再生利用等を行おうとする者が、当該再生利用等を的確に行うことができる者として経済産業省令、環境省令で定める基準に適合する者であること。

 二 当該再生利用等を行おうとする者が設置し、又は設置しようとする当該再生利用等を行おうとする施設及び当該施設における当該再生利用等が、人の健康の保護及び生活環境の保全上支障のないものとして経済産業省令、環境省令で定める基準に適合すること。

2 前項の認定を受けようとする者は、経済産業省令、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書その他経済産業省令、環境省令で定める書類を経済産業大臣及び環境大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その法人番号及び代表者の氏名

 二 再生利用等を行おうとする施設

 三 再生利用等を行おうとする特定有害廃棄物等の種類及び処理の方法

3 経済産業大臣及び環境大臣は、第一項の認定を受けようとする者が同項各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認定をするものとする。

4 第一項の認定は、五年を超えない範囲内で政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

5 前条第五項から第八項までの規定は、第一項の認定について準用する。この場合において、同条第五項中「第二項各号」とあるのは「次条第二項各号」と、同条第六項中「第三項の」とあるのは「次条第三項の」と、「第四項」とあるのは「同条第四項」と、「第三項中」とあるのは「同条第三項中」と読み替えるものとする。

6 前各項に規定するもののほか、第一項及び前項の規定により準用する前条第五項の認定並びに第四項の認定の更新に関し必要な事項は、政令で定める。

 (輸入移動書類に関する規定の準用)

第十六条 前条第一項の認定を受けた者による同項の認定に係る再生利用等に使用する目的で、第十四条第一項の認定を受けた者が特定有害廃棄物等を輸入する場合については、第九条第二項前段及び第三項並びに第十条から第十三条までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

第九条第二項前段

前項の規定により輸入移動書類の交付を受けた者

特定有害廃棄物等を輸入した第十四条第一項の認定を受けた者

 

輸入移動書類とともに

当該特定有害廃棄物等に係る移動書類とともに

 

当該輸入移動書類

当該移動書類

 

輸入移動書類の交付を受けた者等

再生利用等目的輸入事業者等

第九条第三項

輸入移動書類の交付を受けた者等

再生利用等目的輸入事業者等

 

前項後段の規定により輸入移動書類の再交付を受けた場合において、

前項前段の場合において汚損し、若しくは失った移動書類と同一の内容の移動書類を入手したとき、又は

 

失った輸入移動書類

失った移動書類

 

当該輸入移動書類を添付して、遅滞なく

遅滞なく

第十条第一項

前条第一項の規定により輸入移動書類が交付された

第十四条第一項の認定を受けた者により輸入された

 

当該輸入移動書類

当該輸入特定有害廃棄物等に係る移動書類

第十条第二項及び第三項

輸入移動書類

移動書類

第十条第四項

輸入移動書類の交付を受けた者等

再生利用等目的輸入事業者等

 

当該輸入移動書類

当該再生利用等目的輸入事業者等が携帯する移動書類

第十条第五項、第十一条及び第十二条の見出し

輸入移動書類

移動書類

第十二条第一項

輸入移動書類の交付を受けた者等

再生利用等目的輸入事業者等

 

当該輸入移動書類

当該再生利用等目的輸入事業者等が携帯する移動書類

 

輸入移動書類に係る

移動書類に係る

第十二条第二項、第十三条、第二十五条第三号及び第二十六条第一号

輸入移動書類

移動書類

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第六条の規定は、公布の日から施行する。

 (特定有害廃棄物等の輸出の承認の申請に関する経過措置)

第二条 この法律の施行の際現にされているこの法律による改正前の特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(次条において「旧法」という。)第四条第一項の規定による承認の申請は、この法律による改正後の特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(以下「新法」という。)第四条第一項の規定による承認の申請とみなす。

 (特定有害廃棄物等の輸入に関する経過措置)

第三条 この法律の施行前に輸入された旧法第二条第一項各号に掲げる特定有害廃棄物等(以下この条及び次条において「旧特定有害廃棄物等」という。)又はこの法律の施行前に旧法第八条第一項の承認を受けた者が輸入しようとする当該承認に係る旧特定有害廃棄物等のうち、新法第二条第一項各号に掲げる特定有害廃棄物等(以下この条及び次条において「新特定有害廃棄物等」という。)に該当しないものについては、新特定有害廃棄物等とみなす。

 (特定有害廃棄物等の輸出に関する経過措置)

第四条 新法第十七条第一項、第十八条第一項及び第十九条第一項の規定は、新特定有害廃棄物等のうち、旧特定有害廃棄物等に該当しないものであって、この法律の施行前に輸出されたものについては、適用しない。

 (罰則に関する経過措置)

第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第六条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 (検討)

第七条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


     理 由

 特定有害廃棄物等の国際的な取引等を巡る状況及び我が国の再生利用等に関する技術の向上等を踏まえ、特定有害廃棄物等の輸出入等に係る規制をその実態に即したものとするため、特定有害廃棄物等の範囲の見直し、再生利用等目的輸入事業者等の認定制度の創設による特定有害廃棄物等の輸入に係る手続の簡素化等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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