衆議院

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第二〇〇回

閣第一〇号

   会社法の一部を改正する法律案

 会社法(平成十七年法律第八十六号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第二百二条」を「第二百二条の二」に、「株主総会及び種類株主総会」を「株主総会及び種類株主総会等」に、「第二款 種類株主総会(第三百二十一条−第三百二十五条)」を

第二款 種類株主総会(第三百二十一条−第三百二十五条)

 

 

第三款 電子提供措置(第三百二十五条の二−第三百二十五条の七)

に、「第十一節 役員等の損害賠償責任(第四百二十三条−第四百三十条)」を

第十一節 役員等の損害賠償責任(第四百二十三条−第四百三十条)

 

 

第十二節 補償契約及び役員等のために締結される保険契約(第四百三十条の二・第四百三十条の三)

 

に、「第二章 社債管理者(第七百二条−第七百十四条)」を

第二章 社債管理者(第七百二条−第七百十四条)

 

 

第二章の二 社債管理補助者(第七百十四条の二−第七百十四条の七)

に、「第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転」を「第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付」に、「第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転の手続」を

第四章の二 株式交付(第七百七十四条の二−第七百七十四条の十一)

 

 

第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続

に、「第六編 外国会社(第八百十七条−第八百二十三条)」を

  第四節 株式交付の手続(第八百十六条の二−第八百十六条の十)

 

 

第六編 外国会社(第八百十七条−第八百二十三条)

に、

第二節 会社の登記

 

 

 第一款 本店の所在地における登記(第九百十一条−第九百二十九条)

 

 

 第二款 支店の所在地における登記(第九百三十条−第九百三十二条)

を「第二節 会社の登記(第九百十一条−第九百三十二条)」に改める。

 第二条第三十二号の次に次の一号を加える。

 三十二の二 株式交付 株式会社が他の株式会社をその子会社(法務省令で定めるものに限る。第七百七十四条の三第二項において同じ。)とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。

 第三十九条に次の一項を加える。

5 第三百三十一条の二の規定は、設立時取締役及び設立時監査役について準用する。

 第二編第二章第八節第一款中第二百二条の次に次の一条を加える。

 (取締役の報酬等に係る募集事項の決定の特則)

第二百二条の二 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従いその発行する株式又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をするときは、第百九十九条第一項第二号及び第四号に掲げる事項を定めることを要しない。この場合において、当該株式会社は、募集株式について次に掲げる事項を定めなければならない。

 一 取締役の報酬等(第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。第二百三十六条第三項第一号において同じ。)として当該募集に係る株式の発行又は自己株式の処分をするものであり、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は第百九十九条第一項第三号の財産の給付を要しない旨

 二 募集株式を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。)

2 前項各号に掲げる事項を定めた場合における第百九十九条第二項の規定の適用については、同項中「前項各号」とあるのは、「前項各号(第二号及び第四号を除く。)及び第二百二条の二第一項各号」とする。この場合においては、第二百条及び前条の規定は、適用しない。

3 指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。

 第二百五条に次の三項を加える。

3 第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、第二百三条第二項の申込みをし、又は第一項の契約を締結することができない。

4 前項に規定する場合における前条第三項並びに第二百六条の二第一項、第三項及び第四項の規定の適用については、前条第三項及び第二百六条の二第一項中「第百九十九条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)」とあり、同条第三項中「同項に規定する期日」とあり、並びに同条第四項中「第一項に規定する期日」とあるのは、「割当日」とする。

5 指名委員会等設置会社における第三項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。

 第二百九条に次の一項を加える。

4 第一項の規定にかかわらず、第二百二条の二第一項後段の規定による同項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、募集株式の引受人は、割当日に、その引き受けた募集株式の株主となる。

 第二百三十四条第一項に次の一号を加える。

 九 株式交付 株式交付親会社(第七百七十四条の三第一項第一号に規定する株式交付親会社をいう。)に株式交付に際して株式交付子会社(同号に規定する株式交付子会社をいう。)の株式又は新株予約権等(同項第七号に規定する新株予約権等をいう。)を譲り渡した者

 第二百三十六条に次の二項を加える。

3 金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに従い新株予約権を発行するときは、第一項第二号に掲げる事項を当該新株予約権の内容とすることを要しない。この場合において、当該株式会社は、次に掲げる事項を当該新株予約権の内容としなければならない。

 一 取締役の報酬等として又は取締役の報酬等をもってする払込みと引換えに当該新株予約権を発行するものであり、当該新株予約権の行使に際してする金銭の払込み又は第一項第三号の財産の給付を要しない旨

 二 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定めに係る取締役(取締役であった者を含む。)以外の者は、当該新株予約権を行使することができない旨

4 指名委員会等設置会社における前項の規定の適用については、同項中「定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第四号又は第五号ロに掲げる事項についての定め」とあるのは「報酬委員会による第四百九条第三項第四号又は第五号ロに定める事項についての決定」と、同項第一号中「取締役」とあるのは「執行役若しくは取締役」と、同項第二号中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」とする。

 第二編第四章第一節の節名中「種類株主総会」を「種類株主総会等」に改める。

 第三百一条第一項中「この款」を「この節」に改める。

 第三百四条ただし書を次のように改める。

  ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

 一 当該議案が法令又は定款に違反する場合

 二 株主が、専ら人の名誉を侵害し、人を侮辱し、若しくは困惑させ、又は自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で、当該議案の提出をする場合

 三 当該議案の提出により株主総会の適切な運営が著しく妨げられ、株主の共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合

 四 実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合

 第三百五条第四項を次のように改める。

4 取締役会設置会社の株主が第一項の規定による請求をする場合において、当該株主が提出しようとする議案の数が十を超えるときは、前三項の規定は、十を超える数に相当することとなる数の議案については、適用しない。この場合において、当該株主が提出しようとする次の各号に掲げる議案の数については、当該各号に定めるところによる。

 一 取締役、会計参与、監査役又は会計監査人(次号において「役員等」という。)の選任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。

 二 役員等の解任に関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。

 三 会計監査人を再任しないことに関する議案 当該議案の数にかかわらず、これを一の議案とみなす。

 四 定款の変更に関する二以上の議案 当該二以上の議案について異なる議決がされたとすれば当該議決の内容が相互に矛盾する可能性がある場合には、これらを一の議案とみなす。

 第三百五条に次の二項を加える。

5 前項前段の十を超える数に相当することとなる数の議案は、取締役がこれを定める。ただし、第一項の規定による請求をした株主が当該請求と併せて当該株主が提出しようとする二以上の議案の全部又は一部につき議案相互間の優先順位を定めている場合には、取締役は、当該優先順位に従い、これを定めるものとする。

6 第一項から第三項までの規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

 一 第一項の議案が法令又は定款に違反する場合

 二 株主が、専ら人の名誉を侵害し、人を侮辱し、若しくは困惑させ、又は自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で、第一項の規定による請求をする場合

 三 第一項の規定による請求により株主総会の適切な運営が著しく妨げられ、株主の共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合

 四 実質的に同一の議案につき株主総会において総株主(当該議案について議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合

 第三百十条第七項各号列記以外の部分に後段として次のように加える。

  この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

 第三百十条に次の一項を加える。

8 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。

 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。

 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。

 三 請求者が代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。

 四 請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧若しくは謄写又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。

 第三百十一条第四項に後段として次のように加える。

  この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

 第三百十一条に次の一項を加える。

5 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。

 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。

 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。

 三 請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。

 四 請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。

 第三百十二条第五項に後段として次のように加える。

  この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。

 第三百十二条に次の一項を加える。

6 株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。

 一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。

 二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。

 三 請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。

 四 請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。

 第三百二十二条第一項に次の一号を加える。

 十四 株式交付

 第三百二十四条第二項に次の一号を加える。

 七 第八百十六条の三第三項の種類株主総会

 第二編第四章第一節に次の一款を加える。

     第三款 電子提供措置

 (電子提供措置をとる旨の定款の定め)

第三百二十五条の二 株式会社は、取締役が株主総会(種類株主総会を含む。)の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(以下この款において「株主総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により株主(種類株主総会を招集する場合にあっては、ある種類の株主に限る。)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第九百十一条第三項第十二号の二及び第九百七十六条第十九号において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。

 一 株主総会参考書類

 二 議決権行使書面

 三 第四百三十七条の計算書類及び事業報告

 四 第四百四十四条第六項の連結計算書類

 (電子提供措置)

第三百二十五条の三 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、第二百九十九条第二項各号に掲げる場合には、株主総会の日の三週間前の日又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(以下この款において「電子提供措置開始日」という。)から株主総会の日後三箇月を経過する日までの間(以下この款において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。

 一 第二百九十八条第一項各号に掲げる事項

 二 第三百一条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類及び議決権行使書面に記載すべき事項

 三 第三百二条第一項に規定する場合には、株主総会参考書類に記載すべき事項

 四 第三百五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領

 五 株式会社が取締役会設置会社である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百三十七条の計算書類及び事業報告に記載され、又は記録された事項

 六 株式会社が会計監査人設置会社(取締役会設置会社に限る。)である場合において、取締役が定時株主総会を招集するときは、第四百四十四条第六項の連結計算書類に記載され、又は記録された事項

 七 前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨及び修正前の事項

2 前項の規定にかかわらず、取締役が第二百九十九条第一項の通知に際して株主に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。

3 第一項の規定にかかわらず、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない株式会社が、電子提供措置開始日までに第一項各号に掲げる事項(定時株主総会に係るものに限り、議決権行使書面に記載すべき事項を除く。)を記載した有価証券報告書(添付書類及びこれらの訂正報告書を含む。)の提出の手続を同法第二十七条の三十の二に規定する開示用電子情報処理組織(以下この款において単に「開示用電子情報処理組織」という。)を使用して行う場合には、当該事項に係る情報については、同項の規定により電子提供措置をとることを要しない。

 (株主総会の招集の通知等の特則)

第三百二十五条の四 前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第二百九十九条第一項の規定の適用については、同項中「二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))」とあるのは、「二週間」とする。

2 第二百九十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第二項又は第三項の通知には、第二百九十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

 一 電子提供措置をとっているときは、その旨

 二 前条第三項の手続を開示用電子情報処理組織を使用して行ったときは、その旨

 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項

3 第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社においては、取締役は、第二百九十九条第一項の通知に際して、株主に対し、株主総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。

4 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社における第三百五条第一項の規定の適用については、同項中「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、「当該議案の要領について第三百二十五条の二に規定する電子提供措置をとる」とする。

 (書面交付請求)

第三百二十五条の五 電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主(第二百九十九条第三項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の承諾をした株主を除く。)は、株式会社に対し、第三百二十五条の三第一項各号(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)に掲げる事項(以下この条において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。

2 取締役は、第三百二十五条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第二百九十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした株主(当該株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための基準日(第百二十四条第一項に規定する基準日をいう。)を定めた場合にあっては、当該基準日までに書面交付請求をした者に限る。)に対し、当該株主総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。

3 株式会社は、電子提供措置事項のうち法務省令で定めるものの全部又は一部については、前項の規定により交付する書面に記載することを要しない旨を定款で定めることができる。

4 書面交付請求をした株主がある場合において、その書面交付請求の日(当該株主が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、株式会社は、当該株主に対し、第二項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。

5 前項の規定による通知及び催告を受けた株主がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。ただし、当該株主が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。

 (電子提供措置の中断)

第三百二十五条の六 第三百二十五条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(株主が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第七号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。

 一 電子提供措置の中断が生ずることにつき株式会社が善意でかつ重大な過失がないこと又は株式会社に正当な事由があること。

 二 電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。

 三 電子提供措置開始日から株主総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。

 四 株式会社が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。

 (株主総会に関する規定の準用)

第三百二十五条の七 第三百二十五条の三から前条まで(第三百二十五条の三第一項(第五号及び第六号に係る部分に限る。)及び第三項並びに第三百二十五条の五第一項及び第三項から第五項までを除く。)の規定は、種類株主総会について準用する。この場合において、第三百二十五条の三第一項中「第二百九十九条第二項各号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項各号」と、「同条第一項」とあるのは「同条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次項、次条及び第三百二十五条の五において同じ。)」と、「第二百九十八条第一項各号」とあるのは「第二百九十八条第一項各号(第三百二十五条において準用する場合に限る。)」と、「第三百一条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項」と、「第三百二条第一項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百二条第一項」と、「第三百五条第一項」とあるのは「第三百五条第一項(第三百二十五条において準用する場合に限る。次条第四項において同じ。)」と、同条第二項中「株主」とあるのは「株主(ある種類の株式の株主に限る。次条から第三百二十五条の六までにおいて同じ。)」と、第三百二十五条の四第二項中「第二百九十九条第四項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第四項」と、「第二百九十九条第二項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十九条第二項」と、「第二百九十八条第一項第五号」とあるのは「第三百二十五条において準用する第二百九十八条第一項第五号」と、「同項第一号から第四号まで」とあるのは「第三百二十五条において準用する同項第一号から第四号まで」と、同条第三項中「第三百一条第一項、第三百二条第一項、第四百三十七条及び第四百四十四条第六項」とあるのは「第三百二十五条において準用する第三百一条第一項及び第三百二条第一項」と読み替えるものとする。

 第三百二十七条の二の見出しを「(社外取締役の設置義務)」に改め、同条中「事業年度の末日において」を削り、「が社外取締役を置いていない場合には、取締役は、当該事業年度に関する定時株主総会において、社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければ」を「は、社外取締役を置かなければ」に改める。

 第三百三十一条の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(取締役の資格等)」を付し、同条第一項第二号を次のように改める。

 二 削除

 第三百三十一条の次に次の一条を加える。

第三百三十一条の二 成年被後見人が取締役に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。

2 被保佐人が取締役に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。

3 第一項の規定は、保佐人が民法第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。この場合において、第一項中「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人及び後見監督人の同意)」とあるのは、「被保佐人の同意」と読み替えるものとする。

4 成年被後見人又は被保佐人がした取締役の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。

 第三百三十五条第一項中「第二項」の下に「並びに第三百三十一条の二」を加える。

 第三百四十八条の次に次の一条を加える。

 (業務の執行の社外取締役への委託)

第三百四十八条の二 株式会社(指名委員会等設置会社を除く。)が社外取締役を置いている場合において、当該株式会社と取締役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該株式会社は、その都度、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、当該株式会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。

2 指名委員会等設置会社と執行役との利益が相反する状況にあるとき、その他執行役が指名委員会等設置会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該指名委員会等設置会社は、その都度、取締役会の決議によって、当該指名委員会等設置会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができる。

3 前二項の規定により委託された業務の執行は、第二条第十五号イに規定する株式会社の業務の執行に該当しないものとする。ただし、社外取締役が業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)の指揮命令により当該委託された業務を執行したときは、この限りでない。

 第三百六十一条第一項第三号中「もの」の下に「(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)」を加え、同号を同項第六号とし、同項第二号の次に次の三号を加える。

 三 報酬等のうち当該株式会社の募集株式(第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項

 四 報酬等のうち当該株式会社の募集新株予約権(第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。以下この項及び第四百九条第三項において同じ。)については、当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項

 五 報酬等のうち次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭については、当該イ又はロに定める事項

  イ 当該株式会社の募集株式 取締役が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)の上限その他法務省令で定める事項

  ロ 当該株式会社の募集新株予約権 取締役が引き受ける当該募集新株予約権の数の上限その他法務省令で定める事項

 第三百六十一条第四項中「第一項第二号又は第三号」を「第一項各号」に改め、同条に次の一項を加える。

7 次に掲げる株式会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この項において同じ。)の報酬等の内容として定款又は株主総会の決議による第一項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項を決定しなければならない。ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められているときは、この限りでない。

 一 監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの

 二 監査等委員会設置会社

 第三百九十九条の十三第五項中第十七号を第二十一号とし、第十号から第十六号までを四号ずつ繰り下げ、第九号を第十一号とし、同号の次に次の二号を加える。

 十二 補償契約(第四百三十条の二第一項に規定する補償契約をいう。第四百十六条第四項第十四号において同じ。)の内容の決定

 十三 役員等賠償責任保険契約(第四百三十条の三第一項に規定する役員等賠償責任保険契約をいう。第四百十六条第四項第十五号において同じ。)の内容の決定

 第三百九十九条の十三第五項中第八号を第十号とし、第七号を第九号とし、第六号を第八号とし、第五号の次に次の二号を加える。

 六 第三百四十八条の二第一項の規定による委託

 七 第三百六十一条第七項の規定による同項の事項の決定

 第三百九十九条の十三第五項に次の一号を加える。

 二十二 株式交付計画(当該監査等委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定

 第四百二条第四項中「第三百三十一条第一項」の下に「及び第三百三十一条の二」を加える。

 第四百九条第三項中「を決定しなければ」を「について決定しなければ」に改め、同項第三号中「もの」の下に「(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)」を加え、同号を同項第六号とし、同項第二号の次に次の三号を加える。

 三 当該株式会社の募集株式 当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項

 四 当該株式会社の募集新株予約権 当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項

 五 次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭 当該イ又はロに定める事項

  イ 当該株式会社の募集株式 執行役等が引き受ける当該募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び種類ごとの数)その他法務省令で定める事項

  ロ 当該株式会社の募集新株予約権 執行役等が引き受ける当該募集新株予約権の数その他法務省令で定める事項

 第四百十六条第四項中第二十号を第二十三号とし、第十三号から第十九号までを三号ずつ繰り下げ、第十二号を第十三号とし、同号の次に次の二号を加える。

 十四 補償契約の内容の決定

 十五 役員等賠償責任保険契約の内容の決定

 第四百十六条第四項中第十一号を第十二号とし、第六号から第十号までを一号ずつ繰り下げ、第五号の次に次の一号を加える。

 六 第三百四十八条の二第二項の規定による委託

 第四百十六条第四項に次の一号を加える。

 二十四 株式交付計画(当該指名委員会等設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定

 第四百二十三条第一項中「この節」を「この章」に改める。

 第二編第四章に次の一節を加える。

    第十二節 補償契約及び役員等のために締結される保険契約

 (補償契約)

第四百三十条の二 株式会社が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部又は一部を当該株式会社が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。

 一 当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用

 二 当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失

  イ 当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失

  ロ 当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失

2 株式会社は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。

 一 前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分

 二 当該株式会社が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該株式会社に対して第四百二十三条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分

 三 役員等がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部

3 補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した株式会社が、当該役員等が自己若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該株式会社に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。

4 取締役会設置会社においては、補償契約に基づく補償をした取締役及び当該補償を受けた取締役は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。

5 前項の規定は、執行役について準用する。この場合において、同項中「取締役会設置会社においては、補償契約」とあるのは、「補償契約」と読み替えるものとする。

6 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四百二十三条第三項並びに第四百二十八条第一項の規定は、株式会社と取締役又は執行役との間の補償契約については、適用しない。

7 民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。

 (役員等のために締結される保険契約)

第四百三十条の三 株式会社が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。

2 第三百五十六条第一項及び第三百六十五条第二項(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)並びに第四百二十三条第三項の規定は、株式会社が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、取締役又は執行役を被保険者とするものの締結については、適用しない。

3 民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。

 第四百四十五条第五項中「又は株式移転」を「、株式移転又は株式交付」に改め、同条に次の一項を加える。

6 定款又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号、第四号若しくは第五号ロに掲げる事項についての定め又は報酬委員会による第四百九条第三項第三号、第四号若しくは第五号ロに定める事項についての決定に基づく株式の発行により資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。

 第四百七十八条第八項中「及び第三百三十一条第一項」を「、第三百三十一条第一項及び第三百三十一条の二」に、「同条第五項」を「第三百三十一条第五項」に改める。

 第五百九条第一項第三号中「第五編第四章」の下に「及び第四章の二」を加え、「第五章」を「同編第五章」に、「及び株式移転」を「、株式移転及び株式交付」に改める。

 第六百七十六条第七号の次に次の一号を加える。

 七の二 社債管理者を定めないこととするときは、その旨

 第六百七十六条第八号の次に次の一号を加える。

 八の二 社債管理補助者を定めることとするときは、その旨

 第六百八十一条第一号中「第八号」を「第八号の二」に改める。

 第七百六条第一項第一号中「その債務」の下に「若しくはその債務」を加える。

 第四編第二章の次に次の一章を加える。

   第二章の二 社債管理補助者

 (社債管理補助者の設置)

第七百十四条の二 会社は、第七百二条ただし書に規定する場合には、社債管理補助者を定め、社債権者のために、社債の管理の補助を行うことを委託することができる。ただし、当該社債が担保付社債である場合は、この限りでない。

 (社債管理補助者の資格)

第七百十四条の三 社債管理補助者は、第七百三条各号に掲げる者その他法務省令で定める者でなければならない。

 (社債管理補助者の権限等)

第七百十四条の四 社債管理補助者は、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。

 一 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加

 二 強制執行又は担保権の実行の手続における配当要求

 三 第四百九十九条第一項の期間内に債権の申出をすること。

2 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に定める範囲内において、社債権者のために次に掲げる行為をする権限を有する。

 一 社債に係る債権の弁済を受けること。

 二 第七百五条第一項の行為(前項各号及び前号に掲げる行為を除く。)

 三 第七百六条第一項各号に掲げる行為

 四 社債発行会社が社債の総額について期限の利益を喪失することとなる行為

3 前項の場合において、社債管理補助者は、社債権者集会の決議によらなければ、次に掲げる行為をしてはならない。

 一 前項第二号に掲げる行為であって、次に掲げるもの

  イ 当該社債の全部についてするその支払の請求

  ロ 当該社債の全部に係る債権に基づく強制執行、仮差押え又は仮処分

  ハ 当該社債の全部についてする訴訟行為又は破産手続、再生手続、更生手続若しくは特別清算に関する手続に属する行為(イ及びロに掲げる行為を除く。)

 二 前項第三号及び第四号に掲げる行為

4 社債管理補助者は、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約に従い、社債の管理に関する事項を社債権者に報告し、又は社債権者がこれを知ることができるようにする措置をとらなければならない。

5 第七百五条第二項及び第三項の規定は、第二項第一号に掲げる行為をする権限を有する社債管理補助者について準用する。

 (二以上の社債管理補助者がある場合の特則)

第七百十四条の五 二以上の社債管理補助者があるときは、社債管理補助者は、各自、その権限に属する行為をしなければならない。

2 社債管理補助者が社債権者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の社債管理補助者も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。

 (社債管理者等との関係)

第七百十四条の六 第七百二条の規定による委託に係る契約又は担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の効力が生じた場合には、第七百十四条の二の規定による委託に係る契約は、終了する。

 (社債管理者に関する規定の準用)

第七百十四条の七 第七百四条、第七百七条、第七百八条、第七百十条第一項、第七百十一条、第七百十三条及び第七百十四条の規定は、社債管理補助者について準用する。この場合において、第七百四条中「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、同項中「社債権者に対し、連帯して」とあるのは「社債権者に対し」と、第七百十一条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「において」と、同条第二項中「第七百二条」とあるのは「第七百十四条の二」と、第七百十四条第一項中「において、他に社債管理者がないときは」とあるのは「には」と、「社債の管理」とあるのは「社債の管理の補助」と、「第七百三条各号に掲げる」とあるのは「第七百十四条の三に規定する」と、「解散した」とあるのは「死亡し、又は解散した」と読み替えるものとする。

 第七百十七条第二項中「社債権者集会は、」の下に「次項又は」を加え、同条に次の一項を加える。

3 次に掲げる場合には、社債管理補助者は、社債権者集会を招集することができる。

 一 次条第一項の規定による請求があった場合

 二 第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意を得るため必要がある場合

 第七百十八条第一項及び第四項中「又は社債管理者」を「、社債管理者又は社債管理補助者」に改める。

 第七百二十条第一項中「社債管理者」の下に「又は社債管理補助者」を加える。

 第七百二十四条第二項第二号中「第七百六条第一項」の下に「、第七百十四条の四第三項(同条第二項第三号に掲げる行為に係る部分に限る。)」を加える。

 第七百二十九条第一項中「又は社債管理者」を「、社債管理者又は社債管理補助者」に改め、同項ただし書中「社債管理者」の下に「又は社債管理補助者」を、「第七百七条」の下に「(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)」を加える。

 第七百三十一条第三項中「社債管理者」の下に「、社債管理補助者」を加える。

 第七百三十五条の次に次の一条を加える。

 (社債権者集会の決議の省略)

第七百三十五条の二 社債発行会社、社債管理者、社債管理補助者又は社債権者が社債権者集会の目的である事項について(社債管理補助者にあっては、第七百十四条の七において準用する第七百十一条第一項の社債権者集会の同意をすることについて)提案をした場合において、当該提案につき議決権者の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社債権者集会の決議があったものとみなす。

2 社債発行会社は、前項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。

3 社債管理者、社債管理補助者及び社債権者は、社債発行会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

 一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求

 二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

4 第一項の規定により社債権者集会の決議があったものとみなされる場合には、第七百三十二条から前条まで(第七百三十四条第二項を除く。)の規定は、適用しない。

 第七百三十七条第一項中「社債管理者又は代表社債権者(社債管理者があるときを除く。)」を「次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者」に改め、同項に次の各号を加える。

 一 社債管理者がある場合 社債管理者

 二 社債管理補助者がある場合において、社債管理補助者の権限に属する行為に関する事項を可決する旨の社債権者集会の決議があったとき 社債管理補助者

 三 前二号に掲げる場合以外の場合 代表社債権者

 第七百四十条第一項中「又は第八百十条(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)」を「、第八百十条(第八百十三条第二項において準用する場合を含む。)又は第八百十六条の八」に改め、同条第三項中「及び第八百十条第二項(」を「、第八百十条第二項(」に、「の規定の」を「及び第八百十六条の八第二項の規定の」に、「及び第七百九十九条第二項」を「、第七百九十九条第二項及び第八百十六条の八第二項」に改め、「社債管理者」の下に「又は社債管理補助者」を加える。

 第七百四十一条第一項及び第二項中「社債管理者」の下に「、社債管理補助者」を加え、同条第三項中「社債管理者」の下に「、社債管理補助者」を、「含む。)」の下に「又は第七百十四条の四第二項第一号」を加える。

 第五編の編名中「及び株式移転」を「、株式移転及び株式交付」に改める。

 第五編第四章の次に次の一章を加える。

   第四章の二 株式交付

 (株式交付計画の作成)

第七百七十四条の二 株式会社は、株式交付をすることができる。この場合においては、株式交付計画を作成しなければならない。

 (株式交付計画)

第七百七十四条の三 株式会社が株式交付をする場合には、株式交付計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

 一 株式交付子会社(株式交付親会社(株式交付をする株式会社をいう。以下同じ。)が株式交付に際して譲り受ける株式を発行する株式会社をいう。以下同じ。)の商号及び住所

 二 株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)の下限

 三 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として交付する株式交付親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項

 四 株式交付子会社の株式の譲渡人に対する前号の株式交付親会社の株式の割当てに関する事項

 五 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式の譲渡人に対して当該株式の対価として金銭等(株式交付親会社の株式を除く。以下この号及び次号において同じ。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項

  イ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法

  ロ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法

  ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項

  ニ 当該金銭等が株式交付親会社の社債及び新株予約権以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法

 六 前号に規定する場合には、株式交付子会社の株式の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項

 七 株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の株式と併せて株式交付子会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は新株予約権付社債(以下「新株予約権等」と総称する。)を譲り受けるときは、当該新株予約権等の内容及び数又はその算定方法

 八 前号に規定する場合において、株式交付親会社が株式交付に際して株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して当該新株予約権等の対価として金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項

  イ 当該金銭等が株式交付親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交付親会社の資本金及び準備金の額に関する事項

  ロ 当該金銭等が株式交付親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法

  ハ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法

  ニ 当該金銭等が株式交付親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項

  ホ 当該金銭等が株式交付親会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法

 九 前号に規定する場合には、株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対する同号の金銭等の割当てに関する事項

 十 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡しの申込みの期日

 十一 株式交付がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)

2 前項に規定する場合には、同項第二号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社が効力発生日において株式交付親会社の子会社となる数を内容とするものでなければならない。

3 第一項に規定する場合において、株式交付子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交付親会社は、株式交付子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第四号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。

 一 ある種類の株式の譲渡人に対して株式交付親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類

 二 前号に掲げる事項のほか、株式交付親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容

4 第一項に規定する場合には、同項第四号に掲げる事項についての定めは、株式交付子会社の株式の譲渡人(前項第一号の種類の株式の譲渡人を除く。)が株式交付親会社に譲り渡す株式交付子会社の株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式交付親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。

5 前二項の規定は、第一項第六号に掲げる事項について準用する。この場合において、前二項中「株式交付親会社の株式」とあるのは、「金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)」と読み替えるものとする。

 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み)

第七百七十四条の四 株式交付親会社は、株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。

 一 株式交付親会社の商号

 二 株式交付計画の内容

 三 前二号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項

2 株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをする者は、前条第一項第十号の期日までに、次に掲げる事項を記載した書面を株式交付親会社に交付しなければならない。

 一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所

 二 譲り渡そうとする株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)

3 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、株式交付親会社の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。

4 第一項の規定は、株式交付親会社が同項各号に掲げる事項を記載した金融商品取引法第二条第十項に規定する目論見書を第一項の申込みをしようとする者に対して交付している場合その他株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みをしようとする者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。

5 株式交付親会社は、第一項各号に掲げる事項について変更があったとき(第八百十六条の九第一項の規定により効力発生日を変更したとき及び同条第五項の規定により前条第一項第十号の期日を変更したときを含む。)は、直ちに、その旨及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この章において「申込者」という。)に通知しなければならない。

6 株式交付親会社が申込者に対してする通知又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式交付親会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)に宛てて発すれば足りる。

7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。

 (株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当て)

第七百七十四条の五 株式交付親会社は、申込者の中から当該株式交付親会社が株式交付子会社の株式を譲り受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)を定めなければならない。この場合において、株式交付親会社は、申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式の数を、前条第二項第二号の数よりも減少することができる。

2 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、申込者に対し、当該申込者から当該株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の数を通知しなければならない。

 (株式交付子会社の株式の譲渡しの申込み及び株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式の割当てに関する特則)

第七百七十四条の六 前二条の規定は、株式交付子会社の株式を譲り渡そうとする者が、株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数の譲渡しを行う契約を締結する場合には、適用しない。

 (株式交付子会社の株式の譲渡し)

第七百七十四条の七 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める株式交付子会社の株式の数について株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人となる。

 一 申込者 第七百七十四条の五第二項の規定により通知を受けた株式交付子会社の株式の数

 二 前条の契約により株式交付親会社が株式交付に際して譲り受ける株式交付子会社の株式の総数を譲り渡すことを約した者 その者が譲り渡すことを約した株式交付子会社の株式の数

2 前項各号の規定により株式交付子会社の株式の譲渡人となった者は、効力発生日に、それぞれ当該各号に定める数の株式交付子会社の株式を株式交付親会社に給付しなければならない。

 (株式交付子会社の株式の譲渡しの無効又は取消しの制限)

第七百七十四条の八 民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、第七百七十四条の四第二項の申込み、第七百七十四条の五第一項の規定による割当て及び第七百七十四条の六の契約に係る意思表示については、適用しない。

2 株式交付における株式交付子会社の株式の譲渡人は、第七百七十四条の十一第二項の規定により株式交付親会社の株式の株主となった日から一年を経過した後又はその株式について権利を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として株式交付子会社の株式の譲渡しの取消しをすることができない。

 (株式交付子会社の株式の譲渡しに関する規定の準用)

第七百七十四条の九 第七百七十四条の四から前条までの規定は、第七百七十四条の三第一項第七号に規定する場合における株式交付子会社の新株予約権等の譲渡しについて準用する。この場合において、第七百七十四条の四第二項第二号中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)」とあるのは「内容及び数」と、第七百七十四条の五第一項中「数(株式交付子会社が種類株式発行会社である場合にあっては、株式の種類ごとの数。以下この条において同じ。)」とあるのは「数」と、「申込者に割り当てる当該株式の数の合計が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数を下回らない範囲内で、当該株式」とあるのは「当該新株予約権等」と、前条第二項中「第七百七十四条の十一第二項」とあるのは「第七百七十四条の十一第四項第一号」と読み替えるものとする。

 (申込みがあった株式交付子会社の株式の数が下限の数に満たない場合)

第七百七十四条の十 第七百七十四条の五及び第七百七十四条の七(第一項第二号に係る部分を除く。)(これらの規定を前条において準用する場合を含む。)の規定は、第七百七十四条の三第一項第十号の期日において、申込者が譲渡しの申込みをした株式交付子会社の株式の総数が同項第二号の下限の数に満たない場合には、適用しない。この場合においては、株式交付親会社は、申込者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。

 (株式交付の効力の発生等)

第七百七十四条の十一 株式交付親会社は、効力発生日に、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等を譲り受ける。

2 第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第四号に掲げる事項についての定めに従い、同項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる。

3 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の株式の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第六号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。

 一 第七百七十四条の三第一項第五号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者

 二 第七百七十四条の三第一項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者

 三 第七百七十四条の三第一項第五号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者

4 次の各号に掲げる場合には、第七百七十四条の九において準用する第七百七十四条の七第二項の規定による給付をした株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人は、効力発生日に、第七百七十四条の三第一項第九号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。

 一 第七百七十四条の三第一項第八号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主

 二 第七百七十四条の三第一項第八号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者

 三 第七百七十四条の三第一項第八号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者

 四 第七百七十四条の三第一項第八号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者

5 前各項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

 一 効力発生日において第八百十六条の八の規定による手続が終了していない場合

 二 株式交付を中止した場合

 三 効力発生日において株式交付親会社が第七百七十四条の七第二項の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式の総数が第七百七十四条の三第一項第二号の下限の数に満たない場合

 四 効力発生日において第二項の規定により第七百七十四条の三第一項第三号の株式交付親会社の株式の株主となる者がない場合

6 前項各号に掲げる場合には、株式交付親会社は、第七百七十四条の七第一項各号(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)に掲げる者に対し、遅滞なく、株式交付をしない旨を通知しなければならない。この場合において、第七百七十四条の七第二項(第七百七十四条の九において準用する場合を含む。)の規定による給付を受けた株式交付子会社の株式又は新株予約権等があるときは、株式交付親会社は、遅滞なく、これらをその譲渡人に返還しなければならない。

 第五編第五章の章名中「及び株式移転」を「、株式移転及び株式交付」に改める。

 第五編第五章に次の一節を加える。

    第四節 株式交付の手続

 (株式交付計画に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第八百十六条の二 株式交付親会社は、株式交付計画備置開始日から株式交付がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日までの間、株式交付計画の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。

2 前項に規定する「株式交付計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。

 一 株式交付計画について株主総会(種類株主総会を含む。)の決議によってその承認を受けなければならないときは、当該株主総会の日の二週間前の日(第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)

 二 第八百十六条の六第三項の規定による通知の日又は同条第四項の公告の日のいずれか早い日

 三 第八百十六条の八の規定による手続をしなければならないときは、同条第二項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日

3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。

 一 第一項の書面の閲覧の請求

 二 第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

 三 第一項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

 四 第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

 (株式交付計画の承認等)

第八百十六条の三 株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。

2 株式交付親会社が株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式等を除く。)の帳簿価額が株式交付親会社が譲り受ける株式交付子会社の株式及び新株予約権等の額として法務省令で定める額を超える場合には、取締役は、前項の株主総会において、その旨を説明しなければならない。

3 株式交付親会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、株式交付は、当該各号に定める種類の株式(譲渡制限株式であって、第百九十九条第四項の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。

 一 株式交付子会社の株式の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第三号の種類の株式

 二 株式交付子会社の新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等が株式交付親会社の株式であるとき 第七百七十四条の三第一項第八号イの種類の株式

 (株式交付計画の承認を要しない場合等)

第八百十六条の四 前条第一項及び第二項の規定は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を株式交付親会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。ただし、同項に規定する場合又は株式交付親会社が公開会社でない場合は、この限りでない。

 一 次に掲げる額の合計額

  イ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額

  ロ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の社債、新株予約権又は新株予約権付社債の帳簿価額の合計額

  ハ 株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する株式交付親会社の株式等以外の財産の帳簿価額の合計額

 二 株式交付親会社の純資産額として法務省令で定める方法により算定される額

2 前項本文に規定する場合において、法務省令で定める数の株式(前条第一項の株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)を有する株主が第八百十六条の六第三項の規定による通知又は同条第四項の公告の日から二週間以内に株式交付に反対する旨を株式交付親会社に対し通知したときは、当該株式交付親会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、株式交付計画の承認を受けなければならない。

 (株式交付をやめることの請求)

第八百十六条の五 株式交付が法令又は定款に違反する場合において、株式交付親会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株式交付親会社の株主は、株式交付親会社に対し、株式交付をやめることを請求することができる。ただし、前条第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。

 (反対株主の株式買取請求)

第八百十六条の六 株式交付をする場合には、反対株主は、株式交付親会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。ただし、第八百十六条の四第一項本文に規定する場合(同項ただし書又は同条第二項に規定する場合を除く。)は、この限りでない。

2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主をいう。

 一 株式交付をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主

  イ 当該株主総会に先立って当該株式交付に反対する旨を当該株式交付親会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式交付に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)

  ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主

 二 前号に掲げる場合以外の場合 全ての株主

3 株式交付親会社は、効力発生日の二十日前までに、その株主に対し、株式交付をする旨並びに株式交付子会社の商号及び住所を通知しなければならない。

4 次に掲げる場合には、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。

 一 株式交付親会社が公開会社である場合

 二 株式交付親会社が第八百十六条の三第一項の株主総会の決議によって株式交付計画の承認を受けた場合

5 第一項の規定による請求(以下この節において「株式買取請求」という。)は、効力発生日の二十日前の日から効力発生日の前日までの間に、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。

6 株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、株式交付親会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければならない。ただし、当該株券について第二百二十三条の規定による請求をした者については、この限りでない。

7 株式買取請求をした株主は、株式交付親会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができる。

8 株式交付を中止したときは、株式買取請求は、その効力を失う。

9 第百三十三条の規定は、株式買取請求に係る株式については、適用しない。

 (株式の価格の決定等)

第八百十六条の七 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と株式交付親会社との間に協議が調ったときは、株式交付親会社は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。

2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は株式交付親会社は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。

3 前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。

4 株式交付親会社は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。

5 株式交付親会社は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該株式交付親会社が公正な価格と認める額を支払うことができる。

6 株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。

7 株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。

 (債権者の異議)

第八百十六条の八 株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合には、株式交付親会社の債権者は、株式交付親会社に対し、株式交付について異議を述べることができる。

2 前項の規定により株式交付親会社の債権者が異議を述べることができる場合には、株式交付親会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。

 一 株式交付をする旨

 二 株式交付子会社の商号及び住所

 三 株式交付親会社及び株式交付子会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの

 四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨

3 前項の規定にかかわらず、株式交付親会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。

4 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該株式交付について承認をしたものとみなす。

5 債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、株式交付親会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該株式交付をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。

 (株式交付の効力発生日の変更)

第八百十六条の九 株式交付親会社は、効力発生日を変更することができる。

2 前項の規定による変更後の効力発生日は、株式交付計画において定めた当初の効力発生日から三箇月以内の日でなければならない。

3 第一項の場合には、株式交付親会社は、変更前の効力発生日(変更後の効力発生日が変更前の効力発生日前の日である場合にあっては、当該変更後の効力発生日)の前日までに、変更後の効力発生日を公告しなければならない。

4 第一項の規定により効力発生日を変更したときは、変更後の効力発生日を効力発生日とみなして、この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)の規定を適用する。

5 株式交付親会社は、第一項の規定による効力発生日の変更をする場合には、当該変更と同時に第七百七十四条の三第一項第十号の期日を変更することができる。

6 第三項及び第四項の規定は、前項の規定による第七百七十四条の三第一項第十号の期日の変更について準用する。この場合において、第四項中「この節(第二項を除く。)及び前章(第七百七十四条の三第一項第十一号を除く。)」とあるのは、「第七百七十四条の四、第七百七十四条の十及び前項」と読み替えるものとする。

 (株式交付に関する書面等の備置き及び閲覧等)

第八百十六条の十 株式交付親会社は、効力発生日後遅滞なく、株式交付に際して株式交付親会社が譲り受けた株式交付子会社の株式の数その他の株式交付に関する事項として法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を作成しなければならない。

2 株式交付親会社は、効力発生日から六箇月間、前項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。

3 株式交付親会社の株主(株式交付に際して株式交付子会社の株式及び新株予約権等の譲渡人に対して交付する金銭等(株式交付親会社の株式を除く。)が株式交付親会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合にあっては、株主及び債権者)は、株式交付親会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式交付親会社の定めた費用を支払わなければならない。

 一 前項の書面の閲覧の請求

 二 前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求

 三 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求

 四 前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって株式交付親会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求

 第八百二十八条第一項に次の一号を加える。

 十三 株式会社の株式交付 株式交付の効力が生じた日から六箇月以内

 第八百二十八条第二項に次の一号を加える。

 十三 前項第十三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者

 第八百三十四条第十二号の次に次の一号を加える。

 十二の二 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社

 第八百三十六条第二項中「債権者」の下に「又は株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者」を加える。

 第八百三十九条中「第十二号」を「第十二号の二」に改める。

 第八百四十四条の次に次の一条を加える。

 (株式交付の無効判決の効力)

第八百四十四条の二 株式会社の株式交付の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交付親会社が当該株式交付に際して当該株式交付親会社の株式(以下この条において「旧株式交付親会社株式」という。)を交付したときは、当該株式交付親会社は、当該判決の確定時における当該旧株式交付親会社株式に係る株主に対し、当該株式交付の際に当該旧株式交付親会社株式の交付を受けた者から給付を受けた株式交付子会社の株式及び新株予約権等(以下この条において「旧株式交付子会社株式等」という。)を返還しなければならない。この場合において、株式交付親会社が株券発行会社であるときは、当該株式交付親会社は、当該株主に対し、当該旧株式交付子会社株式等を返還するのと引換えに、当該旧株式交付親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。

2 前項前段に規定する場合には、旧株式交付親会社株式を目的とする質権は、旧株式交付子会社株式等について存在する。

 第八百四十九条の次に次の見出し及び一条を加える。

 (和解)

第八百四十九条の二 株式会社等が、当該株式会社等の取締役(監査等委員及び監査委員を除く。)、執行役及び清算人並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。

 一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役)

 二 監査等委員会設置会社 各監査等委員

 三 指名委員会等設置会社 各監査委員

 第八百五十条の見出しを削る。

 第八百六十八条第四項中「、第七百六条第四項」を「及び第七百六条第四項の規定」に、「、第七百十四条第一項」を「並びに第七百十四条第一項」に、「、第七百十八条第三項」を「(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定並びに第七百十八条第三項」に、「並びに」を「及び」に改める。

 第八百七十条第一項第二号中「又は社債管理者」を「、社債管理者又は社債管理補助者」に改め、同条第二項第二号中「又は第八百九条第二項」を「、第八百九条第二項又は第八百十六条の七第二項」に改める。

 第八百七十四条第一号中「社債管理者」の下に「若しくは社債管理補助者」を、「第七百十四条第三項」の下に「(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)」を加える。

 第七編第四章第二節第一款の款名を削る。

 第九百十一条第三項第十二号ロ中「第四号まで」の下に「(ハに規定する場合にあっては、第二号を除く。)」を加え、同号ニ中「並びに」を「及び」に改め、「及び第三号」を削り、同号ニを同号ホとし、同号ハ中「ロ」の下に「及びハ」を加え、同号中ハをニとし、ロの次に次のように加える。

  ハ 第二百三十六条第三項各号に掲げる事項を定めたときは、その定め

 第九百十一条第三項第十二号に次のように加える。

  ヘ 第二百三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集新株予約権(同項に規定する募集新株予約権をいう。以下ヘにおいて同じ。)の払込金額(同号に規定する払込金額をいう。以下ヘにおいて同じ。)(同号に掲げる事項として募集新株予約権の払込金額の算定方法を定めた場合において、登記の申請の時までに募集新株予約権の払込金額が確定していないときは、当該算定方法)

 第九百十一条第三項第十二号の次に次の一号を加える。

 十二の二 第三百二十五条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め

 第七編第四章第二節第二款の款名を削る。

 第九百三十条から第九百三十二条までを次のように改める。

第九百三十条から第九百三十二条まで 削除

 第九百三十七条第一項中「(第一号トに規定する場合であって当該決議によって第九百三十条第二項各号に掲げる事項についての登記がされているときにあっては、本店及び当該登記に係る支店)」を削り、同条第三項に次の一号を加える。

 八 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社についての変更の登記

 第九百三十七条第四項を削る。

 第九百三十八条第一項中「(第三号に掲げる場合であって特別清算の結了により特別清算終結の決定がされたときにあっては、本店及び支店)」を削る。

 第九百七十六条中「、事務を承継する社債管理者」の下に「、社債管理補助者、事務を承継する社債管理補助者」を加え、同条第七号中「若しくは第八百十五条第一項若しくは第二項」を「、第八百十五条第一項若しくは第二項、第八百十六条の二第一項若しくは第八百十六条の十第一項」に改め、同条第八号中「又は第八百十五条第三項」を「、第八百十五条第三項、第八百十六条の二第一項又は第八百十六条の十第二項」に改め、同条中第十九号を第十八号の二とし、同号の次に次の一号を加える。

 十九 第三百二十五条の三第一項(第三百二十五条の七において準用する場合を含む。)の規定に違反して、電子提供措置をとらなかったとき。

 第九百七十六条中第十九号の二を第十九号の三とし、同号の前に次の一号を加える。

 十九の二 第三百二十七条の二の規定に違反して、社外取締役を選任しなかったとき。

 第九百七十六条第二十三号中「含む。)」の下に「又は第四百三十条の二第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)」を加え、同条第二十六号中「又は第八百二十条第一項」を「、第八百十六条の八第二項若しくは第五項又は第八百二十条第一項」に改め、「株式移転」の下に「、株式交付」を加え、同条第三十三号中「第七百十四条第一項」の下に「(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)」を、「社債管理者」の下に「若しくは社債管理補助者」を加える。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、目次の改正規定(「株主総会及び種類株主総会」を「株主総会及び種類株主総会等」に、「第二款 種類株主総会(第三百二十一条−第三百二十五条)」を

第二款 種類株主総会(第三百二十一条−第三百二十五条)

 

 

第三款 電子提供措置(第三百二十五条の二−第三百二十五条の七)

 に、

第二節 会社の登記

 

 

 第一款 本店の所在地における登記(第九百十一条−第九百二十九条)

 

 

 第二款 支店の所在地における登記(第九百三十条−第九百三十二条)

 を「第二節 会社の登記(第九百十一条−第九百三十二条)」に改める部分に限る。)、第二編第四章第一節の節名の改正規定、第三百一条第一項の改正規定、同節に一款を加える改正規定、第七編第四章第二節第一款の款名を削る改正規定、第九百十一条第三項第十二号の次に一号を加える改正規定、同節第二款の款名を削る改正規定、第九百三十条から第九百三十二条までの改正規定、第九百三十七条第一項の改正規定、同条第四項を削る改正規定、第九百三十八条第一項の改正規定及び第九百七十六条中第十九号を第十八号の二とし、同号の次に一号を加える改正規定は、公布の日から起算して三年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置の原則)

第二条 この法律による改正後の会社法(以下「新法」という。)の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律(前条ただし書に規定する規定については、当該規定。附則第十条において同じ。)の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の会社法(以下「旧法」という。)の規定によって生じた効力を妨げない。

 (株主提案権に関する経過措置)

第三条 この法律の施行前にされた旧法第三百四条の規定による議案の提出及び会社法第三百五条第一項の規定による請求については、なお従前の例による。

 (代理権を証明する書面等に関する経過措置)

第四条 この法律の施行前にされた旧法第三百十条第七項、第三百十一条第四項又は第三百十二条第五項の請求については、なお従前の例による。

 (社外取締役の設置義務等に関する経過措置)

第五条 この法律の施行の際現に監査役会設置会社(会社法第二条第五号に規定する公開会社であり、かつ、同条第六号に規定する大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものについては、新法第三百二十七条の二の規定は、この法律の施行後最初に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までは、適用しない。この場合において、旧法第三百二十七条の二に規定する場合における理由の開示については、なお従前の例による。

 (補償契約に関する経過措置)

第六条 新法第四百三十条の二の規定は、この法律の施行後に締結された補償契約(同条第一項に規定する補償契約をいう。)について適用する。

 (役員等のために締結される保険契約に関する経過措置)

第七条 この法律の施行前に株式会社と保険者との間で締結された保険契約のうち役員等(旧法第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。以下この条において同じ。)がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするものについては、新法第四百三十条の三の規定は、適用しない。

 (社債に関する経過措置)

第八条 この法律の施行前に旧法第六百七十六条に規定する事項の決定があった場合におけるその募集社債及びこの法律の施行前に会社法第二百三十八条第一項に規定する募集事項の決定があった場合におけるその新株予約権付社債の発行の手続については、新法第六百七十六条第七号の二及び第八号の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。

2 この法律の施行の際現に存する社債であって、社債管理者を定めていないもの(この法律の施行の日以後に前項の規定によりなお従前の例により社債管理者を定めないで発行された社債を含む。)には、新法第六百七十六条第七号の二に掲げる事項についての定めがあるものとみなす。

3 この法律の施行の際現に存する社債券の記載事項については、なお従前の例による。

4 この法律の施行前に社債発行会社、社債管理者又は社債権者が社債権者集会の目的である事項について提案をした場合については、新法第七百三十五条の二の規定は、適用しない。

 (新株予約権に係る登記に関する経過措置)

第九条 この法律の施行前に登記の申請がされた新株予約権の発行に関する登記の登記事項については、新法第九百十一条第三項第十二号の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 (罰則に関する経過措置)

第十条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第十一条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。


     理 由

 会社をめぐる社会経済情勢の変化に鑑み、株主総会の運営及び取締役の職務の執行の一層の適正化等を図るため、株主総会資料の電子提供制度の創設、株主提案権の濫用的な行使を制限するための規定の整備、取締役に対する報酬の付与や費用の補償等に関する規定の整備、監査役会設置会社における社外取締役の設置の義務付け等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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