議員鈴木宗男君の議員辞職勧告に関する決議案(第一五四回国会、決議第三号)
本院は、議員鈴木宗男君の議員辞職を勧告する。
右決議する。
理 由
清潔にして公正な政治は議会制民主主義の根幹をなすものである。選挙という国民の厳粛な信託に基づき構成された本院の任務は重大であり、議員もまた姿勢を正して行動すべきことは言をまたないところである。
しかるに議員鈴木宗男君が、外務省等をめぐって噴出した同君自身に関わる一連の疑惑について、自ら真実を明らかにしようという真摯な姿勢を全く示さず、言い訳に終始した挙句に、あろうことか事実を隠蔽しようとするその姿勢は、本院が国民から負託された重責を考えると誠に遺憾である。
同君の外国人私設秘書問題は、諸外国にわが国外交政策への重大な疑念を生じさせ、国益の甚大な喪失をもたらした。
また、「北方四島人道支援」事業の私物化問題やわが国の北方領土返還政策のねじまげ、あるいはケニアの水力発電事業問題などアフリカにおけるわが国のODAと同君への政治資金供与に関わる問題等々、相次いで浮上する同君をめぐる疑惑は、わが国外交への信頼を著しく失墜させた。しかも、同君をめぐる疑惑は外務省にとどまらず、省庁横断的な様相をおびており、国民の政治不信を一段と増大させた。
鈴木宗男君は、今日の事態の重大さを理解するならば、当然、自らが関わった政官業癒着政治の実態を明らかにしたうえで、議員としての身の処し方について思い至ってしかるべきである。
よって、本院は、鈴木宗男君が今こそ、その責任を自覚して議員を辞し、国民に陳謝し、自らの政治的・道義的責任を明らかにするよう勧告する。
これが本決議案を提出する理由である。