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   議院運営委員長川崎二郎君解任決議案(第一六二回国会、決議第五号)


 本院は、議院運営委員長川崎二郎君を解任する。
  右決議する。

     理 由
 議院運営委員長は、憲法第四一条に定められた国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である国会の、議院の運営に関する最高責任者として、その責任は極めて重大である。議院の運営にあたっては、慎重且つ公正でなければならない。
 昨日、自民、公明の両与党幹事長が河野衆議院議長に対して、八月十三日まで五十五日間の大幅な会期延長を申し入れた。その理由は、ただ一つ、「議案の審議状況に鑑み」というだけである。このような理由で五十五日間に及ぶ大幅な会期延長を申し入れるなど常識では考えられないことである。実際は、いわゆる「郵政民営化関連法案」の審議を進め、与党内での再修正論議を含め、法案の成立に向け、十分な審議時間を確保するための大幅な会期延長であることは明々白々である。しかし、与党内の事情もこれあり、真の理由を明らかにしていないのは姑息であるといわざるを得ない。にもかかわらず、議院運営委員長川崎二郎君は、このような姑息な与党の策謀を容認し、野党の強い反対を押し切って、会期延長を本会議の議題として上程することを強引に決めようとしているのである。川崎君も十分承知のことだが、いわゆる「郵政民営化関連法案」には瑕疵が多々あり、本来、一度撤回したうえ、きちんと整理して再提出すべき法案である。そのことは、これまでの「郵政民営化に関する特別委員会」の審議でも十分明らかになっている。今国会は一度閉会して、改めて臨時国会を召集し、法案をきちんと修正したうえで、再提出する。明らかにこれが筋道である。そもそも内閣総理大臣が国会の特別委員長人事に介入するという三権分立の危機、前代未聞の事態が喧伝される中で、始まったいわく因縁の法案審議でもある。かつては、「問答無用の姿勢はとらない」とする与党の姿勢を了としていた議院運営委員長川崎二郎君であったが、民主党・無所属クラブ、社会民主党・市民連合の二会派が欠席する中で、去る五月二十日強引に特別委員会設置の本会議開会を強行させ、さらに、五月二十六日には本会議での法案の趣旨説明と質疑まで強行、その上で、本日の会期延長議決の強行である。また、川崎君は、昨日、会期延長があることを理由に、法案の委員会への付託を採決で強引に押し切った。本来ならば、公正中立な立場にあるべき議院運営委員長として、「郵政民営化関連法案」は欠陥法案であるとして、内閣をして法案を撤回するよう、議長に働きかけるべきであった。間違っても、この法案審議のために会期延長などしてはならなかったのである。川崎君のとった態度は極めて遺憾であり、責任は重大である。よって、ここに議院運営委員長川崎二郎君の解任を強く求める。
 以上が本決議案を提出する理由である。

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