衆議院

メインへスキップ





   厚生労働委員長櫻田義孝君解任決議案(第一六六回国会、決議第五号)


 本院は、厚生労働委員長櫻田義孝君を解任する。
  右決議する。
     理 由
 厚生労働委員長櫻田義孝君は、委員長就任にあたり、「・・・本委員会所管の社会保障の分野におきましても多くの分野におきまして多くの問題が生じております。・・・このような状況のもと、国民が安心して生活できる社会を構築することは、本委員会に課せられた極めて重大な責務であります。委員長就任にあたり、その責任の重大さを痛感しております。」と決意を明らかにし、あわせて、公平且つ円満な委員会運営に努めることを公約したが、これを簡単に破棄した。
 櫻田君は去る五月二十五日、五千万件以上に及ぶ「消えた年金記録問題」が焦点となり、更なる実態の解明や社会保険庁によるずさんな記録管理の被害者に対する救済策を検討する端緒についたばかりの、いわゆる「社会保険庁改革関連法案」の厚生労働委員会における審議を突然打ち切り、野党各党が強く抗議する中で、与党単独で採決を強行した。
 野党は、法案の内容や消えた年金記録問題について、国民が分かるように、柳澤大臣に対して質問し、再三調査を要求したが、柳澤大臣は拒否し、説明責任を果たそうとしなかった。櫻田委員長は無責任にもこれを放置した。
 五月二十五日の審議については、質疑終了・採決を主張する与党に対して、野党は審議不十分とし、委員会の持ち方について与野党の合意はなかった。また、野党が法案の内容、審議状況を国民に広く知ってもらうためにNHKによる中継を要求したが、与党はこれを拒否した。野党がテレビ中継の可能な日程での後日開催を要求してもいっさい聞き入れなかった。極めて姑息な対応である。にもかかわらず、櫻田君は国民生活に重大な影響をもたらす、このような法案を十分な審議もしないで、あたかも内閣の露払いかのような委員会運営に終始した挙句に与党の採決強行に加担したのである。
 さらに、櫻田君は混乱にまぎれて、いわゆる「労働三法案」の趣旨説明まで強行した。もちろん、当日の趣旨説明の実施について与野党合意は当然なかった。
 加えて、五月三十日の与党提出のいわゆる、「年金時効特例法案」のわずか一日だけの審議による強行採決である。二十五日に「労働三法」の趣旨説明を強行しておきながら、今度は一転して、「救済されるのは厚生労働大臣と社会保険庁で、被害者は一向に救済されないのではないか」と厳しく批判されている曰くつきの法案の審議を先行させ、採決まで行った。言語道断である。そして、翌三十一日、「三十日の採決は有効だ」と主張しながら、厚生労働委員会を開いて、「採決確認のための採決」を与党単独で行おうとして突然止めた。とんだ茶番劇だ。国民の重い負託を受けた国権の最高機関としては、あまりにも無残な姿である。
 国民の強い批判を受ける中で、何が何でも数の力で決しようとする与党の理不尽な意向を真に受けて、あのような暴挙を行った厚生労働委員長櫻田義孝君の行為は、与野党合意の上で審議を進める国会の原則を踏みにじるもので、到底容認できない。
 以上が、櫻田義孝君の厚生労働委員長解任を求める理由である。

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.