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   農林水産大臣赤松広隆君不信任決議案(第一七四回国会、決議第九号)


 本院は、農林水産大臣赤松広隆君を信任せず。
  右決議する。
     理 由
 宮崎県における口蹄疫の被害は一向に治まらず、畜産農家や地域経済のみならず、日本の畜産全体に甚大な影響を及ぼしかねない。しかるに農林水産大臣赤松広隆君は、その責任を果たすことなく無為無策を重ね、事態はより深刻な状況へと陥っている。
 本年四月二十日に最初の感染が確認された口蹄疫問題に関し、政府側の致命的とも言える初動の遅れと、後手に回り続ける不十分な対策が今日の混乱を招いていることは明らかである。赤松広隆君の責任はまことに重大であり、その言動は、鳩山内閣が掲げる「国民生活が第一」「いのちを守りたい」といった看板とはあまりにもかけ離れたものであると糾弾せざるを得ない。
 特に問題なのは、政府の対策本部長であった赤松広隆君が、四月三十日から九日間の中南米訪問に出かけたことである。蔓延防止と早期撲滅に向けた的確な危機管理が求められ、野党から厳しく反対の声が上がっていたにもかかわらず、赤松広隆君は無責任にも外遊を強行した。外遊の間、殺処分の対象となった牛や豚の数は一挙に拡大し、現地の畜産農家は今このときにあっても壊滅的な打撃を被り続けている。被害拡大のなか、外遊や政治活動を優先する赤松広隆君が宮崎県を訪れたのは、感染確認から二十日も過ぎた外遊後の五月十日であった。危機意識の欠如、無神経な対応、さらには有効で具体的な救済策を講じようとしない姿勢に対し、関係者をはじめ多くの国民が怒りと失望を感じている。
 かかる非常事態にあって、「まったく反省するところ、お詫びするところはない」と開き直るなど、不誠実極まりない態度に終始する赤松広隆君が、これ以上農林水産大臣の職に留まることは断じて認められない。感染拡大を徹底阻止し、畜産農家の救済に迅速かつ真摯に対応するべく、本院は一刻も早く赤松広隆君を不信任し、政府に対しては万全の態勢を整えるよう強く求めるものである。
 また、内閣提出「農林水産省設置法案」に対して与党民主党より二度も趣旨説明要求をつけられるという前代未聞の指導力不足、諫早湾干拓事業の開門調査等に見られる調整力不足、さらには戦略も制度設計もなく戸別所得補償によるバラマキ策を進める失政を見るにつけ、赤松広隆君は資格、能力、手法のすべてにおいて著しく農林水産大臣としての適性を欠いている。
 以上が本決議案を提出する理由である。

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