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   内閣官房長官仙谷由人君不信任決議案(第一七六回国会、決議第一号)


 本院は、内閣官房長官仙谷由人君を信任せず。
  右決議する。
     理 由
 菅内閣発足以来、山積する内外の難問は解決の糸口すら見えず、むしろ悪化の一途を辿っている。その中で、内閣の要である官房長官・仙谷由人君の職務は極めて重いものでありながら、責任感と使命感の欠片さえも見られない言動の数々は目に余るものである。
 以下、仙谷内閣官房長官を信任できない理由を列挙する。
 第一に、「尖閣諸島沖中国漁船衝突事件」をめぐっての極めて不適切な対応である。
 この事態は「戦後最大の外交的敗北」であるのは言うまでもないが、一連の対応が菅内閣の「危機管理」及び「情報管理」の甘さを露呈した点で極めて深刻である。中国漁船の船長を釈放した件について、国会での質問で、官房長官が「訴追をしたらAPECが吹っ飛んでしまう」と発言していたことが明らかにされた。「検察の判断を了とした」というこれまでの答弁と明らかに矛盾する政治介入が行われた形跡の有無を問われると「健忘症にかかっているのか、記憶がない」などととぼけた。これは真相の解明を求める国民を愚弄する発言である。このような外交姿勢こそが、ひいてはロシアのメドベージェフ大統領の北方領土訪問という事態を招いたことは明々白々である。
 第二に、菅内閣が掲げる「主体的外交」に明らかに反していることである。菅総理は「最終的に外交の方向性を決めるのは主権者たる国民だ」と主張していた。ところが、衝突事件のビデオの扱いについて一任された仙谷長官は、多くの国民が望む全面公開を今に至っても拒んでいる。自らへの批判を避けるために真実を隠そうとするのは姑息であると言わざるを得ない。
 第三に、国権の最高機関たる立法府を軽視する傲岸不遜とも言える言動の数々である。尖閣問題の対応をめぐる「柳腰発言」、民主党の天下り問題を批判する政府参考人を目の前に「将来を傷つける」と恫喝とも言える発言をするなど、「でしゃばり、居直り、はぐらかし答弁」は聞くに堪えない。
 自らが犯した政治的失策について、国民への説明責任を果たそうとせず、小手先の答弁でその場をしのぎ、それでも矛盾点を指摘されれば開き直るといった言動は、官房長官としての適格性を著しく欠いている。
 以上が本決議案を提出する理由である。

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