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   東日本大震災に関する決議案(第一七七回国会、決議第三号)


 三月十一日午後二時四十六分ごろ発生した東北地方太平洋沖地震及びそれに伴い発生した大津波は広く東日本各地を襲い、死者・行方不明者二万八千人、避難者五十五万七千人、建物被害も三十一万戸を超えるなど甚大なる被害をもたらした。さらに、地震及び津波に伴い発生した原子力発電所の事故では懸命なる復旧作業にもかかわらず放射性物質の放出が続いており、長期の避難生活を余儀なくされる住民の方々がなお多くおり、さらに農林水産業を始めとする地場産業など地域経済への被害がいまなお拡大しつつある。
 本院は、ここに院議をもって犠牲となられた方々及び自らの危険を顧みることなく殉職された方々に深甚なる哀悼の意を表するとともに、被災された方々に衷心よりお見舞いを申し上げる。
 自衛隊、警察、消防、海上保安庁を始めとする国や地方自治体の関係者、民間の関係者、市民ボランティア、米軍を始め海外から駆け付けていただいた救援隊など、多くの方々の余震が続く危険な状況下での救助・救援活動、復旧活動への奮闘に敬意を表するとともに、義援金や各種物資の提供など国内外から寄せられている温かな支援に感謝を申し上げる。
 本院は、いまだ被災地において不自由な生活を強いられている多くの避難者の方々が一刻も早く安全な生活を送れるよう、さらに、被災された方々の生活再建、被災地の経済復興に向け、新たな立法措置も含めて、前例や省庁の壁にとらわれることなく、あらゆる必要な措置が早急に実施されるように全力で取り組む。
 また、深刻な原子力災害に、全世界のあらゆる知見を活用して一刻も早い収束に向け全力で立ち向かう。
 千年に一度と言われる本震災を教訓として、二度と同様な被害を被ることがないよう、これまで以上に自然災害に強くかつ国民が安心して持続可能な豊かな暮らしを享受できる国にすることはもとより、こうした自然の脅威に立ち向かい、自然と共生する国づくりが世界の模範となるように、国民と一体となって復興に取り組むものとする。
 特に次の事項について万全の対策を期す。
一 政府は、国の総力をあげて、速やかな被災者の生活の回復と被災地の復興を実現すること。
一 ライフラインや仮設住宅等の確保により被災地の生活基盤の早急な回復を図り、雇用対策に全力で取り組み、民生の安定に努めるとともに、被災地域の復興に重要となる道路、鉄道、港湾等の交通ネットワーク、通信インフラ及び農林水産業・中小企業を始めとする産業基盤等の速やかな復興を促進すること。
一 被災地における医療・介護サービスの提供体制を早急に再構築して、二次災害の発生を回避するように全力を尽くすこと。また、被災した子どもたちが一刻も早く教室に戻れるように、教育環境の復旧を優先的に進めること。
一 被災地方自治体の行政機能の回復に、国は他の地方自治体の協力も得て全力で取り組むこと。災害復旧、復興に当たっては、国は被災地方自治体への財政支援はもとより、支援地方自治体に対する財政措置についても確実に行うこと。
一 今般の未曾有の震災を契機に、将来にわたり災害に強く、世界をリードする新たな経済社会を提示するような総合復興計画を被災地域の住民を含む幅広い層の参加を得て策定し、実施に移すこと。また、官民の持てる力を結集し協働により、あらゆる危機を乗り越えることができる地域社会と市民社会の形成に取り組むこと。
一 地震を始め自然災害に係る観測体制の強化と予知研究の一層の充実に努めるとともに、本震災を教訓に、最悪の事態を想定した国家の危機管理のあり方について抜本的に見直すこと。
一 いまだ収束の目途の立たない原子力発電所事故については、情報公開を確保し、政府の責任のもと内外のあらゆる英知を結集して一刻も早い収束を図り、健康及び環境への被害の拡大回避に全力を尽くすとともに、事故の影響を受けた地域住民、風評被害を含め直接・間接に被害を被った事業者等への補償・救済対策に万全を期すこと。
一 原子力災害については、放射性物質に関する各国の懸念に鑑み、国際社会に対して、正確、迅速に適切な情報提供を行うこと。
 右決議する。

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