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   国会職員の倫理の保持に関する法律案要綱


第一 目的
  この法律は、国会職員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する国民の信頼を確保することを目的とするものとすること。                     (第一条関係)
第二 定義
  この法律において「国会職員」とは、国会職員法第一条に規定する国会職員であって常勤のものをいうものとすること。                                 (第二条関係)
第三 国会職員の責務
  国会職員は、国民全体の奉仕者であることを自覚し、公正な職務の執行に当たるとともに、常に公私の別を明らかにし、職務や地位を私的な利益のために用いてはならないものとすること。 (第三条関係)
第四 国会職員倫理規程
  関係業者等との接触に開し国会職員が遵守すべき事項等国会職員の職務に係る倫理の保持を図るために必要な事項を定めた国会職員倫理規程を、両議院の議長が協議して定めるものとすること。(第四条関係)
第五 贈与等の報告
1 両議院の議長が協議して定める係長級以上職を占める国会職員は、次に掲げる事項を記載した贈与等報告書を、毎年、四月一日から同月三十日までの間に、各本属長に提出しなければならないないものとすること。
 一 前年中に親族以外の者から、贈与により財産を取得し、又はその者と国会職員の職務との関係に基づいて提供する人的役務に対する報酬として両議院の議長が協議して定める報酬の支払を受けた場合(当該取得又は当該支払の時において係長級以上職を占めていた場合に限り、かつ、これらの価額が一件につき二千円を超える場合に限る。) 当該贈与又は当該報酬の価額、年月日及び基因となった事実並びに当該贈与をした者又は当該報酬を支払った者の氏名(その者が会社その他の法人である場合には、名称。二において同じ。)及び住所
 二 前年中に親族以外の着から、その者と国会職員の職務との関係に基づいて当該国会職員の配偶者等が贈与により財産を取得し、又はその者と国会職員の職務との関係に基づいて当該国会職員の配偶者等が提供する人的役務に対する報酬として両議院の議長が協議して定める報酬の支払を受けた場合(当該取得又は当該支払の時において係長級以上職を占めていた場合に限り、かつ、これらの価額が一件につき二千円を超える場合に限る。) 当該贈与又は当該報酬の価額、年月日及び基因となった事実並びに当該贈与をした者又は当該報酬を支払った者の氏名及び住所
2 各本属長は、贈与等報告書の写しを国会職員倫理審査会に送付しなければならないものとすること。
                                         (第五条関係)
第六 資産等の報告
1 国会職員は、両議院の議長が協議して定める副部長級以上職に任命されたとき(国会職員が当該任命の日の前日において副部長級以上職を占めていた場合を除く。)は、当該任命された日(以下「就任日」という。)において有する次に掲げる資産等について、次に掲げる事項を記載した資産等報告書を、同日から起算して百日を経過する日までに、各本属長に提出しなければならないものとすること。
 一 土地 所在、面積、固定資産税の課税標準額等
 二 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権 当該権利の目的となっている土地の所在、面積等
 三 建物 所在、床面積及び固定資産税の課税標準額等
 四 預貯金等(普通預金等を除く。) 預貯金等の額
 五 金銭信託 金銭信託の元本の額
 六 有価証券 種類、種類ごとの額面金額の総額等
 七 自動車、船舶、航空機、美術工芸品その他の動産(取得価額が百万円を超えるものに限る。) 品目及び数量
 八 ゴルフ場の利用に関する権利 ゴルフ場の名称
 九 貸付金(生計を一にする親族に対するものを除く。) 貸付金の額
 十 倍入金(生計を一にする親族からのものを除く。) 借入金の額
2 就任日後引き続き副部長級以上職を占めている国会職員は、その就任日後毎年新たに有することとなった1の一から十までに掲げる資産等であって十二月三十一日において有するものについて、1の一から十までに掲げる事項を記載した資産等補充報告書を、その翌年の四月一日から同月三十日までの間に、各本属長に提出しなければならないものとすること。
3 各本属長は、資産等報告書又は資産等補充報告書の写しを国会職員倫理審査会に送付しなければならないものとすること。                                (第六条関係)
第七 給与外収入等の報告
1 副部長級以上職を占める国会職員(前年一年間を通じて副部長級以上職を占めていた国会職員に限る。)は、次に掲げる事項を記載した給与外収入等報告書を、毎年、四月一日から同月三十日までの間に、各本属長に提出しなければならないものとすること(金額の合計額が五万円に満たない場合を除く)。
 一 前年中に支払を受けた給与以外の収入(国会職員法の規定に基づく給与に係る収入以外の収入(各種所得(退職所得を除く。二において同じ。)の金額の計算の基礎とされるものに限り、第五の1の一に規定する贈与及び報酬に係る収入を除く。)をいう。)がある場合 当該収入の金額、年月日及び基因となった事実並びに当該収入を支払った者の氏名(その者が会社その他の法人である場合には、名称。二において同じ。)及び住所
 二 前年中に国会職員の職務との関係に基づいて当該国会職員の配偶者等が支払を受けた収入(各種所得の金額の計算の基礎とされるものに限り、第五の1の二に規定する贈与及び報酬に係る収入を除く。)がある場合 当該収入の金額、年月日及び基因となった事実並びに当該収入を支払った者の氏名及び住所
2 各本属長は、給与外収入等報告書の写しを国会職員倫理審査会に送付しなければならないものとすること。                                       (第七条関係)
第八 報告書の保存及び閲覧
1 贈与等報告書、資産等報告書及び資産等補充報告書並びに給与外収入等報告書は、各本属長が五年間保存しなければならないものとすること。
2 何人も、各本属長に対し、1の贈与等報告書、資産等報告書及び資産等補充報告書並びに給与外収入等報告書の閲覧を請求することができるものとすること。                (第八条関係)
第九 国会職員倫理審査会
1 国会に、国会職員倫理審査会(以下「審査会」という。)を置くものとすること。
2 審査会は、次に掲げる事務をつかさどるものとすること。
 一 第五の1、第六の1及び2並びに第七の1の報告書(以下「報告書」という。)に関し調査を行い、必要があると認めるときは、各本属長に監督上必要な措置を講ずるよう求めること。
 二 一の報告書に関し必要があると認めるときは、各本属長その他の者に必要な報告、情報又は資料の提出を求めること。
 三 職員の職務に係る倫理の保持に関する基本的事項を調査審議し、各本属長に意見を述べること。
3 各本属長は、2の一の求めに基づき講じた措置について、審査会に報告しなければならないものとすること。
4 審査会は、委員五人をもって組織し、委員のうち二人は、非常勤とすることができるものとすること。
5 委員は、人格が高潔で、公務員の職務に係る倫理の保持に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の議長が、国会の承認を得て任命するものとすること。
6 審査会に、会長を置き、委員の互選によって常勤の委員のうちからこれを定めるものとすること。
                                   (第九条から第十二条関係)
第十 罰則
  報告書を提出せず、又は虚偽の報告をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処するものとすること。                                  (第十四条関係)
第十一 施行期日等
1 この法律は、国家公務員の倫理の保持に関する法律(平成十年法律第   号)の施行の日から施行するものとすること。                              (附則第一条関係)
2 国会職員法を改正し、本法による報告義務に違反した場合を、懲戒処分をすることができる場合として追加するものとすること。                           (附則第五条関係)
3 経過規定その他の規定を整備するものとすること。          (附則第二条から第六条関係)

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