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   長時間にわたる時間外労働等から労働者を保護するための労働基準法及び労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案要綱

第一 労働基準法の一部改正関係
 一 労働時間管理台帳
  1 使用者は、各事業場ごとに労働時間管理台帳を調製し、各労働者の労働日ごとの始業し、及び終業した時刻その他命令で定める事項を記入しなければならないものとすること。
  2 使用者は、労働者から、労働時間管理台帳(当該労働者に係る部分に限る。)等の閲覧の請求があったときは、その閲覧を拒んではならないものとすること。
  3 使用者は、労働時間管理台帳を三年間保存しなければならないものとすること。
 二 罰則
   一の1、2又は3に違反した者は、三十万円以下の罰金に処するものとすること。
 三 その他
   その他所要の規定の整備を行うものとすること。

第二 労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部改正関係
 一 事業主の責務
   事業主は、その雇用する労働者の時間外及び休日の労働(以下「時間外労働等」という。)が適正に行われるようにするため、時間外労働等の実態の把握その他の必要な措置を講ずるように努めなければならないものとすること。
 二 時間外労働等管理計画の作成等
  1 事業主は、常時十人以上の労働者を使用する事業場ごとに、時間外労働等が適正に行われるようにするための措置に関する計画(以下「時間外労働等管理計画」という。)を作成し、労働大臣に届け出なければならないものとすること。当該時間外労働等管理計画を変更したときも、同様とするものとすること。
  2 時間外労働等管理計画には、次の事項を定めなければならないものとすること。
   ア 時間外労働等の実態の把握に関する事項
   イ 時間外労働等に係る割増賃金の支払に関する事項
   ウ 使用者が時間外労働等に係る割増賃金を支払わない場合に労働者が当該割増賃金の額に加えて支払を請求することができる金額に関する事項
   エ 当該事業場における労働者の配置等雇用管理に関する事項であって時間外労働等に密接に関連する事項
  3 事業主は、1により時間外労働等管理計画を作成するに当たっては、三の1の時間外労働等管理委員会の意見を聴かなければならないものとすること。当該時間外労働等管理計画を変更するときも、同様とするものとすること。
  4 労働大臣は、1により届け出られた時間外労働等管理計画が著しく不適当であると認めるときは、当該時間外労働等管理計画を作成した事業主に対してその変更を勧告することができるものとすること。
  5 労働大臣は、特に必要があると認めるときは、1により時間外労働等管理計画を提出した事業主に対して、その適正な実施に関し、勧告をすることができるものとすること。
  6 労働大臣は、4又は5の勧告を受けた事業主がこれらの勧告に従わないときは、その旨を公表することができるものとすること。
 三 時間外労働等管理委員会の設置
  1 事業主は、二の1の事業場ごとに、時間外労働等管理計画及びその実施状況を調査審議させ、事業主に対し意見を述べさせるため、時間外労働等管理委員会を設けなければならないものとすること。
  2 事業主は、時間外労働等管理委員会の委員の半数については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならないものとすること。
 四 報告の徴収等
   労働大臣は、二及び三の施行に必要な限度において、二の1による時間外労働等管理計画の届出をした事業主に対し、当該時間外労働等管理計画の実施状況その他の事項について報告をさせ、又は所属の職員に、当該届出に係る事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができるものとすること。
 五 罰則
   次のいずれかに該当する者は二十万円以下の罰金に処するものとすること。
  1 二の1又は三の1に違反した者
  2 四による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は四による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは四による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
 六 その他
   その他所要の規定の整備を行うものとすること。
 七 廃止期限の延長
   この法律の廃止期限を平成十七年三月三十一日とするものとすること。

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