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海底資源開発推進法案要綱


第一 目的
この法律は、近年における海底資源の開発を取り巻く国際環境の変化に伴い、海底資源の開発を推進する必要性が増大している状況にかんがみ、海底資源の開発に関する基本方針及び海底資源開発区域における海底資源の開発に関する計画の策定等について定めるとともに、海底資源開発推進本部を設置することにより、海底資源の開発に関する施策を総合的かつ効果的に推進することを目的とするものとすること。
(第一条関係)
第二 定義
一 この法律において「海底資源の開発」とは、排他的経済水域等(我が国の排他的経済水域(その海域の海底及びその下に限る。)及び大陸棚をいう。二において同じ。)における鉱物(石炭、石油及び天然ガスを含む。)の探査(探鉱をすること及び探鉱を目的として地質構造の調査をすることをいう。)又は採掘をいうものとすること。
二 この法律において「海底資源開発区域」とは、排他的経済水域等のうち、重点的に海底資源の開発を推進すべき区域として政令で定める区域をいうものとすること。
(第二条関係)
第三 海底資源開発基本方針
一 内閣総理大臣は、海底資源の開発に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な方針(以下「海底資源開発基本方針」という。)の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないものとすること。
二 海底資源開発基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとすること。
1 海底資源の開発の意義及び目標に関する事項
2 海底資源の開発に関する施策を推進するための体制の整備に関する基本的な事項
3 海底資源の開発に資する調査研究に関する基本的な事項
4 海底資源開発区域における海底資源の開発の事業を行う者(以下「海底資源開発事業者」という。)に対する支援、海底資源開発事業者の安全の確保その他の海底資源の開発のために政府が重点的に実施すべき施策に関する基本的な事項
5 海洋環境の保全その他海底資源の開発に際し配慮すべき重要事項
6 海底資源開発区域を指定する政令の立案に関する基準
7 1から6までに掲げるもののほか、海底資源の開発の推進に関する重要事項
三 海底資源開発基本方針は、主要な鉱物資源の大部分を輸入に依存している我が国にとって海底資源の開発が重要な意義を有するものであることにかんがみ、関係行政機関の相互の密接な連携を図りつつ、近年における海底資源の開発を取り巻く国際環境の変化に的確かつ迅速に対応して、海底資源の開発に関する施策を適切に推進することを基本理念として定めるものとすること。
四 内閣総理大臣は、一の閣議の決定があったときは、遅滞なく、海底資源開発基本方針を公表しなければならないものとすること。
(第三条関係)
第四 海底資源開発計画
一 海底資源開発推進本部は、海底資源開発区域ごとに、海底資源開発基本方針に即して、当該海底資源開発区域における海底資源の開発に関する計画(以下「海底資源開発計画」という。)を定めなければならないものとすること。
二 海底資源開発計画には、次に掲げる事項を定めるものとすること。
1 海底資源開発区域の開発の目標
2 海底資源開発区域における海底資源の開発に関し、総合的かつ計画的に講ずべき施策
3 海洋環境の保全その他海底資源の開発に際し配慮すべき事項
4 1から3までに掲げるもののほか、海底資源開発区域における海底資源の開発に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
三 海底資源開発推進本部は、海底資源開発計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならないものとすること。
(第四条関係)
第五 財政上の措置等
国は、海底資源開発計画の実施を推進するため、海底資源開発事業者を支援するための財政上の措置その他必要な措置を講ずるように努めなければならないものとすること。        (第五条関係)
第六 海底資源開発事業者の安全の確保
 国は、海底資源開発区域における海底資源の開発に関する施策を推進するに当たっては、海底資源の開発に関し、海底資源開発事業者の安全の確保が図られるように努めなければならないものとすること。
(第六条関係)
第七 海底資源の開発についての配慮
  国の行政機関及び関係地方公共団体の長は、海底資源開発区域における海底資源の開発に関し、法令の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該海底資源の開発が円滑かつ迅速に施行されるよう、適切な配慮をするものとすること。                        (第七条関係)
第八 海底資源開発区域における鉱業法の特例
 一 鉱業法の規定により経済産業局長の権限に属する事務のうち、海底資源開発区域に存する鉱物(同法第三条第一項に規定する鉱物をいう。二において同じ。)を目的とする鉱業権又は租鉱権に係るものは、経済産業大臣が行うものとすること。
 二 鉱業法第二十一条第一項の鉱業権の設定の出願であって海底資源開発区域に存する鉱物を目的とする鉱業権に係るものについては、同法第二十四条の規定は、適用しないものとすること。
(第八条関係)
第九 海底資源開発推進本部
一 海底資源の開発を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に、海底資源開発推進本部(以下「本部」という。)を置くものとすること。
二 本部は、次に掲げる事務をつかさどるものとすること。
1 海底資源開発基本方針の案の作成に関すること。
2 海底資源開発基本方針の実施を推進すること。
3 海底資源開発区域を指定する政令を立案すること。
4 海底資源開発計画を作成し、及びその実施を推進すること。
5 1から4までに掲げるもののほか、海底資源の開発に関する施策で重要なものの企画及び立案並びに総合調整に関すること。
三 本部は、内閣総理大臣を本部長とし、すべての国務大臣をもって組織するものとすること。
四 一から三までのほか、本部について必要な規定を設けるものとすること。
(第九条から第十八条まで関係)
第十 施行期日
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。                                    (附則関係)

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