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   東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法案要綱


第一 目的及び設置
  平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故の直接又は間接の原因及び当該事故に伴い発生した被害の直接又は間接の原因並びに関係行政機関その他関係者が当該事故に対し講じた措置及び当該被害の軽減のために講じた措置の内容、当該措置が講じられるまでの経緯並びに当該措置の効果を究明し、又は検証するための調査並びにこれまでの原子力に関する政策の決定又は了解及びその経緯その他の事項についての調査を適確に行うとともに、これらの調査の結果に基づき、原子力に関する基本的な政策及び当該政策に関する事項を所掌する行政組織の在り方の見直しを含む原子力発電所の事故の防止及び原子力発電所の事故に伴い発生する被害の軽減のため講ずべき施策又は措置について提言を行い、もって国会による原子力に関する立法及び行政の監視に関する機能の充実強化に資するため、国会に、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会を置くこと。

第二 組織等
 一 組織
  1 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(以下「委員会」という。)は、委員長及び委員九人をもって組織すること。
  2 委員長及び委員は、非常勤とすること。
 二 委員長及び委員の任命
   委員長及び委員は、委員会の職務の遂行に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、国会法附則第六項に規定する両院合同特別調査会の推薦に基づき、両議院の議長が、両議院の承認を得て、これを任命すること。
 三 身分保障
   委員長及び委員は、心身の故障のため職務の遂行ができないこと又は職務の執行上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行があったことについて両議院の議決があったときを除いては、罷免されることはないこと。
 四 服務
  1 委員長及び委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないこと。その職を退いた後も同様とすること。
  2 委員長及び委員は、在任中、政党その他の政治団体の役員となり、又は積極的に政治活動をしてはならないこと。
  3 委員長及び委員は、他の官職を兼ね、又は公選による公職の候補者となり、若しくは公選による公職と兼ねてはならないこと。
 五 接触等の報告
  1 委員長及び委員は、その職務を遂行する場合以外の場合における利害関係者との接触等の行為を行ったときは、利害関係者の名称又は氏名、当該行為の概要、当該行為を行った年月日等を記載した報告書を両議院の議長に提出しなければならないこと。ただし、私的な関係がある者であって、利害関係者に該当するものとの間においては、職務上の利害関係の状況等に鑑み、公正な職務の執行に対する国民の疑惑又は不信を招くおそれがないと認められる場合は、この限りでないこと。
  2 両議院の議長は、1の報告書を受理したときは、これを公表する措置を講ずるものとすること。
 六 会議及び会議録
  1 委員会の会議は、公開すること。ただし、出席委員の三分の二以上の多数で議決したときは、これを公開しないことができること。
  2 委員会は、会議録二部を作成し、委員長及び委員がこれに署名し、各議院に送付すること。各議院は、送付を受けた会議録を保存すること。
  3 委員会の会議録は、これを印刷して各議院の議員に配付すること。ただし、1により公開しないこととした会議の記録中特に秘密を要するものと委員会で決議した部分については、この限りでないこと。
 七 参与
  1 委員会に、委員長及び委員に対し、専門的な知識経験に基づく意見を述べさせるため、参与を置くことができること。
  2 参与は、委員会の意見を聴いて、両議院の議長が任命すること。
  3 参与は、非常勤とすること。
 八 事務局
  1 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置くこと。
  2 事務局に、事務局長一人その他所要の職員を置くこと。
  3 事務局長その他の職員は、両議院の議長が協議して定めるところにより、両院合同特別調査会の意見を聴いて、委員長が任命すること。
  4 事務局長その他の職員は、民間の有識者を広く登用することを基本とすること。

第三 事故調査等
 一 事故調査等
   委員会は、以下の事務を行うものとすること。
  1 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故(以下「東京電力福島原子力発電所事故」という。)の直接又は間接の原因を究明するための調査を行うこと。
  2 東京電力福島原子力発電所事故に伴い発生した被害の直接又は間接の原因を究明するための調査を行うこと。
  3 関係行政機関その他関係者が東京電力福島原子力発電所事故に対し講じた措置及びこれに伴い発生した被害の軽減のため講じた措置の内容、当該措置が講じられるまでの経緯並びに当該措置の効果を究明し、又は検証するための調査を行うこと。
  4 これまでの原子力に関する政策の決定又は了解及びその経緯その他の事項についての調査を行うこと。
  5 1から4までの調査(以下「事故調査」という。)の結果に基づき、原子力に関する基本的な政策及び当該政策に関する事項を所掌する行政組織の在り方の見直しを含む原子力発電所の事故の防止及び原子力発電所の事故に伴い発生する被害の軽減のため講ずべき施策又は措置について、提言を行うこと。
  6 これらの事務を行うため必要な調査及び研究を行うこと。
 二 参考人の出頭
   委員会は、事故調査のため必要があると認めるときは、参考人の出頭を求め、その意見を聴くことができること。

 三 資料の提出の要求
  1 委員会は、事故調査のため必要があると認めるときは、国の行政機関、地方公共団体の公署、原子力事業者その他の者に対して、資料の提出を要求することができること。この場合においては、当該要求を受けた者は、この法律に別段の定めがある場合を除き、これに応じなければならないこと。
  2 1の要求を受けた国の行政機関及び地方公共団体の公署は、当該要求を受けた日から七日以内に、当該要求に係る資料を提出しなければならないこと。ただし、その期間内に当該資料を提出することができないことについて正当の理由がある場合において、その理由及び提出することができる合理的な期限を明示したときは、この限りでないこと。
  3 2のただし書の場合、当該要求を受けた国の行政機関及び地方公共団体の公署は、当該明示した期限内に、当該要求に係る資料を提出しなければならないこと。
  4 職務上の秘密に関する資料の提出に関し、所要の規定を設けること。
 四 報告書の提出等
  1 委員会は、委員長及び委員の任命の日から起算しておおむね六月後を目途として、一の1から4までの事故調査の結果及び一の5の提言を記載した報告書を両議院の議長に提出しなければならないこと。
  2 両議院の議長は、1の報告書を受理したときは、これを広く公表する措置を講ずるものとすること。
  3 1の報告書は、両議院の議長が協議して定めるところにより、内閣に送付すること。
 五 調査活動期間
   委員会は、四の1の報告書の提出をもって、その調査活動を終了すること。

第四 その他
 一 施行期日
   この法律は、国会法の一部を改正する法律の施行の日から施行すること。
 二 この法律の失効
   この法律は、この法律の施行の日から起算して一年を経過した日に、その効力を失うこと。
 三 関係法律の整備
   委員会の設置に伴い、国会職員法その他関係法律について所要の改正を行うこと。

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