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   熱についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源及び廃熱の利用を促進する等のためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱


第一 趣旨
  この法律は、熱についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源(太陽熱、地熱その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものをいう。第十の二において同じ。)及び廃熱の利用を促進する等の措置を講じ、もってエネルギーの供給及び使用に係る環境への負荷の低減並びに資源の有効利用の確保に資するため、エネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部改正について定めるものとすること。                   (第一条関係)
第二 エネルギーの使用の合理化等に関する法律の一部改正
 一 基本理念の創設
  1 エネルギーの使用の合理化等は、エネルギーを使用する者によるエネルギーの使用が抑制されることを基本として行われなければならないこと。
  2 エネルギーの使用の合理化等は、エネルギーの使用の目的に応じて適切かつ効率的にエネルギーが使用されることを基本として行われなければならないこと。
  3 エネルギーの使用の合理化等は、再生可能エネルギー源(太陽光、太陽熱その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものをいう。)及び廃熱の利用の促進が図られつつ、国内の地域に存するエネルギー源から得られ、又は製造されたエネルギーがその得られ、又は製造された地域内で使用されることを基本として行われなければならないこと。
  4 エネルギーの使用の合理化等は、エネルギーを使用する者によるエネルギーの使用の合理化等に関する主体的な取組が促進されるよう、エネルギーの使用の合理化等に資する情報が広く公開されることにより、行われなければならないこと。                 (第二条の二関係)
 二 特定事業者等の指定に係る判断基準の追加
   特定事業者等の指定に係る判断基準として、「エネルギーの年度の使用量の合計量」に加え、「廃熱の年度の排出量の合計量」を追加すること。(第七条第一項、第十条第一項及び第十三条第一項関係)
 三 定期の報告事項の追加
   特定事業者による定期の報告事項として、「廃熱の排出量(その設置している工場等ごとの廃熱の排出量を含む。)その他廃熱の排出の状況」を追加すること。        (第十六条第一項関係)
 四 廃熱の排出量の公表
   主務大臣は、特定事業者等から報告を受けた場合において、当該報告に係る特定事業者が設置している工場等のうちその廃熱の排出量が政令で定める数値以上であるものがあるときは、当該工場等が所在する地域の事業者又は住民による廃熱の利用等に資するよう、当該特定事業者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名、当該工場等の名称及び所在地、当該工場等に係る廃熱の排出量その他経済産業省令で定める事項を公表するものとすること。
                             (第十六条の二及び第八十条第五項関係)
 五 特定連鎖化事業者等に係る規定の整備
   特定連鎖化事業者、認定管理統括事業者及び連携省エネルギー計画の認定を受けた者について、二から四までと同様の規定を整備すること。
第三 非化石エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律の一部改正
 一 定義
   「非化石エネルギー」として、「化石燃料の燃焼により排出される廃熱」を加えること。
                                      (第二条第二号関係)
 二 非化石エネルギーの供給目標の達成状況の公表
   経済産業大臣は、適時に、供給目標の達成状況を調査し、その結果をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならないこと。                (第三条第六項関係)
第四 新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法の一部改正
 一 定義
   「新エネルギー利用等」として、次のものを明記すること。
1 動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるもの(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除く。2及び7において「バイオマス」という。)を原材料とする燃料を製造すること。
2 バイオマス又はバイオマスを原材料とする燃料を熱を得ることに利用すること(7を除く。)。
3 太陽熱を給湯、暖房、冷房その他の用途に利用すること。
4 海水、河川水その他の水を熱源とする熱を利用すること。
5 雪又は氷(冷凍機器を用いて生産したものを除く。)を熱源とする熱を冷蔵、冷房その他の用途に利用すること。
6 廃熱を利用すること(Bを除く。)。
7 バイオマス又はバイオマスを原材料とする燃料を発電に利用すること。
8 地熱を発電に利用すること。
9 風力を発電に利用すること。
@ 水力を発電(かんがい、利水、砂防その他の発電以外の用途に供される工作物に設置される出力が千キロワット以下である発電設備を利用する発電に限る。)に利用すること。
A 太陽電池を利用して電気を発生させること。
B 廃熱を発電に利用すること。
C 1からBまでのほか、経済性の面における制約から普及が十分でないものであって、その促進を図ることが非化石エネルギーの導入を図るため特に必要なものとして政令で定めるもの(第二条関係)
 二 基本方針の記載事項の追加
   基本方針の記載事項に、燃料の製造量、熱の供給量及び電気の供給量における新エネルギー利用等に係るものの割合に関する目標を追加すること。            (第三条第二項第一号関係)
 三 地方公共団体の促進方針
  1 地方公共団体は、基本方針を勘案して、その地域の実情に応じた新エネルギー利用等の促進に関する方針(以下「促進方針」という。)を定めるよう努めるものとすること。
  2 地方公共団体は、促進方針を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとすること。                                (第七条関係)
 四 新エネルギー利用等の促進に関する施策の実施状況の公表
  1 経済産業大臣は、関係行政機関の長に対し、新エネルギー利用等の促進に関する施策の実施状況について報告を求めることができること。
  2 経済産業大臣は、毎年度、1の報告を取りまとめ、その概要を公表するものとすること。
  3 地方公共団体の長は、毎年度、新エネルギー利用等の促進に関する施策の実施状況を公表するよう努めるものとすること。                         (第十四条の二関係)
第五 豪雪地帯対策特別措置法の一部改正
  雪冷熱エネルギーの活用促進に係る取組の例示として、雪の冷熱をエネルギー源として活用した施設への雪の運搬を明記すること。                        (第十三条の七関係)
第六 河川法の一部改正
 一 流水の占用の許可が不要とされる場合として、流水の占用の許可を受けた水利使用のために取水した流水その他これに類する流水として政令で定めるもののみを利用する河川熱利用(河川の流水を熱源とする熱を利用することをいう。以下同じ。)のために河川の流水を占用しようとする場合を追加すること。                                    (第二十三条関係)
 二 一の河川熱利用のために河川の流水を占用しようとする者は、河川管理者の登録を受けなければならないこと。                               (第二十三条の二関係)
第七 バイオマス活用推進基本法の一部改正
  未利用のバイオマスの利用に関する技術の研究開発の例示として、「海洋バイオマス(バイオマスのうち海藻その他の海洋生物資源に由来するものをいう。)」を明記すること。     (第二十四条関係)
第八 都市の低炭素化の促進に関する法律の一部改正
 一 低炭素まちづくり計画の記載事項の追加
   低炭素まちづくり計画の記載事項に、「廃熱の利用による二酸化炭素の排出の抑制の促進に関する事項」を追加すること。                      (第七条第二項第二号チ関係)
 二 廃熱利用施設の設置者等への援助
   低炭素まちづくり計画に一の事項を記載した市町村は、廃熱の利用による二酸化炭素の排出の抑制を促進するため、計画区域内における廃熱を利用するための施設(以下「廃熱利用施設」という。)の整備に対する助成、計画区域内の廃熱利用施設の設置者及び計画区域内において廃熱利用施設を設置しようとする者に対する情報の提供又は助言その他の必要な援助を行うよう努めるものとすること。
                                     (第五十一条の二関係)
第九 農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律の一部改正
 一 題名の改正
   題名を「農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー利用の促進に関する法律」に改めること。                                    (題名関係)
 二 目的の追加
   目的に、「再生可能エネルギー熱の利用の促進」を加えること。          (第一条関係)
 三 基本理念等の改正
   基本理念、基本方針及び基本計画に関する規定に、「再生可能エネルギー利用」を明記すること。
                                (第二条、第四条及び第五条関係)
 四 定義
   「再生可能エネルギー熱利用設備」の定義を設けること。         (第三条第三項関係)
 五 設備計画の認定等
   設備整備計画の認定等の対象に「再生可能エネルギー熱利用設備」を明記すること。
                                 (第七条から第十六条まで関係)
第十 施行期日等
 一 施行期日
   この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。ただし、二は、公布の日から施行すること。                 (附則第一条関係)
 二 検討
   政府は、熱についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源及び廃熱の利用の一層の促進を図る観点から、次の事項について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
  1 熱供給事業者による再生可能エネルギー源から得られる熱の調達の価格、期間等に関する特別の制度の導入
  2 再生可能エネルギー電気の発電に伴う廃熱を利用する場合における当該再生可能エネルギー電気の調達価格に係る優遇制度の導入
  3 地域において事業者、住民等が共同して廃熱を利用する設備並びに熱及び電気を併せて供給する設備の設置等に係る支援措置の内容
  4 地域における熱の利用に係る規制の在り方                (附則第二条関係)
 三 その他
   その他所要の規定の整備を行うこと。

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