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法律第二百十七号(昭二二・一二・二〇)

◎あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法

第一条 医師以外の者で、あん摩(マッサージを含む。以下同じ。)、はり、きゆう又は柔道整復を業としようとする者は、夫々あん摩師免許、はり師免許、きゆう師免許又は柔道整復師免許(以下免許という。)を受けなければならない。

第二条 免許は、公に認定された学校又は養成施設を卒業した者であつて、都道府県知事の行う試験に合格した者に対して、都道府県知事が、これを与える。

  前項の学校又は養成施設に入学し、又は入所することができる者は、学校教育法第四十七条に規定する者とする。

  第一項の学校又は養成施設における教科目中には、解剖学、生理学、病理学及び衛生学を含むものとし、その修業年数は、あん摩については、二年以上、はり、きゆう及び柔道整復については、四年以上とする。

第三条 左の各号の一に該当する者に対しては、免許を与えない。

 一 精神病にかかつている者

 二 伝染性の疾病にかかつている者であつて、第一条に規定する業務を行うに適しない者

 三 第一条に規定する業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者であつて、第一条に規定する業務を行うに適しない者

 四 素行が著しく不良である者であつて、第一条に規定する業務を行うに適しない者

第四条 あん摩師、はり師、きゆう師又は柔道整復師(以下施術者という。)は、外科手術を行い、又は薬品を投与し、若しくはその指示をする等の行為をしてはならない。

第五条 あん摩師及び柔道整復師は、医師の同意を得た場合の外、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。但し、柔道整復師が、応急の手当をする場合は、この限りでない。

第六条 はり師は、はりを施そうとするときは、はり、手指及び施術の局部を消毒しなければならない。

第七条 あん摩業、はり業、きゆう業又は柔道整復業に関しては、何人も、その技能、施術方法又は経歴に関する広告をしてはならない。

第八条 都道府県知事は、衛生上害を生ずる虞があると認めるときは、施術者に対し、その業務に関して必要な指示をすることができる。

  医師の団体は、前項の指示に関して、都道府県知事に、意見を述べることができる。

第九条 施術者が、第三条各号の一に掲げる者に該当するときは、都道府県知事は期間を定めてその業務を停止し、又はその免許を取り消す。

第十条 都道府県知事は、施術者から必要な報告を提出させ、又は当該吏員にその施術所に臨検し、その清潔保持若しくは規格に関して検査をさせることができる。

  前項の規定によつて臨検検査をする当該吏員は、その身分を示す証票を携帯しなければならない。

第十一条 この法律に規定するものの外、免許、試験科目、受験手続その他試験に関する事項及び施術所の清潔保持又は規格に関して必要な事項は、省令でこれを定める。

  都道府県知事は、施術所が前項の規定に基く省令に違反し、又は衛生上有害であると認めるときは、その全部若しくは一部の使用を制限し、若しくは禁止し、又は修繕若しくは改造を命ずることができる。

第十二条 何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。

第十三条 厚生大臣又は都道府県知事の諮問に応じて、第二条第一項に規定する学校若しくは養成施設の認定及び試験、第八条第一項に規定する指示又は第十一条第二項に規定する処分に関する重要事項を調査審議させるために、厚生省及び都道府県に、施術者、医師及び学識経験のある者の中から命ぜられた者で組織されるあん摩、はり、きゆう、柔道整復営業諮問委員会を置く。

  委員会は、厚生大臣又は都道府県知事に協力しなければならない。

  委員会は、会長一人及び委員十二人以内でこれを組織し、会長及び委員は、厚生大臣又は都道府県知事によつて命ぜられ、且つ、無報酬とする。

  前三項に定めるものの外、委員会に関して必要な事項は、政令でこれを定める。

第十四条 左の各号の一に該当する者は、これを五千円以下の罰金に処する。

 一 第一条の規定に違反して、あん摩、はり、きゆう又は柔道整復を業とした者

 二 第五条乃至第七条若しくは第十二条の規定又は第八条第一項の規定による指示に違反した者

 三 第九条の規定による業務停止中の施術者であつて、その業務をした者

 四 第十条第一項の規定による報告を怠り、若しくは虚為の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

 五 第十一条第一項の規定に基いて発せられた免許若しくは施術所の清潔保持若しくは規格に関する省令又は同条第二項の規定による処分に違反した者

附 則

第十五条 この法律は、昭和二十三年一月一日から、これを施行する。

第十六条 明治四十四年内務省令第十号按摩術営業取締規則、明治四十四年内務省令第十一号鍼術灸術営業取締規則、昭和二十一年厚生省令第四十七号柔道整復術営業取締規則又は昭和二十一年厚生省令第二十八号(按摩術営業取締規則、鍼術灸術営業取締規則及び柔道整復術営業取締規則の特例に関する省令)によつてした営業の免許又は停止の処分は、夫々この法律の相当規則によってしたものとみなす。

第十七条 都道府県知事は、前条に掲げる省令の規定によつて免許鑑札を受ける資格のある者であつて、やむを得ない理由により、この法律施行の日まで免許を受けることができなかつた者に対しては、第二条の規定にかかわらず、なお、昭和二十三年六月三十日までは、夫々その免許を与えることができる。

第十八条 都道府県知事は、内地以外の地で、その地の法令によつて、あん摩術、はり術、きゆう術又は柔道整復術の免許鑑札を得た者であって、昭和二十年八月十五日以後に内地に引き揚げた者に対しては、第二条の規定にかかわらず、なお、昭和二十三年十二月三十一日までは、その履歴を審査して、夫々その免許を与えることができる。

第十九条 この法律公布の際、引き続き三箇月以上、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としていた者であって、この法律施行の日から三箇月以内に、省令の定める事項につき都道府県知事に届け出た者は、第十二条の規定にかかわらず、なお、昭和三十年十二月三十一日までは、当該医業類似行為を業とすることができる。

  第四条、第七条、第八条、第十条及び第十一条の規定は、前項に規定する者に、これを準用する。

  都道府県知事は、衛生上特に害があると認めるとき、又は第一項に規定する者が第三条各号の一に掲げる者に該当するときは、期間を定めてその業務を停止し、又はその業務の全部若しくは一部を禁止することができる。

第二十条 第十三条に規定する委員会は、厚生大臣又は都道府県知事の諮問に応じて、前条第三項に規定する業務の禁止に関する重要事項を調査審議することができる。

第二十一条 左の各号の一に該当する者は、これを五千円以下の罰金に処する。

 一 第十九条第二項において準用する第七条の規定又は第十九条第二項において準用する第八条第一項の規定による指示に違反した者

 二 第十九条第三項の規定による業務停止中の者又は同項の規定による禁止処分を受けた者であって、その業務をした者

 三 第十九条第二項において準用する第十条第一項の規定による報告を怠り、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

 四 第十九条第二項において準用する第十一条第一項の規定に基いて発せられた施術所の清潔保持若しくは規格に関する省令又は同条第二項の規定による処分に違反した者

(文部・厚生・内閣総理大臣署名)

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