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法律第八十二号(昭二五・四・一)

  ◎連合国軍人等住宅公社法

目次

 第一章 総則(第一条―第九条)

 第二章 役員及び職員(第十条―第十六条)

 第三章 業務(第十七条)

 第四章 会計(第十八条―第二十二条)

 第五章 監督(第二十三条)

 第六章 雑則(第二十四条―第二十六条)

 第七章 罰則(第二十七条・第二十八条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 連合国軍人等住宅公社は、連合国占領軍の軍人及び連合国占領軍に附属し、又は随伴する連合国人並びにこれらの者の家族(以下「連合国軍人等」という。)の使用する住宅(以下「住宅」という。)を建設して、これを連合国軍人等に賃貸することを目的とする。

 (法人格)

第二条 連合国軍人等住宅公社(以下「公社」という。)は、公法上の法人とする。

 (事務所)

第三条 公社は、主たる事務所を東京都に置く。

2 公社は、内閣総理大臣の認可を受けて、必要の地に従たる事務所を置くことができる。

 (基本金)

第四条 公社は、基本金を有しない。

 (米国対日援助見返資金の運用)

第五条 政府は、米国対日援助見返資金特別会計法(昭和二十四年法律第四十号)第四条に規定する目的の外、米国対日援助見返資金(以下「援助資金」という。)を公社が住宅を建設するため必要な資金に運用することができる。

2 前項の規定により運用された援助資金は、公社の借入金とする。

 (登記)

第六条 公社は、主たる事務所の変更、従たる事務所の新設その他政令で定める事項について、政令で定めるところにより、登記しなければならない。

2 前項の登記を必要とする事項は、登記後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

 (非課税)

第七条 公社には、所得税及び法人税を課さない。

2 都道府県、市町村その他これらに準ずるものは、公社に対し地方税を課することができない。但し、鉱産税、入場税、酒消費税、電気ガス税、木材引取税及び遊興飲食税、これらの附加税並びに遊興飲食税割については、この限りでない。

 (名称の制限)

第八条 公社でない者は、連合国軍人等住宅公社という名称又はこれに類する名称を用いてはならない。

 (法人に関する規定の準用)

第九条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条、第五十条及び第五十四条の規定は、公社に準用する。

   第二章 役員及び職員

 (役員)

第十条 公社に、役員として理事長一人、理事四人及び監事一人を置く。

 (役員の職務権限)

第十一条 理事長は、公社を代表し、その業務を総理する。

2 理事は、理事長の定めるところにより、公社を代表し、理事長を補佐して公社の事務を掌理し、理事長に事故があるときにはその職務を代理し、理事長が欠員のときにはその職務を行う。

3 監事は、公社の業務を監査する。

 (役員の任命)

第十二条 理事長は、特別調達庁長官をもつてこれに充てる。

2 理事は、理事長が特別調達庁の職員のうちから兼ねて任命する。

3 監事は、内閣総理大臣が特別調達庁の職員のうちから兼ねて任命する。

 (代表権の制限)

第十三条 公社と理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合においては、監事が公社を代表する。

 (代理人の選任)

第十四条 理事長及び理事は、公社の職員のうちから、従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。

 (職員)

第十五条 公社の職員は、理事長が、特別調達庁において同種の事務をつかさどる職員のうちから兼ねて任命する。

 (役員及び職員の地位)

第十六条 公社の役員及び職員は、国家公務員とする。

2 公社の理事長たる特別調達庁長官及び公社の役員又は職員を兼ねる特別調達庁の職員は、公社から公社の役員又は職員としての報酬を受けない。

   第三章 業務

 (業務の範囲)

第十七条 公社は、第一条に掲げる目的を達成するため、内閣総理大臣の定める計画及び指示に従い、住宅の建設並びに当該住宅の連合国軍人等への賃貸及び賃貸料の徴収の業務を行う。

   第四章 会計

 (予算及び決算)

第十八条 公社の予算及び決算に関しては、公団等の予算及び決算の暫定措置に関する法律(昭和二十四年法律第二十七号)の定めるところによる。

 (経理)

第十九条 公社が住宅を建設するため必要な経費は、援助資金からの借入金をもつて支出するものとする。

2 公社の建設した住宅の維持に要する経費は、国庫の負担とし、国は終戦処理事業費として、これを支出するものとする。

3 公社の事務取扱に要する経費は、国庫の負担とし、国は、特別調達庁の庁費として、これを支出するものとする。

4 前三項及び別に法律に定めるものを除く外、公社の事業運営に伴う経費は、国庫の負担とし、国は、国の予算から支出するものとする。

第二十条 公社は、毎事業年度において収入した住宅の賃貸料を借り入れた援助資金の元利金の返済に充てなければならない。

2 前項の規定により援助資金の元利金の返済を完了した後の賃貸料は、国庫に納付しなければならない。

 (現金の国庫への預託)

第二十一条 公社は、その業務に係る現金を国庫に預託しなければならない。

 (帳簿)

第二十二条 公社は、総理府令で定めるところにより、業務の性質及び内容並びに事業運営及び経理の状況を適切に示すため必要な帳簿を備えなければならない。

   第五章 監督

 (監督)

第二十三条 公社は、内閣総理大臣が監督する。但し、公社を当事業者又は参加人とする訴訟については、法務総裁が監督する。

2 内閣総理大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、公社に対して業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

   第六章 雑則

 (業務の委託)

第二十四条 公社は、政令で定めるところにより、その業務の一部を特別調達庁に委託することができる。

 (他の法令の準用)

第二十五条 訴願法(明治二十三年法律第百五号)その他政令で定める法令については、政令で定めるところにより、公社を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。

 (住宅用地の提供)

第二十六条 政府は、公社が住宅を建設するための用地として国有財産たる土地又は地上権を必要とするときは、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第十八条及び第二十二条(同法第十九条及び第二十六条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これらのものを無償で公社に使用させることができる。

   第七章 罰則

第二十七条 左の場合においては、その違反行為をした公社の役員を三万円以下の過料に処する。

 一 第三条第二項の規定に違反して内閣総理大臣の認可を受けないで、従たる事務所を置いたとき。

 二 第六条第一項の規定に基く政令に違反して登記をすることを怠り、又は不実の登記をしたとき。

 三 第二十三条第二項の規定による内閣総理大臣の命令に違反したとき。

第二十八条 第八条の規定に違反して連合国軍人等住宅公社という名称又はこれに類する名称を用いた者は、一万円以下の過料に処する。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 特別調達庁長官は、公社の設立に関する準備事務を処理し、その準備を完了したときは、その事務を公社の理事長に引き継ぐものとする。

3 理事長が前項の引継を受けた日において、理事長、理事及び監事の全員は、設立の登記をしなければならない。

4 公社は、設立の登記をすることに因り成立する。

5 特別調達庁は、公社が成立するまでは、公社のすべき住宅の建設に関する事務を行うことができる。

6 特別調達庁は、公社が成立したときは、前項の事務を、遅滞なく、公社に引き継がなければならない。

7 特別調達庁設置法(昭和二十四年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項に次の一号を加える。

  四 連合国軍人等住宅公社から委託を受けた事務

8 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十九条第一号ノ二の次に次の一号を加える。

  一ノ三 連合国軍人等住宅公社自己ノ為ニスル登記又ハ登録

9 印紙税法(明治三十二年法律第五十号)の一部を次のように改正する。

  第五条第六号ノ六ノ二を次のように改める。

  六ノ六ノ二 連合国軍人等住宅公社ノ発スル証書帳簿

10 公団等の予算及び決算の暫定措置に関する法律(昭和二十四年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「法令による公団、」の下に「連合国軍人等住宅公社、」を加える。

(内閣総理大臣・法務総裁・大蔵大臣署名) 

 

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