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法律第百四十六号(昭二八・八・一)

  ◎漁船損害補償法の一部を改正する法律

 漁船損害補償法(昭和二十七年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

 目次を次のように改める。

目次

 第一章 総則(第一条―第三条)

 第二章 漁船保険組合の組織

  第一節 通則(第四条―第十二条)

  第二節 設立(第十三条―第二十一条)

  第三節 組合員(第二十二条―第二十九条)

  第四節 管理(第三十条―第四十九条)

  第五節 解散及び清算(第五十条―第六十二条)

  第六節 登記(第六十三条―第八十三条)

  第七節 監督(第八十四条―第八十八条)

 第三章 漁船保険組合の漁船保険事業

  第一節 通則(第八十九条―第百十一条)

  第二節 普通損害保険及び特殊保険(第百十二条―第百十三条の八)

  第三節 満期保険(第百十三条の九―第百十三条の十八)

 第四章 政府の再保険事業(第百十四条―第百二十六条)

 第五章 漁船保険中央会(第百二十七条―第百三十八条)

 第六章 保険料の負担及び補助金の交付(第百三十九条―第百四十三条)

 第七章 罰則(第百四十四条―第百四十六条)

 附則

 第一条を次のように改める。

 (この法律の目的)

第一条 この法律は、漁船につき、不慮の事故による損害の復旧及び適期における更新を容易にし、もつて漁業経営の安定に資することを目的とする。

 第三条を次のように改める。

 (定義)

第三条 この法律において「漁船保険」とは、漁船(漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)第二条第一項(漁船の定義)に規定する漁船をいう。以下同じ。)を保険の目的としてこの法律により行う相互保険をいう。

2 漁船保険は、普通保険及び特殊保険とし、普通保険は、普通損害保険及び満期保険とする。

3 この法律において「特殊保険」とは、戦争、変乱その他政令で定めるこれに準ずるものによる滅失、沈没、損傷その他の事故(以下「特殊保険事故」という。)により損害が生じた場合に保険金額を支払う保険をいい、「普通損害保険」とは、特殊保険事故以外の滅失、沈没、損傷その他の事故(以下「普通損害保険事故」という。)により損害が生じた場合に保険金額を支払う保険をいい、「満期保険」とは、保険期間が満了した場合又は保険期間中の普通損害保険事故により損害が生じた場合に保険金額を支払う保険をいう。

 「第二章 漁船保険組合」を「第二章 漁船保険組合の組織」に改める。

 第七条第三項中「漁業に従事する特定の漁船」を「漁業に従事し、又はもつぱら漁場から漁獲物若しくはその製品を運搬する漁船であつて政令で定める総トン数以上のもの」に改める。

 第二十五条第一項中「第三十三条第一項」を「第九十六条第一項」に、「組合が、同条第二項の規定により承継を拒んだとき」を「その者が組合員たる資格を有しないとき」に改め、同条第二項中「第三十三条第三項」を「第九十六条第三項」に改め、第二十六条第三項中「第六十九条第一項」を「第四十四条第一項」に改め、第二十九条第一項中「第六十二条第三項」を「第三十七条第三項」に改める。

 第二章第四節を削る。

 「第五節 管理」を「第四節 管理」に改め、第六十五条第四項中「第六十条及び第六十一条」を「第三十五条及び第三十六条」に改め、第六十六条中「第五十九条」を「同法第五十九条」に改め、第六十九条第五項中「第六十七条」を「第四十二条」に改め、第七十条中「第六十二条第三項」を「第三十七条第三項」に改め、第七十一条第七項中「第六十二条第一項」を「第三十七条第一項」に、「市町村」を「市町村(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十五条第二項の市にあつては区、特別区のある地にあつては特別区。以下同じ。)」に改め、同条第九項中「第五十六条及び第六十五条」を「第三十一条及び第四十条」に改め、第五十五条を第三十条とし、以下第七十四条までを順次二十五条ずつ繰り上げる。

 「第六節 解散及び清算」を「第五節 解散及び清算」に改め、第七十五条第一項第五号中「第百十一条」を「第八十六条」に改め、同条第二項中「第六十九条第一項」を「第四十四条第一項」に改め、第七十六条第二項中「まで経過しない期間に対する保険料」を「普通損害保険及び特殊保険にあつては、まだ経過しない期間に対する保険料を、満期保険にあつては、第百十三条の十一第一項の積立保険料のうちの純保険料及びまだ経過しない期間に対する附加保険料並びに同項の損害保険料のうちまだ経過しない期間に対するもの」に改め、第七十七条第一項中「第六十九条第一項」を「第四十四条第一項」に改め、第八十条第二項中「第五十五条第四項本文」を「第三十条第四項本文」に改め、同条第三項中「第六十九条第一項」を「第四十四条第一項」に改め、第八十一条中「第九十四条」を「第六十九条」に改め、第八十七条中「漁船損害補償法第八十三条」を「漁船損害補償法第五十八条」に改め、第七十五条を第五十条とし、以下第八十七条までを順次二十五条ずつ繰り上げる。

 「第七節 登記」を「第六節 登記」に改め、第九十条第一項、第九十一条及び第九十四条中「第八十八条第二項」を「第六十三条第二項」に改め、第九十五条第二項中「第九十一条」を「第六十六条」に改め、第九十八条第三項中「第七十九条第一項」を「第五十四条第一項」に改め、第九十九条中「第八十八条第三項」を「第六十三条第三項」に改め、第百条第一項中「第八十八条第二項」を「第六十三条第二項」に改め、同条第三項中「第九十八条第一項」を「第七十三条第一項」に改め、第百一条第一項中「第九十二条」を「第六十七条」に改め、第百二条第一項中「第九十三条」を「第六十八条」に改め、第百三条第一項中「第九十四条」を「第六十九条」に改め、同条第二項中「第九十八条第三項」を「第七十三条第三項」に改め、第百四条第一項中「第九十五条第一項」を「第七十条第一項」に改め、同条第二項中「第九十五条第二項」を「第七十条第二項」に改め、第百五条第二項中「第八十六条」を「第六十一条」に改め、第百八条中「第百四十一条」を「第百四十二条」に改め、第八十八条を第六十三条とし、以下第百八条までを順次二十五条ずつ繰り上げる。

 「第八節 監督」を「第七節 監督」に改め、第百十一条第一項中「第百九条」を「第八十四条」に改め、第百九条を第八十四条とし、以下第百十三条までを順次二十五条ずつ繰り上げ、改正後の第八十八条の次に次の一章を加える。

   第三章 漁船保険組合の漁船保険事業

    第一節 通則

 (保険の目的)

第八十九条 地域組合の保険の目的たるべき漁船は、総トン数千トン未満の漁船とする。但し、水産業協同組合以外の法人であつてその常時使用する従業員の数が三百人以上で、且つ、使用漁船の合計総トン数が三百トン以上のものが所有する政令で定める総トン数以上の漁船については、定款で別段の定をした場合の外は、保険の目的とすることができない。

2 業態組合の保険の目的たるべき漁船は、第七条第三項の規定する漁船であつて総トン数千トン未満のものとする。

3 地域組合又は業態組合のいずれか一方の保険の目的となつている漁船は、他の一方の保険の目的とすることができない。

4 漁具は、定款の定めるところにより特約があり、且つ、漁具とその属する漁船とが同一の者の所有に係る場合に限り、その属する漁船とともに保険の目的とすることができる。

5 前項の規定により漁具を保険の目的とする場合においては、この法律の規定中「漁船」とあるのは「漁船(漁具を含む。)」と読み替えるものとする。

 (保険関係の成立)

第九十条 保険関係は、組合が保険料を受け取つた時に成立する。

 (保険引受の拒否の制限)

第九十一条 組合は、組合員又は組合員たる資格を有する者から保険の申込があつたときは、正当な事由がなければ、これに対して保険の引受を拒むことができない。

 (保険料の相殺の制限)

第九十二条 組合員又は保険の申込人は、組合に支払うべき保険料につき、相殺をもつて組合に対抗することができない。

 (保険証券の交付及び記載事項)

第九十三条 組合は、組合員の請求があつたときは、保険証券を交付しなければならない。

2 保険証券に記載すべき事項は、省令で定める。

 (組合のてん補責任の開始期)

第九十四条 組合の損害をてん補する責任は、定款で別段の定をした場合の外は、保険関係が成立した日の翌日から始まる。

 (事故の確定による無効)

第九十五条 前条の規定により組合の損害てん補の責任が始まる前において、既に事故が生じ得ないこととなつたとき、又は生じていたときは、当該漁船保険は、無効とする。

 (保険の目的の譲渡)

第九十六条 保険の目的たる漁船の譲受人は、組合に通知して、譲渡人が保険関係について有する権利義務を承継することができる。但し、左の各号の一に該当する場合には、この限りでない。

 一 満期保険以外の保険の保険関係についての権利義務を承継しようとする場合において、当該漁船の譲受人が組合員たる資格を有しないとき。

 二 組合が、正当な事由により、通知を受けた後直ちに譲受人に通知して、その承継を拒んだとき。

2 前項の規定により満期保険の保険関係に関する権利義務を承継した者が組合員たる資格を有しない場合には、その者は、この節及び第三節の規定の適用については、組合員とみなす。

3 前二項の規定は、保険の目的たる漁船につき、相続その他の包括承継又は遺贈があつた場合に準用する。

 (損害防止軽減の義務)

第九十七条 組合員は、保険の目的たる漁船につき、損害の防止及び軽減に努めなければならない。このために必要又は有益であつた費用は、省令の定めるところにより、組合がてん補する。

 (無効な保険の保険料の払いもどし)

第九十八条 漁船保険の全部又は一部が無効である場合において、保険の申込人が善意で且つ重大な過失がないときは、当該申込人は、保険料の全部又は一部の払いもどしを請求することができる。但し、附加保険料については、組合は、定款の定めるところにより、その全部又は一部を払いもどさないことができる。

 (組合員の通知義務)

第九十九条 組合員は、保険の目的たる漁船につき組合のてん補すべき損害が発生したときは、定款の定めるところにより、遅滞なく、その旨を組合に通知しなければならない。

第百条 組合員は、定款の定めるところにより、保険の目的たる漁船の構造、設備、漁業の種類等につき、重大な変更を加えようとするときは、あらかじめ、組合に通知しなければならない。

2 保険の目的たる漁船の危険が、その構造、設備、漁業の種類等の重大な変更により著しく増加する場合においては、組合は、組合員に対して、その変更を制限し、その他必要な処置をすべきことを指示することができる。

 (組合の保険の目的の調査等)

第百一条 組合は、保険の目的たる漁船に関して、調査をし、又は組合員に通常の修繕その他必要な処置をすべきことを指示することができる。

 (組合の免責事由)

第百二条 左の場合には、組合は、てん補すべき額の全部又は一部につき、てん補する責を免かれることができる。

 一 保険の目的たる漁船につき、事故による損害が、法令に違反して航行又は操業した場合に生じたとき。

 二 組合員が、保険の目的たる漁船につき、損害の防止又は軽減を怠つたとき。

 三 組合員が第九十九条の規定による通知を著しく遅滞したため、損害の状況の認定が困難となつたとき。

 四 組合員が第百条第一項の規定による通知を怠り、又は同条第二項の規定による組合の指示に従わなかつたとき。

 五 組合員が前条の規定による調査を拒み、又は指示に従わなかつたとき。

第百三条 組合は、組合員の故意又は重大な過失によつて生じた損害及び船長その他漁船を指揮する者の故意によつて生じた損害をてん補する責を負わない。

第百四条 組合は、保険の目的たる漁船が法令に違反して使用されたために法令に基いてなされた処分によつて生じた損害をてん補する責を負わない。

 (委付の原因)

第百五条 左の場合には、組合員は、保険の目的たる漁船を組合に委付して保険金額の全部を請求することができる。

 一 漁船が沈没したとき。

 二 漁船の行方が知れなくなつたとき。

 三 漁船が修繕することができなくなつたとき。

 四 漁船が捕獲、だ捕又は抑留され、三十日間解放されなかつたとき。

2 前項第三号の規定に該当する場合については、省令で定める。

 (追徴金)

第百六条 組合は、定款の定めるところにより、追徴金を支払わせることができる。

2 前項の追徴金に関する制限は、省令で定める。

3 組合に支払うべき追徴金については、相殺をもつて組合に対抗することができない。

 (保険金額の削減)

第百七条 組合は、保険金額の支払に不足を生ずるときは、定款の定めるところにより、保険金額を削減することができる。

2 組合が前項の規定により保険金額を削減する場合であつても、その支払う保険金額は、政府から支払を受けた再保険金額を下るものであつてはならない。

 (責任準備金の積立)

第百八条 組合は、毎事業年度の終において存する漁船保険につき、省令の定めるところにより、責任準備金を積み立てなければならない。

 (準備金の積立)

第百九条 組合は、不足金の補てんに備えるため、省令の定めるところにより、毎事業年度の剰余金のうちから準備金を積み立てなければならない。

 (剰余金の分配)

第百十条 組合は、定款の定めるところにより、組合員に対し、剰余金を分配することができる。

 (商法の準用)

第百十一条 組合の漁船保険については、商法(明治三十二年法律第四十八号)第六百三十一条から第六百三十六条まで、第六百三十八条、第六百三十九条、第六百四十四条から第六百四十六条まで、第六百五十九条、第六百六十一条、第六百六十二条(損害保険の総則)、第八百三十四条第一項、第八百三十六条第一項及び第二項並びに第八百三十七条から第八百四十一条まで(保険委付)の規定を準用する。この場合において、同法第八百三十四条第一項中「六ケ月間」及び第八百三十六条第一項中「三ケ月間」とあるのは「省令ヲ以テ定ムル期間」と、第八百三十六条第二項中「第八百三十三条第一号、第三号及ビ第四号」とあるのは「漁船損害補償法第百五条第一項第一号及ビ第三号」と読み替えるものとする。

    第二節 普通損害保険及び特殊保険

 (付保義務の発生)

第百十二条 漁業協同組合の地区内に住所を有し、且つ、指定漁船(一年を通じて六十日以上漁業に従事する総トン数百トン未満一トン以上の動力漁船であつて、当該地区内に主たる根拠地を有する漁船をいう。以下同じ。)を所有する者の総員の三分の二以上の者が、政令で定める手続により、当該地区内に住所を有する指定漁船の所有者(以下「指定漁船所有者」という。)はすべてその所有する指定漁船の全部を普通損害保険に付すべきことにつき同意をしたときは、指定漁船所有者(同意があつた後に指定漁船所有者となつた者を含む。)は、その所有する指定漁船の全部を、政令で定める金額を下らない額を保険金額として、普通損害保険に付さなければならない。当該漁船についての保険期間が満了したときも、同様とする。

2 前項の規定により普通損害保険の目的とすべき漁船が、同項の規定による同意(以下「義務付保の同意」という。)があつた時において現に普通損害保険、満期保険若しくは保険会社の普通海上保険に付されている場合又はその後において満期保険に付された場合には、同項の規定の適用については、当該保険の保険金額の限度において同項の規定により普通損害保険に付されたものとみなす。

 (付保義務発生の公示等)

第百十三条 義務付保の同意があつたときは、政令の定めるところによりその同意をした者を代表する者(以下この節において「代表者」という。)は、当該地区の全部又は一部をその区域内に含む市町村及び都道府県の長に対し、その旨を届け出なければならない。

2 前項の規定による届出を受けた市町村の長は、義務付保の同意があつた旨及びその同意に係る地区を公示しなければならない。

 (義務付保漁船についての保険料の集収及び払込等)

第百十三条の二 義務付保の同意があつた場合において、代表者が、その同意に係る地区を地区とする漁業協同組合に対し、その同意があつたことを証する書面を添えて、当該漁業協同組合の組合員たる指定漁船所有者が当該指定漁船につき組合に支払うべき保険料(特殊保険の保険料を除く。以下この条において同じ。)を集収してその者に代り組合に払い込む事業を行うべき旨の申出をしたときは、当該漁業協同組合は、正当な事由がある場合の外は、その申出に係る事業を行わなければならない。

2 前項の規定は、同項の規定による事業を行う漁業協同組合に対し、当該漁業協同組合の組合員から、その所有する指定漁船以外の漁船につき組合に支払うべき保険料を集収してその者に代り組合に払い込むべき旨の申出があつた場合に準用する。

3 第一項の規定による事業を行う漁業協同組合は、その組合員以外の者であつてその地区内に住所を有する者がその所有する漁船につき組合に支払うべき保険料についても、これを集収してその者に代り組合に払い込む事業を行うことができる。

4 組合は、前三項の規定により保険料の集収及び払込をした漁業協同組合に対して、その事務費として、政令で定める金額を交付しなければならない。

5 第二項及び第三項の規定は、普通保険の保険金額が政令で定める金額に達しない漁船については、適用しない。

 (付保義務の消滅)

第百十三条の三 第百十二条第一項の規定により指定漁船を普通損害保険に付すべき義務は、左の場合には、消滅する。

 一 政令で定める手続により指定漁船所有者の総員の二分の一以上の者が当該義務を消滅させることにつき同意をしたとき。

 二 政令で定める場合を除き、義務付保の同意に係る地区を地区とする漁業協同組合の地区に変更があつたとき。

 三 前号の漁業協同組合が解散したとき。

 四 指定漁船所有者が二人未満となつたとき。

2 第百十三条の規定は、前項の規定により指定漁船を普通損害保険に付すべき義務が消滅した場合に準用する。

 (委任規定)

第百十三条の四 前四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。

 (保険期間)

第百十三条の五 保険期間は、普通損害保険にあつては一年とし、特殊保険にあつては四箇月とする。但し、組合は、省令の定めるところにより、定款で別段の定をすることができる。

 (組合のてん補責任)

第百十三条の六 組合は、保険の目的たる漁船につき、普通損害保険事故又は特殊保険事故によつて生じた損害をてん補する。但し、特殊保険事故が捕獲、だ捕又は抑留によつて生じた場合には、特約がなければ、これによつて生じた損害をてん補する責を負わない。

2 前項の規定によりてん補すべき損害の範囲に関して必要な事項は、省令で定める。

 (危険の消滅)

第百十三条の七 組合員は、保険の目的たる漁船につき、保険期間中組合が負担した危険が消滅したときは、政令の定めるところにより、保険料の一部の払いもどしを請求することができる。

 (商法の準用)

第百十三条の八 組合の普通損害保険及び特殊保険については、商法第六百三十七条(保険価額の著しい減少)及び第六百六十三条(短期時効)の規定を準用する。この場合において、同法第六百六十三条中「保険料支払ノ義務」とあるのは、「保険料支払ノ義務及ビ追徴金支払ノ義務」と読み替えるものとする。

    第三節 満期保険

 (保険の目的)

第百十三条の九 満期保険の保険の目的たるべき漁船は、保険期間の満了(以下「満期」という。)の時において、進水後省令で定める期間を経過しない漁船とする。

 (保険の目的たる漁船の価額)

第百十三条の十 満期保険については、保険関係が成立した日における保険の目的たる漁船の価額をもつて保険期間中における当該漁船の価額とみなす。

 (保険料)

第百十三条の十一 満期保険の保険料は、満期により支払うべき保険金額に係る保険料の部分(以下「積立保険料」という。)及び満期前の普通損害保険事故により支払うべき保険金額に係る保険料の部分(以下「損害保険料」という。)から成るものとする。

2 満期保険の保険料は、政令の定めるところにより、毎年支払うものとする。

 (組合の保険金額支払義務)

第百十三条の十二 組合は、保険の目的たる漁船につき、満期前における普通損害保険事故によつて生じた損害をてん補し、及び満期により保険金額を支払う。

2 前項の規定によりてん補すべき損害の範囲に関して必要な事項は、省令で定める。

 (保険期間)

第百十三条の十三 満期保険の保険期間は、政令で定める期間の範囲内において組合の定款で定める期間とする。

 (保険関係の存続)

第百十三条の十四 満期保険の保険の目的たる漁船の所有者である組合員が、その住所又は当該漁船の主たる根拠地を組合の区域外に移転したことにより組合員たる資格を喪失したため、組合を脱退した場合には、当該満期保険の保険関係は、第二十七条第一項の規定にかかわらず、なお存続する。

2 前項の規定によりなお保険関係が存続する満期保険に係る漁船の所有者は、第一節及びこの節の規定の適用については、組合員とみなす。

 (解除)

第百十三条の十五 組合員は、何時でも、満期保険を解除することができる。

2 前項の解除は、将来に向つてのみその効力を生ずる。

 (保険料不払による失効)

第百十三条の十六 組合員が保険料の支払をしないで省令で定める支払猶予期間を経過したときは、満期保険は、その効力を失う。

 (払いもどし金の支払)

第百十三条の十七 組合員は、解除(第百十一条において準用する商法第六百四十四条(告知義務)の規定による解除を除く。)その他政令で定める事由により満期保険の保険関係が消滅した場合には、組合に対し、当該保険につき支払つた積立保険料(支払期限の到来した未払積立保険料を含む。)のうちの純保険料の額に百分の九十から百分の百までの間で省令で定める割合を乗じて得た額に相当する金額の払いもどし金を請求することができる。

2 第百十三条の七の規定は、満期保険の損害保険料につき準用する。

 (時効)

第百十三条の十八 満期保険の保険金額、払いもどすべき保険料及び払いもどし金の支払義務は五年、保険料及び追徴金の支払義務は一年を経過したときは、時効によつて消滅する。

 「第三章 政府の再保険事業」を「第四章 政府の再保険事業」に改める。

 第百十六条中「再保険金額は、」を「普通損害保険及び特殊保険の再保険金額は、」に改め、同条に次の一項を加える。

2 満期保険の再保険金額は、満期による支払に係るものについては、保険金額と同額とし、満期前の普通損害保険事故による支払に係るものについては、保険金額の百分の九十とする。

 第百十八条を次のように改める。

 (再保険料の払いもどし等)

第百十八条 組合は、第九十八条、第百十三条の七又は第百十三条の十七の規定により組合員に保険料の払いもどし又は払いもどし金の支払をすべきときは、政府に対し、政令の定めるところにより、再保険料の払いもどし又は払いもどし金の支払を請求することができる。

 第百十九条中「通知した事項に変更を生じたとき」の下に「、又は当該保険関係が消滅したとき」を加える。

 第百二十二条第四項中「第五十四条」を「第百十一条」に改め、第百二十四条中「第六百四十三条、」を削る。

 「第四章 漁船保険中央会」を「第五章 漁船保険中央会」に改める。

 第百三十八条第三項中「追徴金又は」を「追徴金及び」に改め、同条第四項中「第五十六条から第六十六条まで、第六十八条、第六十九条第一項から第三項まで、第七十条及び第七十四条」を「第三十一条から第四十一条まで、第四十三条、第四十四条第一項から第三項まで、第四十五条及び第四十九条」に、「第六十四条第一項」を「第三十九条第一項」に改め、同条第五項中「第七十五条第一項第一号」を「第五十条第一項第一号」に、「第八十三条」を「第五十八条」に、「第八十七条」を「第六十二条」に改め、同条第六項中「第八十八条から第九十一条まで、第九十三条、第九十五条から第九十七条まで、第九十八条第一項及び第二項、第九十九条、第百条第一項及び第二項、第百二条並びに第百四条から第百八条まで」を「第六十三条から第六十六条まで、第六十八条、第七十条から第七十二条まで、第七十三条第一項及び第二項、第七十四条、第七十五条第一項及び第二項、第七十七条並びに第七十九条から第八十三条まで」に、「第九十三条中」を「第六十八条中」に、「第九十七条第二項」を「第七十二条第二項」に改め、同条第七項中「第百九条から第百十二条まで」を「第八十四条から第八十七条まで」に改める。

 「第五章 保険料の負担及び補助金の交付」を「第六章 保険料の負担及び補助金の交付」に改める。

 第百三十九条第一項中「第三十二条第一項の規定により保険に付した漁船」を「第百十二条第一項の規定により保険に付した漁船(同条第二項の規定によつて同条第一項の規定により普通損害保険に付されたものとみなされた漁船を含む。)」に、「同条第六項の政令で定める金額に相当する保険金額」を「保険金額(政令で定めるものを除く。)」に改め、「純保険料」の下に「(積立保険料に該当するものを除く。)」を加え、第百四十一条第一項中「第三十二条第七項」を「第百十三条の二第四項」に改める。

 「第六章 罰則」を「第七章 罰則」に改める。

 第百四十四条第一項中「第百九条」を「第八十四条」に、「第百十三条」を「第八十八条」に、「第百十条」を「第八十五条」に改める。

 第百四十五条第四号中「第六十五条第五項」を「第四十条第五項」に、「第七十一条第九項」を「第四十六条第九項」に改め、同条第五号及び第六号を削り、同条第七号中「第五十七条」を「第三十二条」に改め、同号を第五号とし、同条第八号中「第五十九条第一項、第六十条又は第六十一条」を「第三十四条第一項、第三十五条又は第三十六条」に改め、同号を第六号とし、同条第九号中「第六十三条第一項又は第六十四条第一項」を「第三十八条第一項若しくは第三十九条第一項」に、「第六十三条第二項若しくは第六十四条第二項」を「第三十八条第二項若しくは第三十九条第二項」に改め、同号を第七号とし、同条第十号中「第七十八条又は第七十九条第一項」を「第五十三条又は第五十四条第一項」に改め、同号を第八号とし、同条第十一号中「第八十四条又は第八十六条」を「第五十九条又は第六十一条」に改め、同号を第九号とし、同条第十二号中「第八十五条」を「第六十条」に改め、同号を第十号とし、同条第十三号から第十五号まで中「第八十七条」を「第六十二条」に改め、第十三号を第十一号とし、以下順次二号ずつ繰り上げ、同条に次の二号を加える。

 十四 法令又は定款に違反して保険金額を削減し、又は剰余金を処分したとき。

 十五 第百八条又は第百九条の規定に違反したとき。

 附則を附則第一項とし、同項の次に次の二項を加える。

2 政府は、当分の間、満期保険に付した漁船の所有者のうち政令で定める者に対し、政令の定めるところにより、満期保険加入奨励金を交付することができる。

3 前項の規定により交付する満期保険加入奨励金に相当する金額は、毎会計年度、予算の定めるところにより、一般会計から漁船再保険特別会計に繰り入れる。

   附 則

1 この法律は、公布の日から起算して六十日をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

2 改正後の第百十二条第一項の規定の適用については、昭和二十九年三月三十一日までの間は、同項中「百トン」とあるのは「二十トン」と読み替えるものとする。

3 漁船再保険特別会計法(昭和十二年法律第二十四号)の一部を次のように改正する。

  附則に次の一項を加える。

 当分ノ間業務勘定ニ於テハ第三条ノ三ニ規定スルモノノ外法附則第三項ノ規定ニ依ル一般会計ヨリノ受入金ヲ以テ其ノ歳入トス

4 昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律(昭和二十二年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「漁船損害補償法(昭和二十七年法律第二十八号)第四章」を「漁船損害補償法(昭和二十七年法律第二十八号)第五章」に改める。

5 漁船乗組員給与保険法(昭和二十七年法律第二百十二号)の一部を次のように改正する。

  第三十一条中「第三十七条(保険証券の交付及び記載事項)、第四十条(相殺できない場合)及び第四十一条(保険金額の削減)」を「第九十二条(保険料の相殺の制限)、第九十三条(保険証券の交付及び記載事項)及び第百七条(保険金額の削減)」に、「第三十七条及び第四十条中」を「第九十三条中」に、「第四十一条中」を「第百七条中」に改める。

  第三十五条中「第百十五条から第百十七条まで、」を「第百十五条、第百十六条第一項、第百十七条、」に改める。

(内閣総理・大蔵・農林大臣署名) 

 

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