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法律第百五十号(昭二八・八・一)

  ◎臨時船質等改善助成利子補給法

 (目的)

第一条 この法律は、低性能船舶の所有者でその船舶を解撤し、又は解撤のために処分する者が外航船舶の建造をする場合において、その建造に要する資金の融通について政府が利子補給金を支給することにより、低性能船舶の減少と外航船舶の建造を促進し、もつてわが国の海運における船質及び船腹の構成の改善を図ることを目的とする。

 (利子補給金の支給)

第二条 政府は、日本船舶たる低性能船舶(戦時標準型E型の船舶及びこれに準ずる低性能の船舶で、運輸省令で定めるものをいう。)の所有者でその船舶を運輸省令で定めるところにより解撤し、又は解撤のために処分するものが、外航船舶(船舶安全法(昭和八年法律第十一号)にいう遠洋区域を航行区域とする船舶で運輸省令で定める規格に適合するものをいう。)の建造を日本の国籍を有する者又は日本の法令により設立された法人たる造船事業者に請け負わせる場合(当該外航船舶が昭和二十八年一月一日から昭和二十九年三月三十一日までの間において起工される場合に限る。)において、政令で定める範囲の金融機関が当該外航船舶の建造に要する資金を当該外航船舶の注文者に融通するときは、政令で定めるところにより、当該融資につき利子補給金を支給する旨の契約を当該金融機関と結ぶことができる。

 (利子補給金の支給の年限)

第三条 前条の規定による契約により政府が利子補給金を支給することができる年限は、当該契約をした会計年度以降八箇年度以内とする。

 (利子補給金の総額)

第四条 政府は、第二条の規定による契約を結ぶ場合には、利子補給金の総額が国会の議決を経た金額をこえることとならないようにしなければならない。

 (利子補給金の限度)

第五条 第二条の規定による契約により政府が支給する利子補給金の額は、当該契約に係る融資が最初になされた日から当該船舶が造船事業者から注文者に引き渡された日後二箇月までになされた融資の融資残高について、当該契約に係る融資が最初になされた日から当該船舶が造船事業者から注文者に引き渡された日までの融資残高に対しては年二分、当該船舶が造船事業者から注文者に引き渡された日後の融資残高に対しては年五厘の利率で計算した金額を限度とする。

 (利子額の差引)

第六条 政府と金融機関との間に第二条に規定する契約が成立したときは、当該金融機関は、当該契約に係る融資の融資残高についての利子額を、当該金融機関が通常それと同種類の融資を行う場合における利率(当該融資に関し、外航船舶建造融資利子補給法(昭和二十八年法律第一号)(第二条に規定する契約が締結されている場合は、同法第六条の規定により引き下げた利率)で計算した利子額から第二条に規定する契約により政府から支給される利子補給金に相当する金額だけ差し引いたものとしなければならない。

 (利子補給金の支給の停止等)

第七条 政府は、第二条の規定による契約に係る融資契約により融資を受けた者が、その所有する低性能船舶を同条に定めるところに従い、解撤せず、又は解撤のために処分しなかつたときは、当該金融機関に対し、当該融資についての利子補給金の全部若しくは一部を支給せず、又は支給した利子補給金の全部若しくは一部の返還を求めることができる。

第八条 政府は、金融機関が、この法律又は第二条の規定による契約に違反したときは、当該金融機関に対し、支給すべき利子補給金の全部若しくは一部を支給せず、又は支給した利子補給金の全部若しくは一部の返還を求めることができる。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行し、日本船舶たる低性能船舶の所有者でその船舶を解撤し、又は解撤のために処分するものが昭和二十八年一月一日以後に外航船舶の建造を造船事業者に請け負わせる場合における同日以後にされる外航船舶の建造のための融資に関して適用する。

(大蔵・運輸・内閣総理大臣署名) 

 

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