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法律第百五十七号(昭三〇・八・一〇)

  ◎重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律

 (定義)

第一条 この法律で「重油」とは、温度十五度において比重が〇・八七六二をこえる炭化水素油をいう。

 (重油ボイラーの設置の制限)

第二条 何人も、ボイラー(もつぱら蒸気を発生し、又は水温を上昇するために使用するボイラーをいい、火炉、燃焼装置その他の附属設備を含む。以下同じ。)であつて、バーナーを備え、燃料として重油を使用することができるもの(以下「重油ボイラー」という。)を設置してはならない。ただし、次の場合は、この限りでない。

 一 船舶又は車両に設置するとき。

 二 その重油ボイラーが移動式のもの(通商産業省令で定める種類又は構造のものを除く。)であるとき。

 三 重油ボイラーの試験又は研究のために設置するとき。

 四 現に設置している場所と同一の構内又はこれに準ずる区域内で移設するとき。

 五 次の場合において、通商産業大臣の許可を受けたとき。

  イ 現に設置している重油ボイラーに代えて設置するとき。

  ロ 設置が必要であつてやむを得ないと認められる場合であつて、通商産業省令で定めるとき。

 (重油ボイラーの改造の制限)

第三条 何人も、重油以外の燃料を使用することができる重油ボイラーを改造して、重油以外の燃料を使用することができないようにしてはならない。ただし、次の場合は、この限りでない。

 一 船舶又は車両に設置したボイラーを改造するとき。

 二 改造が必要であつてやむを得ないと認められる場合であつて、通商産業省令で定める場合において、通商産業大臣の許可を受けたとき。

 (重油ボイラーの設置者に対する指示)

第四条 通商産業大臣は、ボイラーに重油を使用することを抑制するため必要があると認めるときは、次の各号に掲げる事項を勘案して定める基準に従い、重油ボイラーを設置している者に対し、その重油ボイラーを改造して重油ボイラー以外のボイラーとし、又はその重油ボイラーに重油を使用せず、若しくは重油の使用量を減少すべきことを指示することができる。ただし、重油の使用量が著しく少い者に対しては、この限りでない。

 一 その者が、重油以外の燃料を使用することができるボイラーを設置しているかどうか。

 二 その者の生産若しくは加工に係る製品の品質を損じ、又はその品質に与える影響のため輸出に支障を及ぼすこととなるおそれがないかどうか。

 三 その者の行う事業の操業度を著しく低下させるおそれがないかどうか。

 (資金の確保)

第五条 政府は、重油ボイラーを重油ボイラー以外のボイラーに改造するため必要な資金の確保に努めるものとする。

 (緊要な用途に対する重油の確保措置)

第六条 通商産業大臣は、緊要な用途に対する重油の供給を確保するため必要な措置を採らなければならない。

 (審議会)

第七条 通商産業省に、重油ボイラー規制審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、通商産業大臣が第二条若しくは第三条の通商産業省令を制定し、第四条に規定する基準を定め、又は第六条に規定する措置を採ろうとする場合において、通商産業大臣の諮問に応ずる。

3 審議会の委員は、重油に関する学識経験者のうちから、通商産業大臣が任命する。

4 前三項に規定するもののほか、審議会の組織、権限及び運営に関する事項その他審議会に関し必要な事項は、政令で定める。

 (報告)

第八条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、重油ボイラーを設置している者又は重油の生産業者、輸入業者若しくは販売業者から報告を徴することができる。

 (罰則)

第九条 第二条又は第三条の規定に違反した者は、十万円以下の罰金に処する。

第十条 第八条の規定による報告を怠り、又は虚偽の報告をした者は、三万円以下の罰金に処する。

第十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。

   附 則

1 この法律は、公布の日から起算して二月を経過した日から施行する。

2 この法律は、施行の日から五年以内に廃止するものとする。

3 租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)の一部を次のように改正する。

 第五条の五第一項中「第七条の八」の下に「、第七条の十二第一項」を加える。

 第五条の六第一項中「第七条の九」の下に「、第七条の十二第二項」を加える。

 第七条の十一の次に次の一条を加える。

第七条の十二 青色申告書を提出する個人が、重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律第四条の規定による指示に基いて、昭和三十三年三月三十一日までに、重油ボイラー(同法第二条に規定する重油ボイラーをいう。以下本条において同じ。)を重油ボイラー以外のボイラーに改造した場合においては、その改造のために支出した金額のうち当該個人が必要な経費として計算した金額は、その支出の日を含む年分の事業所得の計算上、これを必要な経費に算入する。第五条の五第二項の規定は、この場合について、これを準用する。

 青色申告書を提出する法人が、前項に規定する指示に基いて、昭和三十三年三月三十一日までに、重油ボイラーを重油ボイラー以外のボイラーに改造した場合においては、その改造のために支出した金額のうち当該法人がその支出の日を含む事業年度の費用として経理した金額は、当該事業年度の所得の計算上、これを損金に算入する。

 前項の規定は、法人税法第十八条から第二十一条までの申告書又は同法第二十三条の規定による申告書で同法第十八条から第二十一条までに規定する事項を記載したものに同項の規定により損金に算入される金額の損金算入に関する申告の記載がある場合に限り、これを適用する。

4 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。

  第二十五条第一項の表中

石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会

石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する重要事項を調査審議すること。

 を

石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会

石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する重要事項を調査審議すること。

 
 

重油ボイラー規制審議会

重油ボイラーの規制等に関する重要事項を審議すること。

 に改める。

(大蔵・通商産業・内閣総理大臣署名) 

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