衆議院

メインへスキップ



法律第百七十三号(昭三〇・八・二二)

  ◎建築士法の一部を改正する法律

 建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第三十七条」を「第三十八条」に改める。

  第八条第二号中「建築物の建築に関し罪を犯し」を「この法律の規定に違反して、又は建築物の建築に関し罪を犯して」に改める。

  第二十三条を次のように改める。

  (登録)

 第二十三条 他人の求に応じ報酬を得て、設計、工事監理、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査若しくは鑑定又は建築に関する法令若しくは条例に基く手続の代理(以下「設計等」という。)を行うことを業としようとする一級建築士又は二級建築士は、一級建築士事務所又は二級建築士事務所を定めて、その建築士事務所について、この法律の定めるところにより、登録を受けなければならない。一級建築士又は二級建築士を使用して、他人の求に応じ報酬を得て、設計等を行うことを業としようとする者についても、同様とする。

 2 前項の登録は、三年間有効とする。

 3 第一項の登録の有効期間の満了後、引き続き、他人の求に応じ報酬を得て、設計等を行うことを業としようとする者は、その建築士事務所について更新の登録を受けなければならない。

  第二十三条の次に次の八条を加える。

  (登録の申請)

 第二十三条の二 前条第一項又は第三項の規定により建築士事務所について登録を受けようとする者(以下「登録申請者」という。)は、左に掲げる事項を記載した登録申請書をその建築士事務所の所在地を管轄する都道府県知事に提出しなければならない。

  一 建築士事務所の名称及び所在地

  二 一級建築士事務所又は二級建築士事務所の別

  三 登録申請者が個人である場合はその氏名、法人である場合はその名称及び役員(業務を執行する社員、取締役又はこれらに準ずる者をいう。以下同じ。)の氏名

  四 建築士事務所を管理する建築士の氏名及びその者の一級建築士又は二級建築士の別

  五 前各号に掲げるものの外、建設省令で定める事項

 2 登録申請者は、政令の定めるところにより、登録手数料を都道府県に納入しなければならない。

  (登録の実施)

 第二十三条の三 都道府県知事は、前条第一項の規定による登録の申請があつた場合においては、次条の規定により登録を拒否する場合を除く外、遅滞なく、前条第一項各号に掲げる事項並びに登録年月日及び登録番号を一級建築士事務所登録簿又は二級建築士事務所登録簿(以下「登録簿」という。)に登録しなければならない。

 2 都道府県知事は、前項の規定による登録をした場合においては、直ちにその旨を当該登録申請者に通知しなければならない。

  (登録の拒否)

 第二十三条の四 都道府県知事は、登録申請者が左の各号の一に該当する場合又は登録申請書に重要な事項についての虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合においては、その登録を拒否しなければならない。

  一 破産者で復権を得ない者

  二 第二十六条第一項又は第二項の規定により建築士事務所について登録を取り消され、その取消の日から二年を経過しない者(法人である場合においては、取消の日において役員であつた者を含む。)

  三 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者又は禁治産者でその法定代理人が第一号又は前号に該当するもの

  四 法人でその役員のうちに第一号又は第二号に該当する者のあるもの

  五 建築士事務所について第二十四条の要件を欠く者

 2 都道府県知事は、登録申請者が左の各号の一に該当する場合は、その登録を拒否することができる。

  一 第七条第三号又は第八条各号の一に該当する者

  二 第二十六条第二項の規定により建築士事務所について閉鎖の命令を受け、その期間が満了しない者(法人である場合においては、命令のあつた日において役員であつた者を含む。)

  三 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者又は禁治産者でその法定代理人が第一号又は前号に該当するもの

  四 法人でその役員のうちに第一号又は第二号に該当する者のあるもの

 3 都道府県知事は、前二項の規定により登録を拒否した場合においては、遅滞なく、その理由を記載した文書をもつて、その旨を当該登録申請書に通知しなければならない。

  (変更の届出)

 第二十三条の五 第二十三条の三第一項の規定により建築士事務所について登録を受けた者(以下「建築士事務所の開設者」という。)は、第二十三条の二第一項第一号又は第三号から第五号までに掲げる事項について変更があつたときは、二週間以内に、その旨を当該都道府県知事に届け出なければならない。

 2 第二十三条の三第一項及び前条の規定は、前項の規定による変更の届出があつた場合に準用する。

  (廃業等の届出)

 第二十三条の六 建築士事務所の開設者が左の各号の一に該当することとなつた場合においては、当該各号に掲げる者は、三十日以内に、その旨を当該都道府県知事に届け出なければならない。

  一 建築士事務所の開設者がその登録を受けた建築士事務所に係る業務を廃止したときは、建築士事務所の開設者であつた者

  二 建築士事務所の開設者が死亡したときは、その相続人

  三 建築士事務所の開設者が破産したときは、その破産管財人

  四 法人が合併により解散したときは、その役員であつた者

  五 法人が破産又は合併以外の事由により解散したときは、その清算人

  (登録の抹消)

 第二十三条の七 都道府県知事は、左の各号に掲げる場合においては、登録簿につき、当該建築士事務所に係る登録を抹消しなければならない。

  一 前条の規定による届出があつたとき。

  二 登録の有効期間の満了の際更新の登録の申請がなかつたとき。

  三 第二十六条第一項又は第二項の規定により登録を取り消したとき。

 2 第二十三条の三第二項の規定は、前項の規定により登録を抹消した場合に準用する。

  (登録簿の閲覧)

 第二十三条の八 都道府県知事は、登録簿を一般の閲覧に供しなければならない。

  (無登録業務の禁止)

 第二十三条の九 建築士は、第二十三条の三第一項の規定による登録を受けないで、業として他人の求に応じ報酬を得て、設計等を行つてはならない。

 2 何人も、第二十三条の三第一項の規定による登録を受けないで、建築士を使用して、業として他人の求に応じ報酬を得て、設計等を行つてはならない。

  第二十四条の次に次の二条を加える。

  (図書の保存)

 第二十四条の二 建築士事務所の開設者は、建設省令で定める業務に関する図書を保存しなければならない。

  (標識の掲示)

 第二十四条の三 建築士事務所の開設者は、その建築士事務所において、公衆の見易い場所に建設省令で定める標識を掲げなければならない。

  第二十六条を次のように改める。

  (登録の取消又は建築士事務所の閉鎖)

 第二十六条 都道府県知事は、建築士事務所の開設者が左の各号の一に該当する場合においては、当該建築士事務所の登録を取り消さなければならない。

  一 虚偽又は不正の事実に基いて第二十三条の三第一項の規定による登録を受けたとき。

  二 第二十三条の四第一項各号の一に該当するに至つたとき。

  三 第二十三条の六の規定による届出がなくて同条各号の一に該当する事実が判明したとき。

 2 都道府県知事は、左の各号の一に該当する事実がある場合においては、一年以内の期間を定めて当該建築士事務所の閉鎖を命じ、又は当該建築士事務所の登録を取り消すことができる。

  一 建築士事務所の開設者が第二十三条の四第二項第一号、第三号(同号に規定する法定代理人が同項第二号に該当する場合を除く。)又は第四号(同号に規定する法人の役員が同項第二号に該当する場合を除く。)に該当するに至つたとき。

  二 建築士事務所の開設者が第二十三条の五第一項の規定による変更の届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

  三 建築士事務所の開設者が第二十四条の二又は第二十四条の三の規定に違反したとき。

  四 建築士事務所を管理する建築士が第十条第一項の規定により戒告以外の懲戒の処分を受けたとき。

  五 建築士事務所に属する建築士が、その属する建築士事務所の業として行つた行為により、第十条第一項の規定により戒告以外の懲戒の処分を受けたとき。

  六 建築士事務所を管理する二級建築士が、第三条の規定に違反して、建築物の設計又は工事監理をしたとき。

  七 建築士事務所に属する二級建築士が、その属する建築士事務所の業として、第三条の規定に違反して、建築物の設計又は工事監理をしたとき。

  八 建築士事務所に属する者で建築士でないものが、その属する建築士事務所の業として、第三条又は第三条の二の規定に違反して、建築物の設計又は工事監理をしたとき。

  九 建築士事務所の開設者又は建築士事務所を管理する建築士がこの法律の規定に基く都道府県知事の処分に違反したとき。

  十 前各号に掲げるものの外、建築士事務所の開設者がその業務に関し著しく不正な行為をしたとき。

 3 第十条第二項から第四項までの規定は、都道府県知事が第一項又は前項の規定による処分をする場合に準用する。この場合において、同条第二項中「当該一級建築士又は二級建築士」とあるのは「当該建築士事務所の開設者」と読み替えるものとする。

  第二十六条の二を次のように改める。

  (報告及び検査)

 第二十六条の二 都道府県知事は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、建築士事務所の開設者若しくは建築士事務所を管理する建築士に対し、必要な報告を求め、又は当該職員をして建築士事務所に立ち入り、図書その他の物件を検査させることができる。

 2 当該職員は、前項の規定により立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

  第二十七条を次のように改める。

  (省令への委任)

 第二十七条 この章に規定するものの外、建築士事務所の登録に関して必要な事項は、建設省令で定める。

  第三十五条第四号の次に次の二号を加える。

  四の二 虚偽又は不正の事実に基いて第二十三条の三第一項の規定による登録を受けた者

  四の三 第二十三条の九第一項又は第二項の規定に違反した者

  第三十五条第六号を次のように改める。

  六 第二十六条第二項の規定による建築士事務所の閉鎖命令に違反した者

  第三十六条中第二号を第四号とし、第一号の次に次の二号を加える。

  二 第二十三条の五第一項の規定による変更の届出をせず、又は虚偽の届出をした者

  三 第二十六条の二第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

  第三十七条を次のように改める。

 第三十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、その行為者を罰する外、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。

  第三十七条の次に次の一条を加える。

 第三十八条 第二十三条の六、第二十四条の二又は第二十四条の三の規定に違反した者は、五千円以下の過料に処する。

   附 則

1 この法律は、公布の日から起算して六箇月をこえない期間内において政令で定める日から施行する。

2 この法律施行の際現に改正前の建築士法第二十三条第一項の規定による届出をして一級建築士事務所又は二級建築士事務所を開設している者は、改正後の同法の規定の適用については、この法律施行の日から六十日間を限り、改正後の同法第二十三条の三第一項の規定によりその建築士事務所について登録を受けた者とみなす。その者が、当該期間内に改正後の同法第二十三条の二第一項の規定によりその建築士事務所について登録の申請をした場合において当該期間を経過したときは、その申請に対する処分のある日まで、また同様とする。

3 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(建設・内閣総理大臣署名) 

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.