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法律第九十三号(昭三七・四・三〇)

  ◎農業機械化促進法の一部を改正する法律

農業機械化促進法(昭和二十八年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。

 題名の次に次の目次及び章名を附する。

目次

 第一章 総則(第一条―第五条)

 第二章 農機具の検査(第六条―第十四条の三)

 第三章 農業機械化審議会(第十五条)

 第四章 農業機械化研究所

  第一節 総則(第十六条―第二十五条)

  第二節 役員等(第二十六条―第三十八条)

  第三節 業務(第三十九条・第四十条)

  第四節 財務及び会計(第四十一条―第五十条)

  第五節 監督(第五十一条・第五十二条)

  第六節 雑則(第五十三条―第五十五条)

 第五章 罰則(第五十六条―第六十条)

 附則

   第一章 総則

 第一条中「農機具の検査、必要な資金の確保その他必要な措置を講じて」を「農機具の検査に関する制度、農機具についての試験研究体制の整備その他必要な資金の確保等の措置について定めて」に改める。

 第二条第一項中「耕うん整地」を「耕うん整地、は種」に、「家畜家きんの飼養管理」を「家畜又は家きんの飼養管理、収穫」に改める。

 第三条中「研修会、共進会」を「農業機械化のための研修、指導、試験研究及び農機具の導入事業」に改め、同条に次の一項を加える。

2 国又は都道府県は、農業機械化の促進に有効な事項を行なうに当たつては、農業者の自主的な努力を助長し、これを補完して農業構造の改善に資することとなるように配意しなければならない。

 第五条を次のように改める。

 (国の援助)

第五条 国は、都道府県に対し、その農業機械化のための研修、指導、試験研究及び農機具の導入事業その他農業機械化の促進に有効な事項の実施につき、経費の補助その他適切な援助を行なうよう努めるものとする。

 第五条の次に次の章名を附する。

   第二章 農機具の検査

 第六条から第八条までを次のように改める。

 (検査)

第六条 国は、農業機械化の促進に資するため、この法律の規定により、農機具の検査を行なう。

2 前項の検査は、依頼による農機具の型式についての検査(以下「型式検査」という。)及びその成果を確保するための事後の検査(以下「事後検査」という。)とする。

3 型式検査の実施は、農業機械化研究所に行なわせるものとする。

 (型式検査)

第七条 農林大臣は、毎年度、当該年度において型式検査を行なう農機具の種類を定めて公示しなければならない。

2 型式検査は、前項の規定による公示に係る種類に属する農機具につき、型式検査を依頼する者(以下「依頼者」という。)が提出した型式の農機具の性能、構造、耐久性及び操作の難易(以下「性能等」という。)について行なうものとする。

3 型式検査の主要な実施方法及び基準は、農林大臣が定める。

4 農林大臣は、前項の実施方法及び基準を定めたときは、遅滞なく、これを公示しなければならない。これを変更したときも、同様とする。

5 型式検査を依頼するため提出する農機具は、通常製造されたもののうちから抽出されたものでなければならない。

 (依頼の手続)

第八条 型式検査の依頼は、農業機械化研究所に対し検査依頼書を提出してするものとする。

2 依頼者は、前項の規定により検査依頼書を提出する際、農業機械化研究所が業務方法書で定める額の手数料を農業機械化研究所に対し納付しなければならない。

 第八条の次に次の一条を加える。

 (検査成績)

第八条の二 農業機械化研究所は、型式検査を実施した結果、その検査に供した農機具の型式につき、第七条第三項の基準に適合する場合には検査合格証及び検査成績表を、その他の場合には検査成績表を添えて、その依頼者に合格又は不合格を通知するとともに、その農機具の型式名、検査成績及び依頼者の氏名又は名称並びに合格を通知する場合にあつては合格番号を農林大臣に報告しなければならない。

2 農林大臣は、前項の規定により合格に係る農機具の型式についての報告を受けたときは、その農機具の型式名、検査成績の概要、合格番号及び依頼者の氏名又は名称を公示しなければならない。

 第九条中「検査に合格した農機具の依頼者は、当該銘柄及び型式の農機具に検査に合格した」を「依頼に係る農機具の型式が型式検査に合格し、前条第一項の規定により合格の通知を受けた者又はその一般承継人(これらの者から当該型式の農機具の製造、販売等の事業に係る営業の譲渡を受けたことその他特別の理由により農林大臣の承認を受けた場合には、その承認を受けた者又はその一般承継人とする。)は、当該型式の農機具に型式検査に合格した」に改め、同条ただし書を削り、同条に後段として次のように加える。

  この場合には、当該農機具に、農林大臣の定める方法により、当該型式の農機具に係る前条第一項の検査成績表の写しをあわせて附さなければならない。第九条に次の二項を加える。

2 農林大臣は、前項本文の承認をしたときは、その旨を公示しなければならない。

3 検査合格証票の様式は、農林大臣が定めて公示する。

 第十条を次のように改める。

第十条 農林大臣は、第七条第三項の基準を変更した場合において、すでに型式検査に合格した型式の農機具について、変更後の基準に基づいて型式検査を行なうとすればこれに合格する見込みがなく、かつ、これを放置すれば農業機械化の促進に支障を与えると認めるときは、当該型式の農機具について、前条第一項の規定により検査合格証票を附することができる者に対し、当該証票を附することができる期間を限定することができる。

2 前項の規定による処分があつた場合には、その処分を受けた者は、その限定された期間内でなければ、当該型式の農機具につき、前条第一項の規定による検査合格証票の添附をすることができない。

3 農林大臣は、第一項の規定により検査合格証票を附することができる期間を限定したときは、その期間を公示しなければならない。

 第十条の次に次の一条を加える。

 (名称等の変更の届出等)

第十条の二 第九条第一項の規定により検査合格証票を附することができる者は、その氏名若しくは名称又は当該農機具の型式名を変更したときは、農業機械化研究所に対し、その変更に係る事項を届け出るとともに、その事項が第八条の二第一項の検査合格証又は検査成績表の記載事項の変更に係るときは、これらの書類を提出してその書換交付を求めなければならない。

2 第九条第一項の規定により検査合格証票を附することができる者が死亡し又は合併した場合には、当該相続人又は当該合併によつて設立し若くは当該合併後存続する法人は、遅滞なく、農業機械化研究所に対し、その旨を届け出るとともに、その事項が第八条の二第一項の検査合格証又は検査成績表の記載事項の変更に係るときは、これらの書類を提出してその書換交付を求めなければならない。

3 第九条第一項の農林大臣の承認を受けた者は、遅滞なく、農業機械化研究所に対し、その旨を届け出るとともに、当該型式の農機具に係る第八条の二第一項の検査合格証及び検査成績表の交付を求めなければならない。

4 農業機械化研究所は、前三項の規定による請求があつた場合には、請求に係る第八条の二第一項の検査合格証又は検査成績表の書換交付又は交付を行なうとともに、第一項又は第二項の規定による請求の場合には当該届出に係る変更事項を農林大臣に報告しなければならない。

5 農林大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、その旨を公示しなければならない。

6 第一項から第三項までの規定による請求をする者は、農業機械化研究所が業務方法書で定める額の手数料を農業機械化研究所に対し納付しなければならない。

 第十一条第一項を次のように改める。

  農林大臣は、必要があると認める場合には、検査合格証票を附した農機具につき、随時、事後検査を行なうことができる。

第十一条第二項中「前項の検査」を「事後検査」に、「同項の農機具について第七条第一項の検査を依頼した者」を「第九条第一項の規定により農機具に検査合格証票を附することができる者」に、「当該農機具を検査させ」を「当該農機具若しくはその部品を検査させ」に改め、同条第三項中「関係者の請求があつたときは、これを」を「これを関係人に」に改める。

第十二条第一項中「前条第一項の規定による検査」を「事後検査」に、「同項の農機具が検査基準」を「前条第一項の農機具の性能等が第七条第三項の基準」に、「当該農機具についての合格の決定」を「当該農機具の型式についての型式検査の合格の決定」に改め、同条第二項中「前項の取消」を「前項の規定による処分」に、「当該農機具の依頼者」を「当該農機具の型式につき第九条第一項の規定により検査合格証票を附することができる者」に改め、同条に次の一項を加える。

3 第一項の規定による処分があつた場合には、当該処分を受けた者は、当該処分に係る型式の農機具につき、第九条第一項の規定による検査合格証票の添附をすることができない。

 第十二条の次に次の一条を加える。

 (検査合格証票等の表示に関する制限)

第十二条の二 何人も、この章の規定により農機具に検査合格証票の添附をすることができる場合を除き、農機具に、検査合格証票又はこれに紛らわしい表示を附してはならない。

 第十三条第一項中「第八条第一項の検査成績又は前条第一項の取消」を「第八条の二第一項の規定による通知に係る検査成積又は第十条第一項若しくは第十二条第一項の規定による処分」に改める。

 第十四条第一号中「第七条第二項」を「第七条第一項」に、「検査を実施する農機具の種類及び検査の時期を決定する」を「型式検査を行なう農機具の種類を定める」に改め、同条第二号中「同条第三項の検査基準を指定する」を「第七条第三項の規定により型式検査の実施方法又は基準を定め又は変更する」に改め、同条中第三号を削り、第四号を第三号とし、第五号を第四号とし、同条の次に次の二条を加える。

 (報告の徴収)

第十四条の二 農林大臣は、第七条第一項の規定により型式検査を行なう農機具の種類を定め、又は同条第三項の規定により型式検査の実施方法若しくは基準を定め若しくは変更するため必要があるときは、農機具の製造業者又は販売業者に対し、その製造又は販売に係る農機具の種類、型式又は数量に関し必要な報告を求めることができる。

 (農林省令への委任)

第十四条の三 この章に規定するもののほか、型式検査の手続その他この章の規定を実施するため必要な事項は、農林省令で定める。

 第十五条第二項中「前条各号」を「第十四条各号」に改め、同条の前に次の章名を附する。

   第三章 農業機械化審議会

 第十六条を削り、第十五条の次に第四章及び第五章として次のように加える。

   第四章 農業機械化研究所

    第一節 総則

 (目的)

第十六条 農業機械化研究所は、農業機械化の促進に資するため、農機具の改良に関する試験研究及び調査並びに農機具についての検査の業務を総合的かつ効率的に行ない、その試験研究及び調査の成果の普及を図ることを目的とする。

 (法人格)

第十七条 農業機械化研究所(以下「研究所」という。)は、法人とする。

 (事務所)

第十八条 研究所は、主たる事務所を埼玉県に置く。

2 研究所は、必要な地に従たる事務所を置くことができる。

 (資本金)

第十九条 研究所の資本金は、その設立に際し、政府及び政府以外の者が出資する額の合計額とする。

2 政府は、研究所の設立に際し、研究所に二億円を出資する。

3 研究所は、必要があるときは、農林大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。

4 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、研究所に追加して出資することができる。

 (持分の払いもどし等の禁止)

第二十条 研究所は、出資者に対し、その持分を払いもどすことができない。

2 研究所は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。

 (持分の譲渡し等)

第二十一条 政府以外の出資者(第五十三条第二項及び第五十四条の規定を除き、以下単に「出資者」という。)は、その持分を譲り渡すことができる。

2 出資者の持分の移転は、取得者の氏名又は名称及びその住所を出資者名薄に記載した後でなければ、これをもつて研究所その他の第三者に対抗することができない。

 (定款)

第二十二条 研究所は、定款をもつて次の事項を規定しなければならない。

 一 目的

 二 名称

 三 事務所の所在地

 四 資本金、出資及び資産に関する事項

 五 役員及び運営審議会に関する事項

 六 業務及びその執行に関する事項

 七 財務及び会計に関する事項

 八 公告に関する事項

 九 定款の変更に関する事項

2 定款の変更は、農林大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (登記)

第二十三条 研究所は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。

2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

 (名称の使用制限)

第二十四条 研究所でない者は、農業機械化研究所という名称を用いてはならない。

 (民法の準用)

第二十五条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、研究所に準用する。

    第二節 役員等

 (役員)

第二十六条 研究所に、役員として、理事長一人、理事二人以内及び監事一人を置く。

2 研究所に、役員として、前項の理事のほか、非常勤の理事二人以内を置くことができる。

 (役員の職務及び権限)

第二十七条 理事長は、研究所を代表し、その業務を総理する。

2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して研究所の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行なう。

3 監事は、研究所の業務を監査する。

 (役員の任命)

第二十八条 理事長及び監事は、農林大臣が任命する。

2 理事は、理事長が農林大臣の認可を受けて任命する。

 (役員の任期)

第二十九条 理事長及び理事の任期は、三年とし、監事の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 役員は、再任されることができる。

 (役員の欠格条項)

第三十条 国会議員、国家公務員(審義会、協議会等の委員その他これに準ずる地位にある者で、非常勤のものを除く。)、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤の職員は、役員となることができない。

 (役員の解任)

第三十一条 農林大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。

2 農林大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。

 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。

 二 職務上の義務違反があるとき。

3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、農林大臣の認可を受けなければならない。

 (役員の兼職禁止)

第三十二条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、非常勤の役員にあつては、農林大臣が役員としての職務の執行に支障がないものと認めて許可した場合は、この限りでない。

 (代表権の制限)

第三十三条 研究所と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が研究所を代表する。

 (代理人の選任)

第三十四条 理事長は、理事又は研究所の職員のうちから、研究所の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。

 (職員の任命)

第三十五条 研究所の職員は、理事長が任命する。

 (運営審議会)

第三十六条 研究所に運営審議会を置く。

2 運営審議会は、理事長の諮問に応じ、研究所の業務の運営に関する重要事項を調査審議する。

3 運営審議会は、前項の事項に関し、理事長に意見を述べることができる。

4 運営審議会は、委員十人以内で組織する。

5 委員は、研究所の業務に関し学識経験を有する者のうちから、農林大臣の認可を受けて、理事長が任命する。

6 委員の任期は、二年とする。

7 第二十九条第一項ただし書及び第二項並びに第三十一条第二項及び第三項の規定は、委員について準用する。

 (役員等の秘密保持義務)

第三十七条 研究所の役員若しくは職員若しくは運営審議会の委員又はこれらの職にあつた者は、その職務に関して知り得た秘密をもらし、又は盗用してはならない。

 (役員及び職員の公務員たる性質)

第三十八条 研究所の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

    第三節 業務

 (業務の範囲)

第三十九条 研究所は、第十六条の目的を達成するため、次の業務を行なう。

 一 農業機械化の促進に資するためにする農機具の改良に関する試験研究及び調査を行なうこと。

 二 型式検査の実施等第二章の規定によりその業務に属させられた事項を処理すること。

 三 農機具の鑑定を行なうこと。

 四 第一号に掲げる業務に係る成果を普及すること。

 五 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行なうこと。

 (業務方法書)

第四十条 研究所は、業務の開始の際、業務方法書を作成し、農林大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、この法律に規定するもののほか、農林省令で定める。

    第四節 財務及び会計

 (事業年度)

第四十一条 研究所の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。

 (予算等の認可)

第四十二条 研究所は、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、農林大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 (財務諸表)

第四十三条 研究所は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に農林大臣に提出してその承認を受けなければならない。

2 研究所は、前項の規定により財務諸表を農林大臣に提出するときは、これに予算の区分に従い作成した当該事業年度の決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添えなければならない。

 (書類の送付)

第四十四条 研究所は、第四十二条の認可又は前条第一項の承認を受けたときは、遅滞なく、当該認可又は承認に係る予算、事業計画及び資金計画を記載した書類又は財務諸表を出資者に送付しなければならない。

 (利益及び損失の処理)

第四十五条 研究所は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。

2 研究所は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。

 (短期借入金)

第四十六条 研究所は、農林大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。

2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができない金額に限り、農林大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。

3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。

 (余裕金の運用)

第四十七条 研究所は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。

 一 銀行その他農林大臣の指定する金融機関への預金

 二 国債その他農林大臣の指定する有価証券の取得

 三 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託

 (財産の処分等の制限)

第四十八条 研究所は、農林省令で定める重要な財産を貸し付け、譲り渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、農林省令で定める場合を除き、農林大臣の認可を受けなければならない。

 (給与及び退職手当の支給の基準)

第四十九条 研究所は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定め、又はこれを変更しようとするときは、農林大臣の承認を受けなければならない。

 (農林省令への委任)

第五十条 この法律に規定するもののほか、研究所の財務及び会計に関し必要な事項は、農林省令で定める。

    第五節 監督

 (監督)

第五十一条 研究所は、農林大臣が監督する。

2 農林大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、研究所に対して、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 (報告及び検査)

第五十二条 農林大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、研究所に対して報告を求め、又はその職員に、研究所の事務所その他の事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。

2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

    第六節 雑則

 (出資者名簿)

第五十三条 研究所は、出資者名薄を備えて置かなければならない。

2 出資者名簿には、各出資者について次の事項を記載しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所

 二 出資の引受け及び払込みの年月日

 三 出資額

3 出資者は、出資者名簿の閲覧を求めることができる。

 (解散)

第五十四条 研究所は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、これを各出資者に対し、その出資額に応じて分配しなければならない。

2 前項の規定により各出資者に分配することができる額は、その出資額を限度とする。

3 前二項に規定するもののほか、研究所の解散については、別の法律で定める。

 (大蔵大臣との協議)

第五十五条 農林大臣は、次の場合には、大蔵大臣と協議しなければならない。

 一 第十九条第三項、第二十二条第二項、第四十条第一項、第四十二条、第四十六条第一項若しくは第二項ただし書又は第四十八条の規定による認可をしようとするとき。

 二 第四十条第二項、第四十八条又は第五十条の規定により農林省令を定めようとするとき。

 三 第四十三条第一項又は第四十九条の規定による承認をしようとするとき。

 四 第四十七条第一号又は第二号の規定による指定をしようとするとき。

   第五章 罰則

第五十六条 第三十七条の規定に違反してその職務に関して知り得た秘密をもらし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。

第五十七条 第十二条の二の規定に違反して農機具に検査合格証票又はこれに紛らわしい表示を附した者は、五万円以下の罰金に処する。

第五十八条 第五十二条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした研究所の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。

第五十九条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした研究所の役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。

 一 この法律の規定により農林大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。

 二 第二十三条第一項の政令の規定に違反して登記することを怠つたとき。

 三 第三十九条に規定する業務以外の業務を行なつたとき。

 四 第四十七条の規定に違反して、業務上の余裕金を運用したとき。

 五 第五十一条第二項の規定による農林大臣の命令に違反したとき。

 六 第五十三条第一項の規定に違反して出資者名簿を備えて置かず、同条第二項の規定に違反して出資者名簿に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに出資者名簿の閲覧を拒んだとき。

第六十条 第二十四条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、昭和三十七年八月一日から施行する。

 (研究所の設立)

第二条 農林大臣は、農業機械化研究所(以下「研究所」という。)の理事長又は監事となるべき者を指名する。

2 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、研究所の成立の時において、農業機械化促進法の規定により、それぞれ理事長又は監事に任命されたものとする。

3 農林大臣は、設立委員を命じて、研究所の設立に関する事務を処理させる。

4 設立委員は、定款を作成して、農林大臣の認可を受けなければならない。

5 第五十五条の規定は、前項の認可をしようとする場合に準用する。

6 設立委員は、第四項の認可を受けたときは、政府以外の者に対し研究所に対する出資を募集しなければならない。

7 設立委員は、前項の規定による募集が終わつたときは、農林大臣に対し設立の認可を申請しなければならない。

8 設立委員は、前項の認可を受けたときは、政府及び出資の募集に応じた政府以外の者に対し、出資金の払込み又は出資の目的たる財産の給付を求めなければならない。

9 設立委員は、出資金の払込み又は出資の目的たる財産の給付があつた日において、その事務を第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。

10 第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。

11 研究所は、前項の規定による設立の登記をすることによつて成立する。

 (土地等をその目的とする出資)

第三条 政府は、当分の間、必要があると認めるときは、第十九条第二項又は第四項の規定にかかわらず、国が農機具の改良に関する試験研究又は農機具の検査の用に供している土地、建物その他土地の定着物又は物品を出資の目的として、研究所に出資することができる。

2 前項の規定により出資の目的とする同項の財産の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。

3 前項の評価委員その他同項の規定による評価に関し必要な事項は、政令で定める。

 (非課税)

第四条 前条第一項規定により政府から出資される場合における当該出資の目的とする不動産の当該出資に係る取得については、不動産取得税を課することができない。

 (経過規定)

第五条 改正後の第二章の規定は、昭和三十七年九月一日から十月一日までの範囲内において政令で定める日までは、適用しない。

第六条 農林大臣は、前条の政令で定める日までは、改正前の第七条第一項の規定の例により、引き続き、農機具の検査を行なうものとする。

2 前項の規定による検査及びその検査を受けた型式の農機具についての当該検査に係る検査成績等次条に規定する事項に関しては、改正前の第七条第二項から第四項まで及び第八条から第十六条までの規定の例による。

第七条 この法律の施行前に改正前の第七条第一項の規定による検査を受けた型式の農機具についての当該検査に係る検査成績、当該検査に合格したものに係る検査合格証票の添附、事後検査、合格の取消し、異議の申立て及び農業機械化審議会からの意見の聴取並びに検査依頼者の氏名若しくは名称又は当該農機具の型式名、形状等の変更の場合の届出に関しては、なお従前の例による。

第八条 附則第六条第二項又は前条に規定する検査に合格した型式の農機具につき、これらの規定によりその例によるものとされる改正前の規定により当該検査に係る合格の決定が取り消されたとき、又は指定された検査合格証票を附することができる期間が満了したときは、当該型式の農機具に係る検査合格証票の添附については、附則第六条第二項又は前条の規定は、その時以後は、適用しない。

第九条 この法律の施行の際現に農業機械化研究所という名称を使用している者は、この法律の施行後六月以内にその名称を変更しなければならない。

2 第二十四条の規定は、前項に規定する期間内は、同項に規定する者には、適用しない。

第十条 研究所の最初の事業年度は、第四十一条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和三十八年三月三十一日に終わるものとする。

第十一条 研究所の最初の事業年度の予算、事業計画及び資金計画については、第四十二条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「研究所の成立後遅滞なく」とする。

 (登録税法の一部改正)

第十二条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十九条第七号中「アジア経済研究所」の下に「、農業機械化研究所」を、「アジア経済研究所法」の下に「、農業機械化促進法」を加える。

 (所得税法の一部改正)

第十三条 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第十号中「アジア経済研究所」の下に「、農業機械化研究所」を加える。

 (法人税法の一部改正)

第十四条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

  第五条第一項第六号中「及びアジア経済研究所」を「、アジア経済研究所及び農業機械化研究所」に改める。

 (地方税法の一部改正)

第十五条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の五第一項第六号中「及びアジア経済研究所」を「、アジア経済研究所及び農業機械化研究所」に改める。

  第七十三条の四第一項第六号の次に次の一号を加える。

  六の二 農業機械化研究所が直接農機具の改良に関する試験研究の用に供する不動産

(法務・大蔵・農林・自治・内閣総理大臣署名) 

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