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法律第五十五号(昭三八・三・三〇)

  ◎林業信用基金法

目次

 第一章 総則(第一条―第十六条)

 第二章 役員等(第十七条―第二十六条)

 第三章 評議員会(第二十七条・第二十八条)

 第四章 業務(第二十九条―第三十一条)

 第五章 財務及び会計(第三十二条―第三十九条)

 第六章 監督(第四十条・第四十一条)

 第七章 雑則(第四十二条―第四十五条)

 第八章 罰則(第四十六条―第五十条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 林業信用基金は、林業(林業種苗生産業及び木材製造業を含む。以下同じ。)の経営の改善に資するため、これに必要な資金を林業者等が農林中央金庫その他の融資を行なう機関から借り入れる場合にその借入れに係る債務を保証して、その資金の融通を円滑にすることを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「林業者等」とは、次に掲げる者をいう。

 一 林業を営む者(会社にあつては、資本の額又は出資の総額が一千万円以下のもの及び常時使用する従業者の数が三百人以下のもの、個人にあつては、常時使用する従業者の数が三百人以下のものに限る。)

 二 森林組合、森林組合連合会並びに林業を営む者が直接又は間接の構成員となつている中小企業等協同組合、農業協同組合及び農業協同組合連合会(以下「組合」と総称する。)

 三 前二号に掲げる者のほか、これらの者が主たる構成員又は出資者となつている法人で政令で定めるもの

2 この法律において「融資機関」とは、次に掲げる者をいう。

 一 農林中央金庫

 二 商工組合中央金庫

 三 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第七十九条第二項第一号(貸付け)に掲げる事業を行なう森林組合で政令で定めるもの

 四 森林法第百五十四条第一項第二号(貸付け)に掲げる事業を行なう森林組合連合会

 五 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の二第一項第二号(貸付け等)に掲げる事業を行なう事業協同組合で政令で定めるもの

 六 中小企業等協同組合法第九条の九第一項第二号(貸付け等)に掲げる事業を行なう協同組合連合会

 七 銀行その他の金融機関で政令で定めるもの

 (法人格)

第三条 林業信用基金(以下「基金」という。)は、法人とする。

 (事務所)

第四条 基金は、主たる事務所を東京都に置く。

2 基金は、必要な地に従たる事務所を置くことができる。

 (定款)

第五条 基金は、定款をもつて次の事項を規定しなければならない。

 一 目的

 二 名称

 三 事務所の所在地

 四 資本金、出資及び資産に関する事項

 五 役員及び評議員会に関する事項

 六 業務及びその執行に関する事項

 七 財務及び会計に関する事項

 八 公告の方法

2 定款の変更は、農林大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

3 基金は、定款を変更したときは、遅滞なく、その変更に係る部分を第十一条に規定する出資者に通知しなければならない。

 (資本金)

第六条 基金の資本金は、次条第一項の規定により政府が出資する金額、同条第二項の規定により都道府県が出資する金額及び同条第三項の規定により林業者等が出資する金額の合計額とする。

 (出資)

第七条 政府は、三億五千万円を基金に出資する。

2 都道府県は、自治大臣の承認を受けて、基金に出資することができる。

3 林業者等は、基金に出資することができる。

第八条 都道府県及び林業者等についての出資一口の金額は、一万円とする。

第九条 基金に出資する者は、出資の払込みについて、相殺をもつて基金に対抗することができない。

 (持分の払いもどし等の禁止)

第十条 基金は、出資者に対し、その持分を払いもどすことができない。

2 基金は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。

 (出資者たる地位の喪失)

第十一条 政府以外の出資者(第四十三条第二項並びに第四十四条第一項及び第二項の規定を除き、以下単に「出資者」という。)は、その持分の全部の譲渡しによつてのみ出資者たる地位を失うことができる。

 (持分の譲渡し)

第十二条 出資者は、基金の承認を得なければ、その持分を譲り渡すことができない。

2 都道府県及び林業者等でなければ、出資者の持分の譲渡しを受けることができない。

3 出資者の持分の譲受人は、その持分について、譲渡人の権利義務を承継する。

 (持分の共有の禁止)

第十三条 出資者は、持分を共有することができない。

 (登記)

第十四条 基金は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。

2 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

 (名称の使用制限)

第十五条 基金でない者は、林業信用基金という名称を用いてはならない。

 (民法の準用)

第十六条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、基金に準用する。

   第二章 役員等

 (役員)

第十七条 基金に、役員として、理事長一人、理事一人及び監事一人を置く。

2 基金に、役員として、前項の理事のほか、非常勤の理事七人以内を置くことができる。

 (役員の職務及び権限)

第十八条 理事長は、基金を代表し、その業務を総理する。

2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して基金の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠けたときはその職務を行なう。

3 監事は、基金の業務を監査する。

 (役員の任命)

第十九条 理事長及び監事は、農林大臣が任命する。

2 理事は、理事長が農林大臣の認可を受けて任命する。

 (役員の任期)

第二十条 理事長及び理事の任期は、三年とし、監事の任期は、二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 役員は、再任されることができる。

 (役員の欠格条項)

第二十一条 国会議員、国家公務員(審議会、協議会等の委員その他これに準ずる地位にある者で、非常勤のものを除く。)、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤の職員は、役員となることができない。

 (役員の解任)

第二十二条 農林大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。

2 農林大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。

 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。

 二 職務上の義務違反があるとき。

3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、農林大臣の認可を受けなければならない。

 (役員の兼職禁止)

第二十三条 役員(非常勤の者を除く。)は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。

 (代表権の制限)

第二十四条 基金と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が基金を代表する。

 (代理人の選任)

第二十五条 理事長は、理事又は基金の職員のうちから、基金の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。

 (職員の任命)

第二十六条 基金の職員は、理事長が任命する。

   第三章 評議員会

 (評議員会)

第二十七条 基金に評議員会を置く。

2 評議員会は、理事長の諮問に応じ、第四項各号に掲げる事項その他基金の業務の運営に関する重要事項を調査審議する。

3 評議員会は、前項に規定する事項に関し、理事長に意見を述べることができる。

4 次に掲げる事項については、理事長において、あらかじめ評議員会に諮問しなければならない。

 一 定款の変更

 二 業務方法書の変更

 三 毎事業年度の予算、事業計画及び資金計画の設定及び重要な変更

 四 財産目録、貸借対照表、損益計算書及び剰余金処分案又は損失処理案の作成

5 評議員会は、評議員二十人以内で組織する。

 (評議員)

第二十八条 評議員は、出資者(出資者が法人である場合には、その代表者)及び基金の業務に関し学識経験を有する者のうちから農林大臣が任命する。

2 評議員の任期は、三年とする。

3 第二十条第一項ただし書及び第二項並びに第二十二条第二項の規定は、評議員について準用する。

   第四章 業務

 (業務)

第二十九条 基金は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行なう。

 一 次に掲げる資金で政令で定めるものを当該出資者たる林業者等(イに掲げる資金については、その者が組合である場合には、その直接の構成員となつている林業者等を含む。)が融資機関から借り入れることにより当該融資機関に対して負担する債務の保証

  イ 出資者たる林業者等(その者が組合である場合には、その直接の構成員となつている林業者等を含む。)がその林業の経営のために必要とする資金で当該経営の改善に資すると認められるもの

  ロ 出資者たる組合がその直接の構成員となつている林業者等に対しその林業の経営に必要な資金で当該経営の改善に資すると認められるものを貸し付けるために必要とする資金

  ハ 出資者たる組合がその直接又は間接の構成員となつている林業者等にその林業の経営に必要な資材を供給するために必要とする資金

 二 前号に掲げる業務に附帯する業務

 (業務方法書)

第三十条 基金の業務方法書には、次の事項を記載しなければならない。

 一 保証の金額の合計額の最高限度

 二 一被保証者についての保証の金額の最高限度

 三 保証に係る資金の種類及びその借入期間の最高限度

 四 保証契約の締結及び変更に関する事項

 五 保証料に関する事項その他被保証者の守るべき条件に関する事項

 六 保証債務の弁済に関する事項

 七 求償権の行使方法及び消却に関する事項

 八 その他基金の業務の運営に関する重要事項で農林省令で定めるもの

2 基金は、業務方法書を変更しようとするときは、農林大臣の認可を受けなければならない。

3 基金は、業務方法書を変更したときは、遅滞なく、その変更に係る部分を出資者に通知しなければならない。

 (業務の委託)

第三十一条 基金は、業務方法書で定めるところにより、その業務(債務の保証の決定を除く。)の一部を融資機関に委託することができる。

2 融資機関は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該業務を行なうことができる。

   第五章 財務及び会計

 (事業年度)

第三十二条 基金の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。

 (予算等の認可)

第三十三条 基金は、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に農林大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 基金は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、その認可に係る予算、事業計画及び資金計画(これらの変更の認可を受けた場合にあつては、その変更に係る部分)を出資者に通知しなければならない。

 (財務諸表)

第三十四条 基金は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に、これを、出資者に送付するとともに、農林大臣に提出してその承認を受けなければならない。

2 基金は、前項の規定により財務諸表を出資者に送付し、又は農林大臣に提出するときは、これに予算の区分に従い作成した当該事業年度の決算報告書を添え、かつ、財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見をつけなければならない。

 (利益及び損失の処理)

第三十五条 基金は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。

2 基金は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。

 (短期借入金)

第三十六条 基金は、農林大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。

2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができない金額に限り、農林大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。

3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。

 (余裕金の運用)

第三十七条 基金は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。

 一 農林中央金庫、商工組合中央金庫、銀行又は農林大臣の指定するその他の金融機関への預金

 二 国債、地方債又は農林大臣の指定するその他の有価証券の取得

 三 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託

 (給与及び退職手当の支給の基準)

第三十八条 基金は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定め、又はこれを変更しようとするときは、農林大臣の承認を受けなければならない。

 (農林省令への委任)

第三十九条 この法律に規定するもののほか、基金の財務及び会計に関し必要な事項は、農林省令で定める。

   第六章 監督

 (監督)

第四十条 基金は、農林大臣が監督する。

2 農林大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、基金に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。

 (報告及び検査)

第四十一条 農林大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、基金若しくは第三十一条第一項の規定による委託を受けた者(以下「受託者」という。)に対して報告をさせ、又はその職員に、基金若しくは受託者の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。ただし、受託者に対しては、当該受託業務の範囲内に限る。

2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

   第七章 雑則

 (出資者に対する通知又は催告)

第四十二条 基金が出資者に対してする通知又は催告は、出資者名簿に記載したその出資者の住所(出資者が別に通知又は催告を受ける場所を基金に通知したときは、その場所)にあててすれば足りる。

2 前項の通知又は催告は、通常到達すべきであつた時に、到達したものとみなす。

 (書類の備付け及び閲覧)

第四十三条 基金は、定款、業務方法書、出資者名簿及び財務諸表を各事務所に備えて置かなければならない。

2 出資者名簿には、各出資者について次の事項を記載しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所

 二 出資の引受け及び払込みの年月日

 三 出資口数及び出資各口の取得の年月日

3 出資者及び基金の債権者(基金が保証契約を結んでいる融資機関を含む。)は、第一項の書類の閲覧を求めることができる。

 (解散)

第四十四条 基金は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、これを各出資者に対し、その出資額に応じて分配しなければならない。

2 前項の規定により各出資者に分配することができる額は、その出資額を限度とする。

3 前二項に規定するもののほか、基金の解散については、別に法律で定める。

 (大蔵大臣との協議)

第四十五条 農林大臣は、次の場合には、大蔵大臣に協議しなければならない。

 一 第五条第二項、第三十条第二項、第三十三条第一項又は第三十六条第一項若しくは第二項ただし書の認可をしようとするとき。

 二 第三十四条第一項又は第三十八条の承認をしようとするとき。

 三 第三十七条第一号又は第二号の規定による指定をしようとするとき。

 四 第三十条第一項第八号又は第三十九条の農林省令を定めようとするとき。

   第八章 罰則

第四十六条 基金の役員又は職員が、その職務に関して、わいろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。よつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の懲役に処する。

2 基金の役員又は職員であつた者が、その在職中に請託を受けて、職務上不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたことに関し、わいろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。

3 犯人の収受したわいろは、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第四十七条 前条第一項又は第二項に規定する者に対してわいろを供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第四十八条 第四十一条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした基金の役員若しくは職員又は受託者の役員若しくは職員は、三万円以下の罰金に処する。

第四十九条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした基金の役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。

 一 この法律の規定により農林大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。

 二 この法律の規定により出資者に通知をしなければならない場合において、その通知をしなかつたとき。

 三 第十条第一項の規定に違反して、出資者の持分を払いもどしたとき。

 四 第十条第二項の規定に違反して、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けたとき。

 五 第十四条第一項の政令の規定に違反して、登記をすることを怠つたとき。

 六 第二十九条に規定する業務以外の業務を行なつたとき。

 七 第三十四条第一項の規定に違反して、財務諸表を出資者に送付しなかつたとき。

 八 第三十七条の規定に違反して、業務上の余裕金を運用したとき。

 九 第四十条第二項の規定による農林大臣の命令に違反したとき。

 十 第四十三条第一項の規定に違反して書類を備えて置かず、同条第二項の規定に違反して出資者名薄に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第一項の書類の閲覧を拒んだとき。

第五十条 第十五条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して九十日をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (基金の設立)

第二条 農林大臣は、基金の理事長又は監事となるべき者を指名する。

2 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、基金の成立の時において、この法律の規定により、それぞれ理事長又は監事に任命されたものとする。

第三条 農林大臣は、設立委員を命じて、基金の設立に関する事務を処理させる。

第四条 設立委員は、定款及び業務方法書を作成し、農林大臣の認可を受けなければならない。

2 設立委員は、前項の認可を受けたときは、都道府県及び林業者等に対し、基金に対する出資を募集しなければならない。

3 設立委員は、前項の規定による募集が終わつたときは、農林大臣に対し、設立の認可を申請しなければならない。

4 設立委員は、前項の認可を受けたときは、政府並びに出資の募集に応じた都道府県及び林業者等に対し、出資金の払込みを求めなければならない。

5 前項の規定により払込みを求められたときは、政府は第七条第一項の出資金の全額を、出資の募集に応じた都道府県及び林業者等は同条第二項又は第三項の規定により引き受けた出資金の全額を、それぞれ払い込まなければならない。

6 設立委員は、出資金の払込みがあつた日において、その事務を附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。

7 第四十五条の規定は、第一項又は第三項の認可をしようとする場合に準用する。

第五条 附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前条第六項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。

第六条 基金は、前条の規定による設立の登記をすることによつて成立する。

 (成立当初の資本金)

第七条 基金の成立当初における資本金は、五億円を下るものであつてはならない。

 (経過規定)

第八条 この法律の施行の際現に林業信用基金という名称を使用している者は、この法律の施行後六月以内にその名称を変更しなければならない。

2 第十五条の規定は、前項に規定する期間内は、同項に規定する者には、適用しない。

第九条 基金の最初の事業年度は、第三十二条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和三十九年三月三十一日に終わるものとする。

第十条 基金の最初の事業年度の予算、事業計画及び資金計画については、第三十三条第一項中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「基金の成立後遅滞なく」とする。

 (登録税法の一部改正)

第十一条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十九条第七号中「農業信用基金協会」の下に「、林業信用基金」を、「農業信用基金協会法」の下に「、林業信用基金法」を加える。

 (印紙税法の一部改正)

第十二条 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。

  第五条第九号ノ八中「又ハ開拓融資保証協会」を「、開拓融資保証協会又ハ林業信用基金」に改める。

 (所得税法の一部改正)

第十三条 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第十二号中「農業共済基金」の下に「、林業信用基金」を加える。

 (法人税法の一部改正)

第十四条 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

  第五条第一項第四号中「農業共済基金」の下に「、林業信用基金」を加える。

 (農林省設置法の一部改正)

第十五条 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。

  第六十一条第八号中「森林組合」の下に「、林業信用基金」を加える。

 (地方税法の一部改正)

第十六条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の五第一項第四号中「農業共済基金」の下に「、林業信用基金」を加える。

(法務・大蔵・農林・自治・内閣総理大臣署名) 

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