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法律第百六十八号(昭三八・八・三)

  ◎戦傷病者特別援護法

目次

 第一章 総則(第一条―第八条)

 第二章 援護(第九条―第二十三条)

 第三章 雑則(第二十四条―第二十九条)

 第四章 罰則(第三十条―第三十三条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、軍人軍属等であつた者の公務上の傷病に関し、国家補償の精神に基づき、特に療養の給付等の援護を行なうことを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「戦傷病者」とは、軍人軍属等であつた者で第四条の規定により戦傷病者手帳の交付を受けているものをいう。

2 この法律において「軍人軍属等」とは、次の各号に掲げる者をいい、「公務上の傷病」とは、次の各号に掲げる軍人軍属等につきそれぞれ当該各号に規定する負傷又は疾病をいう。

 一 恩給法の一部を改正する法律(昭和二十一年法律第三十一号)による改正前の恩給法(大正十二年法律第四十八号)(以下「改正前の恩給法」という。)第二十一条に規定する軍人又は準軍人(陸軍及び海軍の廃止後において未復員の状態にある者を含む。) 公務による負傷又は疾病(恩給法の規定により公務による負傷又は疾病とみなされるもの及び軍人又は準軍人たる特別の事情に関連して生じた不慮の災難による負傷又は疾病で援護審査会において公務による負傷又は疾病と同視すべきものと議決したものを含む。)

 二 もとの陸軍若しくは海軍部内の改正前の恩給法第十九条に規定する公務員若しくは公務員に準ずべき者(前号に掲げる者に該当する者を除く。)又は戦時又は事変に際し臨時特設の部局又は陸海軍の部隊に配属せしめたる文官補闕の件(明治三十八年勅令第四十三号。以下この号において「文官補闕の件」という。)に規定する文官(陸軍及び海軍の廃止後において未復員(文官補闕の件に規定する文官にあつては、海外からの未帰還を含む。)の状態にあるこれらの者を含む。) 昭和十二年七月七日以後における公務による負傷又は疾病(恩給法の規定により公務による負傷又は疾病とみなされるもの及び公務員、公務員に準ずべき者又は文官補闕の件に規定する文官たる特別の事情に関連して生じた不慮の災難による負傷又は疾病で援護審査会において公務による負傷又は疾病と同視すべきものと議決したものを含む。)

 三 もとの陸軍又は海軍部内の有給の嘱託員、雇員、傭人、工員又は鉱員(陸軍及び海軍の廃止後において未復員の状態にある者を含む。) 昭和十二年七月七日以後における公務による負傷又は疾病

 四 旧国家総動員法(昭和十三年法律第五十五号。旧関東州国家総動員令(昭和十四年勅令第六百九号)を含む。)に基づいて設立された船舶運営会の運航する船舶の乗組船員 戦地における勤務を命ぜられた日から当該勤務を解かれた日までの期間内及び昭和二十年九月二日以後引き続き海外にあつて帰還するまでの期間内における業務による負傷又は疾病

 五 もとの陸軍若しくは海軍の指揮監督のもとに前四号に掲げる者の業務と同様の業務にもつぱら従事中の南満洲鉄道株式会社(南満洲鉄道株式会社に関する件(明治三十九年勅令第百四十二号)に基づいて設立された会社をいう。)の職員又は政令で定めるこれに準ずる者 昭和十二年七月七日以後、期間を定めないで、又は一箇月以上の期間を定めて、事変地又は戦地における当該業務に就くことを命ぜられた日から当該業務に就くことを解かれた日までの期間内における業務による負傷又は疾病

 六 旧国家総動員法第四条又は第五条(旧南洋群島における国家総動員に関する件(昭和十三年勅令第三百十七号)及び旧関東州国家総動員令においてこれらの規定による場合を含む。)の規定に基づく被徴用者又は総動員業務の協力者 業務による負傷又は疾病

 七 もとの陸軍又は海軍の要請に基づく戦闘参加者 当該戦闘に基づく負傷又は疾病

 八 昭和二十年三月二十二日の閣議決定国民義勇隊組織に関する件に基づいて組織された国民義勇隊の隊員 業務による負傷又は疾病

 九 昭和十四年十二月二十二日の閣議決定満洲開拓民に関する根本方策に関する件に基づいて組織された満洲開拓青年義勇隊の隊員 昭和二十年八月九日以後における業務による負傷又は疾病

 十 旧特別未帰還者給与法(昭和二十三年法律第二百七十九号)第一条に規定する特別未帰還者 昭和二十年九月二日以後引き続き海外にあつて帰還するまでの期間内における自己の責に帰することができない事由による負傷又は疾病で厚生大臣が前各号に規定する負傷又は疾病と同視することを相当と認めたもの

 十一 日本国との平和条約第十一条に掲げる裁判により拘禁された者 当該拘禁中における自己の責に帰することができない事由による負傷又は疾病で厚生大臣が第一号から第九号までに規定する負傷又は疾病と同視することを相当と認めたもの

3 前項第一号から第四号まで及び第九号に掲げる者に該当する者については、その者が昭和二十年九月二日以後引き続き海外にあつて復員又は帰還するまでの間における自己の責に帰することができない事由による負傷又は疾病で、厚生大臣が公務又は業務による負傷又は疾病と同視することを相当と認めたものは、当該各号に規定する負傷又は疾病とみなす。

4 第二項第一号から第三号までに掲げる者に該当する者については、その者が昭和二十年九月二日以後海外から帰還し、復員後遅滞なく帰郷する場合のその帰郷のための旅行中における自己の責に帰することができない事由による負傷又は疾病は、当該各号に規定する負傷又は疾病とみなす。

5 第二項第四号又は第五号に規定する戦地の区域及び同項同号に規定する事変地の区域並びにこれらの区域が戦地又は事変地であつた期間は、政令で定める。

 (国、地方公共団体及び国民の責務)

第三条 国は、戦傷病者に対する国民の理解を深めるように努めるとともに、戦傷病者がその傷病による障害を克服し、社会経済活動に参与しようとする努力に対し、必要な措置を講じなければならない。

2 地方公共団体は、前項の国の責務の遂行に協力しなければならない。

3 国民は、戦傷病者が今なお置かれている特別の状態に深く思いをめぐらし、戦傷病者がその傷病による障害を克服し、社会経済活動に参与しようとする努力に対し、協力するように努めなければならない。

 (戦傷病者手帳の交付)

第四条 厚生大臣は、軍人軍属等であつた者で次の各号の一に該当するものに対し、その者の請求により、戦傷病者手帳を交付する。

 一 公務上の傷病により恩給法別表第一号表ノ二又は別表第一号表ノ三に定める程度の障害がある者

 二 公務上の傷病について厚生大臣が療養の必要があると認定した者

2 厚生大臣は、前項の場合のほか、第二条第二項第一号に掲げる軍人又は準軍人であつた者で、当該軍人又は準軍人に係る公務上の傷病により旧恩給法施行令(大正十二年勅令第三百六十七号。恩給法施行令の一部を改正する勅令(昭和二十一年勅令第五百四号)による改正前のものをいう。)第三十一条第一項に規定する第一目症又は第二目症に相当する程度の障害があるものに対しても、その者の請求により、戦傷病者手帳を交付する。

3 戦傷病者手帳は、日本の国籍を有しない者には、交付することができない。

4 厚生大臣は、戦傷病者手帳を交付するときは、これに第一項第一号又は第二項に規定する程度の障害の有無、その障害の程度、第一項第二号の認定の有無、当該認定に係る傷病その他政令で定める事項を記載しなければならない。

 (記載事項の訂正)

第五条 戦傷病者は、戦傷病者手帳の記載事項に変更があつたときは、当該戦傷病者手帳を厚生大臣に提出して、当該記載事項の訂正を受けなければならない。

2 厚生大臣は、戦傷病者につき戦傷病者手帳の記載事項に変更があつたと認めるときは、政令の定めるところにより、その者に対し、戦傷病者手帳の提出を命じ、当該記載事項を訂正することができる。

 (戦傷病者手帳の返還)

第六条 戦傷病者手帳の交付を受けた者は、第四条第一項第一号(同条第二項の規定に該当する者にあつては、同条同項。以下この条において同じ。)に規定する程度の障害がなくなつたとき(当該公務上の傷病につき療養の必要があるときを除く。)、当該公務上の傷病につき療養の必要がなくなつたとき(同条同項同号に規定する程度の障害があるときを除く。)、又は日本の国籍を失つたときは、すみやかに戦傷病者手帳を厚生大臣に返還しなければならない。

2 厚生大臣は、戦傷病者手帳の交付を受けた者について第四条第一項第一号に規定する程度の障害がなくなつたと認めるとき(当該公務上の傷病につき療養の必要があるときを除く。)、若しくは当該公務上の傷病につき療養の必要がなくなつたと認めるとき(同条同項同号に規定する程度の障害があるときを除く。)、又は戦傷病者手帳の交付を受けた者が日本の国籍を失つたとき、若しくは第七条の規定に違反したときは、その者に対し、戦傷病者手帳の返還を命ずることができる。

3 厚生大臣は、前項の命令をするには、文書をもつて、その理由を示さなければならない。

 (戦傷病者手帳の譲渡等の禁止)

第七条 戦傷病者は、戦傷病者手帳を他人に譲り渡し、又は貸与してはならない。

 (政令への委任)

第八条 第四条から前条までに規定するもののほか、戦傷病者手帳に関し必要な事項は、政令で定める。

   第二章 援護

 (援護の種類)

第九条 この法律による援護は、次のとおりとする。

 一 療養の給付

 二 療養手当の支給

 三 葬祭費の支給

 四 更生医療の給付

 五 補装具の支給及び修理

 六 国立保養所への収容

 七 日本国有鉄道の鉄道及び連絡船への乗車及び乗船についての無賃取扱い

 (療養の給付)

第十条 厚生大臣は、第四条第一項第二号の認定を受けた戦傷病者の当該認定に係る公務上の傷病について、政令で定める期間、必要な療養の給付を行なう。

 (療養の給付の範囲)

第十一条 療養の給付の範囲は、次のとおりとする。

 一 診察

 二 薬剤又は治療材料の支給

 三 医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術

 四 病院又は診療所への収容

 五 看護

 六 移送

 (療養の給付の機関)

第十二条 療養の給付は、厚生大臣の指定する病院若しくは診療所又は薬局(以下「指定医療機関」という。)において、行なうものとする。

 (指定医療機関の義務)

第十三条 指定医療機関は、厚生大臣の定めるところにより、療養を担当しなければならない。

2 指定医療機関は、療養を行なうについて、厚生大臣の行なう指導に従わなければならない。

 (診療方針及び診療報酬)

第十四条 指定医療機関の診療方針及び診療報酬は、健康保険の診療方針及び診療報酬の例によるものとする。

2 前項に規定する診療方針及び診療報酬によることができないとき、並びにこれによることが適当でないときの診療方針及び診療報酬は、厚生大臣の定めるところによる。

 (診療報酬の審査及び支払)

第十五条 厚生大臣は、指定医療機関の診療内容及び診療報酬の請求を随時審査し、かつ、指定医療機関が前条の規定によつて請求することができる診療報酬の額を決定することができる。

2 指定医療機関は、厚生大臣が行なう前項の決定に従わなければならない。

3 厚生大臣は、第一項の規定により指定医療機関が請求することのできる診療報酬の額を決定するに当たつては、社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)に定める審査委員会の意見をきかなければならない。

4 国は、指定医療機関に対する診療報酬の支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金に委託することができる。

5 第一項の規定による診療報酬の額の決定については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。

 (報告及び検査)

第十六条 厚生大臣は、前条第一項の審査のため必要があるときは、指定医療機関の管理者に対して必要な報告を求め、又は当該職員をして、指定医療機関について、その管理者の同意を得て、実地に診療録その他の帳簿書類を検査させることができる。

2 指定医療機関の管理者が、正当な理由がなく、前項の報告の求めに応ぜず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の同意を拒んだときは、厚生大臣は、当該指定医療機関に対する診療報酬の支払を一時差し止めることができる。

 (療養費の支給)

第十七条 厚生大臣は、第十条の規定により療養の給付を受けることができる者が、緊急その他やむを得ない事由のため指定医療機関以外の医療機関から療養を受けた場合において、その必要があると認めるときは、療養の給付に代えて、療養費を支給することができる。

2 前項の規定により支給する療養費の額は、第十四条の規定により指定医療機関が請求することができる診療報酬の例により算定した額とする。ただし、現に要した費用の額をこえることができない。

3 厚生大臣は、第一項の規定により療養費を支給するについて必要があるときは、当該療養を行なつた者又はこれを使用する者に対し、その行なつた療養に関し、報告を求め、診療録等の帳簿書類その他の物件の提示を命じ、又は当該職員をして質問させることができる。

 (療養手当の支給)

第十八条 厚生大臣は、引き続き一年以上病院又は診療所に収容されて第十条の規定による療養の給付(前条第一項の規定による療養費の支給を含む。以下同じ。を受けている者(以下「長期入院患者」という。)に対し、その者の請求により、療養手当を支給する。

2 療養手当の月額は、二千円とし、毎月、その月分を支払うものとする。

3 療養手当の支給は、長期入院患者が、療養手当の支給の請求をした日の属する月の翌月から始め、その者が長期入院患者でなくなつた日の属する月で終わる。

4 長期入院患者が、同一の事由について、療養の給付と恩給法の規定による増加恩給、傷病年金その他これらに相当する年金たる給付を受けることができる場合には、当該年金たる給付を受けることができる期間、その支給額の限度において、療養手当は、支給しない。

 (葬祭費の支給)

第十九条 厚生大臣は、第十条の規定による療養の給付を受けている者が当該療養の給付を受けている間に死亡した場合においては、その死亡した者の遺族で葬祭を行なう者に対し、その者の請求により、葬祭費として、五千円を支給する。

2 厚生大臣は、前項の規定により葬祭費の支給を受けるべき者がない場合においては、葬祭を行なつた者に対し、その者の請求により、同項に規定する金額の範囲内において、葬祭に要した費用に相当する金額を支給する。

3 第一項の遺族の範囲は、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹とする。

 (更生医療の給付)

第二十条 厚生大臣は、公務上の傷病により、政令で定める程度の視覚障害、聴覚障害、言語機能障害若しくは中枢神経機能障害があり、又は政令で定める程度の肢体不自由の状態にある戦傷病者が更生するために医療が必要であると認めるときは、その者の請求により、その更生のために必要な医療(以下「更生医療」という。)の給付を行なうことができる。

2 厚生医療の給付は、厚生大臣が身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第十九条第四項に規定する指定医療機関に委託して行なうものとする。

3 第十一条及び第十三条から第十六条までの規定は、第一項の規定による更生医療の給付について準用する。

4 厚生大臣は、更生医療の給付が困難であると認めるときは、更生医療の給付に代えて、更生医療に要する要用を支給することができる。

5 第十七条第二項及び第三項の規定は、前項の費用を支給する場合について準用する。

 (補装具の支給及び修理)

第二十一条 厚生大臣は、公務上の傷病により、政令で定める程度の視覚障害、聴覚障害、言語機能障害若しくは中枢神経機能障害があり、又は政令で定める程度の肢体不自由の状態にある戦傷病者について、必要があると認めるときは、その者の請求により、盲人安全つえ、補聴器、義肢、装具、車いすその他の厚生大臣が定める補装具を支給し、又は修理することができる。

2 第一項に規定する補装具の支給又は修理は、補装具の製作若しくは修理を業とする者に委託して行ない、又は自ら行なうものとする。

3 前項の規定により補装具の支給又は修理の委託を受けた者が請求することができる報酬の額の基準は、厚生大臣が定める。

4 厚生大臣は、補装具の支給又は修理が困難であると認めるときは、補装具の支給又は修理に代えて、補装具の購入又は修理に要する費用を支給することができる。

5 前項の規定により支給する費用の額は、第三項の規定により同項に規定する者が請求することができる報酬の例により算定した額とする。

 (国立保養所への収容)

第二十二条 厚生大臣は、公務上の傷病により重度の障害がある戦傷病者について、必要があると認めるときは、その者の請求により、国立保養所に収容することができる。

 (日本国有鉄道の鉄道及び連絡船への乗車及び乗船についての無賃取扱い)

第二十三条 戦傷病者で公務上の傷病により政令で定める程度の障害があるもの及び政令で定めるその介護者は、運賃を支払うことなく、日本国有鉄道の鉄道又は連絡船に乗車又は乗船することができる。

2 前項の規定により乗車又は乗船することができる回数、等級、区間その他の必要な事項は、政令で定める。

3 国は、第一項の規定による取扱いに伴う鉄道及び連絡船の運賃を負担するものとする。

4 前項の規定による負担の方法その他の必要な事項は、運輸大臣が定める。

   第三章 雑則

 (報告及び診断)

第二十四条 厚生大臣は、この法律による援護に関し必要があるときは、戦傷病者及びその他の関係者に対し、報告を求めることができる。

2 厚生大臣は、この法律による援護を受ける戦傷病者について負傷若しくは疾病の状態又は障害の程度を調査するため必要があるときは、その者に医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。

 (時効)

第二十五条 療養費、葬祭費、第二十条第四項の規定により支給される費用及び第二十一条第四項の規定により支給される費用を受ける権利は、二年間行なわないときは、時効によつて消滅する。

 (譲渡等の禁止)

第二十六条 この法律により援護を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。

 (非課税)

第二十七条 この法律により支給を受けた金品を標準として、租税その他の公課を課することができない。

2 援護に関する書類には、印紙税を課さない。

 (権限又は事務の委任)

第二十八条 この法律により厚生大臣に属する権限又は権限に属する事務は、政令の定めるところにより、都道府県知事その他政令で定める者にその一部を委任することができる。

 (省令への委任)

第二十九条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、厚生省令で定める。

   第四章 罰則

第三十条 詐欺その他不正な手段により戦傷病者手帳の交付を受けた者は、六箇月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。

第三十一条 第五条第二項又は第六条第二項の規定に基づく厚生大臣の命令に違反した者は、三箇月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。

第三十二条 第七条の規定に違反した者は、三千円以下の罰金に処する。

第三十三条 次の各号の一に該当する者は、一万円以下の過料に処する。

 一 第十七条第三項(第二十条第五項において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定により報告を求められ、若しくは診療録等の帳簿書類その他の物件の提示を命ぜられて、正当な理由がなく報告若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は第十七条第三項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由がなく答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

 二 第二十四条第一項の規定により報告を求められて、正当な理由がなく報告をせず、又は虚偽の報告をした者

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して三箇月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第二十三条並びに附則第二項及び第十三項の規定は、昭和三十九年四月一日から施行する。

 (戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律の廃止)

2 戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律(昭和三十年法律第百五十八号)は、廃止する。

 (読替え規定)

3 この法律の施行(附則第一項本文の規定による施行をいう。以下同じ。)の日から起算して一年間は、この法律(附則第五項を除く。)の規定中「戦傷病者手帳」とあるのは、「戦傷病者認定票」と読み替えるものとする。当該一年を経過した日前に行なわれた行為に対する罰則の適用については、その日以後も、なお、同様とする。

 (戦傷病者認定票の交付)

4 厚生大臣は、この法律の施行の際、現に附則第二十六項の規定による改正前の未帰還者留守家族等援護法(昭和二十八年法律第百六十一号)(以下「旧未帰還者援護法」という。)の規定による療養の給付(療養費の支給を含む。)若しくは附則第二十三項の規定による改正前の戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)(以下「旧戦傷病者援護法」という。)の規定による更生医療の給付(更生医療に要する費用の支給を含む。)を受け、又は旧戦傷病者援護法の規定により国立保養所に収容されている者(附則第十四項に規定する者を除く。)に対しては、前項の規定により読み替えられた第四条第一項の規定にかかわらず、その者の請求がなくても戦傷病者認定票を交付するものとする。

 (戦傷病者認定票の交付を受けた者に関する経過措置)

5 附則第三項の一年を経過する際に現に戦傷病者認定票の交付を受けている者に対する戦傷病者手帳の交付に関し必要な事項は、政令で定める。

 (指定医療機関に関する経過措置)

6 この法律の施行の際、現に旧未帰還者援護法の規定により指定されている病院又は診療所は、第十二条の規定により厚生大臣が指定した病院又は診療所とみなす。

 (療養手当の支給に関する経過措置)

7 この法律の施行の際現に病院又は診療所に収容されて旧未帰還者援護法の規定による療養の給付(療養費の支給を含む。)を受けている者の当該収容されていた期間(この法律の施行の日前の同日に引き続く期間に限る。)は、第十八条の規定の適用については、病院又は診療所に収容されて第十条の規定による療養の給付を受けている期間(この法律の施行の日以後の同日に引き続く期間に限る。)に通算する。

8 厚生大臣は、附則第四項の規定により戦傷病者認定票を交付する者で、この法律の施行の日の属する月の前月の月分について旧未帰還者援護法の規定による療養手当の支給を受けているものについては、第十八条第一項の規定にかかわらず、その者の請求がなくても療養手当を支給するものとする。この場合において、同条第三項中「療養手当の支給の請求をした日の属する月の翌月」とあるのは、「この法律の施行(附則第一項本文の規定による施行をいう。)の日の属する月」と読み替えるものとする。

 (更生医療の給付等に関する経過措置)

9 この法律の施行の際、現に旧戦傷病者援護法の規定により更生医療の給付(更生医療に要する費用の支給を含む。)を受け、又は国立保養所に収容されている者は、第二十条の規定により更生医療の給付(更生医療に要する費用の支給を含む。)を受け、又は第二十二条の規定により国立保養所に収容されている者とみなす。

 (適用関係)

10 この法律の施行前にすでに旧未帰還者援護法の規定による療養の給付を受ける権利を失つた者(第二条第二項第十一号に掲げる者に該当する者で、旧特別未帰還者給与法第一条の二に規定する者に該当しなかつたものを含む。)には、当分の間、第十条から第十九条までの規定は、適用しない。

11 第二条第二項第一号から第三号まで、第十号及び第十一号に掲げる者に該当する者の当該各号に規定する負傷又は疾病(同条第三項及び第四項の規定によりこれらの負傷又は疾病とみなされるものを含む。)を除き、戦傷病者の公務上の傷病については、当分の間、第十条から第十九条までの規定は、適用しない。

12 戦傷病者戦没者遺族等援護法第二条に規定する軍人軍属であつた者の同法第三条に規定する在職期間内における公務による負傷又は疾病(同法の規定により在職期間内における公務による負傷又は疾病とみなされるものを含む。)及び同法第二条に規定する準軍属であつた者の公務による負傷又は疾病(同法の規定により公務による負傷又は疾病とみなされるものを含む。)を除き、戦傷病者の公務上の傷病については、当分の間、第二十条から第二十二条までの規定は、適用しない。

13 恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)に規定する旧軍人、旧準軍人及び旧軍属(以下「旧軍人等」という。)で同法又は恩給法の規定による増加恩給又は傷病年金を支給されている者及び旧軍人等でこれらの法律の規定による傷病賜金を支給された者並びにこれらの者の介護者を除き、戦傷病者及びその介護者には、当分の間、第二十三条の規定は、適用しない。

 (実績の保障)

14 この法律の施行の際現に旧未帰還者援護法の規定により療養の給付(療養費の支給を含む。)を受けている者及びこれを受けることができる者で、この法律の規定により戦傷病者手帳の交付を受けることができないものについては、当分の間、政令の定めるところにより、療養給付認定票を交付して、療養の給付(療養費の支給を含む。)、療養手当の支給及び葬祭費の支給を行なうものとし、この法律の規定(第二条、第四条第一項から第三項まで及び第二十条から第二十三条までの規定を除く。)を準用する。

15 前項の場合における必要な読替え規定は、政令で定める。

 (社会保険診療報酬支払基金法の一部改正)

16 社会保険診療報酬支払基金法の一部を次のように改正する。

  第十三条第二項中「戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)第十九条第三項、未帰還者留守家族等援護法(昭和二十八年法律第百六十一号)第二十二条第三項」を「戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)第十五条第三項(第二十条第三項において準用する場合を含む。)」に、「戦傷病者戦没者遺族等援護法第十九条第四項」を「戦傷病者特別援護法第十五条第四項(第二十条第三項において準用する場合を含む。)」に改める。

 (社会保険診療報酬支払基金法の一部改正に伴う経過措置)

17 この法律の施行前に行なわれた旧戦傷病者援護法又は旧未帰還者援護法の規定による更生医療の給付又は療養の給付に関しては、前項の規定による改正前の社会保険診療報酬支払基金法第十三条第二項の規定は、なお、その効力を有する。

 (厚生省設置法の一部改正)

18 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。

  第五条第六十三号の二の次に次の一号を加える。

  六十三の三 戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)の定めるところにより、医療機関を指定し、並びに療養の給付及び更生医療の給付に関する必要な診療方針及び診療報酬を定めること。

  第五条第六十四号中「並びに」を「及び」に改め、「し、及び療養の給付の必要の有無を認定」を削る。

  第十二条中第七号の二を削り、第七号の三を第七号の二とする。

  第十四条の三第四号ただし書を削り、同条第四号の二の次に次の一号を加える。

  四の三 戦傷病者特別援護法を施行すること。

  第二十六条の三第一項中「旧軍人軍属」を「戦傷病者」に改める。

  第二十九条第一項の表の援護審査会の項中「述べること」を「述べ、並びに戦傷病者特別援護法の定めるところにより、議決すること」に改める。

 (身体障害者福祉法の一部改正)

19 身体障害者福祉法の一部を次のように改正する。

  第十九条の二第二項中「戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)第十七条」を「戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)第二十条」に改め、同条第四項中「戦傷病者戦没者遺族等援護法」を「戦傷病者特別援護法」に改める。

 (地方税法の一部改正)

20 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の十四第一項ただし書中「未帰還者留守家族等援護法(昭和二十八年法律第百六十一号)」を「戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)」に改め、「、戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)」を削る。

  第七十二条の十七第一項ただし書中「未帰還者留守家族等援護法」を「戦傷病者特別援護法」に改め、「、戦傷病者戦没者遺族等援護法」を削る。

  第二百六十二条第七号中「未帰還者留守家族等援護法」の下に「(昭和二十八年法律第百六十一号)」を加える。

 (地方税法の一部改正に伴う経過措置)

21 この法律の施行前に行なわれた旧未帰還者援護法又は旧戦傷病者援護法の規定による療養の給付又は更生医療の給付に関しては、前項の規定による改正前の地方税法第七十二条の十四第一項ただし書及び第七十二条の十七第一項ただし書の規定は、なお、その効力を有する。

 (結核予防法の一部改正)

22 結核予防法(昭和二十六年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。

  第三十四条第一項ただし書中「未帰還者留守家族等援護法(昭和二十八年法律第百六十一号)」を「戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)」に改める。

  第三十五条第二項中「未帰還者留守家族等援護法」を「戦傷病者特別援護法」に改める。

 (戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正)

23 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を次のように改正する。

  第五条中第二号から第四号までを削り、第五号を第二号とし、第六号を第三号とする。

  第七条第一項第二号中「第十八条」を削り、「受けることができる者については」を「受けることができた者については、戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)の施行(同法附則第一項本文の規定による施行をいう。以下第三項において同じ。)の日前の日で」に、「これらの規定」を「未帰還者留守家族等援護法の規定」に、「受けることができる期間」を「受けることができた期間」に改め、同項に次の一号を加える。

  三 戦傷病者特別援護法第十条の規定により療養の給付を受けることができる者については、当該療養の給付(療養費の支給を含む。)に係る療養を終わつた日

  第七条第三項第二号中「第十八条」を削り、「受けることができる者については」を「受けることができた者については、戦傷病者特別援護法の施行の日前の日で」に、「同条の規定」を「未帰還者留守家族等援護法の規定」に、「受けることができる期間」を「受けることができた期間」に改め、同項に次の一号を加える。

  三 戦傷病者特別援護法第十条の規定により療養の給付を受けることができる者については、当該療養の給付(療養費の支給を含む。)に係る療養を終わつた日

  第十七条から第二十二条までを次のように改める。

 第十七条から第二十二条まで 削除

  第四十条第一項中「行政不服審査法」の下に「(昭和三十七年法律第百六十号)」を加える。

  第四十八条第一項中「、第十七条又は第二十一条の規定により支給を受ける金品」を削る。

  第五十条第一項中「、身体障害者福祉法に規定する援護の実施機関」を削る。

 (戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正に伴う経過措置)

24 この法律の施行前に行なわれた旧戦傷病者援護法第十七条の規定による更生医療の給付に関しては、同法第十九条及び第二十条の規定は、なお、その効力を有する。

25 旧戦傷病者援護法第十七条又は第二十一条の規定により支給される金品については、同法第四十八条第一項の規定は、なお、その効力を有する。

 (未帰還者留守家族等援護法の一部改正)

26 未帰還者留守家族等援護法の一部を次のように改正する。

  第一条中「必要な療養の給付」を「帰郷旅費の支給」に改める。

  第十八条から第二十五条までを次のように改める。

 第十八条から第二十五条まで 削除

  第二十六条中「(療養の給付を受ける者については、その受けることのできる期間)」を削り、「経過した場合」の下に「(戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)の規定による療養の給付又は療養費の支給を受ける者については、当該療養の給付又は療養費の支給に係る療養を終わつた場合)」を加える。

  第二十七条の見出し中「再給付等」を「再支給」に改め、同条第一項中「以後療養の給付を行わず、また、」を削り、同条第二項中「この法律による療養の給付を行わず、又は」及びただし書を削り、同条第三項を削る。

  第二十八条中「療養の給付並びに療養手当及び」及び「(以下「療養の給付等」という。)」を削り、「療養の給付等を受ける」を「障害一時金の支給を受ける」に改める。

  第三十条中「療養の給付及び」を削り、「これらの給付事由」を「その支給事由」に改める。

  第三十二条第一項中「金品」を「金銭」に改める。

 (未帰還者留守家族等援護法の一部改正に伴う経過措置)

27 この法律の施行前に行なわれた旧未帰還者援護法の規定による療養の給付に関しては、同法第二十二条、第二十三条、第二十八条及び第三十六条の規定は、なお、その効力を有する。

28 この法律の施行前に行なわれた療養に係る旧未帰還者援護法の規定による療養費の支給に関しては、同法第二十四条、第二十八条、第三十条及び第三十六条の規定は、なお、その効力を有する。

29 この法律の施行前に旧未帰還者援護法第二十五条の規定に該当した者に関しては、同法同条の規定は、なお、その効力を有する。

30 この法律の施行前に旧未帰還者援護法の規定による療養の給付(療養費の支給を含む。)を受けることのできる期間内に当該療養の給付に係る負傷又は疾病がなおつた者又はなおらないで当該期間を経過した者に関しては、同法第二十六条の規定は、なお、その効力を有する。

31 旧未帰還者援護法第十八条、第二十四条、第二十四条の二及び第二十五条の規定により支給される金品については、同法第三十二条第一項の規定は、なお、その効力を有する。

32 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお、従前の例による。

 (租税特別措置法の一部改正)

33 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

  第二十六条第一項第一号中「未帰還者留守家族等援護法(昭和二十八年法律第百六十一号)」を「戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)」に改め、「、戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)」を削る。

 (租税特別措置法の一部改正に伴う経過措置)

34 この法律の施行前に行なわれた旧未帰還者援護法又は旧戦傷病者援護法の規定による療養の給付又は更生医療の給付に関しては、前項の規定による改正前の租税特別措置法第二十六条第一項第一号の規定は、なお、その効力を有する。

(大蔵・厚生・運輸・自治・内閣総理大臣署名) 

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