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法律第七十八号(昭四〇・五・二二)

  ◎核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律

 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)の一部を次のように改正する。

 第二十三条の次に次の一条を加える。

 (外国原子力船に設置した原子炉に係る許可)

第二十三条の二 原子炉を設置した船舶(以下「原子力船」という。)で日本の国籍を有する者及び日本の法令により設立された法人その他の団体以外の者(前条第一項の許可を受けた者(以下「原子炉設置者」という。)を除く。)が所有するもの(軍艦を除く。以下「外国原子力船」という。)を本邦の水域に立ち入らせようとする者は、政令で定めるところにより、当該外国原子力船の立入りに伴い原子炉を本邦内において保持することについて、内閣総理大臣の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けようとする者は、次の事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。

 一 船舶の名称

 二 前条第二項第一号から第三号まで、第五号及び第八号に掲げる事項

 三 原子力損害の賠償に関する法律第二条第二項に規定する原子力損害(以下「原子力損害」という。)を賠償するための措置

 第二十四条中「前条」を「第二十三条」に改め、同条の次に次の一条を加える。

第二十四条の二 内閣総理大臣は、第二十三条の二第一項の許可の申請があつた場合においては、その申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

 一 前条第一項第一号、第三号(原子炉の運転に係る部分に限る。)及び第四号に掲げる事項

 二 原子力損害を賠償するに足りる措置が国際約束により講ぜられていること。

2 前条第二項の規定は、第二十三条の二第一項の許可に準用する。

 第二十五条中「第二十三条第一項」の下に「又は第二十三条の二第一項」を、「第三十三条第二項」の下に「又は第三項」を加える。

 第二十六条第一項中「第二十三条第一項の許可を受けた者(以下「原子炉設置者」という。)」を「原子炉設置者」に、「同条」を「第二十三条」に改め、同条の次に次の一条を加える。

第二十六条の二 第二十三条の二第一項の許可を受けた者(以下「外国原子力船運航者」という。)は、同条第二項第二号又は第三号に掲げる事項(次項の規定の適用を受けるものを除く。)を本邦内において変更しようとするとき、又は本邦外においてこれらの事項を変更した後外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせようとするときは、その変更又は変更に係る原子炉の本邦内における保持について、政令で定めるところにより、内閣総理大臣の許可を受けなければならない。

2 外国原子力船運航者は、本邦内において第二十三条の二第二項第一号に掲げる事項又は同項第二号に掲げる事項のうち第二十三条第二項第一号に係るもののみを変更したときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。本邦外においてこれらの事項のみを変更した後外国原子力船を本邦の水域に立ち入らせたときも、同様とする。

3 第二十四条の二の規定は、第一項の許可に準用する。

 第三十三条第二項第三号中「第三十六条」の下に「又は第三十六条の二第三項」を加え、同項に次の一号を加える。

 八 港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)第三十七条の二第一項(同法第三十七条の三において準用する場合を含む。)の規定による処分又は同条第二項(同法第三十七条の三において準用する場合を含む。)において準用する同法第二十一条第一項の規定に対する違反があつたとき。

 第三十三条に次の一項を加える。

3 内閣総理大臣は、外国原子力船運航者が次の各号の一に該当するときは、第二十三条の二第一項の許可を取り消すことができる。

 一 前項第一号、第三号又は第八号に掲げるとき。

 二 第二十六条の二第一項の許可を受けないで同項の変更又は保持をしたとき。

 三 第六十二条第一項の条件に違反したとき。

 第三十五条中「及び原子炉設置者」を「、原子炉設置者及び外国原子力船運航者」に改める。

 第三十六条中「又は原子炉設置者」を「、原子炉設置者又は外国原子力船運航者」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (原子力船の入港の届出等)

第三十六条の二 原子炉設置者(原子炉を船舶に設置した者に限る。以下この条において同じ。)及び外国原子力船運航者は、原子力船を本邦の港に立ち入らせようとするときは、総理府令で定めるところにより、あらかじめ内閣総理大臣に届け出なければならない。

2 内閣総理大臣は、前項の規定による届出があつた場合において、必要があると認めるときは、運輸大臣に対し、総理府令で定めるところにより、原子炉設置者又は外国原子力船運航者が核燃料物質、核燃料物質によつて汚染された物又は原子炉による災害を防止するために講ずべき措置に係る事項を通知するものとする。

3 運輸大臣は、前項の通知があつた場合においては、原子炉設置者又は外国原子力船運航者に対し、核燃料物質、核燃料物質によつて汚染された物又は原子炉による災害を防止するために必要な措置を講ずべきことを命ずるとともに、海上保安庁長官を通じ、第一項の届出に係る港の港長(港則法第三条第二項に規定する特定港以外の港にあつては、同法第三十七条の三の規定により港長の権限を行なう管区海上保安本部の事務所の長)に対し、当該原子力船の航行に関し必要な規制をすべきことを指示するものとする。

 第三十九条第一項中「原子炉を設置した船舶」を「原子力船」に改め、同条第二項中「船舶で原子炉を設置したもの」を「原子力船」に改め、同条第五項中「原子炉を設置した船舶」を「原子力船」に改める。

 第五十二条第一項第三号中「及び原子炉設置者」を「、原子炉設置者及び外国原子力船運航者」に改める。

 第六十三条及び第六十四条第一項中「原子炉設置者」の下に「、外国原子力船運航者」を加える。

 第六十五条第一項中「原子炉設置者が」を「原子炉設置者若しくは外国原子力船運航者が」に改め、「原子炉設置者、」の下に「外国原子力船運航者、」を加え、同条第二項中「第二十三条第一項」の下に「、第二十三条の二第一項」を加える。

 第六十六条第一項中「原子炉設置者」の下に「、外国原子力船運航者」を加える。

 第六十七条中「主務大臣」の下に「又は運輸大臣」を、「この法律」の下に「(運輸大臣にあつては、第三十六条の二第三項の規定)」を、「原子炉設置者」の下に「、外国原子力船運航者」を加える。

 第六十八条第一項中「主務大臣」の下に「又は運輸大臣」を、「この法律」の下に「(運輸大臣にあつては、第三十六条の二第三項の規定)」を、「原子炉設置者」の下に「、外国原子力船運航者」を加え、「原子炉を船舶に設置する場合」を「船舶に設置する原子炉に係る場合」に改める。

 第七十条中「主務大臣」の下に「、運輸大臣」を加える。

 第七十一条第一項中「第二十三条第一項」の下に「、第二十三条の二第一項」を、「第二十六条第一項」の下に「、第二十六条の二第一項」を加え、同条第二項中「原子炉設置者」の下に「若しくは外国原子力船運航者」を、「、第二十三条第一項」の下に「、第二十三条の二第一項」を加え、「原子炉を船舶に設置する場合」を「船舶に設置する原子炉に係る場合」に改め、同条第四項中「第二十六条第二項若しくは第三項」の下に「、第二十六条の二第二項」を、「第三十二条第二項」の下に「、第三十六条の二第一項」を加える。

 第七十二条及び第七十五条第二号中「第二十三条第一項」の下に「、第二十三条の二第一項」を、「第二十六条第一項」の下に「、第二十六条の二第一項」を加える。

 第七十七条第四号の次に次の一号を加える。

 四の二 第二十三条の二第一項の許可を受けないで同項の保持をした者

 第七十八条第三号の次に次の一号を加える。

 三の二 第二十六条の二第一項の許可を受けないで同項の変更又は保持をした者

 第七十九条第三号の次に次の一号を加える。

 三の二 第三十六条の二第一項の規定による届出をしないで原子力船を港に立ち入らせ、又は同条第三項の規定による命令に違反した者

 第八十三条中「第二十六条第二項若しくは第三項」の下に「、第二十六条の二第二項」を加える。

   附 則

1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

2 港則法の一部を次のように改正する。

  第十二条中「以下単に航路という」を「以下第三十七条までにおいて単に「航路」という」に改める。

 第三十七条の二中「、第三十六条の三及び第三十七条」を「及び第三十六条の三から前条まで」に改め、第七章中同条を第三十七条の三とし、第三十七条の次に次の一条を加える。

 (原子力船に対する規制)

第三十七条の二 港長は、核原料物質、核然料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第三十六条の二第三項の規定による運輸大臣の指示があつたとき、又は核燃料物質(使用済燃料を含む。以下同じ。)、核燃料物質によつて汚染された物(原子核分裂生成物を含む。)若しくは原子炉による災害を防止するため必要があると認めるときは、特定港内又は特定港の境界附近にある原子力船に対し、航路若しくは停泊し、若しくは停留する場所を指定し、航法を指示し、移動を制限し、又は特定港内若しくは特定港の境界附近から退去することを命ずることができる。

2 第二十一条第一項の規定は、原子力船が特定港に入港しようとする場合に準用する。

 第三十八条を次のように改める。

第三十八条 左の場合にはその行為をした者は、これを六箇月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

 一 第二十二条、第二十三条第一項若しくは第四項又は第三十七条の二第二項(第三十七条の三の規定により準用する場合を含む。)の規定により準用する第二十一条第一項の規定に違反したとき。

 二 第三十七条の二第一項(第三十七条の三の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分に違反したとき。

 第三十九条第三号及び第四号、第四十一条、第四十一条の二並びに第四十三条第一号中「第三十七条の二」を「第三十七条の三」に改める。

(内閣総理・法務・運輸大臣署名) 

 

 

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