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法律第百号(昭四一・六・三〇)

  ◎住宅建設計画法

 (目的)

第一条 この法律は、住宅の建設に関し、総合的な計画を策定することにより、その適切な実施を図り、もつて国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする。

 (国及び地方公共団体の責務)

第二条 国及び地方公共団体は、住宅の需要及び供給に関する長期見通しに即し、かつ、住宅事情の実態に応じて、住宅に関する施策を講ずるように努めなければならない。

 (定義)

第三条 この法律において「公的資金による住宅」とは、次の各号に掲げる住宅をいう。

 一 公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)による公営住宅(以下「公営住宅」という。)

 二 住宅地区改良法(昭和三十五年法律第八十四号)による改良住宅

 三 住宅金融公庫が融通する資金によつて建設され、若しくは購入され、又は改良される住宅

 四 日本住宅公団がその業務として賃貸し、又は譲渡する住宅

 五 前各号に定めるもののほか、国、政府関係機関若しくは地方公共団体が建設する住宅又は国若しくは地方公共団体の補助金、貸付金等の財政援助に係る住宅

 (住宅建設五箇年計画)

第四条 建設大臣は、住宅対策審議会の意見をきいて、国民の住生活が適正な水準に安定するまでの間、昭和四十一年度以降の毎五箇年を各一期として、当該期間中の住宅の建設に関する計画(以下「住宅建設五箇年計画」という。)の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

2 住宅建設五箇年計画には、五箇年間における住宅の建設の目標を定めなければならない。この場合において、公的資金による住宅については、その建設の事業の量を明らかにしなければならない。

3 前項の目標を定めるに当たつては、住宅の需要及び入居者の負担能力を考慮し、かつ、適切な規模、構造及び設備を有する居住環境の良好な住宅が建設されるように配慮しなければならない。

4 建設大臣は、住宅建設五箇年計画の案を作成するに当たつては、都道府県知事が、建設省令で定めるところにより、市町村長の意見をきいて作成し、建設大臣に提出した資料を参酌しなければならない。

5 建設大臣は、住宅建設五箇年計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ関係行政機関の長に協議しなければならない。

6 建設大臣は、第一項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、住宅建設五箇年計画を都道府県に通知しなければならない。

7 前各項の規定は、住宅建設五箇年計画を変更しようとする場合に準用する。

 (地方住宅建設五箇年計画等)

第五条 建設大臣は、前条第一項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、住宅建設五箇年計画に基づいて、住宅対策審議会の意見をきき、政令で定める地方ごとの住宅建設五箇年計画(以下「地方住宅建設五箇年計画」という。)を作成するものとする。

2 前条第二項及び第三項の規定は、地方住宅建設五箇年計画について準用する。

3 建設大臣は、地方住宅建設五箇年計画を作成しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県の意見をきかなければならない。

4 建設大臣は、地方住宅建設五箇年計画を作成したときは、遅滞なく、これを関係都道府県に通知しなければならない。

5 前各項の規定は、地方住宅建設五箇年計画を変更しようとする場合に準用する。

6 建設大臣は、地方住宅建設五箇年計画を作成したときは、遅滞なく、地方住宅建設五箇年計画に基づいて、関係都道府県の意見をきき、都道府県の区域ごとの五箇年間における公営住宅の建設の事業の量(以下「都道府県公営住宅建設事業量」という。)を定め、これを当該都道府県に通知しなければならない。

7 建設大臣は、都道府県公営住宅建設事業量を定めようとするときは、公営住宅法第二条第四号に規定する第二種公営住宅(同法第八条の規定によるものを除く。)に係る部分については、あらかじめ厚生大臣に協議しなければならない。

8 前二項の規定は、都道府県公営住宅建設事業量を変更しようとする場合に準用する。

 (都道府県住宅建設五箇年計画)

第六条 都道府県は、前条第四項及び第六項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、市町村と協議の上、地方住宅建設五箇年計画に即して当該都道府県の住宅建設五箇年計画(以下「都道府県住宅建設五箇年計画」という。)を作成するものとする。

2 都道府県住宅建設五箇年計画には、五箇年間における住宅の建設の目標を定めなければならない。この場合において、公営住宅その他地方公共団体が建設する住宅及び地方公共団体の補助金、貸付金等の財政援助に係る住宅については、その建設の事業の量を明らかにしなければならない。

3 第四条第三項の規定は、都道府県住宅建設五箇年計画について準用する。

4 都道府県住宅建設五箇年計画のうち、公営住宅に係る部分については、都道府県公営住宅建設事業量によらなければならない。

5 都道府県住宅建設五箇年計画は、当該都道府県が作成した総合的な開発に関する計画との調整について十分配慮されなければならない。

6 都道府県は、都道府県住宅建設五箇年計画を作成したときは、これを建設大臣に報告しなければならない。

7 前各項の規定は、都道府県住宅建設五箇年計画を変更しようとする場合に準用する。

 (住宅建設五箇年計画等の実施)

第七条 国は、住宅建設五箇年計画に係る公的資金による住宅の建設の事業の実施のために必要な措置を講ずるとともに、住宅建設五箇年計画を達成するために必要なその他の措置を講ずるように努めなければならない。

2 地方公共団体は、都道府県住宅建設五箇年計画に係る前条第二項後段の住宅の建設の事業の実施のために必要な措置を講ずるとともに、都道府県住宅建設五箇年計画を達成するために必要なその他の措置を講ずるように努めなければならない。

第八条 関係行政機関は、住宅建設五箇年計画の実施に関連して必要となる公共施設及び公益的施設の整備に関し、相互に十分な協力をしなければならない。

 (住宅の建設基準)

第九条 国は、住宅建設五箇年計画に定められた住宅の建設の目標に即して必要な住宅の建設基準を定め、これに基づいて住宅の建設又は住宅の建設に関する指導を行なうように努めなければならない。

2 地方公共団体は、前項の建設基準に基づいて住宅の建設又は住宅の建設に関する指導を行なうように努めなければならない。

 (資料の提出等)

第十条 建設大臣は、住宅建設五箇年計画又は地方住宅建設五箇年計画の作成又は実施のために必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、必要な資料の提出を求め、又はその所管に係る公的資金による住宅の建設基準、助成条件その他当該住宅の供給に関し意見を述べることができる。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (公営住宅法の一部改正)

2 公営住宅法の一部を次のように改正する。

  第六条を次のように改める。

  (公営住宅の計画的な建設)

 第六条 公営住宅の建設は、住宅建設計画法(昭和四十一年法律第百号)第六条第一項に規定する都道府県住宅建設五箇年計画(次条において、単に「都道府県住宅建設五箇年計画」という。)に基づいて行なわなければならない。

  第七条第一項、第二項及び第四項中「公営住宅建設三箇年計画」を「都道府県住宅建設五箇年計画」に改める。

  第三十条中第一号を削り、第二号を第一号とし、第三号から第六号までを一号ずつ繰り上げる。

3 昭和四十一年度における公営住宅の建設については、改正前の公営住宅法第六条第四項に規定する各都道府県の区域ごとの公営住宅建設三箇年計画は、当該都道府県に係る第六条第一項に規定する都道府県住宅建設五箇年計画が作成されるまでの間は、なおその効力を有するものとし、改正後の公営住宅法の適用については、当該都道府県に係る第六条第一項に規定する都道府県住宅建設五箇年計画とみなす。

 (建設省設置法の一部改正)

4 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。

  第三条第二十二号の六の次に次の一号を加える。

  二十二の七 住宅建設計画法(昭和四十一年法律第百号)の施行に関する事務を管理すること。

  第四条第七項中「第二十二号の四」の下に「、第二十二号の七」を加える。

  第十条第一項の表住宅対策審議会の項中「建議する」を「建議し、その他住宅建設計画法に基づく権限を行なう」に改める。

(内閣総理・大蔵・厚生・建設・自治大臣署名) 

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