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法律第二十四号(昭五八・四・二六)

  ◎漁船損害等補償法の一部を改正する法律

 漁船損害等補償法(昭和二十七年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第四節 漁船乗組船主保険(第百二十二条―第百二十六条)」を

第四節 漁船乗組船主保険(第百二十二条―第百二十六条)

 
 

第五節 漁船積荷保険(第百二十六条の二―第百二十六条の六)

に改める。

 第一条中「防止する」を「防止し、並びに漁船に積載した漁獲物等につき不慮の事故による損害を補てんする」に改める。

 第二条第一号中「及び漁船乗組船主保険事業」を「、漁船乗組船主保険事業及び漁船積荷保険事業」に改め、同条第三号中「及び前号の」を「、前号の」に改め、「に係る再保険事業」の下に「及び漁船積荷保険再保険事業」を加える。

 第三条に次の一項を加える。

7 この法律において「漁船積荷保険」とは、漁船に積載した漁獲物その他の省令で定める物(以下「漁船積荷」という。)を保険の目的として、滅失、流失、損傷その他の事故(戦乱等によるものを除く。以下「漁船積荷保険事故」という。)により生じた損害をてん補する相互保険であつて、この法律により行うものをいう。

 第二十一条第一項第七号中「及び漁船乗組船主保険」を「、漁船乗組船主保険及び漁船積荷保険」に改める。

 第九十四条、第九十五条第一項及び第九十六条中「又は漁船乗組船主保険」を「、漁船乗組船主保険又は漁船積荷保険」に改める。

 第九十七条中「又は漁船船主責任保険」を「漁船船主責任保険」に改め、「に伴つて事故が発生したとき」の下に「、又は漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷につき事故が発生したとき」を加える。

 第九十八条第一項中「種類等」の下に「(漁船積荷保険にあつては、当該漁船に積載した漁船積荷の管理方法等を含む。)」を加え、同条第二項中「、その構造」を「その構造」に改め、「増加する場合」の下に「又は当該漁船に積載した漁船積荷の危険がその管理方法等の重大な変更により著しく増加する場合」を加える。

 第九十九条の見出し中「漁船」を「漁船等」に改め、同条中「漁船」の下に「又は当該漁船に積載した漁船積荷の管理方法等」を加える。

 第百条第三号中「又は漁船船主責任保険」を「、漁船船主責任保険又は漁船積荷保険」に、「又はその運航」を「若しくはその運航又は保険の目的たる漁船積荷」に改める。

 第百三条中「並びに漁船乗組船主保険事業」を「、漁船乗組船主保険事業並びに漁船積荷保険事業」に改める。

 第百十三条の十一第二項中「組合が当該満期保険の保険関係に基づき損害をてん補する責任」を「当該満期保険の各保険料期間」に改める。

 第三章に次の一節を加える。

    第五節 漁船積荷保険

 (被保険者たる資格)

第百二十六条の二 漁船積荷保険の被保険者たる資格を有する者は、漁船積荷の所有者とする。

 (組合のてん補責任)

第百二十六条の三 組合は、漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷につき、漁船積荷保険事故によつて生じた損害をてん補する。

2 前項の規定によりてん補すべき損害の範囲に関して必要な事項は、省令で定める。

 (保険関係の消滅)

第百二十六条の四 漁船積荷保険の保険関係は、当該漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷を積載した漁船を保険の目的とする普通保険の保険関係が消滅したときは、消滅する。ただし、当該普通保険の保険関係の当事者たる組合及び組合員の間に当該漁船につき当該普通保険の保険期間の終了日の翌日を保険期間の開始日とする普通保険の保険関係が成立したときは、この限りでない。

2 前項の場合には、第百二十条第三項の規定を準用する。

 (委付の原因)

第百二十六条の五 次の場合には、被保険者は、漁船積荷保険の保険の目的たる漁船積荷を組合に委付して保険金の支払を請求することができる。

 一 漁船積荷を積載した漁船が沈没したとき。

 二 漁船積荷を積載した漁船の行方が知れなくなつたとき。

 三 漁船積荷を積載した漁船が修繕することができなくなつたとき(漁船積荷が漁獲物その他の省令で定める物であるときは、当該漁船積荷を陸揚予定港に運搬することができなくなつたときに限る。)。

2 前項第三号の規定に該当する場合については、省令で定める。

 (準用規定)

第百二十六条の六 組合の漁船積荷保険については、第百十一条の四、第百十三条第三項及び第四項、第百十三条の四、第百十三条の五、第百十三条の七、第百十五条第一項、第百十六条並びに第百十七条並びに商法第六百四十七条、第六百四十八条、第六百五十二条、第六百五十九条、第六百六十一条から第六百六十三条まで(損害保険の総則)、第八百三十四条第一項、第八百三十六条第一項及び第二項、第八百三十七条第一項及び第二項並びに第八百三十八条から第八百四十一条まで(保険委付)の規定を準用する。この場合において、第百十三条第三項中「その組合員」とあるのは「その組合員及びその組合員」と、「漁船」とあるのは「漁船(第五項に規定するものを除く。)に積載した漁船積荷」と、「普通保険」とあるのは「漁船積荷保険」と、同条第四項中「前三項」とあるのは「第百二十六条の六において準用する前項」と、第百十三条の四第一号中「普通損害保険」とあるのは「漁船積荷保険」と、「目的たる漁船」とあるのは「目的たる漁船積荷」と、「漁船につき」とあるのは「漁船積荷につき」と、同条第二号中「普通損害保険」とあるのは「漁船積荷保険」と、「(満期保険の満期前の普通損害保険事故により保険金を支払う保険の部分を含む。以下この号及び第百三十八条の十五第一項各号において同じ。)に係る危険率」とあるのは「に係る危険率」と、同条第三号中「普通損害保険」とあるのは「漁船積荷保険」と、「定まる当該組合の」とあるのは「定まる」と、第百十三条の五中「普通損害保険にあつては一年とし、特殊保険にあつては四箇月」とあるのは「一年」と、第百十五条第一項中「漁船」とあるのは「漁船に積載した漁船積荷」と、「漁船船主責任保険」とあるのは「漁船積荷保険」と、商法第六百六十三条中「保険料支払ノ義務」とあるのは「保険料支払ノ義務及ビ追徴金支払ノ義務」と、同法第八百三十四条第一項中「六ケ月間」とあるのは「省命ヲ以テ定ムル期間」と、同法第八百三十六条第一項中「三ケ月内」とあるのは「省令ヲ以テ定ムル期間内」と、同条第二項中「第八百三十三条第一号、第三号及ビ第四号」とあるのは「漁船損害等補償法第百二十六条の五第一項第一号及ビ第三号」と読み替えるものとする。

 第百三十八条の十二中「漁船保険事業」の下に「及び漁船積荷保険事業」を加え、「及び」を「並びに」に改める。

 第百三十八条の十三第一項中「漁船保険」の下に「又は漁船積荷保険」を加える。

 第百三十八条の十四第一項中「及び特殊保険」を「、特殊保険及び漁船積荷保険」に改める。

 第百三十八条の十五第二項中「組合が当該満期保険の保険関係に基づき損害をてん補する責任」を「当該満期保険の各保険料期間」に改め、同条に次の一項を加える。

5 漁船積荷保険に係る再保険料率は、政府の再保険責任に係る危険に対応するものとして農林水産大臣の定めるところにより算定される率とする。

 第百三十八条の十六第一項中「第百十三条の十六第三項」の下に「及び第百二十六条の六」を加え、「又は第百十三条の十六第一項若しくは第二項」を「、第百十三条の十六第一項若しくは第二項又は第百二十六条の四第二項において準用する第百二十条第三項」に改める。

 第百三十八条の十八第一号中「又は特殊保険」を「、特殊保険又は漁船積荷保険」に改める。

 第百三十八条の十九第一項中「漁船保険」の下に「若しくは漁船積荷保険」を加え、同条第二項中「漁船保険」の下に「又は漁船積荷保険」を加える。

 第百三十八条の二十第四項中「第百十一条の六」の下に「及び第百二十六条の六」を加える。

 第百三十九条第一項第二号中「上欄」を「第一欄」に、「中欄」を「第二欄」に改め、同条第二項第一号中「による損害」の下に「(対象漁船の価額を超える部分を除く。)」を加え、「上欄」を「第一欄」に、「中欄」を「第二欄」に改め、同項第二号中「上欄」を「第一欄」に、「下欄」を「第三欄」に改め、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 国庫は、対象漁船に積載した漁船積荷を保険の目的とする漁船積荷保険について、組合員が支払うべき当該保険の純保険料のうち、当該純保険料に、別表の第一欄に揚げる区分に従い、それぞれ同表の第四欄に掲げる割合を乗じて得た額に相当する額を負担する。

 第百三十九条の二第一項中「又は漁船船主責任保険」を「、漁船船主責任保険又は漁船積荷保険」に改め、同条第二項中「前条第三項」を「前条第四項」に改める。

 第百四十条第一項中「及び第二項並びに」を「から第三項まで及び」に改める。

 第百四十一条第一項中「第百二十一条」の下に「及び第百二十六条の六」を加える。

 附則第五項中「漁船船主責任保険事業」の下に「及び漁船積荷保険事業」を加え、「補完再保険事業」を「漁船船主責任保険補完再保険事業」に改め、「という。)」の下に「及び組合が漁船積荷保険によつて被保険者に対して負う保険責任のうち漁船積荷保険再保険事業によつては再保険されない部分を再保険する事業(以下「漁船積荷保険補完再保険事業」という。)」を加え、附則第六項中「補完再保険事業」を「漁船船主責任保険補完再保険事業又は漁船積荷保険補完再保険事業」に、「特別の」を「それぞれ特別の」に改め、附則第七項及び第八項中「補完再保険事業」を「漁船船主責任保険補完再保険事業又は漁船積荷保険補完再保険事業」に改める。

 別表中

百分の三十五

 
 

百分の三十五

 
 

百分の三十

 
 

百分の二十

 
 

百分の十五

百分の三十五

百分の二十

 
 

百分の三十五

百分の二十

 
 

百分の三十

百分の二十

 
 

百分の二十

百分の十五

 
 

百分の十五

百分の十

に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、昭和五十八年十月一日から施行する。ただし、次条、附則第三条及び附則第五条第一項の規定は、公布の日から施行する。

 (漁船積荷保険臨時措置法の失効)

第二条 漁船積荷保険臨時措置法(昭和四十八年法律第五十六号。以下「臨時措置法」という。)は、昭和五十八年九月三十日限り、その効力を失う。

 (漁船積荷保険臨時措置法の失効に伴う経過措置)

第三条 臨時措置法の失効の際現に存する臨時措置法に基づく漁船積荷保険の保険契約並びに当該保険契約に係る保険事業、再保険契約及び再保険事業については、臨時措置法の失効後も、なお従前の例による。

2 失効前の臨時措置法第十七条の規定により区分して経理された漁船保険中央会の漁船積荷保険に係る再保険事業に関する権利義務は、改正後の漁船損害等補償法(以下「新法」という。)附則第六項の規定により漁船積荷保険補完再保険事業に係る経理についての特別の勘定が設けられたときは、当該特別の勘定に帰属するものとする。

3 漁船保険中央会は、前項の規定により同項に規定する権利義務が特別の勘定に帰属したときは、第一項の規定にかかわらず、失効前の臨時措置法の規定に基づく漁船積荷保険に係る再保険事業に係る経理については、前項の規定により当該権利義務が帰属した特別の勘定において整理しなければならない。

 (満期保険に関する経過措置)

第四条 新法第百十三条の十一第二項及び第百三十八条の十五第二項の規定は、その保険期間の開始日がこの法律の施行の日以後の日である満期保険の保険契約について適用し、その保険期間の開始日がこの法律の施行の日前の日である満期保険の保険契約については、なお従前の例による。ただし、当該保険契約について新法第百十三条の十一第二項の規定の適用を受けたい旨保険契約者から申出があつたときは、当該申出に係る保険契約については、当該申出のあつた日を含む保険料期間の次の保険料期間から、同項及び第百三十八条の十五第二項の規定を適用する。

 (罰則に関する経過措置)

第五条 臨時措置法の失効前にした臨時措置法に違反する行為及び附則第三条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる保険事業又は再保険事業に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

2 前項に規定するもののほか、この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (漁船再保険及漁業共済保険特別会計法の一部改正)

第六条 漁船再保険及漁業共済保険特別会計法(昭和十二年法律第二十四号)の一部を次のように改正する。

  第三条中「及漁船船主責任保険再保険事業」を「、漁船船主責任保険再保険事業及漁船積荷保険」に、「第百三十九条第三項」を「第百三十九条第四項」に改める。

2 改正後の漁船再保険及漁業共済保険特別会計法の規定は、昭和五十八年度の予算から適用する。

 (漁船乗組員給与保険法の一部改正)

第七条 漁船乗組員給与保険法(昭和二十七年法律第二百十二号)の一部を次のように改正する。

  第三十五条中「漁船保険」を「漁船保険又は漁船積荷保険」に改める。

 (所得税法の一部改正)

第八条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号中「漁船損害補償法」を「漁船損害等補償法」に改める。

 (法人税法の一部改正)

第九条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  別表第二第一号中「漁船損害補償法」を「漁船損害等補償法」に改める。

 (農林水産省設置法の一部改正)

第十条 農林水産省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。

  第四条第六十六号中「漁船船主責任保険再保険事業」の下に「、漁船積荷保険」を加える。

 (大蔵・農林水産・内閣総理大臣署名) 

 

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