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法律第三十八号(平二・六・二二)

  ◎水質汚濁防止法等の一部を改正する法律

 (水質汚濁防止法の一部改正)

第一条 水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第二章 排出水の排出の規制等(第三条―第十四条の二)」を

第二章 排出水の排出の規制等(第三条―第十四条の二)

 
 

第二章の二 生活排水対策の推進(第十四条の三―第十四条の九)

 に改める。

  第一条中「規制すること等によつて」を「規制するとともに、生活排水対策の実施を推進すること等によつて、」に改める。

  第二条第五項中「特定施設(」を「特定施設(指定地域特定施設を除く。」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項中「特定施設」の下に「(指定地域特定施設を含む。以下同じ。)」を加え、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

 3 この法律において「指定地域特定施設」とは、第四条の二第一項に規定する指定水域の水質にとつて前項第二号に規定する程度の汚水又は廃液を排出する施設として政令で定める施設で同条第一項に規定する指定地域に設置されるものをいう。

  第二条に次の一項を加える。

 7 この法律において「生活排水」とは、炊事、洗濯、入浴等人の生活に伴い公共用水域に排出される水(排出水を除く。)をいう。

  第三条第二項中「同項第二号」を「前条第二項第二号」に改める。

  第四条の二第一項中「次項において」を「以下」に改める。

  第六条第一項中「一の施設が特定施設」の下に「(指定地域特定施設を除く。以下この項において同じ。)」を加え、同項に後段として次のように加える。

   この場合において、当該施設につき既に指定地域特定施設についての前条第一項又は次項(瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和四十八年法律第百十号)第十二条の二の規定又は湖沼水質保全特別措置法(昭和五十九年法律第六十一号)第十四条の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)の規定による届出がされているときは、当該届出をした者は、当該施設につきこの項の規定による届出をしたものとみなす。

  第六条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 一の施設が指定地域特定施設となつた際現に指定地域においてその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。以下この項において同じ。)又は一の地域が指定地域となつた際現にその地域において指定地域特定施設を設置している者であつて、排出水を排出するものは、当該施設が指定地域特定施設となつた日又は当該地域が指定地域となつた日から三十日以内に、総理府令で定めるところにより、前条第一項各号に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。この場合において、当該施設につき既に湖沼水質保全特別措置法第十四条の規定により指定地域特定施設とみなされる施設についての同条の規定により適用される前条第一項又はこの項の規定による届出がされているときは、当該届出をした者は、当該施設につきこの項の規定による届出をしたものとみなす。

  第十条及び第十一条第一項から第三項までの規定中「第六条第一項」の下に「若しくは第二項」を加える。

  第十二条第二項中「一の施設が特定施設」の下に「(指定地域特定施設を除く。以下この項において同じ。)」を加え、同条に次の一項を加える。

 3 第一項の規定は、一の施設が指定地域特定施設となつた際現に指定地域においてその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。以下この項において同じ。)又は一の地域が指定地域となつた際現にその地域において指定地域特定施設を設置している者の当該施設を設置している工場又は事業場から排出される水については、当該施設が指定地域特定施設となつた日又は当該地域が指定地域となつた日から一年間(当該施設が政令で定める施設である場合にあつては、三年間)は、適用しない。ただし、当該施設が指定地域特定施設となつた際既に当該工場又は事業場が特定事業場であるとき、及びその者に適用されている地方公共団体の条例の規定で第一項の規定に相当するものがあるとき(当該規定の違反行為に対する処罰規定がないときを除く。)は、この限りでない。

  第十三条第二項中「第十二条第二項」の下に「及び第三項」を加え、同条第四項中「第二条第二項」の下に「若しくは第三項」を加える。

  第十三条の二第一項中「定めて特定施設」の下に「(指定地域特定施設を除く。以下この条において同じ。)」を加える。

  第二章の次に次の一章を加える。

    第二章の二 生活排水対策の推進

  (国及び地方公共団体の責務)

 第十四条の三 市町村(特別区を含む。以下この章において同じ。)は、生活排水の排出による公共用水域の水質の汚濁の防止を図るための必要な対策(以下「生活排水対策」という。)として、公共用水域の水質に対する生活排水による汚濁の負荷を低減するために必要な施設(以下「生活排水処理施設」という。)の整備、生活排水対策の啓発に携わる指導員の育成その他の生活排水対策に係る施策の実施に努めなければならない。

 2 都道府県は、生活排水対策に係る広域にわたる施策の実施及び市町村が行う生活排水対策に係る施策の総合調整に努めなければならない。

 3 国は、生活排水の排出による公共用水域の水質の汚濁に関する知識の普及を図るとともに、地方公共団体が行う生活排水対策に係る施策を推進するために必要な技術上及び財政上の援助に努めなければならない。

  (国民の責務)

 第十四条の四 何人も、公共用水域の水質の保全を図るため、調理くず、廃食用油等の処理、洗剤の使用等を適正に行うよう心がけるとともに、国又は地方公共団体による生活排水対策の実施に協力しなければならない。

  (生活排水を排出する者の努力)

 第十四条の五 生活排水を排出する者は、下水道法その他の法律の規定に基づき生活排水の処理に係る措置を採るべきこととされている場合を除き、公共用水域の水質に対する生活排水による汚濁の負荷の低減に資する設備の整備に努めなければならない。

  (生活排水対策重点地域の指定等)

 第十四条の六 都道府県知事は、次に掲げる公共用水域において生活排水の排出による当該公共用水域の水質の汚濁を防止するために生活排水対策の実施を推進することが特に必要であると認めるときは、当該公共用水域の水質の汚濁に関係がある当該都道府県の区域内に生活排水対策重点地域を指定しなければならない。

  一 水質環境基準が現に確保されておらず、又は確保されないこととなるおそれが著しい公共用水域

  二 前号に掲げるもののほか、自然的及び社会的条件に照らし、水質の保全を図ることが特に重要な公共用水域であつて水質の汚濁が進行し、又は進行することとなるおそれが著しいもの

 2 都道府県知事は、生活排水対策重点地域を指定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村長の意見を聴かなければならない。

 3 生活排水対策重点地域の指定をしようとする地域に係る公共用水域が他の都府県の区域にわたる場合においては、都府県知事は、その指定をしようとする旨を当該他の都府県の都府県知事に通知しなければならない。

 4 都道府県知事は、生活排水対策重点地域の指定をしたときは、その旨を公表するとともに、当該生活排水対策重点地域をその区域に含む市町村(以下「生活排水対策推進市町村」という。)に通知しなければならない。

 5 前三項の規定は、生活排水対策重点地域の変更について準用する。

  (生活排水対策推進計画の策定等)

 第十四条の七 生活排水対策推進市町村は、生活排水対策重点地域における生活排水対策の実施を推進するための計画(以下「生活排水対策推進計画」という。)を定めなければならない。

 2 生活排水対策推進計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 生活排水対策の実施の推進に関する基本的方針

  二 生活排水処理施設の整備に関する事項

  三 生活排水対策に係る啓発に関する事項

  四 その他生活排水対策の実施の推進に関し必要な事項

 3 生活排水対策推進市町村が生活排水対策推進計画を定めようとするときは、当該生活排水対策重点地域内の他の生活排水対策推進市町村と連携を図らなければならない。

 4 生活排水対策推進市町村は、生活排水対策推進計画を定めようとするときは、あらかじめ、その生活排水対策重点地域を指定した都道府県知事に通知しなければならない。

 5 前項の通知を受けた都道府県知事は、当該市町村に対し、生活排水対策の推進に関し助言をし、その推進に関し特に必要があると認める場合にあつては勧告をすることができる。

 6 生活排水対策推進市町村は、生活排水対策推進計画を定めたときは、その内容を公表しなければならない。

 7 第三項から前項までの規定は、生活排水対策推進計画の変更について準用する。

  (生活排水対策推進計画の推進)

 第十四条の八 生活排水対策推進市町村は、当該生活排水対策重点地域内の他の生活排水対策推進市町村と連携を図りながら、生活排水対策推進計画に定められた生活排水対策の実施の推進に関する基本的方針に従い、生活排水処理施設の整備、生活排水対策に係る啓発その他生活排水対策の実施に必要な措置を講ずるように努めなければならない。

  (指導等)

 第十四条の九 生活排水対策推進市町村の長は、生活排水対策推進計画を推進するために必要と認める場合には、その生活排水対策重点地域において生活排水を排出する者に対し、指導、助言及び勧告をすることができる。

  第二十八条第一項中「第二項」の下に「、第十四条の六第一項、第十四条の七第五項」を加える。

 (瀬戸内海環境保全特別措置法の一部改正)

第二条 瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和四十八年法律第百十号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第十二条の二」を「第十二条の三」に、「第十二条の三―第十二条の五」を「第十二条の四―第十二条の六」に、「第十二条の六」を「第十二条の七」に改める。

  第五条第一項中「排出される排出水(同条第三項に規定する排出水をいう。以下同じ。)」を「公共用水域に排出される水(以下「排出水」という。)」に改める。

  第七条第二項に後段として次のように加える。

   この場合において、当該施設につき既に第十二条の二又は湖沼水質保全特別措置法(昭和五十九年法律第六十一号)第十四条の規定により適用される水質汚濁防止法第五条第一項又は第六条第二項の規定による届出がされているときは、当該届出をした者は、当該施設につきこの項の規定による届出をしたものとみなす。

  第十二条第一項中「第二条第五項」を「第二条第六項」に改め、同条第二項中「第六条第二項」を「第六条第三項」に改める。

  第十二条の七を第十二条の八とし、第十二条の六を第十二条の七とし、第三章第二節中第十二条の五を第十二条の六とし、第十二条の四を第十二条の五とし、第十二条の三を第十二条の四とし、同章第一節中第十二条の二を第十二条の三とし、第十二条の次に次の一条を加える。

  (みなし指定地域特定施設に係る排出水の排出の規制等)

 第十二条の二 第五条第一項に規定する区域においては、第二条第一項に規定する瀬戸内海の水質にとつて水質汚濁防止法第二条第二項第二号に規定する程度の汚水又は廃液を排出する施設として政令で定める施設について、これを同条第三項に規定する指定地域特定施設とみなし、同法の規定を適用する。この場合において、同法第六条第二項及び第十二条第三項中「指定地域において」とあるのは「瀬戸内海環境保全特別措置法第五条第一項に規定する区域(以下この項において「特定区域」という。)において」と、「指定地域となつた」とあるのは「特定区域となつた」とする。

  第二十五条第二号中「第十二条の五」を「第十二条の六」に改める。

 (湖沼水質保全特別措置法の一部改正)

第三条 湖沼水質保全特別措置法(昭和五十九年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。

  第七条第一項中「当該特定施設」を「同法第二条第三項に規定する指定地域特定施設」に改める。

  第八条中「第五条」を「第五条第一項」に改める。

  第十一条第一項中「第五条」を「第五条第一項」に、「第五条第四号から第八号まで」を「第五条第一項第四号から第八号まで」に改める。

  第十四条の見出し中「みなし特定施設」を「みなし指定地域特定施設」に改め、同条中「同項に規定する特定施設」を「同条第三項に規定する指定地域特定施設」に改め、「(第五条第二項、第十二条の三及び第十三条の二を除く。)」を削り、同条後段を次のように改める。

   この場合において、同法第六条第二項及び第十二条第三項中「指定地域において」とあるのは「湖沼水質保全特別措置法第三条第二項の指定地域(以下この項において「特定地域」という。)において」と、「指定地域となつた」とあるのは「特定地域となつた」と、同法第六条第二項中「湖沼水質保全特別措置法第十四条の規定により指定地域特定施設とみなされる施設についての同条の規定により適用される前条第一項又はこの項」とあるのは「前条第一項又はこの項(瀬戸内海環境保全特別措置法第十二条の二の規定によりこれらの規定が適用される場合を含む。)」と、同法第十三条第四項中「第二条第二項若しくは第三項」とあるのは「湖沼水質保全特別措置法第十四条」と、「政令又は」とあるのは「政令若しくは」と、「改正」とあるのは「改正又は同法第三条第二項の指定地域の指定若しくはその変更」とする。

  第二十二条中「第五条」を「第五条第一項」に改める。

  第二十三条第六項中「第二条第三項中「特定施設」」を「第二条第四項中「特定施設(指定地域特定施設を含む。以下同じ。)」」に、「規定により特定施設」を「規定により指定地域特定施設」に、「第六条第二項」を「第六条第三項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に第三条の規定による改正前の湖沼水質保全特別措置法又は同法第十四条の規定により適用される改正前の水質汚濁防止法の規定により国の機関に対してされている届出又は国の機関がした命令その他の行為は、第三条の規定による改正後の湖沼水質保全特別措置法又は同法第十四条の規定により適用される改正後の水質汚濁防止法の相当規定に基づいて、相当する国の機関に対してされた届出又は相当する国の機関がした命令その他の行為とみなす。

2 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (地方税法の一部改正)

第三条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第五百八十六条第二項第二号ロ及び附則第十四条第二号中「当該特定施設」を「水質汚濁防止法第二条第三項に規定する指定地域特定施設」に改める。

 (特定工場における公害防止組織の整備に関する法律の一部改正)

第四条 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律(昭和四十六年法律第百七号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第二号ロ中「第二条第五項」を「第二条第六項」に改める。

(内閣総理・大蔵・厚生・農林水産・通商産業・運輸・自治大臣署名) 

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