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法律第九十号(平一四・七・一九)

  ◎離島振興法の一部を改正する法律

 離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「国土」を「我が国の領域、排他的経済水域等」に、「本土より隔絶せる特殊事情よりくる後進性を除去するための」を「産業基盤及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある状況を改善するとともに、離島の地理的及び自然的特性を生かした振興を図るため、地域における創意工夫を生かしつつ、その」に、「産業振興」を「産業振興等」に、「その経済力の培養」を「離島の自立的発展を促進し」に改め、「発展」の下に「及び国民の利益の増進」を加える。

 第三条及び第四条を次のように改める。

 (離島振興基本方針)

第三条 国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣は、離島振興対策実施地域の振興を図るため、離島振興基本方針を定めるものとする。

2 離島振興基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 離島の振興の意義及び方向に関する事項

 二 本土と離島及び離島と離島並びに離島内の交通通信を確保するための航路、航空路、港湾、空港、道路等の交通施設及び通信施設の整備その他の必要な措置に関する基本的な事項

 三 農林水産業、商工業等の産業の振興及び資源開発を促進するための漁港、林道、農地、電力施設等の整備その他の必要な措置に関する基本的な事項

 四 生活環境の整備(廃棄物の減量その他その適正な処理を含む。以下同じ。)に関する基本的な事項

 五 医療の確保等に関する基本的な事項

 六 高齢者の福祉その他の福祉の増進に関する基本的な事項

 七 教育及び文化の振興に関する基本的な事項

 八 観光の開発に関する基本的な事項

 九 国内及び国外の地域との交流の促進に関する基本的な事項

 十 水害、風害その他の災害を防除するために必要な国土保全施設等の整備に関する基本的な事項

 十一 前各号に掲げるもののほか、離島の振興に関する基本的な事項

3 国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣は、離島振興基本方針を定めようとするときは、関係行政機関の長に協議するとともに、国土審議会の意見を聴かなければならない。

4 国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣は、離島振興基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5 前二項の規定は、離島振興基本方針の変更について準用する。

 (離島振興計画)

第四条 第二条第一項の規定により離島振興対策実施地域の指定があつた場合においては、関係都道府県は、離島振興基本方針に基づき、当該地域について離島振興計画を定めなければならない。

2 離島振興計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 離島の振興の基本的方針に関する事項

 二 本土と離島及び離島と離島並びに離島内の交通通信を確保するための航路、航空路、港湾、空港、道路等の交通施設及び通信施設の整備その他の必要な措置に関する事項

 三 農林水産業、商工業等の産業の振興及び資源開発を促進するための漁港、林道、農地、電力施設等の整備その他の必要な措置に関する事項

 四 生活環境の整備に関する事項

 五 医療の確保等に関する事項

 六 高齢者の福祉その他の福祉の増進に関する事項

 七 教育及び文化の振興に関する事項

 八 観光の開発に関する事項

 九 国内及び国外の地域との交流の促進に関する事項

 十 水害、風害その他の災害を防除するために必要な国土保全施設等の整備に関する事項

 十一 前各号に掲げるもののほか、離島の振興に関し必要な事項

3 離島振興計画は、その地域について、国土総合開発法(昭和二十五年法律第二百五号)第七条の二第一項又は第十条第四項に基づく国土総合開発計画がある場合には、これと調和したものでなければならない。

4 都道府県は、離島振興対策実施地域について離島振興計画を定めようとするときは、あらかじめ、その全部又は一部の区域が当該地域である市町村に対し、当該市町村に係る離島振興計画の案を作成し、当該都道府県に提出するよう求めなければならない。この場合において、一の離島振興対策実施地域が二以上の市町村の区域にわたるときは、当該市町村は、共同して、離島振興計画の案を作成し、及び提出することができる。

5 前項の案の提出を受けた都道府県は、離島振興計画を定めるに当たつては、当該案の内容をできる限り反映させるよう努めるものとする。

6 都道府県は、離島振興計画を定めたときは、直ちに、これを国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣に提出するとともに、その内容を関係市町村に通知しなければならない。

7 国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣は、前項の規定により離島振興計画の提出があつた場合においては、直ちに、その内容を関係行政機関の長に通知しなければならない。この場合において、関係行政機関の長は、当該離島振興計画についてその意見を国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣に申し出ることができる。

8 国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣は、第六項の規定により提出された離島振興計画が離島振興基本方針に適合していないと認めるときは、当該都道府県に対し、これを変更すべきことを求めることができる。

9 国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣は、第六項の規定により提出された離島振興計画について前項の規定による措置を執る必要がないと認めるときは、その旨を当該都道府県に通知しなければならない。

10 第四項から前項までの規定は、離島振興計画の変更について準用する。

 第五条及び第六条を削る。

 第七条中「前条第一項の事業計画」を「離島振興計画」に、「基く」を「基づく」に、「の外」を「のほか、」に改め、同条を第五条とする。

 第八条中「第五条第一項の」を削り、同条を第六条とする。

 第九条第一項中「第五条第一項の」を削り、「の事業」を「に基づく事業のうち別表に掲げるもの」に、「港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第四十二条第一項及び第二項、同法第四十三条第一号から第三号まで、同法第五十二条第二項第一号、第二号、第五号及び第六号、漁港漁場整備法(昭和二十五年法律第百三十七号)第二十条第二項及び第三項、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第五十六条、空港整備法(昭和三十一年法律第八十号)第六条第一項、同法第八条第一項及び第四項、同法第九条第一項及び第三項、義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和三十三年法律第八十一号)第三条第一項、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第五十二条並びに消防施設強化促進法(昭和二十八年法律第八十七号)第四条第一項の規定(これらの法律に基づく命令の規定を含む。)」を「当該事業に関する法令の規定」に、「別表のとおり」を「同表に掲げる割合」に改め、同条第二項中「同項」を「同表」に改め、同条第六項を同条第七項とし、同条第五項中「第五条第一項の」を削り、同項を同条第六項とし、同条第四項中「第五条第一項の」を削り、同項を同条第五項とし、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 国は、第一項に規定する事業のほか、離島振興計画に基づく事業で政令で定めるものに要する経費については、地方公共団体その他の者に対して、予算の範囲内で、その全部又は一部を補助することができる。

 第九条を第七条とする。

 第十条中「第五条第一項の」を削り、同条を第八条とする。

 第十一条中「第五条第一項の」を削り、同条を第九条とする。

 第十二条の見出し中「確保」を「確保等」に改め、同条第一項中「都道府県知事」を「都道府県」に改め、「第五条第一項の」を削り、同項第五号中「協力体制」の下に「(救急医療用の機器を装備したヘリコプター等により患者を輸送し、かつ、患者の輸送中に医療を行う体制を含む。以下同じ。)」を加え、同条第二項中「都道府県知事」を「都道府県」に、「次の各号に」を「次に」に改め、同条第三項中「看護師」の下に「(以下「医師等」という。)」を加え、同条第六項中「第五条第一項の」を削り、同条に次の一項を加える。

7 国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域内の無医地区以外の地区において医療の提供に支障が生じている場合には、必要な医師等の確保、定期的な巡回診療、医療機関の協力体制の整備等により当該地区における医療の充実が図られるよう適切な配慮をするものとする。

 第十二条を第十条とし、第十三条を第十一条とし、第十四条を第十二条とする。

 第十五条中「向上」の下に「、産業の振興、医療及び教育の充実」を、「円滑化及び」の下に「高度情報通信ネットワークその他の」を加え、同条を第十三条とし、同条の次に次の一条を加える。

 (農林水産業の振興)

第十四条 国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域の特性に即した農林水産業の振興を図るため、生産基盤の強化、地域特産物の開発並びに流通及び消費の増進並びに観光業との連携の推進について適切な配慮をするものとする。

 第十六条を第十五条とし、第十七条を第十六条とし、同条の次に次の一条を加える。

 (地域間交流の促進)

第十七条 国及び地方公共団体は、離島には優れた自然の風景地が存すること、国外の地域と近接していること等の特性があることにかんがみ、国民の離島に対する理解と関心を深めるとともに、離島振興対策実施地域の活性化に資するため、離島振興対策実施地域と国内及び国外の地域との交流の促進について適切な配慮をするものとする。

 第二十一条を第二十二条とし、第二十条を第二十一条とする。

 第十九条中「製造の事業」の下に「、ソフトウェア業若しくは旅館業(下宿営業を除く。)」を加え、同条を第二十条とする。

 第十八条中「国は」の下に「、第一条の目的の達成に資するため」を加え、同条を第十九条とし、同条の前に次の一条を加える。

 (農地法等における配慮)

第十八条 国の行政機関の長又は都道府県は、離島振興対策実施地域における農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)、自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)その他の法律の規定の運用に当たつては、離島振興計画に基づく事業の円滑な実施が図られるよう適切な配慮をするものとする。

 附則第二項中「平成十五年三月三十一日」を「平成二十五年三月三十一日」に改め、附則第三項から第五項までを削り、附則第六項中「第九条第四項」を「第七条第五項」に改め、同項を附則第三項とし、附則第七項を附則第四項とし、附則第八項中「附則第六項」を「附則第三項」に改め、同項を附則第五項とし、附則第九項中「附則第六項」を「附則第三項」に、「第九条第四項」を「第七条第五項」に改め、同項を附則第六項とし、附則第十項中「附則第六項」を「附則第三項」に、「附則第七項及び第八項」を「附則第四項及び第五項」に改め、同項を附則第七項とする。

 別表中「第九条関係」を「第七条関係」に改め、同表(一)中「港湾法」の下に「(昭和二十五年法律第二百十八号)」を加え、同表(二)中「漁港漁場整備法」の下に「(昭和二十五年法律第百三十七号)」を加え、同表(三)中「道路法」の下に「(昭和二十七年法律第百八十号)」を加え、同表(四)中「空港整備法」の下に「(昭和三十一年法律第八十号)」を加え、同表(五)中「義務教育諸学校施設費国庫負担法」の下に「(昭和三十三年法律第八十一号)」を加え、同表(六)中「児童福祉法」の下に「(昭和二十二年法律第百六十四号)」を加え、同表(七)中「消防施設強化促進法」の下に「(昭和二十八年法律第八十七号)」を加える。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十五年四月一日から施行する。ただし、附則第二項の改正規定並びに次条及び附則第六条から第八条までの規定は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

第二条 国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣は、この法律の施行前において、この法律による改正後の離島振興法(以下「新法」という。)第三条第一項から第三項までの規定の例により、離島振興対策実施地域の振興を図るための基本方針を定めるものとする。

2 国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣は、前項の基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

3 第一項の規定により定められた基本方針は、この法律の施行の日において新法第三条第一項の規定により定められた離島振興基本方針とみなす。

第三条 この法律による改正前の離島振興法(以下「旧法」という。)第五条第一項の離島振興計画に基づく事業に係る国の負担又は補助のうち、平成十四年度以前の年度の歳出予算に係るもので平成十五年度以降の年度に繰り越されたものについては、旧法第九条(別表を含む。)及び第十二条の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。

第四条 新法附則第四項から第七項までの規定は、国がこの法律の施行前に貸し付けた旧法附則第六項の貸付金についても、新法附則第三項の貸付金とみなして適用する。

 (災害対策基本法の一部改正)

第五条 災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)の一部を次のように改正する。

  第四十一条第三号中「第三条第一項」を「第四条第一項」に改める。

 (総務省設置法の一部改正)

第六条 総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。

  附則第二条第二項の表平成十五年三月三十一日の項を削り、同表に次のように加える。

平成二十五年三月三十一日

離島振興対策実施地域(離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)第二条第一項に規定する離島振興対策実施地域をいう。)の振興に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。

 (農林水産省設置法の一部改正)

第七条 農林水産省設置法(平成十一年法律第九十八号)の一部を次のように改正する。

  附則第三項の表平成十五年三月三十一日の項を削り、同表に次のように加える。

平成二十五年三月三十一日

離島振興対策実施地域(離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)第二条第一項の離島振興対策実施地域をいう。)の振興に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。

 (国土交通省設置法の一部改正)

第八条 国土交通省設置法(平成十一年法律第百号)の一部を次のように改正する。

  附則第二条第一項の表平成十五年三月三十一日の項を削り、同表に次のように加える。

平成二十五年三月三十一日

離島振興対策実施地域(離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)第二条第一項に規定する離島振興対策実施地域をいう。以下同じ。)の振興に関する総合的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。

離島振興計画(離島振興法第五条第一項に規定する離島振興計画をいう。)に基づく公共事業に関する関係行政機関の経費の配分計画に関すること。

  附則第五条の表平成十五年三月三十一日の項を削り、同表に次のように加える。

平成二十五年三月三十一日

離島振興法

  附則第十条第一項の表平成十五年三月三十一日の項を削り、同表に次のように加える。

平成二十五年三月三十一日

離島振興対策実施地域の振興に関する総合的な政策に係る計画に関する調査及び調整その他当該計画の推進に関する事務

第九条 国土交通省設置法の一部を次のように改正する。

  附則第二条第一項の表平成二十五年三月三十一日の項中「第五条第一項」を「第四条第一項」に改める。

(内閣総理・総務・農林水産・国土交通大臣署名) 

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