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法律第二十六号(平二一・四・二四)

  ◎米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律

 (目的)

第一条 この法律は、米穀事業者に対し、米穀等の譲受け、譲渡し等に係る情報の記録及び産地情報の伝達を義務付けることにより、米穀等に関し、食品としての安全性を欠くものの流通を防止し、表示の適正化を図り、及び適正かつ円滑な流通を確保するための措置の実施の基礎とするとともに、米穀等の産地情報の提供を促進し、もって国民の健康の保護、消費者の利益の増進並びに農業及びその関連産業の健全な発展を図ることを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「米穀等」とは、米穀及び米穀を原材料とする飲食料品(米穀並びに薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)に規定する医薬品及び医薬部外品を除き、料理を含む。以下同じ。)であって政令で定めるものをいう。

2 この法律において「米穀事業者」とは、米穀等の販売、輸入、加工、製造又は提供の事業を行う者をいう。

3 この法律において「指定米穀等」とは、その流通及び消費の状況からみて、米穀事業者及び一般消費者がその購入等に際してその産地を識別することが重要と認められる米穀等として政令で定めるものをいう。

4 この法律において指定米穀等について「産地」とは、指定米穀等が米穀である場合にあってはその産地をいい、飲食料品である場合にあっては当該飲食料品の原材料である米穀の産地(飲食料品として輸入される指定米穀等であってその原材料である米穀の産地が明らかでないものその他の主務省令で定める指定米穀等にあっては、主務省令で定める事項)をいう。

 (取引等の記録の作成)

第三条 米穀事業者は、米穀等について譲受け又は他の米穀事業者への譲渡しをしたときは、主務省令で定めるところにより、その名称(指定米穀等にあっては、その名称及び産地)、数量、年月日、相手方の氏名又は名称、搬入又は搬出をした場所その他の主務省令で定める事項に関する記録を作成しなければならない。

2 米穀事業者が他の米穀事業者に委託をして米穀等の譲渡しをする場合における前項の規定の適用については、同項中「譲受け又は他の米穀事業者への譲渡し」とあるのは、米穀等の譲渡しの委託をする米穀事業者にあっては「譲受け又は他の米穀事業者への譲渡しの委託」と、米穀等の譲渡しの受託をする米穀事業者にあっては「譲渡しの受託又は他の米穀事業者への譲渡し」とする。

 (米穀事業者間における産地情報の伝達)

第四条 米穀事業者は、指定米穀等について他の米穀事業者への譲渡しをするときは、主務省令で定めるところにより、その包装、容器又は送り状への表示その他の方法により、当該指定米穀等の産地を、当該他の米穀事業者に伝達しなければならない。

2 米穀事業者が他の米穀事業者に委託をして指定米穀等の譲渡しをする場合における指定米穀等の譲渡しの委託をする米穀事業者についての前項の規定の適用については、同項中「譲渡し」とあるのは、「譲渡しの委託」とする。

 (搬出、搬入等の記録の作成)

第五条 米穀事業者は、米穀等について搬出、搬入、廃棄又は亡失をしたときは、第三条第一項(同条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下同じ。)の規定により当該行為について記録を作成しなければならない場合を除き、主務省令で定めるところにより、その名称、数量、年月日(亡失をした場合であってその年月日が明らかでないときは、時期)、搬出及び搬入をした場所(他の米穀事業者との間で搬出入をしたときは、相手方の氏名又は名称及び搬出又は搬入をした場所)その他の主務省令で定める事項に関する記録を作成しなければならない。ただし、少量の米穀等について廃棄又は亡失をした場合その他の主務省令で定める場合は、この限りでない。

 (記録の保存)

第六条 米穀事業者は、第三条第一項及び前条の規定による記録を、当該記録を作成した日から主務省令で定める期間保存しなければならない。

 (米穀事業者の努力)

第七条 米穀事業者は、第三条第一項及び第五条の規定による記録のほか、米穀等に関し、保管の時の温度及び湿度、残留する農薬又は品位等についての検査を行った場合における当該検査の結果その他の食品としての安全性を欠くものの流通の防止、表示の適正化又は適正かつ円滑な流通の確保に資する事項に関する記録を作成し、これを保存するよう努めなければならない。

 (一般消費者に対する産地情報の伝達)

第八条 米穀事業者(他の米穀事業者に委託をして指定米穀等の販売又は提供をする場合における当該委託をする米穀事業者を除く。)は、指定米穀等について一般消費者への販売又は提供をするときは、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和二十五年法律第百七十五号)第十九条の十三第一項から第三項までの規定により定められた品質に関する表示の基準又は酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(昭和二十八年法律第七号)第八十六条の六第一項の規定により定められた酒類の表示の基準に従って当該指定米穀等の産地を表示しなければならない場合を除き、主務省令で定めるところにより、その包装又は容器への表示その他の方法により、当該指定米穀等の産地を、当該一般消費者に伝達しなければならない。

2 前項の場合において、米穀事業者が販売又は提供をする指定米穀等について、その産地の情報を一般消費者が知ることができるようにする措置として主務省令で定めるものがとられている場合であって、当該米穀事業者が、主務省令で定めるところにより、当該情報を知ることができる方法を当該一般消費者に伝達したときは、当該米穀事業者は、同項の規定による伝達をしたものとみなす。

3 前二項の規定は、主務省令で定める規模その他の要件に該当する米穀事業者が指定米穀等(料理、酒類その他の主務省令で定めるものに限る。)について一般消費者への提供をする場合については、適用しない。

 (勧告及び命令)

第九条 主務大臣は、米穀事業者が前条第一項の規定を遵守していないと認めるときは、当該米穀事業者に対し、必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。

2 主務大臣は、前項に規定する勧告を受けた米穀事業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該米穀事業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

 (報告及び立入検査)

第十条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、米穀事業者若しくは米穀等の運送業者若しくは倉庫業者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、これらの者の事務所、事業場、店舗、倉庫、船舶、車両その他米穀等の販売、輸入、加工、製造、提供、輸送若しくは保管の業務に関係がある場所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 (主務大臣等)

第十一条 この法律における主務大臣は、次の各号に掲げる事項の区分に応じ、当該各号に定める大臣とする。ただし、酒類の販売、輸入、加工、製造又は提供の事業に係る事項については、財務大臣とする。

 一 第九条第一項の規定による勧告、同条第二項の規定による命令並びに前条第一項の規定による報告の徴収及び立入検査(第四条、第八条又は第九条の規定を施行するために行うものに限る。)に関する事項 内閣総理大臣及び農林水産大臣

 二 前条第一項の規定による報告の徴収及び立入検査(前号に掲げるものを除く。)に関する事項 農林水産大臣

2 第九条第一項及び前条第一項の規定による主務大臣の権限は、前項本文(第一号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、内閣総理大臣又は農林水産大臣がそれぞれ単独で行使することを妨げない。

3 次の各号に掲げる大臣は、前項の規定により単独で第九条第一項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ、その勧告の内容について、それぞれ当該各号に定める大臣に通知するものとする。

 一 内閣総理大臣 農林水産大臣

 二 農林水産大臣 内閣総理大臣

4 前項各号に掲げる大臣は、第二項の規定により前条第一項の規定による権限を単独で行使したときは、速やかに、その結果について、それぞれ当該各号に定める大臣に通知するものとする。

5 次の各号に掲げる大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、それぞれ当該各号に定める大臣に対し、前条第一項の規定による措置をとるべきことを要請することができる。

 一 内閣総理大臣又は農林水産大臣 財務大臣

 二 財務大臣 内閣総理大臣又は農林水産大臣

6 前項の規定により要請を受けた大臣は、当該要請を受けて講じた措置を、内閣総理大臣又は農林水産大臣の要請を受けて講じたものにあっては内閣総理大臣及び農林水産大臣に、財務大臣の要請を受けて講じたものにあっては財務大臣に通知するものとする。

7 この法律における主務省令は、内閣府令・農林水産省令・財務省令とする。ただし、第三条第一項、第五条及び第六条に規定する主務省令は、農林水産省令・財務省令とする。

8 内閣総理大臣は、この法律に規定する権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。

9 財務大臣は、政令で定めるところにより、この法律に規定する権限の全部又は一部を国税庁長官に委任することができる。

10 この法律に規定する農林水産大臣の権限及び前項の規定により国税庁長官に委任された権限の全部又は一部は、政令で定めるところにより、これを地方支分部局の長に委任することができる。

11 この法律に規定する農林水産大臣の権限及び第八項の規定により消費者庁長官に委任された権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。

 (罰則)

第十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

 一 第三条第一項又は第五条の規定に違反して記録を作成せず、又は虚偽の記録を作成した者

 二 第四条第一項(同条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定に違反して伝達をせず、又は虚偽の伝達をした者

 三 第六条の規定に違反した者

 四 第九条第二項の規定による命令に違反した者

 五 第十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

第十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の刑を科する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 附則第四条及び第五条第二項の規定 公布の日

 二 第二条第三項及び第四項、第四条、第八条、第九条、第十二条第二号及び第四号、次条並びに附則第六条の規定 公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日

 (経過措置)

第二条 前条第二号に掲げる規定の施行前に国内において譲渡し(譲渡しの委託を含む。)をされた米穀等及び当該米穀等を原材料とする飲食料品であって、指定米穀等であるものについては、指定米穀等でない米穀等とみなして、この法律の規定を適用する。

第三条 この法律の施行の日から附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日の前日までの間における第三条第一項並びに第十一条第五項及び第六項の規定の適用については、第三条第一項中「名称(指定米穀等にあっては、その名称及び産地)」とあるのは「名称」と、第十一条第五項及び第六項中「内閣総理大臣又は農林水産大臣」とあり、並びに同項中「内閣総理大臣及び農林水産大臣」とあるのは「農林水産大臣」とする。

 (政令への委任)

第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第五条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

2 政府は、前項に規定するもののほか、国民の健康の保護、消費者の利益の増進並びに農業及びその関連産業の健全な発展を図る観点から、飲食料品について、この法律の実施状況を踏まえつつ、速やかに、仕入先、仕入日、販売先、販売日等の取引等に係る基礎的な情報についての記録の作成及び保存並びに緊急時における国等への情報提供を義務付けることについて検討を加えるとともに、加工食品について、速やかに、その主要な原材料の原産地表示を義務付けることについて検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

 (消費者庁設置法の一部改正)

第六条 消費者庁設置法(平成二十一年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。

  第四条第十四号の次に次の一号を加える。

  十四の二 米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律(平成二十一年法律第二十六号)の施行に関する事務のうち同法第二条第三項に規定する指定米穀等の産地の伝達(酒類の販売、輸入、加工、製造又は提供の事業に係るものを除く。)に関すること。

(内閣総理・財務・農林水産大臣署名) 

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