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法律第三十四号(平二一・五・一)

  ◎消防法の一部を改正する法律

 消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「因る被害を軽減し」を「よる被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い」に改める。

 第二条第九項中「医療機関をいう」の下に「。第七章の二において同じ」を加える。

 第三十五条の五を次のように改める。

第三十五条の五 都道府県は、消防機関による救急業務としての傷病者(第二条第九項に規定する傷病者をいう。以下この章において同じ。)の搬送(以下この章において「傷病者の搬送」という。)及び医療機関による当該傷病者の受入れ(以下この章において「傷病者の受入れ」という。)の迅速かつ適切な実施を図るため、傷病者の搬送及び傷病者の受入れの実施に関する基準(以下この章において「実施基準」という。)を定めなければならない。

  実施基準においては、都道府県の区域又は医療を提供する体制の状況を考慮して都道府県の区域を分けて定める区域ごとに、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 傷病者の心身等の状況(以下この項において「傷病者の状況」という。)に応じた適切な医療の提供が行われることを確保するために医療機関を分類する基準

 二 前号に掲げる基準に基づき分類された医療機関の区分及び当該区分に該当する医療機関の名称

 三 消防機関が傷病者の状況を確認するための基準

 四 消防機関が傷病者の搬送を行おうとする医療機関を選定するための基準

 五 消防機関が傷病者の搬送を行おうとする医療機関に対し傷病者の状況を伝達するための基準

 六 前二号に掲げるもののほか、傷病者の受入れに関する消防機関と医療機関との間の合意を形成するための基準その他傷病者の受入れを行う医療機関の確保に資する事項

 七 前各号に掲げるもののほか、傷病者の搬送及び傷病者の受入れの実施に関し都道府県が必要と認める事項

  実施基準は、医学的知見に基づき、かつ、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の四第一項に規定する医療計画との調和が保たれるように定められなければならない。

  都道府県は、実施基準を定めるときは、あらかじめ、第三十五条の八第一項に規定する協議会の意見を聴かなければならない。

  都道府県は、実施基準を定めたときは、遅滞なく、その内容を公表しなければならない。

  前三項の規定は、実施基準の変更について準用する。

 第三十五条の十を第三十五条の十三とし、第七章の二中第三十五条の九を第三十五条の十二とする。

 第三十五条の八第一項中「において、」の下に「同条中」を加え、同条第二項中「第三十五条の六第二項」を「第三十五条の九第二項」に改め、同条を第三十五条の十一とする。

 第三十五条の七第一項中「第二条第九項に規定する」を削り、同条を第三十五条の十とする。

 第三十五条の六第一項中「行なつて」を「行つて」に、「きいて」を「聴いて」に、「行なう」を「行う」に改め、同条第二項中「行なつて」を「行つて」に、「行なわれて」を「行われて」に、「きいて」を「聴いて」に、「行なう」を「行う」に改め、同条を第三十五条の九とする。

 第三十五条の五の次に次の三条を加える。

第三十五条の六 総務大臣及び厚生労働大臣は、都道府県に対し、実施基準の策定又は変更に関し、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うものとする。

第三十五条の七 消防機関は、傷病者の搬送に当たつては、実施基準を遵守しなければならない。

  医療機関は、傷病者の受入れに当たつては、実施基準を尊重するよう努めるものとする。

第三十五条の八 都道府県は、実施基準に関する協議並びに実施基準に基づく傷病者の搬送及び傷病者の受入れの実施に係る連絡調整を行うための協議会(以下この条において「協議会」という。)を組織するものとする。

  協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。

 一 消防機関の職員

 二 医療機関の管理者又はその指定する医師

 三 診療に関する学識経験者の団体の推薦する者

 四 都道府県の職員

 五 学識経験者その他の都道府県が必要と認める者

  協議会は、必要があると認めるときは、関係行政機関に対し、資料の提供、意見の表明、説明その他の協力を求めることができる。

  協議会は、都道府県知事に対し、実施基準並びに傷病者の搬送及び傷病者の受入れの実施に関し必要な事項について意見を述べることができる。

 第三十六条の三第一項中「第三十五条の七第一項」を「第三十五条の十第一項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (消防組織法の一部改正)

第二条 消防組織法(昭和二十二年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「軽減する」の下に「ほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行う」を加える。

  第二十九条中第十二号を第十三号とし、第十一号を第十二号とし、第十号を第十一号とし、第九号の次に次の一号を加える。

  十 傷病者の搬送及び傷病者の受入れの実施に関する基準に関する事項

(総務・厚生労働・内閣総理大臣署名) 

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