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法律第七十五号(平二一・七・一〇)

  ◎北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律

 北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律(昭和五十七年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「北方領土問題が」を「北方領土が我が国固有の領土であるにもかかわらず、北方領土問題が今なお」に改め、「啓発」の下に「、交流等事業の推進」を加える。

 第二条に次の二項を加える。

3 この法律において「北方地域元居住者」とは、昭和二十年八月十五日において北方地域に生活の本拠を有していた者及びその者の子で同日後北方地域において出生したものをいい、それらの者の子及び孫を含むものとする。

4 この法律において「交流等事業」とは、次に掲げる事業で政令で定めるものをいう。

 一 日本国民と継続的にかつ現に北方地域に居住するロシア連邦国民との間の相互理解の増進を図り、北方領土問題の解決に寄与することを目的として行われるこれらの者の旅券及び査証を用いない相互訪問の事業

 二 北方地域元居住者等(北方地域元居住者及びその家族である日本国民をいう。以下同じ。)の北方地域への墓参のための訪問の事業

 三 前号に定めるもののほか、北方地域元居住者等の北方地域への最大限に簡易化された手続による訪問の事業

 第二条の次に次の一条を加える。

 (国の責務)

第二条の二 国は、北海道並びに北方領土隣接地域の市及び町をはじめとする地方公共団体並びに民間の団体との密接な連携を図りながら、北方領土問題等の解決の促進を図るため必要な施策を積極的に推進し、我が国固有の領土である北方領土の早期返還を実現するため最大限の努力をするものとする。

 第三条第一項中「外務大臣その他の」を削り、同条第二項第三号を同項第四号とし、同項第二号中「(昭和二十年八月十五日において北方地域に生活の本拠を有していた者をいい、その子及び孫を含むものとする。以下同じ。)」を削り、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。

 二 交流等事業の実施に関する事項

 第三条第三項中「前二項」を「第一項及び第二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 主務大臣は、必要に応じて、基本方針の見直しを行い、必要な変更を加えなければならない。

 第四条中「に必要な」を「、北方領土返還運動の推進のための環境の整備その他の必要な」に改め、同条に次の一項を加える。

2 国は、国民が北方領土問題その他北方地域に関する諸問題についての理解と関心を深めることができるよう、学校教育及び社会教育における北方領土問題その他北方地域に関する諸問題に関する教育及び学習の振興並びに広報活動等を通じた知識の普及その他の必要な施策を講ずるものとする。

 第四条の次に次の一条を加える。

 (交流等事業の推進)

第四条の二 国は、北方領土問題が解決されるまでの間、交流等事業の積極的な推進に努めるものとする。

2 国は、北方領土隣接地域が交流等事業の推進の拠点として重要な役割を果たしていることに留意しつつ、交流等事業の円滑な推進のため必要な財政上の配慮をするものとする。

3 国は、北方領土問題が未解決であることに起因して自ら渡航手段を確保することができない等の北方地域元居住者等の置かれている特殊な事情にかんがみ、北方領土問題が解決されるまでの間、第二条第四項第二号及び第三号の訪問が支障なく行われるようにするため、特別の配慮をするものとする。

 第五条中「基づき、」の下に「次条及び」を加え、同条の次に次の一条を加える。

 (北方地域元居住者に係る北方領土返還運動の後継者の育成)

第五条の二 国は、北方領土返還運動の有力な担い手として重要な役割を果たしている北方地域元居住者の高齢化が進展している現状にかんがみ、北方地域元居住者(第二条第三項に規定する孫の子を含む。)が北方領土返還運動の有力な担い手として引き続き重要な役割を果たすことができるよう、北方領土返還運動の後継者の育成を図るために必要な措置を講ずるものとする。

 第六条第二項中第八号を第九号とし、第七号の次に次の一号を加える。

 八 観光の開発に関する事項 第七条中「)については、新産業都市建設促進法等を廃止する法律(平成十三年法律第十四号)による廃止前の新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律(昭和四十年法律第七十三号)第四条、第五条第二項から第四項まで及び第七条の規定の例による」を「。以下「国の負担割合」という。)は、次条に定めるところにより算定するものとする」に改め、同条ただし書を削り、同条第一号に次のように加える。

  ヌ 一般廃棄物の処理施設

  ル 消防施設

  ヲ 水道

 第七条の二中「前条」を「第七条及び第七条の二又は第七条の三」に改め、同条を第七条の五とする。

 第七条の次に次の三条を加える。

第七条の二 特定事業に係る経費に対する国の負担割合は、北方領土隣接地域の市又は町ごとに北海道の区域以外の区域における当該特定事業に相当する事業に係る経費に対する通常の国の負担割合に次の式により算定した数(小数点以下二位未満は、切り上げるものとする。以下「引上率」という。)を乗じて算定するものとする。

1+0.25×

当該年度におけるすべての特定事業に係る当該市又は町の負担額のうち、当該市又は町の標準負担額を超え、その2倍に至るまでの額

×調整率

当該市又は町の標準負担額

2 前項の式において「当該市又は町の標準負担額」とは、当該市又は町の当該年度の地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第十条の規定により算定した普通交付税の額、同法第十四条の規定により算定した基準財政収入額からその算定の基礎となつた児童手当特例交付金(地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律(平成十一年法律第十七号)第二条第二項に規定する児童手当特例交付金をいう。以下この項において同じ。)、地方揮発油譲与税、特別とん譲与税、自動車重量譲与税、航空機燃料譲与税及び交通安全対策特別交付金の収入見込額を控除した額の七十五分の百に相当する額並びに当該児童手当特例交付金、地方揮発油譲与税、特別とん譲与税、自動車重量譲与税、航空機燃料譲与税及び交通安全対策特別交付金の収入見込額の合算額の百分の二に相当する額をいう。

3 第一項の式において「調整率」とは、次の式により算定した数値をいい、その数値が負数となるときは、零とする。

0.25+0.75×

0.72−当該市又は町の財政力指数

0.72−すべての北方領土隣接地域の市及び町のうち財政力指数が最低の北方領土隣接地域の市又は町の財政力指数

4 前項の式において「財政力指数」とは、地方交付税法第十四条の規定により算定した基準財政収入額を同法第十一条の規定により算定した基準財政需要額で除して得た数値で当該年度前三年度内の各年度に係るものを合算したものの三分の一の数値をいう。

5 第一項の規定を適用した場合において、北方領土隣接地域の市又は町の負担割合が百分の二十未満となるときは、同項の規定にかかわらず、当該特定事業に係る経費に対する北方領土隣接地域の市又は町の負担割合が百分の二十となるように国の負担割合を定める。

6 総務大臣は、第一項に規定する引上率を算定し、特定事業に係る事務を所掌する各省各庁の長(財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十条第二項に規定する各省各庁の長をいう。)及び国土交通大臣、北海道知事並びに北方領土隣接地域の市及び町の長に通知するものとする。

第七条の三 国は、前二条の規定にかかわらず、北方領土隣接地域の市又は町に係る特定事業のうち、前条の規定により算定した国の負担割合が北海道の区域における当該特定事業に係る経費に対する国の負担割合を超えないものについては、北海道の区域における当該特定事業に係る経費に対する国の負担割合により算定した額に相当する額を負担し、又は補助するものとする。

第七条の四 前三条の規定により通常の国の負担割合を超えて国が負担し、又は補助することとなる額の交付に関し必要な事項は、政令で定める。

 第九条中「前三条」を「第七条から前条まで」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (北方地域の領海における漁業者の操業の円滑な実施の確保)

第九条の二 国は、北方領土問題が未解決であることに起因して北方地域の領海において操業する我が国漁業者が置かれている特殊な事情にかんがみ、当該海域における我が国漁業者の操業の円滑な実施を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 第十条第一項第三号イ中「技能研修」の下に「及び知識の習得」を加える。

 第十二条中「主務大臣は」の下に「、交流等事業の実施に関する事項については内閣総理大臣及び外務大臣」を加える。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成二十二年四月一日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律による改正後の北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律第七条から第七条の五までの規定は、平成二十二年度の予算に係る国の負担金、補助金又は交付金から適用し、平成二十一年度以前の予算に係る国の負担金、補助金又は交付金(平成二十二年度以降に繰り越されたものを含む。)については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (独立行政法人北方領土問題対策協会法の一部改正)

第四条 独立行政法人北方領土問題対策協会法(平成十四年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。

  第十一条第五号を同条第六号とし、同条第四号中「前三号」を「前各号」に改め、同号を同条第五号とし、同条第三号中「者」の下に「及びその者の子で同日後北方地域において出生したもの」を加え、同号を同条第四号とし、同条第二号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。

  二 北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律(昭和五十七年法律第八十五号)第二条第四項に規定する交流等事業(同項第一号に掲げるものに限る。)を実施すること。

  第十五条第一項中「又は第三号」を「、第二号又は第四号」に改める。

(内閣総理臨時代理・外務・国土交通大臣署名) 

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