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法律第百二十二号(平二六・一一・二七)

  ◎医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の一部を改正する法律

 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)の一部を次のように改正する。

 第二条第十五項中「含む」の下に「。以下「精神毒性」という」を加える。

 第六十九条第二項中「第七十二条の二第一項、第七十二条の四」の下に「、第七十二条の五」を加え、「から第七十四条まで」を「、第七十三条、第七十四条」に改める。

 第七十二条の四の次に次の二条を加える。

 (中止命令等)

第七十二条の五 厚生労働大臣又は都道府県知事は、第六十八条の規定に違反した者に対して、その行為の中止その他公衆衛生上の危険の発生を防止するに足りる措置を採るべきことを命ずることができる。

2 厚生労働大臣又は都道府県知事は、第六十八条の規定に違反する広告(次条において「承認前の医薬品等に係る違法広告」という。)である特定電気通信(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第二条第一号に規定する特定電気通信をいう。以下同じ。)による情報の送信があるときは、特定電気通信役務提供者(同法第二条第三号に規定する特定電気通信役務提供者をいう。以下同じ。)に対して、当該送信を防止する措置を講ずることを要請することができる。

 (損害賠償責任の制限)

第七十二条の六 特定電気通信役務提供者は、前条第二項の規定による要請を受けて承認前の医薬品等に係る違法広告である特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合その他の承認前の医薬品等に係る違法広告である特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合において、当該措置により送信を防止された情報の発信者(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第二条第四号に規定する発信者をいう。以下同じ。)に生じた損害については、当該措置が当該情報の不特定の者に対する送信を防止するために必要な限度において行われたものであるときは、賠償の責めに任じない。

 第七十六条の六の見出しを「(指定薬物等である疑いがある物品の検査及び製造等の制限)」に改め、同条第一項中「、指定薬物」の下に「又は指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高い物」を加え、「、当該物品が第七十六条の四の規定に違反して貯蔵され、若しくは陳列されている疑い又は同条の規定に違反して製造され、輸入され、販売され、若しくは授与された疑いがあり」を削り、「どうか」の下に「及び当該物品が指定薬物でないことが判明した場合にあつては、当該物品が指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高い物であるかどうか」を加え、同条第二項中「その結果についての」を「第四項前段、第六項(第一号に係る部分に限る。)又は第七項の規定による」に、「又は販売」を「販売」に、「陳列しては」を「陳列し、又は広告しては」に改め、同条に次の五項を加える。

3 都道府県知事は、前項の規定による命令をしたときは、当該命令の日、当該命令に係る物品の名称、形状及び包装その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。

4 厚生労働大臣又は都道府県知事は、第一項の検査により当該検査に係る物品が指定薬物であることが判明したときは、遅滞なく、当該検査を受けるべきことを命ぜられた者に対して、当該検査の結果を通知しなければならない。この場合において、当該物品が次条第一項の規定による禁止に係る物品であるときは、当該都道府県知事は、併せて、厚生労働大臣に対して、当該検査の結果を報告しなければならない。

5 都道府県知事は、第一項の検査により当該検査に係る物品が指定薬物でないこと及び当該物品の精神毒性を有する蓋然性が判明したときは、遅滞なく、厚生労働大臣に対して、当該検査の結果を報告しなければならない。

6 厚生労働大臣は、第一項の検査により当該検査に係る物品が指定薬物でないこと及び当該物品の精神毒性を有する蓋然性が判明したとき又は前項の規定による報告を受けたときは、遅滞なく、当該物品について第二条第十五項の指定をし、又は同項の指定をしない旨を決定し、かつ、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者に対して、その旨(第一号に掲げる場合にあつては、当該検査の結果及びその旨)を通知しなければならない。

 一 厚生労働大臣又は厚生労働大臣の指定する者が当該検査を行つた場合 当該検査を受けるべきことを命ぜられた者

 二 都道府県知事又は都道府県知事の指定する者が当該検査を行つた場合 都道府県知事

7 都道府県知事は、厚生労働大臣から前項(第二号に係る部分に限る。)の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、当該通知に係る検査を受けるべきことを命ぜられた者に対して、当該検査の結果及び当該通知の内容を通知しなければならない。

 第七十六条の六の次に次の一条を加える。

 (指定薬物等である疑いがある物品の製造等の広域的な禁止)

第七十六条の六の二 厚生労働大臣は、前条第二項の規定による命令をしたとき又は同条第三項の規定による報告を受けたときにおいて、当該命令又は当該報告に係る命令に係る物品のうちその生産及び流通を広域的に規制する必要があると認める物品について、これと名称、形状、包装その他厚生労働省令で定める事項からみて同一のものと認められる物品を製造し、輸入し、販売し、授与し、販売若しくは授与の目的で陳列し、又は広告することを禁止することができる。

2 厚生労働大臣は、前項の規定による禁止をした場合において、前条第一項の検査により当該禁止に係る物品が指定薬物であることが判明したとき(同条第四項後段の規定による報告を受けた場合を含む。)又は同条第六項の規定により第二条第十五項の指定をし、若しくは同項の指定をしない旨を決定したときは、当該禁止を解除するものとする。

3 第一項の規定による禁止又は前項の規定による禁止の解除は、厚生労働省令で定めるところにより、官報に告示して行う。

 第七十六条の七の次に次の二条を加える。

 (中止命令等)

第七十六条の七の二 厚生労働大臣又は都道府県知事は、第七十六条の五の規定に違反した者に対して、その行為の中止その他公衆衛生上の危険の発生を防止するに足りる措置を採るべきことを命ずることができる。

2 厚生労働大臣又は都道府県知事は、第七十六条の六の二第一項の規定による禁止に違反した者に対して、同条第二項の規定により当該禁止が解除されるまでの間、その行為の中止その他公衆衛生上の危険の発生を防止するに足りる措置を採るべきことを命ずることができる。

3 厚生労働大臣又は都道府県知事は、第七十六条の五の規定又は第七十六条の六第二項の規定による命令若しくは第七十六条の六の二第一項の規定による禁止に違反する広告(次条において「指定薬物等に係る違法広告」という。)である特定電気通信による情報の送信があるときは、特定電気通信役務提供者に対して、当該送信を防止する措置を講ずることを要請することができる。

 (損害賠償責任の制限)

第七十六条の七の三 特定電気通信役務提供者は、前条第三項の規定による要請を受けて指定薬物等に係る違法広告である特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合その他の指定薬物等に係る違法広告である特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合において、当該措置により送信を防止された情報の発信者に生じた損害については、当該措置が当該情報の不特定の者に対する送信を防止するために必要な限度において行われたものであるときは、賠償の責めに任じない。

 第七十六条の八第一項中「を貯蔵し、若しくは陳列している」を「若しくは指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高い物である疑いがある物品を貯蔵し、陳列し、若しくは広告している」に、「これらの物」を「指定薬物若しくはこれらの物品」に、「若しくは陳列した」を「陳列し、若しくは広告した」に、「その疑いがある物品を、」を「これらの物品を、」に改める。

 第七十七条を第七十六条の十とし、第十四章中同条の次に次の三条を加える。

 (教育及び啓発)

第七十六条の十一 国及び地方公共団体は、指定薬物等の薬物の濫用の防止に関する国民の理解を深めるための教育及び啓発に努めるものとする。

 (調査研究の推進)

第七十六条の十二 国は、指定薬物等の薬物の濫用の防止及び取締りに資する調査研究の推進に努めるものとする。

 (関係行政機関の連携協力)

第七十七条 厚生労働大臣及び関係行政機関の長は、指定薬物等の薬物の濫用の防止及び取締りに関し、必要な情報交換を行う等相互に連携を図りながら協力しなければならない。

 第八十一条の三第一項中「第七十六条の六」を「第七十二条の五、第七十六条の六第一項から第五項まで及び第七項」に改め、「第七十六条の七第一項及び第二項」の下に「、第七十六条の七の二」を加え、同条第二項中「並びに第七十二条第三項」を「、第七十二条第三項並びに第七十二条の五」に改める。

 第八十三条第一項中「第七十六条の六」の下に「、第七十六条の六の二」を、「第七十六条の七第一項及び第二項」の下に「、第七十六条の七の二」を、「第七十六条の九」の下に「、第七十六条の十」を、「第七十二条の四」の下に「、第七十二条の五」を加える。

 第八十五条中第八号を第九号とし、第七号を第八号とし、第六号を第七号とし、第五号の次に次の一号を加える。

 六 第七十二条の五第一項の規定による命令に違反した者

 第八十五条に次の一号を加える。

 十 第七十六条の七の二第一項の規定による命令に違反した者

 第八十六条第一項第二十四号を同項第二十五号とし、同項第二十三号の次に次の一号を加える。

 二十四 第七十六条の七の二第二項の規定による命令に違反した者

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律による改正後の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「新法」という。)第七十六条の六第二項から第七項までの規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に厚生労働大臣又は都道府県知事が同条第一項の規定による命令をした場合について適用し、施行日前にこの法律による改正前の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第七十六条の六第一項の規定による命令をした場合については、なお従前の例による。

2 新法第七十六条の六の二の規定は、施行日以後に厚生労働大臣又は都道府県知事が新法第七十六条の六第二項の規定による命令をした場合について適用する。

 (指定薬物等の依存症からの患者の回復に係る体制の整備)

第三条 国及び地方公共団体は、近年における指定薬物(新法第二条第十五項に規定する指定薬物をいう。)等の薬物の濫用の状況に鑑み、その依存症からの患者の回復に資するため、相談体制並びに専門的な治療及び社会復帰支援に関する体制の充実その他の必要な措置を講ずるものとする。

 (地方自治法の一部改正)

第四条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  別表第一医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)の項第一号中「第七十六条の六」を「第七十二条の五、第七十六条の六第一項から第五項まで及び第七項」に改め、「第七十六条の七第一項及び第二項」の下に「、第七十六条の七の二」を加え、同項第二号及び第三号中「並びに第七十二条第三項」を「、第七十二条第三項並びに第七十二条の五」に改める。

 (麻薬及び向精神薬取締法の一部改正)

第五条 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)の一部を次のように改正する。

  第五十四条第五項中「第八十五条第八号」を「第八十五条第六号、第九号及び第十号」に改め、「第八十六条第一項第二十三号」の下に「及び第二十四号」を加える。

(総務・厚生労働・農林水産・内閣総理大臣署名)

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