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法律第三十七号(令二・六・三)

  ◎特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律

目次

 第一章 総則(第一条−第五条)

 第二章 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等の促進に関する指針(第六条)

 第三章 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等に係る計画の認定(第七条−第十条)

 第四章 認定開発供給計画等に係る支援措置

  第一節 株式会社日本政策金融公庫法の特例(第十一条−第二十二条)

  第二節 中小企業投資育成株式会社法及び中小企業信用保険法の特例(第二十三条−第二十五条)

  第三節 課税の特例(第二十六条)

 第五章 雑則(第二十七条−第三十三条)

 第六章 罰則(第三十四条・第三十五条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、情報通信技術の分野における技術革新の進展及び我が国を取り巻く国際経済環境の変化その他の経済社会情勢の変化に伴い、国民生活及び経済活動の基盤となる特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等がサイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法(平成二十六年法律第百四号)第二条に規定するサイバーセキュリティをいう。以下この章及び第二十八条において同じ。)を確保しつつ適切に行われることが我が国における産業基盤を整備する上で重要であることに鑑み、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等の促進に関する指針の策定、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等に係る計画の認定制度の創設等の措置を講ずることにより、特定高度情報通信技術活用システムの普及を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展並びに我が国の安全保障に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「特定高度情報通信技術活用システム」とは、次に掲げるものをいう。

 一 情報通信の業務を一体的に行うよう構成された無線設備及び交換設備その他の主務省令で定める設備並びにこれらに係るプログラムの集合体であって、政令で定める周波数の電波を使用することにより大量の情報を高速度で送受信することを可能とするものその他の高度な技術を活用した情報通信を実現するもの

 二 国、地方公共団体若しくは重要社会基盤事業者(サイバーセキュリティ基本法第三条第一項に規定する重要社会基盤事業者をいう。次号において同じ。)の事業又はこれに類するものとして政令で定める事業に係る点検、測量その他の政令で定める業務を一体的に行うよう構成された小型無人機(高度な情報通信技術を活用することにより飛行中の位置、姿勢及び状態を高度に制御できることその他の政令で定める性能を有するものに限る。)及び当該小型無人機に係る当該業務に応じ使用する撮影機器その他の経済産業省令で定める機器並びにこれらに係るプログラムの集合体

 三 国、地方公共団体若しくは重要社会基盤事業者の事業又はこれに類するものとして政令で定める事業に係る政令で定める業務を一体的に行うよう構成された主務省令で定める設備、機器及び装置並びにこれらに係るプログラムの集合体(高度な情報通信技術を活用するものに限る。)であって、その開発、提供及び維持管理並びに導入がサイバーセキュリティを確保しつつ適切に行われることが前二号に掲げるものに準じて必要なものとして政令で定めるもの

2 この法律において「特定高度情報通信技術活用システムの開発供給」とは、特定高度情報通信技術活用システムの開発又は提供及び維持管理(当該特定高度情報通信技術活用システムの一部を構成する設備、機器又は装置及びこれらに係るプログラムの集合体として主務省令で定めるものの開発又は提供及び維持管理を含む。)をいう。

3 この法律において「特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等」とは、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び特定高度情報通信技術活用システムの導入をいう。

 (基本理念)

第三条 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等は、特定高度情報通信技術活用システムが我が国における国民生活及び経済活動の基盤となることに鑑み、サイバーセキュリティを確保しつつ適切に行われることを基本とし、我が国における特定高度情報通信技術活用システムの開発供給に関係する産業の国際競争力の強化並びに特定高度情報通信技術活用システムの活用による新たな事業の創出及び事業の革新の促進に資することを旨とし、国及び事業者が相互に密接な連携を図りつつ主体的かつ積極的に行うものとする。

 (国の責務)

第四条 国は、前条の基本理念にのっとり、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等の促進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

2 国は、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等を行う事業者に対して集中的かつ効果的に支援を行うよう努めるものとする。

 (事業者の責務)

第五条 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等を行う事業者は、第三条の基本理念にのっとり、国が実施する特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等の促進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

   第二章 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等の促進に関する指針

第六条 主務大臣は、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等の促進に関する指針(以下「指針」という。)を定めるものとする。

2 指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等の促進の意義及び基本的な方向に関する事項

 二 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等に関する次に掲げる事項

  イ 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等の内容に関する事項

  ロ 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等の促進のための方策に関する事項

  ハ 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等の促進に当たって配慮すべき事項

 三 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等を行うために必要な資金の調達の円滑化に関して株式会社日本政策金融公庫(第四章第一節及び第三十五条において「公庫」という。)及び第十三条第四項第三号ロに規定する指定金融機関が果たすべき役割に関する事項

3 主務大臣は、経済事情の変動その他の情勢の推移により必要が生じたときは、指針を変更するものとする。

4 主務大臣は、指針を定め、又はこれを変更するときは、あらかじめ、関係行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該行政機関。次条第四項及び第九条第四項において同じ。)に協議するものとする。

5 主務大臣は、指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

   第三章 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等に係る計画の認定

 (特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画の認定)

第七条 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給を行おうとする事業者は、単独で又は共同して、その実施しようとする特定高度情報通信技術活用システムの開発供給に関する計画(以下「特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画」という。)を作成し、主務省令で定めるところにより、主務大臣に提出して、その認定を受けることができる。

2 特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給の目標

 二 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給の内容及び実施時期

 三 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給の実施体制

 四 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給を行うために必要な資金の額及びその調達方法

 五 前各号に掲げるもののほか、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給に関し必要な事項

3 主務大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、当該申請に係る特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その旨の認定をするものとする。

 一 当該特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画が指針に照らし適切なものであること。

 二 当該特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画に係る特定高度情報通信技術活用システムの開発供給が円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。

4 主務大臣は、第一項の認定に当たり必要があると認めるときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議することができる。

5 主務大臣は、第一項の認定をしたときは、主務省令で定めるところにより、当該認定に係る特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画の概要を公表するものとする。

 (特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画の変更等)

第八条 前条第一項の認定を受けた事業者(以下「認定開発供給事業者」という。)は、当該認定に係る特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画を変更するときは、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認定を受けなければならない。

2 主務大臣は、認定開発供給事業者がその認定に係る特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画(前項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定開発供給計画」という。)に従って特定高度情報通信技術活用システムの開発供給を実施していないと認めるときは、当該認定を取り消すことができる。

3 主務大臣は、認定開発供給計画が前条第三項各号のいずれかに適合しないものとなったと認めるときは、認定開発供給事業者に対して、当該認定開発供給計画の変更を指示し、又はその認定を取り消すことができる。

4 主務大臣は、前二項の規定により前条第一項の認定を取り消したときは、その旨を公表するものとする。

5 前条第三項から第五項までの規定は、第一項の規定による変更の認定について準用する。

 (特定高度情報通信技術活用システム導入計画の認定)

第九条 特定高度情報通信技術活用システムの導入(認定開発供給計画に係る特定高度情報通信技術活用システムが含まれているものに限る。以下この章及び次章において同じ。)を行おうとする事業者は、単独で又は共同して、その実施しようとする特定高度情報通信技術活用システムの導入に関する計画(以下「特定高度情報通信技術活用システム導入計画」という。)を作成し、主務省令で定めるところにより、主務大臣に提出して、その認定を受けることができる。

2 特定高度情報通信技術活用システム導入計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 特定高度情報通信技術活用システムの導入の目標

 二 特定高度情報通信技術活用システムの導入の内容及び実施時期

 三 特定高度情報通信技術活用システムの導入を行うために必要な資金の額及びその調達方法

 四 前三号に掲げるもののほか、特定高度情報通信技術活用システムの導入に関し必要な事項

3 主務大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、当該申請に係る特定高度情報通信技術活用システム導入計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その旨の認定をするものとする。

 一 当該特定高度情報通信技術活用システム導入計画が指針に照らし適切なものであること。

 二 当該特定高度情報通信技術活用システム導入計画に係る特定高度情報通信技術活用システムの導入が円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。

4 主務大臣は、第一項の認定に当たり必要があると認めるときは、あらかじめ、経済産業大臣、総務大臣その他の関係行政機関の長に協議することができる。

5 主務大臣は、第一項の認定をしたときは、主務省令で定めるところにより、当該認定に係る特定高度情報通信技術活用システム導入計画の概要を公表するものとする。

 (特定高度情報通信技術活用システム導入計画の変更等)

第十条 前条第一項の認定を受けた事業者(以下「認定導入事業者」という。)は、当該認定に係る特定高度情報通信技術活用システム導入計画を変更するときは、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、主務大臣の認定を受けなければならない。

2 主務大臣は、認定導入事業者がその認定に係る特定高度情報通信技術活用システム導入計画(前項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定導入計画」という。)に従って特定高度情報通信技術活用システムの導入を実施していないと認めるときは、当該認定を取り消すことができる。

3 主務大臣は、認定導入計画が前条第三項各号のいずれかに適合しないものとなったと認めるときは、認定導入事業者に対して、当該認定導入計画の変更を指示し、又はその認定を取り消すことができる。

4 主務大臣は、前二項の規定により前条第一項の認定を取り消したときは、その旨を公表するものとする。

5 前条第三項から第五項までの規定は、第一項の規定による変更の認定について準用する。

   第四章 認定開発供給計画等に係る支援措置

    第一節 株式会社日本政策金融公庫法の特例

 (公庫の行う開発供給等促進円滑化業務)

第十一条 公庫は、株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)第一条及び第十一条の規定にかかわらず、第十三条第四項第三号ロに規定する指定金融機関に対し、認定開発供給事業者又は認定導入事業者が認定開発供給計画又は認定導入計画に従って特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等を行うために必要な資金の貸付けに必要な資金を貸し付ける業務及びこれに附帯する業務(以下この節及び第三十一条第一項第四号において「開発供給等促進円滑化業務」という。)を行うことができる。

 (開発供給等促進円滑化業務の実施に関する方針)

第十二条 公庫は、指針に即して、主務省令で定めるところにより、開発供給等促進円滑化業務の実施方法及び実施条件その他の開発供給等促進円滑化業務の実施に必要な事項に関する方針を定めなければならない。

2 公庫は、前項の方針を定めるときは、あらかじめ、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。

3 公庫は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、第一項の方針を公表しなければならない。

4 公庫は、第一項の方針に従って開発供給等促進円滑化業務を行わなければならない。

 (指定金融機関の指定)

第十三条 主務大臣は、主務省令で定めるところにより、認定開発供給事業者又は認定導入事業者が認定開発供給計画又は認定導入計画に従って特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等を行うために必要な資金を貸し付ける業務のうち、当該貸付けに必要な資金について公庫から貸付けを受けて行おうとするもの(以下この節、第三十条第一項及び第三十一条第一項第四号において「開発供給等促進業務」という。)に関し、次の各号のいずれにも適合すると認められる者を、その申請により、開発供給等促進業務を行う者として指定することができる。

 一 銀行その他の政令で定める金融機関であること。

 二 次項に規定する業務規程が、法令並びに指針及び前条第一項の方針に適合し、かつ、開発供給等促進業務を適正かつ確実に実施するために十分なものであること。

 三 人的構成に照らして、開発供給等促進業務を適正かつ確実に実施することができる知識及び経験を有していること。

2 前項の規定による指定(以下この節において「指定」という。)を受けようとする者は、主務省令で定めるところにより、指針及び前条第一項の方針に即して開発供給等促進業務に関する規程(次項及び第十五条において「業務規程」という。)を定め、これを指定申請書に添えて、主務大臣に提出しなければならない。

3 業務規程には、開発供給等促進業務の実施体制及び実施方法に関する事項その他の主務省令で定める事項を定めなければならない。

4 次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。

 一 この法律、銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)その他の政令で定める法律若しくはこれらの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者

 二 第二十条第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者

 三 法人であって、その業務を行う役員のうちに、次のいずれかに該当する者があるもの

  イ 心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として主務省令で定める者又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

  ロ 指定を受けた者(以下「指定金融機関」という。)が第二十条第一項又は第二項の規定により指定を取り消された場合において、当該指定の取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前六十日以内にその指定金融機関の役員であった者で当該指定の取消しの日から起算して五年を経過しないもの

 (指定の公示等)

第十四条 主務大臣は、指定をしたときは、当該指定に係る指定金融機関の商号又は名称、住所及び開発供給等促進業務を行う営業所又は事務所の所在地を公示するものとする。

2 指定金融機関は、その商号若しくは名称、住所又は開発供給等促進業務を行う営業所若しくは事務所の所在地を変更するときは、あらかじめ、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

3 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公示するものとする。

 (業務規程の変更の認可等)

第十五条 指定金融機関は、業務規程を変更するときは、あらかじめ、主務大臣の認可を受けなければならない。

2 主務大臣は、指定金融機関の業務規程が開発供給等促進業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

 (協定)

第十六条 公庫は、開発供給等促進円滑化業務については、指定金融機関と次に掲げる事項をその内容に含む協定を締結し、これに従いその業務を行うものとする。

 一 指定金融機関が行う開発供給等促進業務に係る貸付けの条件の基準に関する事項

 二 指定金融機関は、その財務状況及び開発供給等促進業務の実施状況に関する報告書を作成し、公庫に提出すること。

 三 前二号に掲げるもののほか、指定金融機関が行う開発供給等促進業務及び公庫が行う開発供給等促進円滑化業務の内容及び実施方法その他の主務省令で定める事項

2 公庫は、前項の協定を締結するときは、あらかじめ、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。

 (帳簿の記載)

第十七条 指定金融機関は、開発供給等促進業務について、主務省令で定めるところにより、帳簿を備え、主務省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

 (監督命令)

第十八条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定金融機関に対し、開発供給等促進業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 (業務の休廃止)

第十九条 指定金融機関は、開発供給等促進業務の全部又は一部を休止し、又は廃止するときは、主務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

2 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公示するものとする。

3 指定金融機関が開発供給等促進業務の全部を廃止したときは、当該指定金融機関の指定は、その効力を失う。

 (指定の取消し等)

第二十条 主務大臣は、指定金融機関が第十三条第四項第一号又は第三号に該当するに至ったときは、その指定を取り消すものとする。

2 主務大臣は、指定金融機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消すことができる。

 一 開発供給等促進業務を適正かつ確実に実施することができないと認められるとき。

 二 指定に関し不正の行為があったとき。

 三 この法律又はこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反したとき。

3 主務大臣は、前二項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示するものとする。

 (指定の取消し等に伴う業務の結了)

第二十一条 指定金融機関について、第十九条第三項の規定により指定がその効力を失ったとき、又は前条第一項若しくは第二項の規定により指定が取り消されたときは、当該指定金融機関であった者又は当該指定金融機関の一般承継人は、当該指定金融機関が行った開発供給等促進業務の契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお指定金融機関とみなす。

 (株式会社日本政策金融公庫法の適用)

第二十二条 開発供給等促進円滑化業務が行われる場合における公庫の財務及び会計並びに主務大臣については、開発供給等促進円滑化業務をエネルギー環境適合製品の開発及び製造を行う事業の促進に関する法律(平成二十二年法律第三十八号)第六条に規定する特定事業促進円滑化業務とみなして、同法第十七条(同条の表第十一条第一項第五号の項、第五十八条及び第五十九条第一項の項、第七十一条の項、第七十三条第一号の項、第七十三条第三号の項、第七十三条第七号の項及び附則第四十七条第一項の項に係る部分を除く。)の規定により読み替えられた株式会社日本政策金融公庫法の規定を適用する。

2 前項に規定するもののほか、開発供給等促進円滑化業務が行われる場合における株式会社日本政策金融公庫法の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第十一条第一項第五号

行う業務

行う業務(特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律(令和二年法律第三十七号)第十一条に規定する開発供給等促進円滑化業務(以下「開発供給等促進円滑化業務」という。)を除く。)

第五十八条及び第五十九条第一項

この法律

この法律、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律

第七十一条

第五十九条第一項

特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律第二十二条第二項の規定により読み替えて適用する第五十九条第一項

第七十三条第一号

この法律

この法律(特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律第二十二条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)

第七十三条第三号

第十一条

第十一条及び特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律第十一条

第七十三条第七号

第五十八条第二項

特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律第二十二条第二項の規定により読み替えて適用する第五十八条第二項

附則第四十七条第一項

公庫の業務

公庫の業務(開発供給等促進円滑化業務を除く。)

    第二節 中小企業投資育成株式会社法及び中小企業信用保険法の特例

 (中小企業者の定義)

第二十三条 この節において「中小企業者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

 一 資本金の額又は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であって、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに規定する業種及び第五号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの

 二 資本金の額又は出資の総額が一億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人であって、卸売業(第五号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの

 三 資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人であって、サービス業(第五号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの

 四 資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が五十人以下の会社及び個人であって、小売業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの

 五 資本金の額又は出資の総額が政令で定める業種ごとに政令で定める金額以下の会社並びに常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人であって、その業種に属する事業を主たる事業として営むもの

 六 企業組合

 七 協業組合

 八 事業協同組合、協同組合連合会その他の特別の法律により設立された組合及びその連合会であって、政令で定めるもの

 九 医業を主たる事業とする法人であって、常時使用する従業員の数が三百人以下のもの(前各号に掲げるものを除く。)

 (中小企業投資育成株式会社法の特例)

第二十四条 中小企業投資育成株式会社は、中小企業投資育成株式会社法(昭和三十八年法律第百一号)第五条第一項各号に掲げる事業のほか、次に掲げる事業を行うことができる。

 一 中小企業者が認定開発供給計画又は認定導入計画に従って特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等を行うために資本金の額が三億円を超える株式会社を設立する際に発行する株式の引受け及び当該引受けに係る株式の保有

 二 中小企業者のうち資本金の額が三億円を超える株式会社が認定開発供給計画又は認定導入計画に従って特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等を行うために必要とする資金の調達を図るために発行する株式、新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)又は新株予約権付社債等(中小企業投資育成株式会社法第五条第一項第二号に規定する新株予約権付社債等をいう。以下この号において同じ。)の引受け及び当該引受けに係る株式、新株予約権(その行使により発行され、又は移転された株式を含む。)又は新株予約権付社債等(新株予約権付社債等に付された新株予約権の行使により発行され、又は移転された株式を含む。)の保有

2 前項各号に掲げる事業は、中小企業投資育成株式会社法の規定の適用については、それぞれ同法第五条第一項第一号及び第二号に掲げる事業とみなす。

 (中小企業信用保険法の特例)

第二十五条 中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)第三条第一項に規定する普通保険(以下この条において「普通保険」という。)、同法第三条の二第一項に規定する無担保保険(以下この条において「無担保保険」という。)又は同法第三条の三第一項に規定する特別小口保険(以下この条において「特別小口保険」という。)の保険関係であって、特定高度情報通信技術活用システム開発供給等関連保証(同法第三条第一項、第三条の二第一項又は第三条の三第一項に規定する債務の保証であって、認定開発供給計画又は認定導入計画に従って特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等を行うために必要な資金に係るものをいう。以下この条において同じ。)を受けた中小企業者に係るものについての次の表の上欄に掲げる同法の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。

第三条第一項

保険価額の合計額が

特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律(令和二年法律第三十七号)第二十五条第一項に規定する特定高度情報通信技術活用システム開発供給等関連保証(以下「特定高度情報通信技術活用システム開発供給等関連保証」という。)に係る保険関係の保険価額の合計額とその他の保険関係の保険価額の合計額とがそれぞれ

第三条の二第一項及び第三条の三第一項

保険価額の合計額が

特定高度情報通信技術活用システム開発供給等関連保証に係る保険関係の保険価額の合計額とその他の保険関係の保険価額の合計額とがそれぞれ

第三条の二第三項及び第三条の三第二項

当該借入金の額のうち

特定高度情報通信技術活用システム開発供給等関連保証及びその他の保証ごとに、それぞれ当該借入金の額のうち

当該債務者

特定高度情報通信技術活用システム開発供給等関連保証及びその他の保証ごとに、当該債務者

2 普通保険の保険関係であって、特定高度情報通信技術活用システム開発供給等関連保証に係るものについての中小企業信用保険法第三条第二項及び第五条の規定の適用については、同項中「百分の七十」とあり、及び同条中「百分の七十(無担保保険、特別小口保険、流動資産担保保険、公害防止保険、エネルギー対策保険、海外投資関係保険、新事業開拓保険、事業再生保険及び特定社債保険にあつては、百分の八十)」とあるのは、「百分の八十」とする。

3 普通保険、無担保保険又は特別小口保険の保険関係であって、特定高度情報通信技術活用システム開発供給等関連保証に係るものについての保険料の額は、中小企業信用保険法第四条の規定にかかわらず、保険金額に年百分の二以内において政令で定める率を乗じて得た額とする。

    第三節 課税の特例

第二十六条 認定導入計画に従って実施される特定高度情報通信技術活用システムの導入(特定高度情報通信技術活用システム(第二条第一項第一号に掲げる特定高度情報通信技術活用システムに限る。以下この条において同じ。)の適切な提供及び維持管理並びに早期の普及に特に資するものとして経済産業大臣及び総務大臣が定める基準に適合することについて主務大臣の確認を受けた場合に限る。)を行う認定導入事業者が、当該特定高度情報通信技術活用システムの導入の用に供するために取得し、又は製作した機械及び装置、器具及び備品、建物附属設備並びに構築物(特定高度情報通信技術活用システムを構成する上で重要な役割を果たすものとして経済産業大臣及び総務大臣が定めるものに限る。)については、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。

   第五章 雑則

 (資金の確保)

第二十七条 国は、認定開発供給事業者又は認定導入事業者が認定開発供給計画又は認定導入計画に従って特定高度情報通信技術活用システムの開発供給等を行うために必要な資金の確保に努めるものとする。

 (国等の配慮)

第二十八条 国、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第一項第九号の規定の適用を受けるものをいう。)、地方公共団体及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)は、特定高度情報通信技術活用システムの導入に当たっては、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給がサイバーセキュリティを確保しつつ適切に行われることに最大限の配慮をするよう努めるものとする。

 (報告の徴収)

第二十九条 主務大臣は、認定開発供給事業者又は認定導入事業者に対し、認定開発供給計画又は認定導入計画の実施状況について報告を求めることができる。

 (指定金融機関に対する報告の徴収等)

第三十条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定金融機関から開発供給等促進業務に関し報告をさせ、又はその職員に、指定金融機関の営業所若しくは事務所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (主務大臣等)

第三十一条 この法律における主務大臣は、次のとおりとする。

 一 指針(第二条第一項第一号に掲げる特定高度情報通信技術活用システムに係る部分に限る。)及び当該特定高度情報通信技術活用システムに係る特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画に関する事項 経済産業大臣及び総務大臣

 二 指針(第二条第一項第二号に掲げる特定高度情報通信技術活用システムに係る部分に限る。)及び当該特定高度情報通信技術活用システムに係る特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画に関する事項 経済産業大臣

 三 指針(第二条第一項第三号に掲げる特定高度情報通信技術活用システムに係る部分に限る。)及び当該特定高度情報通信技術活用システムに係る特定高度情報通信技術活用システム開発供給計画に関する事項 政令で定める大臣

 四 指針(第六条第二項第三号に掲げる事項に係る部分に限る。)並びに開発供給等促進円滑化業務及び開発供給等促進業務に関する事項 経済産業大臣及び財務大臣

 五 特定高度情報通信技術活用システム導入計画に関する事項 特定高度情報通信技術活用システム導入計画に係る事業を所管する大臣

2 この法律における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。ただし、次の各号に掲げる主務省令については、当該各号に定めるとおりとする。

 一 第二条第一項第一号の主務省令及び同条第二項の主務省令(同号に掲げる特定高度情報通信技術活用システムに係るものに限る。) 経済産業大臣及び総務大臣の発する命令

 二 第二条第二項の主務省令(同条第一項第二号に掲げる特定高度情報通信技術活用システムに係るものに限る。) 経済産業大臣の発する命令

 三 第二条第一項第三号の主務省令及び同条第二項の主務省令(同号に掲げる特定高度情報通信技術活用システムに係るものに限る。) 前項第三号に定める主務大臣の発する命令

 (権限の委任)

第三十二条 この法律による主務大臣の権限は、主務省令で定めるところにより、地方支分部局の長に委任することができる。

 (経過措置)

第三十三条 この法律に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

   第六章 罰則

第三十四条 次の各号のいずれかに該当するときは、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第十七条の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。

 二 第十九条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 三 第二十九条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 四 第三十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。

第三十五条 第十二条第二項又は第十六条第二項の規定に違反して、主務大臣の認可を受けなかった場合には、当該違反行為をした公庫の取締役又は執行役は、百万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (検討)

2 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の規定の施行の状況及び経済社会情勢の変化を勘案し、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

(総務・財務・経済産業・内閣総理大臣署名) 

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