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法律第三十三号(平一二・三・三一)

  ◎港湾法の一部を改正する法律

 港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「資するため」の下に「、環境の保全に配慮しつつ」を加える。

 第二条第二項中「「重要港湾」とは」の下に「、国際海上輸送網又は国内海上輸送網の拠点となる港湾その他の」を、「いい」の下に「、「特定重要港湾」とは、重要港湾のうち国際海上輸送網の拠点として特に重要な港湾で政令で定めるものをいい」を加え、同条第五項第二号中「外かく施設」を「外郭施設」に改め、同項第三号中「けい留施設」を「係留施設」に、「けい船浮標、けい船くい」を「係船浮標、係船くい」に改める。

 第三条の二第二項に次の二号を加える。

 四 港湾の開発、利用及び保全並びに開発保全航路の開発に際し配慮すべき環境の保全に関する基本的な事項

 五 経済的、自然的又は社会的な観点からみて密接な関係を有する港湾相互間の連携の確保に関する基本的な事項

 第四条第二項中「外かく施設」を「外郭施設」に改める。

 第十二条第一項第五号中「けい留施設」を「係留施設」に、「けい留場所」を「係留場所」に改める。

 第三十七条第一項第三号中「外かく施設、けい留施設」を「外郭施設、係留施設」に改める。

 第三十七条の二の次に次の一条を加える。

 (禁止行為)

第三十七条の三 何人も、港湾区域(港湾施設の利用、配置その他の状況により、港湾の開発、利用又は保全上特に必要があると認めて港湾管理者が指定した区域に限る。)内において、みだりに、船舶その他の物件で港湾管理者が指定したものを捨て、又は放置してはならない。

2 港湾管理者は、前項の規定による区域又は物件の指定をするときは、運輸省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。これを廃止するときも、同様とする。

3 前項の指定又はその廃止は、同項の公示によつてその効力を生ずる。

 第四十条第三項中「五万円」を「三十万円」に改める。

 第四十二条第一項中「外かく施設又はけい留施設」を「外郭施設又は係留施設(これらの施設のうち運輸省令で定める小規模なものを除く。)」に改め、同条中第二項を削り、第三項を第二項とし、同条第四項中「前三項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第五項中「又は第二項」を削り、同項を同条第四項とする。

 第四十三条中「第三号」を「第四号」に改め、第四号を第五号とし、第一号から第三号までを一号ずつ繰り下げ、同条に第一号として次の一号を加える。

 一 重要港湾における水域施設、外郭施設又は係留施設のうち、前条第一項の運輸省令で定める小規模なものの建設又は改良の港湾工事については十分の四以内

 第四十三条の八第一項中「土石等の物件」を「土石その他の物件で運輸省令で定めるもの」に改める。

 第四十四条第二項中「外かく施設」を「外郭施設」に改める。

 第五十二条第二項を削り、同条第三項中「第一項」を「前項」に改め、第一号及び第二号を次のように改める。

 一 特定重要港湾における水域施設、外郭施設若しくは係留施設(これらの施設のうち、国際海上輸送網の拠点として機能するために必要な施設であつて運輸省令で定めるものに限る。)又は臨港交通施設(第六号に掲げる施設を除く。) 三分の一

 二 重要港湾における水域施設、外郭施設、係留施設又は臨港交通施設(前号及び第六号に掲げる施設を除く。) 十分の四・五

 第五十二条第三項に次の二号を加える。

 五 避難港における水域施設又は外郭施設(次号に掲げる施設を除く。) 三分の一

 六 水域施設、外郭施設、係留施設又は臨港交通施設(前項第四号に掲げる港湾工事に係るものに限る。) 十分の五

 第五十二条第三項を同条第二項とし、同条に次の一項を加える。

3 地方財政法第十七条の二第一項及び第十九条第二項の規定は、港務局について前項の場合に準用する。

 この場合において、「地方公共団体」とあるのは、「港務局」と読み替えるものとする。

 第五十五条の六を削り、第五十五条の五の二を第五十五条の六とする。

 第五十六条第一項中「外かく施設」を「外郭施設」に、「けい留施設」を「係留施設」に改める。

 第五十六条の二を第五十六条の二の二とし、第五十六条の次に次の一条を加える。

第五十六条の二 何人も、前条第一項の規定により公告されている水域(港湾の施設の利用、配置その他の状況により、港湾の利用又は保全上特に必要があると認めて都道府県知事が指定した区域(開発保全航路の区域を除く。)に限る。)内において、みだりに、船舶その他の物件で都道府県知事が指定したものを捨て、又は放置してはならない。

2 第三十七条の三第二項及び第三項の規定は、前項の規定により都道府県知事が区域又は物件を指定し、又は廃止する場合に準用する。

 第五十六条の四第一項中「工作物の」を「工作物若しくは船舶その他の物件(以下「工作物等」という。)の」に、「工作物により」を「工作物等により」に、「附する」を「付する」に改め、同項第一号ロ中「第五十六条第一項」の下に「又は第五十六条の二第一項」を加え、同号ハ中「第三十七条第一項」の下に「又は第三十七条の三第一項」を加え、同項第二号中「前号に掲げる規定(第四十三条の八第一項を除く。)」を「第三十七条第一項、第四十三条の八第二項又は第五十六条第一項の規定」に、「附した」を「付した」に改め、同項第三号中「第一号に掲げる規定(第四十三条の八第一項を除く。)」を「第三十七条第一項、第四十三条の八第二項又は第五十六条第一項の規定」に改め、同条第二項中「、その者の負担において」を削り、「行ない」を「行い」に、「行なわせる」を「行わせる」に、「行なう」を「行う」に、「行なわない」を「行わない」に改め、同条に次の七項を加える。

3 運輸大臣、都道府県知事又は港湾管理者は、前項の規定により工作物等を撤去し、又は撤去させたときは、当該工作物等を保管しなければならない。

4 運輸大臣、都道府県知事又は港湾管理者は、前項の規定により工作物等を保管したときは、当該工作物等の所有者、占有者その他当該工作物等について権原を有する者(以下「所有者等」という。)に対し当該工作物等を返還するため、運輸省令で定めるところにより、運輸省令で定める事項を公示しなければならない。

5 運輸大臣、都道府県知事又は港湾管理者は、第三項の規定により保管した工作物等が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又は前項の規定による公示の日から起算して三月を経過してもなお当該工作物等を返還することができない場合において、運輸省令で定めるところにより評価した当該工作物等の価額に比し、その保管に不相当な費用若しくは手数を要するときは、運輸省令で定めるところにより、当該工作物等を売却し、その売却した代金を保管することができる。

6 運輸大臣、都道府県知事又は港湾管理者は、前項の規定による工作物等の売却につき買受人がない場合において,同項に規定する価額が著しく低いときは、当該工作物等を廃棄することができる。

7 第五項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。

8 第二項から第五項までに規定する撤去、保管、売却、公示その他の措置に要した費用は、当該工作物等の返還を受けるべき所有者等その他第二項に規定する当該措置を命ずべき者の負担とする。

9 第四項の規定による公示の日から起算して六月を経過してもなお第三項の規定により保管した工作物等(第五項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該工作物等の所有権は、運輸大臣が保管する工作物等にあつては国、都道府県知事が保管する工作物等にあつては当該都道府県知事が統括する都道府県、港湾管理者が保管する工作物等にあつては当該港湾管理者に帰属する。

 第五十六条の六第一項中「又は同条第四項」を「、同条第四項」に改め、「係る処分」の下に「又は第五十六条の四第八項の規定に基づく処分(運輸大臣に係るものに限る。)」を加える。

 第六十一条第一項中「十万円」を「五十万円」に改め、同項第二号中「第四十三条の八第一項」を「第三十七条の三第一項、第四十三条の八第一項又は第五十六条の二第一項」に改め、同条第二項中「十万円」を「五十万円」に改め、同条第三項中「五万円」を「三十万円」に改める。

 第六十三条中「三万円」を「十万円」に改める。

 附則第十五項中「第三項」を「第二項」に改める。

 附則第二十項中「第四十二条第四項」を「第四十二条第三項」に改める。

 附則第二十一項中「第三項」を「第二項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 第三十七条の二の次に一条を加える改正規定、第四十条及び第四十三条の八の改正規定、第五十六条の二を第五十六条の二の二とし、第五十六条の次に一条を加える改正規定並びに第五十六条の四、第五十六条の六、第六十一条及び第六十三条の改正規定 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日

 二 第三条の二の改正規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日

 (経過措置)

第二条 この法律による改正後の港湾法(以下「新港湾法」という。)第四十二条、第四十三条及び第五十二条の規定並びに特定港湾施設整備特別措置法(昭和三十四年法律第六十七号)第四条の規定は、平成十二年度以降の年度の予算に係る国の負担(当該国の負担に係る港湾管理者の負担を含む。以下同じ。)又は補助(平成十一年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成十二年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)について適用し、平成十一年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成十二年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助及び平成十一年度以前の年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成十二年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。

第三条 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成十一年法律第八十七号)附則第百十二条第四項の規定によりなお従前の例によることとされた港湾工事については、新港湾法第五十二条第一項第四号に掲げる港湾工事とみなして、同条第二項の規定を適用する。

第四条 附則第一条第一号に掲げる改正規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部改正)

第五条 北海道開発のためにする港湾工事に関する法律(昭和二十六年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項中「第四十二条第四項及び第五項」を「第四十二条第三項及び第四項」に改める。

  第三条第二項中「第四十二条第五項」を「第四十二条第四項」に改める。

  附則第十項中「第四十二条第四項」を「第四十二条第三項」に改める。

 (道路法の一部改正)

第六条 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)の一部を次のように改正する。

  第五条第一項第四号中「第四十二条第二項」を「第二条第二項」に改める。

 (離島振興法の一部改正)

第七条 離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)の一部を次のように改正する。

  第九条第一項中「第四十二条第一項から第三項まで(同法第五十二条第二項において準用する場合を含む。)、同法第四十三条第一号及び第二号、同法第五十二条第三項第二号」を「第四十二条第一項及び第二項、同法第四十三条第一号から第三号まで、同法第五十二条第二項第一号、第二号、第五号及び第六号」に改める。

  別表(一)中「第四十二条第一項から第三項まで(同法第五十二条第二項において準用する場合を含む。)、第四十三条第一号及び第二号並びに第五十二条第三項第二号」を「第四十二条第一項及び第二項、第四十三条第一号から第三号まで並びに第五十二条第二項第一号、第二号、第五号及び第六号」に改める。

 (特定港湾施設整備特別措置法の一部改正)

第八条 特定港湾施設整備特別措置法の一部を次のように改正する。

  第四条第一項中「ととのつた」を「調つた」に、「第五十二条第二項において準用する同法第四十二条第一項」を「第五十二条第二項」に改め、第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号中「北海道」の下に「及び沖縄県」を、「工事」の下に「(前号に掲げる工事を除く。)」を加え、「十分の六」を「十分の五・六」に改め、同号を同項第二号とし、同項に第一号として次の一号を加える。

  一 特定重要港湾(北海道及び沖縄県の特定重要港湾を除く。)において施行する工事(港湾法第五十二条第二項第一号に規定する施設に係る工事に限る。) 十五分の七

  第四条第二項を削る。

 (港湾整備特別会計法の一部改正)

第九条 港湾整備特別会計法(昭和三十六年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第二号中「において準用する同法第四十二条第一項から第三項まで、同法第五十二条第三項」を削る。

  第五条第一項第二号中「において準用する同法第四十二条第一項から第三項まで、同法第五十二条第三項」を削り、「第五十五条の五の二」を「第五十五条の六」に改める。

 (地震防災対策特別措置法の一部改正)

第十条 地震防災対策特別措置法(平成七年法律第百十一号)の一部を次のように改正する。

  第三条第一項第五号中「外かく施設」を「外郭施設」に、「けい留施設」を「係留施設」に改める。

(内閣総理・大蔵・運輸・建設大臣署名) 

 

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