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法律第七十二号(平一二・五・一九)

  ◎港湾労働法の一部を改正する法律

 港湾労働法(昭和六十三年法律第四十号)の一部を次のように改正する。

 目次中

第四章 港湾労働者雇用安定センター(第十二条―第二十五条)

 

 

第五章 雑則(第二十六条―第二十八条)

 

 

第六章 罰則(第二十九条―第三十二条)

第四章 港湾労働者派遣事業(第十二条―第二十七条)

 

 

第五章 港湾労働者雇用安定センター(第二十八条―第四十二条)

 

 

第六章 雑則(第四十三条―第四十七条)

 

 

第七章 罰則(第四十八条―第五十二条)

に改める。

 第二条に次の一号を加える。

 五 港湾労働者派遣事業 事業主が港湾運送の業務について行う特定労働者派遣事業(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第二条第五号に規定する特定労働者派遣事業をいう。)をいう。

 第三条第二項に次の一号を加える。

 四 港湾労働者派遣事業の適正な運営を確保するための方策に関する事項

 第三十二条中「前三条」を「、第四十八条から前条まで」に改め、同条を第五十二条とする。

 第三十一条中「十万円」を「三十万円」に改め、同条第一号中「(第十六条第三項において準用する場合を含む。)」を削り、同条第二号中「第二十二条第一項」を「第三十八条第一項」に改め、同号を同条第四号とし、同条第一号の次に次の二号を加える。

 二 第十二条第二項(第十七条第五項及び第十八条第二項において準用する場合を含む。)に規定する申請書又は第十二条第三項(第十七条第五項及び第十八条第二項において準用する場合を含む。)に規定する書類に虚偽の記載をして提出した者

 三 第十八条第三項、第十九条第一項又は第二十条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 第三十一条に次の二号を加える。

 五 第四十五条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 六 第四十五条第二項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

 第三十一条を第五十一条とする。

 第三十条中「第二十三条」を「第三十九条」に、「二十万円」を「五十万円」に改め、同条を第五十条とする。

 第二十九条中「第十条第一項の規定に違反した者」を「次の各号のいずれかに該当する者」に、「十万円」を「三十万円」に改め、同条に次の各号を加える。

 一 第十条第一項又は第四十四条第二項の規定に違反した者

 二 第十八条第一項の規定に違反して第十二条第二項第四号に掲げる事項を変更した者

 三 偽りその他不正の行為により第十八条第一項の許可を受けた者

 第二十九条を第四十九条とし、第六章中同条の前に次の一条を加える。

第四十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 一 偽りその他不正の行為により第十二条第一項の許可又は第十七条第二項の規定による許可の有効期間の更新を受けた者

 二 第二十一条第二項の規定による命令に違反した者

 三 第二十二条の規定に違反した者

 第六章を第七章とする。

 第五章中第二十八条を第四十七条とする。

 第二十七条中「又は第二号ロ」を「若しくは第二号ロ又は第十三条第一号」に改め、同条を第四十六条とする。

 第二十六条の見出し中「労働者派遣」を「港湾労働者派遣事業」に改め、同条中「第十二条第一項」を「第二十八条第一項」に、「港湾労働者雇用安定センターに対し、労働者の派遣を求めなければならない」を「港湾労働者派遣事業に係る労働者派遣の役務の提供を受けなければならない」に改め、同条に次のただし書を加える。

  ただし、当該港湾において港湾労働者派遣事業を営んでいるすべての港湾派遣元事業主に対し労働者の派遣を求め、又は港湾労働者雇用安定センターに対し労働者派遣契約の締結についてのあつせんを求めたにもかかわらず当該港湾労働者派遣事業に係る労働者派遣の役務の提供を受けられない場合は、この限りでない。

 第二十六条を第四十三条とし、同条の次に次の二条を加える。

 (公共職業安定所長に対する申告)

第四十四条 港湾労働者は、事業主が第三章(これに基づく命令を含む。)又は前条の規定に違反する事実がある場合においては、その事実を公共職業安定所長に申告することができる。

2 事業主は、前項の申告をしたことを理由として、港湾労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

 (報告及び検査)

第四十五条 公共職業安定所長は、第七条の規定を施行するために必要な限度において、労働省令で定めるところにより、事業主に対し、必要な事項を報告させることができる。

2 公共職業安定所長は、第七条の規定を施行するために必要な限度において、所属の職員に、事業主の事業所その他の施設に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

3 第三十八条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

 第五章を第六章とする。

 第二十五条を第四十一条とし、第四章中同条の次に次の一条を加える。

 (労働大臣による雇用福祉事業関係業務の実施)

第四十二条 労働大臣は、第四十条第一項の規定により、指定を取り消し、若しくは雇用福祉事業関係業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は港湾労働者雇用安定センターが雇用福祉事業関係業務を行うことが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該雇用福祉事業関係業務を自ら行うものとする。

2 労働大臣は、前項の規定により雇用福祉事業関係業務を行うものとし、又は同項の規定により行つている雇用福祉事業関係業務を行わないものとするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。

3 労働大臣が、第一項の規定により雇用福祉事業関係業務を行うものとし、又は同項の規定により行つている雇用福祉事業関係業務を行わないものとする場合における当該雇用福祉事業関係業務の引継ぎその他の必要な事項は、労働省令で定める。

 第二十四条第一項各号列記以外の部分中「第十二条第一項」を「第二十八条第一項」に、「第十四条」を「第三十条」に改め、同項第一号中「第十四条」を「第三十条」に改め、同項第四号中「第十三条第一項」を「第二十九条第一項」に改め、同項第五号中「第十七条第一項」を「第三十二条第一項」に、「労働者派遣規程」を「業務規程」に、「労働者派遣業務」を「事業主支援業務又は雇用福祉事業関係業務」に改め、同条第二項中「第十四条」を「第三十条」に改め、同条を第四十条とする。

 第二十三条中「第十四条」を「第三十条」に改め、同条を第三十九条とする。

 第二十二条第一項中「第十四条」を「第三十条」に改め、同条を第三十八条とする。

 第二十一条第二項中「第十七条第一項」を「第三十二条第一項」に、「労働者派遣規程」を「業務規程」に、「第十四条」を「第三十条」に、「第十二条第二項第三号」を「第二十八条第二項第三号」に改め、同条を第三十七条とする。

 第二十条を削る。

 第十九条第三項を削り、同条第四項中「提出しなければならない」を「提出し、その承認を受けなければならない」に改め、同項を同条第三項とする。

 第十九条を第三十四条とし、同条の次に次の二条を加える。

 (交付金)

第三十五条 国は、予算の範囲内において、港湾労働者雇用安定センターに対し、雇用福祉事業関係業務に要する費用の全部又は一部に相当する金額を交付することができる。

 (労働省令への委任)

第三十六条 この章に定めるもののほか、港湾労働者雇用安定センターが雇用福祉事業関係業務を行う場合における港湾労働者雇用安定センターの財務及び会計に関し必要な事項は、労働省令で定める。

 第十八条中「労働者派遣業務に係る経理と」を「事業主支援業務に係る経理、雇用福祉事業関係業務に係る経理及び」に、「経理とを」を「経理をそれぞれ」に改め、同条を第三十三条とする。

 第十七条の見出しを「(業務規程の認可)」に改め、同条第一項中「労働者派遣業務に関する規程」を「第三十条第三号若しくは第四号に掲げる業務(以下「事業主支援業務」という。)又は雇用福祉事業関係業務を行うときは、これらの業務の開始前に、これらの業務の実施に関する規程」に、「この章において「労働者派遣規程」を「「業務規程」に改め、同条第二項中「労働者派遣規程には、労働者派遣業務の実施方法、労働者派遣に関する料金」を「業務規程には、事業主支援業務及び雇用福祉事業関係業務の実施方法」に改め、同項後段を削り、同条第三項中「労働者派遣規程」を「業務規程」に、「労働者派遣業務」を「事業主支援業務又は雇用福祉事業関係業務」に改め、同条を第三十二条とする。

 第十五条及び第十六条を削る。

 第十四条中「第十二条第一項」を「第二十八条第一項」に改め、第一号を削り、第二号を第一号とし、同号の次に次の一号を加える。

 二 港湾労働者に対する訓練を行うこと。

 第十四条第三号から第五号までを次のように改める。

 三 港湾労働者派遣事業その他の港湾運送に必要な労働力の需給の調整に関する措置に係る情報の収集、整理及び提供を行うこと。

 四 港湾労働者派遣事業に係る労働者派遣契約の締結についてのあつせんを行うこと。

 五 次条第一項に規定する業務を行うこと。

 第十四条を第三十条とし、同条の次に次の一条を加える。

 (港湾労働者雇用安定センターによる雇用福祉事業関係業務の実施)

第三十一条 労働大臣は、港湾労働者雇用安定センターを指定したときは、港湾労働者雇用安定センターに雇用保険法第六十四条の雇用福祉事業のうち次の各号のいずれかに該当するものに係る業務の全部又は一部を行わせるものとする。

 一 港湾労働者派遣事業の派遣労働者の福祉の増進に関する調査研究を行うこと。

 二 港湾労働者派遣事業の派遣労働者の福祉の増進を図るための措置について、事業主その他の関係者に対して相談その他の援助を行うこと。

 三 港湾労働者派遣事業の派遣労働者に対して、港湾労働者派遣事業に係る派遣就業について相談その他の援助を行うこと。

 四 雇用管理者及び読替え後の労働者派遣法第三十六条の規定により選任された派遣元責任者(港湾派遣元事業主が選任したものに限る。)に対する研修を行うこと。

 五 前各号に掲げるもののほか、港湾労働者派遣事業の派遣労働者の福祉の増進を図るために必要な事業を行うこと。

2 港湾労働者雇用安定センターは、前項に規定する業務(以下「雇用福祉事業関係業務」という。)の全部又は一部を開始する際、当該業務の種類ごとに、当該業務を開始する日及び当該業務を行う事務所の所在地を労働大臣に届け出なければならない。港湾労働者雇用安定センターが当該業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときも、同様とする。

3 労働大臣は、第一項の規定により港湾労働者雇用安定センターに行わせる雇用福祉事業関係業務の種類及び前項の規定による届出に係る事項を公示しなければならない。

 第十三条を第二十九条とする。

 第十二条第一項中「第十四条」を「第三十条」に改め、同条第二項第二号中「第二十四条第一項」を「第四十条第一項」に改め、同項第三号イ中「若しくは労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下この章において「労働者派遣法」という。)」を削り、同条を第二十八条とする。

 第四章を第五章とし、第三章の次に次の一章を加える。

   第四章 港湾労働者派遣事業

 (港湾労働者派遣事業の許可)

第十二条 港湾労働者派遣事業を行おうとする事業主は、事業所ごとに、労働大臣の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けようとする事業主は、次に掲げる事項を記載した申請書を労働大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 二 法人にあつては、その役員の氏名及び住所

 三 当該港湾労働者派遣事業の事業所の名称及び所在地

 四 港湾ごとの派遣事業対象業務(労働者派遣(労働者派遣法第二条第一号に規定する労働者派遣をいう。以下同じ。)により当該港湾労働者派遣事業の派遣労働者(同条第二号に規定する派遣労働者をいう。以下同じ。)に従事させる港湾運送の業務をいう。以下同じ。)の種類

 五 港湾ごとの当該事業主が営んでいる港湾運送事業(港湾運送の業務を行う事業をいう。以下同じ。)の種類

 六 第二十三条の規定により読み替えて適用する労働者派遣法(以下「読替え後の労働者派遣法」という。)第三十六条の規定により選任する派遣元責任者の氏名及び住所

3 前項の申請書には、当該港湾労働者派遣事業の事業計画書その他労働省令で定める書類を添付しなければならない。

4 前項の事業計画書には、労働省令で定めるところにより、当該港湾労働者派遣事業に係る派遣労働者の数、労働者派遣に関する料金の額、派遣就業(労働者派遣法第二十六条第一項第二号に規定する派遣就業をいう。以下同じ。)の日数その他労働者派遣に関する事項を記載しなければならない。

5 労働大臣は、第一項の許可をしようとするときは、あらかじめ、中央職業安定審議会の意見を聴かなければならない。

 (許可の欠格事由)

第十三条 次の各号のいずれかに該当する事業主は、前条第一項の許可を受けることができない。

 一 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律若しくは読替え後の労働者派遣法の規定その他労働に関する法律の規定(次号に規定する規定を除く。)であつて政令で定めるもの、港湾運送事業法の規定若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第四十八条の規定を除く。)により、若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者

 二 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第八十七条若しくは第九十一条、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第六十八条若しくは第七十条、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第五十一条前段若しくは第五十四条第一項(同法第五十一条前段に係る部分に限る。)、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第百二条第一項、第百四条(同法第百二条第一項に係る部分に限る。)、第百八十二条第一項若しくは第二項若しくは第百八十四条(同法第百八十二条第一項若しくは第二項に係る部分に限る。)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)第四十六条前段若しくは第四十八条第一項(同法第四十六条前段に係る部分に限る。)又は雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第八十三条若しくは第八十六条(同法第八十三条に係る部分に限る。)の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者

 三 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

 四 第二十一条第一項(第一号を除く。)の規定により港湾労働者派遣事業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者

 五 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者であつて、その法定代理人が前各号のいずれかに該当するもの

 六 法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

 (許可の基準等)

第十四条 労働大臣は、第十二条第一項の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。

 一 申請者が、当該港湾労働者派遣事業に係る派遣事業対象業務と同一の種類の港湾運送の業務を行う港湾運送事業を営んでいるものとして労働省令で定めるものに該当すること。

 二 当該港湾労働者派遣事業の計画の内容が、次のいずれにも該当すること。

  イ 当該港湾労働者派遣事業に係る労働者派遣に関する料金の額が、派遣労働者の賃金その他の港湾労働者派遣事業に要する経費の水準等を勘案して港湾ごとに労働大臣が定める基準に適合していること。

  ロ 当該港湾労働者派遣事業の派遣労働者が派遣就業をする日数が、港湾労働者の雇用の安定その他の港湾労働者の福祉の増進を図る観点から、港湾労働者が港湾運送の業務に従事する日数(港湾労働者派遣事業の派遣労働者として派遣就業をする日数を除く。)を勘案して港湾ごとに労働大臣が定める日数を超えないこと。

 三 申請者が、当該港湾労働者派遣事業の派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものであること。

 四 個人情報(個人に関する情報であつて、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。)を適正に管理し、及び派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること。

 五 前三号に掲げるもののほか、申請者が、当該港湾労働者派遣事業を的確に遂行するに足りる能力を有するものであること。

2 労働大臣は、第十二条第一項の許可をしないときは、遅滞なく、理由を示してその旨を当該申請者に通知しなければならない。

 (許可証)

第十五条 労働大臣は、第十二条第一項の許可をしたときは、労働省令で定めるところにより、許可証を交付しなければならない。

2 許可証の交付を受けた事業主は、当該許可証を、当該事業所に備え付けるとともに、関係者から請求があつたときは提示しなければならない。

3 許可証の交付を受けた事業主は、当該許可証を亡失し、又は当該許可証が滅失したときは、速やかにその旨を労働大臣に届け出て、許可証の再交付を受けなければならない。

 (許可の条件)

第十六条 第十二条第一項の許可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。

2 前項の条件は、当該許可の趣旨に照らして、又は当該許可に係る事項の確実な実施を図るために必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可を受ける事業主に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。

 (許可の有効期間等)

第十七条 第十二条第一項の許可の有効期間は、当該許可の日から起算して三年とする。

2 前項に規定する許可の有効期間(当該許可の有効期間についてこの項の規定により更新を受けたときにあつては、当該更新を受けた許可の有効期間)の満了後引き続き当該許可に係る港湾労働者派遣事業を行おうとする事業主は、労働省令で定めるところにより、許可の有効期間の更新を受けなければならない。

3 労働大臣は、前項に規定する許可の有効期間の更新の申請があつた場合において、当該申請が第十四条第一項各号に掲げる基準に適合していないと認めるときは、当該許可の有効期間の更新をしてはならない。

4 第二項の規定によりその更新を受けた場合における第十二条第一項の許可の有効期間は、当該更新前の許可の有効期間が満了する日の翌日から起算して五年とする。

5 第十二条第二項から第四項まで、第十三条(第四号を除く。)及び第十四条第二項の規定は、第二項に規定する許可の有効期間の更新について準用する。

 (派遣事業対象業務の種類の変更等)

第十八条 第十二条第一項の許可を受けた事業主(以下「港湾派遣元事業主」という。)は、同条第二項第四号に掲げる事項を変更しようとするときは、労働省令で定めるところにより、労働大臣の許可を受けなければならない。ただし、その変更が港湾派遣元事業主(港湾ごとの派遣事業対象業務の種類で二以上のものについて同条第一項の許可を受けているものに限る。)の当該種類のうち一部のものに係る港湾労働者派遣事業の廃止に伴う変更のみであるときは、この限りでない。

2 第十二条第二項から第四項まで、第十三条(第四号を除く。)及び第十四条の規定は、前項の許可について準用する。

3 港湾派遣元事業主は、第一項ただし書に規定する場合においてその変更をしたときは、遅滞なく、その旨を労働大臣に届け出なければならない。

4 港湾派遣元事業主は、前項の規定による届出をする場合において、当該届出に係る事項が許可証の記載事項に該当するときは、労働省令で定めるところにより、その書換えを受けなければならない。

 (氏名等の変更等)

第十九条 港湾派遣元事業主は、第十二条第二項各号(第四号を除く。)に掲げる事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を労働大臣に届け出なければならない。ただし、港湾派遣元事業主で同条第一項の許可を二以上の事業所について受けているものが、当該許可に係る一の事業所に関して同条第二項第一号又は第二号に掲げる事項の変更を届け出たときは、当該事業所以外の事業所に係る当該事項の変更に関しては、この限りでない。

2 前条第四項の規定は、前項の規定による届出について準用する。

 (事業の廃止)

第二十条 港湾派遣元事業主は、当該港湾労働者派遣事業を廃止したときは、遅滞なく、労働省令で定めるところにより、その旨を労働大臣に届け出なければならない。

2 前項の規定による届出があつたときは、第十二条第一項の許可は、その効力を失う。

 (許可の取消し等)

第二十一条 労働大臣は、港湾派遣元事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、第十二条第一項の許可を取り消すことができる。

 一 第十三条各号(第四号を除く。)のいずれかに該当しているとき。

 二 第十四条第一項第一号又は第二号に掲げる基準に適合しなくなつたと認めるとき。

 三 この法律、読替え後の労働者派遣法(第三章第四節の規定を除く。)若しくは職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。

 四 第十六条第一項の規定により付された許可の条件に違反したとき。

2 労働大臣は、港湾派遣元事業主が前項第二号から第四号までのいずれかに該当するときは、期間を定めて当該港湾労働者派遣事業の全部又は一部の停止を命ずることができる。

 (名義貸しの禁止)

第二十二条 港湾派遣元事業主は、自己の名義をもつて、他人に港湾労働者派遣事業を行わせてはならない。

 (労働者派遣法の特例)

第二十三条 港湾派遣元事業主が行う港湾労働者派遣事業に関しては、労働者派遣法第四条第一項第一号(同号に規定する港湾運送の業務に係る部分に限る。)、第二章第二節、第二十三条第三項、第二十六条第三項、第四十八条第二項及び第五十四条の規定は適用しないものとし、労働者派遣法の他の規定の適用については港湾派遣元事業主を労働者派遣法第二十三条第一項に規定する派遣元事業主とみなす。この場合において、次の表の上欄に掲げる労働者派遣法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。

第四条第三項

第一項各号

第一項第一号(同号に規定する港湾運送の業務に係る部分を除く。)、第二号又は第三号

第二十五条

この法律

この法律(第四条第一項第一号(同号に規定する港湾運送の業務に係る部分に限る。)、前節、第二十三条第三項、次条第三項、第四十八条第二項及び第五十四条の規定(以下「業務の範囲等に関する規定」という。)を除く。)

第二十六条第一項第一号

業務の内容

港湾労働法第二条第二号に規定する港湾運送の業務の種類及び内容

第二十六条第四項

第五条第一項の許可を受け、又は第十六条第一項の規定により届出書を提出している旨

港湾労働法第十二条第一項の許可を受けている旨

第二十八条、第三十一条、第四十九条第一項及び第五十五条から第五十七条まで

この法律

この法律(業務の範囲等に関する規定を除く。)

第三十六条

第六条第一号から第四号まで

港湾労働法第十三条第一号から第四号まで

第三十六条第五号

当該派遣先

当該派遣先及び港湾労働法第二十八条第三項に規定する港湾労働者雇用安定センター(第四十一条第四号において「港湾労働者雇用安定センター」という。)

第四十一条第一号イ

この法律

この法律(業務の範囲等に関する規定を除く。)、港湾労働法(第四章(第二十三条を除く。)の規定に限る。)

第四十一条第四号

当該派遣元事業主

当該派遣元事業主及び港湾労働者雇用安定センター

第四十八条第一項

この法律(前章第四節の規定を除く。第四十九条の三第一項、第五十条及び第五十一条第一項において同じ。)

この法律(業務の範囲等に関する規定及び前章第四節の規定を除く。)又は港湾労働法(第四章(第二十三条を除く。)の規定に限る。)

第四十九条の三第一項

この法律又はこれに基づく命令の規定

この法律(業務の範囲等に関する規定及び前章第四節の規定を除く。)若しくは港湾労働法(第四章(第二十三条を除く。)の規定に限る。)又はこれらに基づく命令の規定

第五十条及び第五十一条第一項

この法律

この法律(業務の範囲等に関する規定及び前章第四節の規定を除く。)又は港湾労働法(第四章(第二十三条を除く。)の規定に限る。)

 (労働者派遣契約の内容等の特例)

第二十四条 港湾派遣元事業主は、読替え後の労働者派遣法第二十六条第一項の規定により定めるべき事項のうち同項第一号に規定する港湾運送の業務の種類については、港湾(当該港湾派遣元事業主が締結する同項に規定する労働者派遣契約(以下単に「労働者派遣契約」という。)に基づき派遣就業が行われることとなる港湾をいう。)において自己が営んでいる港湾運送事業に係る港湾運送の業務と異なる種類の港湾運送の業務の定めをしてはならない。

2 港湾派遣元事業主は、読替え後の労働者派遣法第二十六条第一項の規定により定めるべき事項のうち同項第二号に規定する派遣就業の場所については、自己が港湾運送事業(当該港湾派遣元事業主が締結する労働者派遣契約に基づき派遣労働者が従事することとなる港湾運送の業務と同一の種類の港湾運送の業務を行う港湾運送事業をいう。)を営んでいる港湾以外の港湾の定めをしてはならない。

 (港湾労働者派遣事業に係る労働者派遣の実施方法)

第二十五条 港湾派遣元事業主は、読替え後の労働者派遣法第二十六条第一項第一号に規定する港湾運送の業務の種類と労働者派遣の対象としようとする労働者が派遣就業をしないときに主として従事している港湾運送の業務(第三項において「主たる業務」という。)の種類が異なるときは、当該労働者を派遣労働者とする労働者派遣を行つてはならない。

2 前項の場合において、労働者派遣の対象としようとする労働者が派遣就業をしないときにその港湾運送の業務に主として従事しているかどうかの基準は、労働大臣が定める。

3 港湾派遣元事業主は、読替え後の労働者派遣法第二十六条第一項第二号に規定する派遣就業の場所が労働者派遣の対象としようとする労働者の主たる業務が行われている港湾の区域内にないときは、当該労働者を派遣労働者とする労働者派遣を行つてはならない。

4 港湾派遣元事業主が行う港湾労働者派遣事業に係る労働者派遣は、第九条第二項の規定により港湾労働者証の交付を受けた労働者であつて、港湾運送の業務に労働大臣が定める期間以上従事した経験を有するもの又は港湾運送の業務に関する専門的な知識若しくは技能に関し労働大臣が定める資格を有するものを派遣することにより行わなければならない。

 (権限の委任)

第二十六条 この章(第二十三条を除く。)の規定に定める労働大臣の権限は、労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。

2 前項の規定により都道府県労働局長に委任された権限は、労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に委任することができる。

 (船員に対する適用除外)

第二十七条 この章の規定は、船員職業安定法第六条第一項に規定する船員については、適用しない。

 附則第十条中「(昭和四十九年法律第百十六号)」を削る。

 附則中第十三条から第十五条までを削り、第十六条を第十三条とし、第十七条を第十四条とする。

 附則中第十八条から第二十四条までを削り、第二十五条を第十五条とし、第二十六条を第十六条とする。

 附則第二十七条を削る。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (港湾労働者雇用安定センターに関する経過措置)

第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の港湾労働法(以下「旧法」という。)第十二条第一項の規定による指定を受けている者(以下「旧港湾労働者雇用安定センター」という。)は、この法律による改正後の港湾労働法(以下「新法」という。)第二十八条第一項の指定を受けた者とみなす。

2 この法律の施行の日前に旧法第十二条第三項又は第五項の規定によりされた公示で、この法律の施行の際現に効力を有するものは、新法第二十八条第三項又は第五項の規定によりされた公示とみなす。

3 この法律の施行前に、旧法又はこれに基づく命令により旧港湾労働者雇用安定センターに対して行い、又は旧港湾労働者雇用安定センターが行った処分、手続その他の行為は、新法又はこれに基づく命令中の相当する規定によって、新法第二十八条第三項に規定する港湾労働者雇用安定センター(以下「新港湾労働者雇用安定センター」という。)に対して行い、又は新港湾労働者雇用安定センターが行った処分、手続その他の行為とみなす。

4 この法律の施行の際現に旧港湾労働者雇用安定センターの役員である者がこの法律の施行の日前にした旧法第二十一条第二項に該当する行為は、新法第三十七条第二項に該当する行為とみなして、同項の規定を適用する。

 (罰則に関する経過措置)

第三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (検討)

第四条 政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (職業安定法の一部改正)

第五条 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。

  第四十七条の二中「労働者派遣法」の下に「及び港湾労働法」を加える。

 (中央省庁等改革関係法施行法の一部改正)

第六条 中央省庁等改革関係法施行法(平成十一年法律第百六十号)の一部を次のように改正する。

  第七百三十三条のうち港湾労働法本則の改正規定中「改める」を「、「中央職業安定審議会の」を「労働政策審議会の」に改める」に改める。

 (労働省設置法の一部改正)

第七条 労働省設置法(昭和二十四年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。

  第五条第五十二号の次に次の一号を加える。

  五十二の二 港湾労働法に基づいて、港湾労働者派遣事業に許可を与えること。

(労働・内閣総理大臣署名) 

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